訪問介護でゴキブリが出たときの対処法!業務外なのに駆除するの?
訪問介護でゴキブリが出たとき、どのように対処しているでしょうか。
業務の範囲外だからといって、見なかったことにする人も多いでしょう。しかし、見かけたときに駆除しておいたほうがよい理由があります。
今回「みーつけあ」では、訪問介護でゴキブリが出た場合のケース別対処法をはじめ、なぜ駆除が必要なのか理由もまとめました。
ゴキブリが苦手な人からすれば苦行ではありますが、利用者さんが快適に過ごせるだけでなく、自分にとってもよい影響があります。
業務範囲外にもかかわらず、対処しなくてはならないことに疑問を感じている人も、ぜひ最後まで読んでみてください。
1.訪問介護でゴキブリが出る訪問先は多い?
訪問先で、ゴキブリに遭遇したことがない人もいるかもしれません。
しかし、訪問介護とゴキブリは切っても切り離せないほどに関係が深い存在といえます。
- 利用者さんが自力で退治できない
- 利用者さんが自身で思うように掃除できない
- 利用者さん自身で清潔を保つことが難しい
このような訪問先であった場合、ゴキブリは高確率で潜んでいます。
実際に、どのくらいゴキブリに遭遇しやすいのか、SNSでの実例を見てみましょう。
実例1.ゴキブリが上から降ってきた
全然怖くないけど
さすがに飛び上がりました。
ゴキブリが上から降ってきたため驚いた、という人の声です。
つい叫んでしまいそうになりますが、利用者さんの自宅では声をあげるにあげられない状況となります。
退治しようとしても、ゴキブリの生命力は凄まじく、一度スリッパで叩いたくらいでは駆除できません。
訪問先によっては、シンク下の収納扉を開けた途端、たくさんのゴキブリが出てきたという例もあります。
突然ゴキブリに遭遇した場合に、どのように対処すればよいのかを覚えておく必要があるでしょう。
実例2.玄関にゴキブリがいるから取ってと言われた
訪問介護員に対して、お手伝いさんや家政婦さんと混同した認識でいる人も多いです。
そのため、「玄関に出たゴキブリを退治してくれ」という依頼を、受けることもあるかもしれません。
ゴキブリに対しては、正しい知識をもって退治しておくほうが、お互いのためでもあります。
場所はどこであれ、ゴキブリを退治してほしいと言われたら正しい対処法で駆除したほうがよいでしょう。
実例3.どの訪問先でもよく遭遇する
裕福なお宅のゴキブリはやはり身体が大きめで、そうではないお宅のゴキブリはあまり大きくないです。
どの訪問先であっても、ゴキブリがよく出ると感じている人もいます。
ゴキブリは1mmのすき間があれば通れるため、侵入経路をすべてふさげません。
つまり、人間が生活している以上、ゴキブリはどこからでも近づいてくるといえます。
訪問介護先にゴキブリがいないと思い込んでいると、実際に遭遇したときに慌ててしまうため、どこにでもいるものだと考えておきましょう。
2.訪問介護のゴキブリ駆除は義務範囲内?
先の例のように、訪問介護先でゴキブリに遭遇するケースは珍しくありません。
しかし「ゴキブリが出たら駆除する」というような、訪問介護サービスの業務はないはずです。
では、業務範囲外として、見て見ぬふりをしてもよいのでしょうか。
まずは、業務範囲外であるゴキブリ退治について、どのような認識でいればよいのかを確認しておきましょう。
訪問介護のゴキブリ駆除はサービス対象外
訪問介護のゴキブリ駆除は、介護保険サービスの対象外です。
ゴキブリ退治は非日常的であり、退治しなくては生活に支障が出るというほどのものではありません。
くわえて、訪問介護員は家政婦さんでもお手伝いさんでもないため、介護に関連しないサービスの提供はおこなえません。
そのため、利用者からゴキブリ退治を依頼されても、訪問介護員には拒否権があります。
堂々とゴキブリ駆除を断れますし、見て見ぬふりも可能です。
しかしそれでは、次の訪問時にもまた遭遇してしまう可能性があります。
再び遭遇してしまったときのことを考え、退治しておいたほうがよいと判断できるケースも多くあるでしょう。
ゴキブリ退治を依頼される可能性はある
ケアマネジャーや訪問介護事業所から、訪問介護員に対して「できればゴキブリを駆除してほしい」と言われることがあります。
