訪問介護のご飯作りがストレス!レシピやポイントを覚えて楽しもう
訪問介護のご飯作りをストレスに感じている人は、レシピやポイントを覚えられれば安心して楽しく取り組めるようになります。
- 「料理そのものが苦手」
- 「おいしいご飯の作り方が分からない」
- 「献立を考えるのが面倒臭い」
このように感じている状態が続くと、訪問介護という仕事自体に嫌気がさしてしまうこともあるかもしれません。
今回「みーつけあ」では、訪問介護におけるご飯作りのポイントを解説します。
簡単かつおいしいレシピを覚えて、ストレスなくご飯作りに取り組めるようにしてください。
1.訪問介護でご飯作りが苦手!ほかの人はどうなの?
「訪問介護でご飯作りが苦手」という訪問介護員は、あなただけではありません。
ほかの訪問介護員も、料理についての悩みを抱えていることがあります。
SNSに掲載されていた、訪問介護員の本音を紹介します。
訪問介護業務の中で食事作りがあったが嫌々ながらも私なりに頑張った。しかし嫌々な気持ちが伝わるのだろう。暫くするとチェンジ、食事作りは振られなくなった。辞めた理由の一つでもある。
料理が苦手や嫌だと感じていると、利用者さんに伝わってしまうことがあります。
「担当を変えてほしい」「美味しくない」と言われることもあるでしょう。
訪問介護でのご飯作りが苦手な場合には、楽しい時間を過ごしてもらえるように工夫する必要があります。
2.訪問介護でご飯作りをするときのポイント
訪問介護でご飯作りをするときのポイントをまとめました。
ご飯を作るのが苦手であっても、ポイントさえ覚えておけば苦手意識や面倒な気持ちをなくしやすいです。
具体的には、以下の4つです。
- ご飯をまとめて炊いて冷凍する
- 作り置きのレシピを覚える
- 一緒に作ってもらえるように工夫する
- 簡単でおいしい時短レシピを覚える
それぞれのポイントについて、詳しく説明します。
ポイント1.ご飯をまとめて炊いて冷凍する
利用者さんの許可さえあれば、ご飯をまとめて炊いて冷凍できます。
冷凍したご飯を好きなときに食べたい利用者さんもいるため、聞いてみて問題なければまとめて炊くのも1つの方法です。
毎回ご飯を炊かなくても済むうえに、利用者さんも気軽にご飯が食べられます。
しかし、利用者さんが自然解凍できたり、電子レンジを使用したりできる状態が前提です。
利用者さんの許可があっても、事業所に確認をとり、状態を把握したうえで実施してください。
ポイント2.作り置きのレシピを覚える
作り置きのレシピを覚えられれば、毎回作らなくても済むため、ストレスが減り手間を省けます。
利用者さん自身も、作り置きの食品が用意されていれば、いつでも食べられます。
ただし、ケアプランに含まれていない場合は、作り置きできません。
利用者さんのケアプランを確認して、作り置きで対応してもよいかを必ず確認してください。
ポイント3.一緒に作ってもらえるように工夫する
利用者さんと一緒に作ってもらえるように、声掛けする工夫も必要です。
一緒に作ってもらえれば、料理が苦手でも心配ありません。
協力いただいて味付けも好みのものにしてもらえれば、「まずい」という不満も起きにくくなります。
味付けだけお願いしたり、簡単な炒め物やレタスをちぎったりと、利用者さんに対応してもらえる範囲で声をかけてみましょう。
一緒に作ってもらえれば、利用者さん自身も少しずつ自分でできることが増えるかもしれません。
ポイント4.簡単でおいしい時短レシピを覚える
簡単でおいしい時短レシピを覚えるのも、訪問介護のご飯作りのポイントです。
時短レシピを覚えられれば、簡単においしい料理を作れます。
同じ事業所のほかの訪問介護員にも共有すれば、担当が変わって味に差が出てしまうことを防げるでしょう。
訪問介護のサービス提供時間内で終わるように、時短レシピをストックしてください。
3.訪問介護で覚えておきたい簡単おいしい時短レシピ
訪問介護で覚えておきたい、簡単でおいしい時短レシピを紹介します。
以下のレシピは、3ステップで作れる簡単なものです。
- カレー味の豆腐ステーキ
- 簡単オムレツ
- ナスミートソース
あくまでも参考ですので、慣れてきたら利用者さんの好みに合わせて味付けを変えるといった工夫もしてみましょう。
料理が苦手な人でも分かりやすいように、詳しく解説します。
レシピ1.カレー味の豆腐ステーキ
カレー味の豆腐ステーキは、柔らかく食べやすい豆腐を使い揚げ焼きにした、親しみやすい料理です。
【材料】
- 豆腐 半分
- カレー粉 大さじ1程度
- 片栗粉
- 油
- 水(カレー粉を溶くためのもの)
【作り方】
- 豆腐を薄く切って水切りしておく
- 豆腐に片栗粉をまぶして焼く
- カレー粉に水を少しずつくわえながら溶きソースを作る
- ソースを焼いた豆腐にかける
- 豆腐をひっくり返しながらカレーソースを馴染ませる
一旦フライパンを冷ましてから味付けすると、調味料が焦げることなく料理できます。
