訪問介護ではグローブ必須!利用者・介護士ともに感染症から守る手段
訪問介護では、グローブ(手袋)の着用が当たり前となっています。
なぜなら、利用者さんも訪問介護員も、お互いを感染症から守れるからです。
なかには「利用者さんに触るのが嫌みたいで失礼では?」という人もいるかもしれません。
今回「みーつけあ」は、訪問介護でグローブが必要なシーンや必要な理由をはじめ、おすすめ使い捨てグローブについてまとめました。
グローブがあるだけで、利用者さんも訪問介護員も安心して関われます。グローブの必要性がわからない人は要チェックです。
1.訪問介護でのグローブ着用は当たり前
訪問介護でのグローブ着用は、当たり前の基本事項として覚えましょう。
「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について」によれば、以下のような記載があります。
訪問介護員等が感染源となることを予防し、また訪問介護員等を感染の危険から守るため、使い捨ての手袋等感染を予防するための備品等を備えるなど対策を講じる必要がある。
「使い捨て手袋等で感染症を予防」については、もちろん新型コロナウィルスの脅威から身を守るためでもあります。
そのほか、以下のような感染症を防ぐためです。
- ノロウイルス感染症(感染性胃腸炎)
- 尿路感染症
- インフルエンザ
一般的に、利用者さんは免疫力が低下しています。感染症対策をして、新型コロナウイルスやその他のウイルスから守らなくてはなりません。
早く対処しなくては、死に至る感染症も多くあるため、グローブは必須です。
2.訪問介護でグローブが必要なシーン6選
訪問介護で、グローブが必要なシーンを6つピックアップしました。
- 排泄介助
- 口腔ケア
- 入浴介助
- 軟膏塗布
- リネン交換
- 清掃
それぞれの業務でグローブを用いると、どのようなメリットが得られるのかを紹介します。
訪問介護でグローブが必要なシーンを覚えて、実戦で役立ててください。
その1.排泄介助
排泄介助では、利用者さんの排泄物に直接触る機会が多くあります。
排泄物を通して感染してしまう危険性を下げるために、グローブをつけることが大切です。
仮に素手で排泄介助をしてしまった場合、排泄物を触った手で利用者さんの衣類の上げ下げをしなくてはならず、不衛生になってしまいます。
グローブをつけることで、排泄物を直接触らずに、排泄介助がスムーズにできるでしょう。
その2.口腔ケア
口内洗浄(口腔ケア)の介助の際にも、口腔内の清潔を保持するためにグローブが必要です。
雑菌のついた手で介助を行うと、口腔内の傷から菌が入って感染症にかかってしまいかねません。
食事を口から摂ることは、生きていくうえで大きな楽しみになっている人も多くいます。
グローブの着用だけで、利用者さんを守れる可能性が高まるのであれば、とても重要な意味があるといえるでしょう。
その3.入浴介助
入浴介助でも、グローブは必須です。
炎症を起こしている部位があった場合、直接触ることで炎症を悪化させてしまう可能性があるためです。
利用者さんの要介護状態によっては、陰部の洗浄といった洗身もあるため、なおさらグローブは必要といえます。
入浴中に排泄がある利用者さんもおられるため、排泄物を直接触らずに介助するためにも必要です。
その4.軟膏塗布
軟膏塗布の際にも、傷口から雑菌を送り込まないようにするためにグローブを装着します。
傷口がない箇所への軟膏塗布であっても、訪問介護員の手に雑菌や細菌がついた状態で介助するのは避けるべきです。
ステロイド剤を使用する場合は、作用が強い薬のため、肌荒れといった皮膚トラブルが発生する可能性があります。
訪問介護員の皮膚、しかも指先に異常が出てしまっては、その後の介護にも支障をきたします。
細菌の感染を防ぐために、軟膏塗布でもグローブは欠かせません。
その5.リネン交換
リネン交換の際にも、できればグローブをしたほうがよいでしょう。
清潔なベッドで寝ていただくことは、訪問介護員であれば徹底しているはずです。
入浴介助や排泄介助をした手でリネン交換をするのは、清潔とはいえません。
気持ちよく睡眠をとっていただくため、そして見た目の清潔感を維持するために、グローブをつけることをおすすめします。
その6.清掃
清掃のときにも、手が汚れて雑菌や細菌が付着する可能性があるため、グローブをつけることをおすすめします。
グローブを使うと手が汚れないという安心感から、素手では触れないような箇所もキレイに掃除できます。
中途半端に掃除するのではなく、グローブをはめて丁寧に掃除しましょう。
3.訪問介護でグローブを着用したほうがよい理由
訪問介護でグローブを着用したほうがよい理由は、感染症を防ぐためです。
利用者さんが感染症を抱えている場合、訪問介護員に移ってしまうと、他の訪問先でも感染の恐れがでてしまいます。
また、適切に着脱できなかった場合には、着用者や周囲の環境を汚染してしまう可能性もあるため、注意しなくてはなりません。
手袋は必ず両手に着用し、脱ぐときには裏返しに脱いで口を結んで捨てるようにしましょう。
手袋を外したあとも、必ず消毒も忘れないようにしてください。
補足:利用者さんの身を守ることにもつながる
グローブをする理由は、訪問介護員を感染症から守るためだけではありません。
訪問介護員から利用者さんに感染させないためでもあります。
訪問介護員が感染した状態でグローブもせずに介助してしまった場合、利用者さんのさまざまな傷口や粘膜などから菌を送り込んでしまう可能性があります。
自分も利用者さんもどちらも感染症から守れるのが、グローブです。
訪問介護でグローブを使用していない人は、次回から着用をおすすめします。
4.訪問介護で使用するグローブは利用者負担?