もちろんこの場合にも拒否権はありますが、直接利用者さんから依頼されることもあるため、覚悟だけはしておいたほうがよいでしょう。
とくにケアマネジャーや事業所からの依頼の場合、殺虫剤やゴキブリ取りの罠などもセットで渡される可能性があります。
あらかじめセットを渡されたり、殺虫剤や離れた場所から退治できるグッズがあったりする場合は、ゴキブリ退治を検討してみてください。
衛生面のために駆除するほうがよいケースもある
どうして訪問介護員がゴキブリを退治する必要があるのか、気になる人もいると思います。
その理由は、不衛生だからです。
ずっとゴキブリが動き回っているお家は、衛生的に問題があります。
次回訪問したときにもゴキブリがいる可能性があり、場合によっては増えていることもあるでしょう。
頻繁に見かけるゴキブリの量にもよりますが、利用者さんの自宅が不衛生な環境にならないように考えましょう。
訪問介護員ができることを考えると、ゴキブリ退治は自然な流れとも考えられます。
3.訪問介護で押さえておきたいゴキブリ被害
なぜ訪問介護員がゴキブリを退治したほうがよいのか、見かけたときに駆除すべき理由はなにかを説明します。
ゴキブリを放置して人間が被る代表的な被害として、以下の4つが挙げられます。
- 細菌や雑菌が持ち込まれる
- 食中毒や赤痢菌の要因になり得る
- 家電の故障につながることもある
- 人やペットを噛むことがある
ゴキブリはただ単に見た目が気持ち悪い虫だと捉えている人も多いと思いますが、さまざまな被害をもたらす害虫です。
被害1.細菌や雑菌が持ち込まれる
ゴキブリによって、利用者さんの自宅に細菌や雑菌が持ち込まれます。
ゴキブリが侵入する経路は、シンクや排水溝などの常にじめじめした場所です。
そのため、細菌や雑菌の温床となっています。
細菌や雑菌の温床を通って侵入し、細菌や雑菌を体につけたまま動き回るため、ゴキブリが触れる食料や壁、床などに自然と細菌や雑菌がついてしまいます。
利用者さんの自宅がとても不衛生な環境になりやすく、いくら消毒して対応していても意味がなくなってしまうでしょう。
被害2.食中毒や赤痢菌の要因になり得る
ゴキブリが存在すると、食中毒や赤痢菌の要因になる可能性があります。
食中毒を引き起こすサルモネラ菌や、赤痢菌、チフス菌などは、さまざまな病気の要因になる菌です。
ゴキブリが利用者さんの自宅内で糞をしたり、死んでしまったりした場合、その糞や死骸を呼吸時に吸い込んでしまう可能性があります。
このことから、喘息やアレルギーになってしまう可能性も否定できません。
ただの気持ちが悪い虫だと思っていると、とんでもない弊害をもたらすこともあります。
被害3.家電の故障につながることもある
ゴキブリは、コードをかじってショートさせてしまうことがあり、家電の故障につながるケースもあります。
温かい場所に集まる習性があるため、冷蔵庫の裏やガス台の下の物入れなどには要注意です。
コンセント周りも、物で溢れかえっている場合にはゴキブリが好んで生息する可能性があります。
家電が使い物にならなくなったり、最悪の場合火災の原因になったりします。
被害4.人やペットを噛むことがある
ゴキブリは腐ったものや生ごみ、玉ねぎなどを食べるだけだと思っている人もいるでしょう。
しかし、ゴキブリは雑食のため、人の角質やほこりも喜んで食べてしまいます。
そのため、寝ている間に人やペットに噛みつく可能性も否定できません。
ゴキブリに噛まれると、雑菌が体に入り込むため、アレルギーや腫れ、かゆみが起きます。
かゆみがあり腫れている箇所を観察したときに、2つの歯のような噛み跡があった場合には、ゴキブリかもしれません。
利用者さんが頻繁に体のかゆみを訴えたり、赤い腫れがみられたりする場合には注意しましょう。
4.訪問介護でゴキブリが出たときのケース別対処法
訪問介護でゴキブリが出た場合、ゴキブリがもたらす被害を考えると、駆除したほうがよいという判断になるはずです。
しかし、具体的にどういった対処法があるのかを知らなくては、誤った方法で余計にゴキブリの被害を拡大させてしまう可能性もあるでしょう。
そこで、訪問介護でゴキブリが出たときのケース別対処法を紹介します。
ケース | 対処法 |
---|---|
ゴキブリに突然遭遇した | ・新聞紙やスリッパですぐに駆除する |
ゴキブリをときどき見かける | ・殺虫剤で駆除する |
短期間に何匹もゴキブリを見る | ・毒餌を用意して駆除する |
ゴキブリがあまりにも多い | ・害虫駆除業者に依頼して駆除する |
それでは、それぞれのケース別対処法を確認しましょう。
ケース1.ゴキブリに突然遭遇した
ゴキブリに突然遭遇してしまった場合には、新聞紙やスリッパなど、その場ですぐに対処できる方法で駆除します。
利用者さん宅のものを使用するため、新聞紙くらいであれば介護でも活用できるため自分で常備しておくとよいかもしれません。
ただし、完全に潰してしまうと、菌や卵が飛び散ってしまう可能性があります。
潰れてしまうとより見た目も酷くなるため、死骸も処理しにくくなってしまうでしょう。
駆除したにもかかわらず、雑菌を広げてしまっては意味がないため、できればこの方法よりも、以下で紹介する方法がおすすめです。
新聞紙やスリッパで叩き潰すのは、あくまでも応急処置と覚えておきましょう。
ケース2.ゴキブリをときどき見かける
ゴキブリをときどき見かける場合には、殺虫剤が有効です。
事業所が用意してくれることもありますが、場合によっては利用者さん宅にある殺虫剤で駆除を依頼されることもあるでしょう。
殺虫剤は大体400円〜800円くらいで購入できるため、見かける回数が多い利用者さん宅であれば、購入してもらうのもよいかもしれません。
この方法での注意点は、ゴキブリが死んでからも繁殖するという点です。
ゴキブリは身の危険を感じたときに、卵を守るために卵鞘ごと、体から切り離します。
そのため、ゴキブリ自体は退治できても、近くに卵が落ちている可能性があります。
駆除したあとに掃除する際、まわりに卵らしきものが落ちていないかも、確認してみてください。
ケース3.短期間に何匹もゴキブリを見る
短期間に何匹もゴキブリを見るような利用者さん宅の場合、毒餌で駆除する方法がおすすめです。
短期間に何匹も見かけることは、相当数が生息していると考えられます。
事情を説明し、事業所もしくは利用者さんに毒餌を用意してもらうようにしてください。
ゴキブリに対して毒餌を置くときには、以下のような場所に置くと効果的です。
- キッチンの棚の中
- 冷蔵庫の下
- コンロの下
- シンクの引き出しの中
- シンク下の収納スペース
- テーブルや棚の裏側
- コンセントの周り
毒餌でゴキブリを退治する際の注意点としては、ペットがいる訪問先での利用は控えたほうがよいという点です。
ペットが誤って毒餌を口にしてしまう可能性もゼロではなく、万が一のことがあっては大変です。
利用者さんを思ってゴキブリを駆除しようとしたにもかかわらず、ペットが亡くなってしまうというトラブルを避けるためにも、ペットの存在については必ず確認しましょう。
ケース4.ゴキブリがあまりにも多い
ゴキブリがあまりにも多く、毎回複数匹見かける場合には、害虫駆除業者への依頼をおすすめします。
依頼する場合の価格は、10,000〜50,000円くらいが相場です。
部屋の広さによって料金が変わる業者は多いため、事前に部屋の広さや状況を共有し、複数社に見積りを出してもらって比較するとよいでしょう。
また、介護保険内では適用できないため、利用者さんの承諾は必要になります。
価格が高めの駆除方法であることから、自分と利用者さんとの間で勝手に決めるのではなく、必ずケアマネジャーに相談してください。
まとめ:ゴキブリ退治は仕事のしやすさから考えよう
ゴキブリ退治をおこなうことで、利用者さんの衛生面を保つ効果と、自分の仕事がやりやすくなる効果が期待できます。
ゴキブリに遭遇せずに済むだけでなく、利用者さんが雑菌や細菌から病気になるリスクを低下させられます。
ゴキブリが苦手な人は、はじめから毒餌を用いた駆除を選択すると、姿や死骸を見ずに駆除できるためおすすめです。
介護保険サービスの業務範囲外の対応となるため、納得できない人もいるかもしれません。
しかし、自分もゴキブリに遭遇せずに済み、仕事がしやすくなると考えると、自然と駆除したほうがよいという選択肢にたどり着くはずです。
もちろん拒否権はあるため、自分の仕事と利用者さんへの影響を考えたうえで判断してください。