訪問介護でグローブを使用していない人のなかには、「訪問介護で使用するグローブは利用者負担になるのでは?」と気になっている人もいると思います。
しかし、原則として訪問介護で使用するグローブは、事業所負担です。
- 事業所側が備品を用意する必要がある
- 利用者の希望であれば用意された手袋を使用できる
それぞれのケースに分けて、紹介するので参考にしてください。
内容1.事業所側が備品を用意する必要がある
訪問介護で使用するグローブは、事業所側が備品として用意するケースがほとんどです。
厚生労働省の「『人員・設備及び運営基準』及び『報酬算定基準』等に関するQ&A」では、事業者が感染症の予防に係る対策や備品等の管理を講じるものとしているためです。
そのため、利用者負担は適切とはいえず、事業所負担であることが適切です。
もし、備品としてグローブを用意してくれない事業所には、上記の資料を見せて掛け合ってみましょう。
内容2.利用者の希望であれば用意された手袋を使用できる
場合によっては、利用者さんの嗜好によって、事業者が用意するグローブではなく利用者さんが用意したグローブを使うこともあるかと思います。
利用者負担でグローブを使うのは適切ではありませんが、利用者さん本人の嗜好であれば、用意されたグローブを使用するのは問題ありません。
ただし、利用者さんが用意するグローブの在庫切れを考慮して、事業所側が用意しているグローブを持っていくことがベストです。
もし利用者さんに拒否された場合には、必要な衛生管理をおこなう必要があると説明してください。
5.おすすめの安い使い捨てグローブ3選
訪問介護員におすすめの安くて使いやすい、使い捨てグローブ3選を紹介します。
介護で使用する場合は、グローブを使った後に捨てられる使い捨てがおすすめです。
くわえて、パウダーフリーの製品がよいでしょう。
着脱しやすいようにパウダーが付けられているグローブは滑りやすく、介助の邪魔になる可能性があるためです。
こちらでは、おすすめのグローブとして以下3つを紹介します。
- マツヨシ 使い捨て手袋 プラスチックグローブ
- 日進医療器 リーダー プラスチックグローブ
- マツヨシ 使い捨て手袋 ニトリルグローブ
それでは、それぞれ詳しく確認しましょう。
【660円/100枚】マツヨシ 使い捨て手袋 プラスチックグローブ
出典:Amazon|使い捨て手袋 プラスチックグローブ 粉なし(サイズ:M)100枚入り 病院採用商品 マツヨシ(松吉医科器械)
価格 | 660円 |
枚数 | 100枚 |
色 | ホワイト |
サイズ | S・M・Lサイズ |
パウダー | フリー |
マツヨシの使い捨てグローブです。
100枚で660円とコスパがよく、パウダーフリーのため滑らず使いやすいグローブとなっています。
サイズもS・M・Lと揃っており、どれでも660円で購入可能です。
左右兼用となっており、1枚ずつ取り出しやすい工夫が施されているため、急いでグローブをつけるタイミングでもスムーズに使用できるでしょう。
薄手のグローブのため、手指の感覚が鈍ってしまうこともありません。
【1210円/100枚】日進医療器 リーダー プラスチックグローブ
出典:Amazon|リーダー プラスチックグローブ Mサイズ 100枚入
価格 | 1210円 |
枚数 | 100枚 |
色 | ブルー |
サイズ | S・M・Lサイズ |
パウダー | フリー |
日進医療器のプラスチックグローブです。
表地は抗菌・防臭加工素材を使用しており、手指にピッタリフィットする薄手のグローブである点もポイントといえるでしょう。
左右兼用タイプで使いやすくなっていますが、調理には使用できないため注意が必要です。
サイズはS・M・Lとありますが、Lサイズが980円でコスパもよいです。
ビニール手袋とは異なり破れにくい仕様となっているため、多少雑な動きをしても問題ありません。
【1490円/100枚】マツヨシ 使い捨て手袋 ニトリルグローブ
出典:Amazon|使い捨て手袋 ニトリルグローブ ホワイト 粉なし 100枚入り 病院採用商品 マツヨシ(松吉医科器械) (M, 新パッケージ) (M)
価格 | 1490円 |
枚数 | 100枚 |
色 | ホワイト |
サイズ | S・M・Lサイズ |
パウダー | フリー |
マツヨシのニトリルグローブです。
ニトリルは耐油性、耐静電性に優れる素材のため、介護でも活躍してくれるでしょう。
薄手でパウダーフリー、左右兼用で使用しやすいグローブです。
破れにくく、入浴介助でも水の侵入を防いでほしい場合におすすめできます。
まとめ:訪問介護のグローブは感染症を予防する必須アイテム
今回は、訪問介護のグローブについて、着用の必要性や着用シーン、おすすめの使い捨てグローブを紹介しました。
訪問介護でグローブを装着すれば、自分への感染はもちろん、利用者さんを感染症の危険にさらすこともなくなります。
より安心して介護サービスを提供できるため、訪問介護員のマストアイテムともいえるでしょう。
インターネット通販では、コロナウイルスの影響でグローブの価格が高くなっているものもありますので、紹介したようなコスパのよいものを探してみてください。
事業所で備品として用意されている場合でも、予備として自分で携帯しておくと便利です。
感染症はコロナウイルスだけではありません。
自分も利用者さんもどちらも守り、快適にサービスを提供できるよう意識していきたいですね。