また、フライパンから取り出した後、ボウルで調味料を混ぜる方法もあるので、やりやすいように模索してみましょう。
レシピ2.簡単オムレツ
簡単オムレツは、その名のとおり簡単な手順でできるオムレツです。
食べやすく柔らかく作れるため、利用者さんも不自由なく食事が楽しめます。
【材料】
- ジャガイモ 1/4個
- ニンジン 1/4個
- 牛乳 大さじ1
- 卵 1個
- カルボナーラソース(レトルト)
【作り方】
- ジャガイモとニンジンを電子レンジで加熱して柔らかくする(500Wで5分ほど)
- ジャガイモを適度な大きさに潰す
- 卵に牛乳を入れて混ぜながらフライパンで火を通す
- 中身の具材を卵にのせてつつむ
- 最後に温めたカルボナーラソースをかける
卵をふわふわの状態にしたい場合には、一気に入れて菜箸で素早く軽くかき混ぜるとうまく作りやすくなります。
卵の周りが焼けてきたら、すぐにフライパンから取りだすことで、半熟状態のオムレツを作れるはずです。
利用者さんの好みに合わせて、工夫してみましょう。
半熟に仕上げる場合は、提供前に「生の部分がないか」確認してください。
レシピ3.ナスミートソース
ナスミートソースは、市販のミートソースを使用して簡単にできるおいしいレシピです。
材料も少なく済むので、残っている野菜で代用するのもおすすめです。
【材料】
- ナス 1本
- 油もしくはオリーブオイル
- ミートソース(市販)
【作り方】
- 輪切りにしたナスを軽く水にさらしてアクを抜く
- 油をひき、炒める
- 市販のミートソースを温めて炒めたナスにかける
ナスを炒めるときには、オリーブオイルで炒めると香りもよくなります。
手順が少なくあっという間にできるため、利用者さんにナスのカットをお願いしてみてもよいかもしれません。
「1人で一品作れた」という達成感を味わってもらえるでしょう。
4.訪問介護で覚えておきたい一緒に作れるレシピ
訪問介護では、自立支援のためのサービス提供をおこなっています。
ときには、利用者さんと一緒に料理を作ることが、自立支援につながることもあります。
- 利用者さんも楽しめる鶏の黒酢煮
- 混ぜてもらえる減塩野菜のお浸し
- こねて楽しいふわふわハンバーグ
利用者さんも一緒に楽しく料理に参加できるレシピを集めたので、ぜひチェックしてみてください。
レシピ1.利用者さんも楽しめる鶏の黒酢煮
鶏の黒酢煮は、利用者さんも一緒に楽しく作れるレシピです。
【材料】
- 手羽元 4本
- しょうゆ 大さじ2
- 黒酢 大さじ2
- 砂糖 小さじ2
- みりん 大さじ1
【作り方】
- 手羽元を軽く水洗いする
- ビニール袋に手羽元と調味料を入れる
- 利用者さんに軽く揉んでもらう
- 袋の口を結ぶ
- お鍋にお湯を沸かして袋ごと40分茹でる
簡単に作れて、利用者さんも簡単な作業を一緒にできるレシピとなっています。
袋を揉むことで手指の運動にもなり、ご飯を作る楽しみにも触れられるでしょう。
レシピ2.混ぜてもらえる減塩野菜のお浸し
利用者さんに一緒に作ってもらえる簡単な料理としておすすめできるのが、減塩野菜のお浸しです。
【材料】
- ほんれん草 1束
- ニンジン 1/2個
- 塩(野菜を湯がく用)
【味付け調味料】
- めんつゆ(ストレート)60cc
- 酒 60cc
- ごま油 小さじ2杯
- いりごま 適量
- みりん(お好みで)
【作り方】
- ほうれん草とニンジンを食べやすい大きさにカットする
- お鍋で湯がいてキッチンペーパーで水気を切る
- ボウルに【味付け調味料】を入れて混ぜる
- 水気を切った野菜をボウルに入れる
- 利用者さんに野菜と調味料を混ぜてもらう
利用者さんに、混ぜるところから盛り付けまでお願いできるレシピです。
ごま油を入れすぎると、ベタベタとしたお浸しになってしまうため、香りづけ程度に少量使用するのがおすすめです。
菜箸を使うのが難しい利用者さんの場合には、使い捨ての手袋で手伝ってもらうとよいでしょう。
レシピ3.こねて楽しいふわふわハンバーグ
ハンバーグは、手軽に用意できますが、利用者さんの達成感が大きい料理です。
豆腐を入れることで、食べやすい柔らかさのハンバーグになります。
【材料】
- 木綿豆腐 1丁
- はんぺん 1枚
- 玉ねぎみじんぎり 半分
- 卵 1個
- 片栗粉 大さじ2
- おろし生姜 適量
- だしの素 小さじ1
- めんつゆ 小さじ1
【作り方】
- 材料をすべてボウルに入れて利用者さんにこねてもらう
- 好きな大きさに成形してもらう
- 油をしいたフライパンで両面を焼く
肉を使わないレシピのため、火加減が簡単で生焼けの食中毒リスクも避けられます。
こねてもらうことが難しい場合には、形成の部分だけお願いするのもよいかもしれません。
5.訪問介護で覚えておきたい作り置きレシピ
訪問介護で覚えておきたい、作り置きレシピを紹介します。
- 里芋とインゲンのポタージュ
- にんじんときゅうりの酢の物
- じゃがいもと鮭のグラタン
作り置きしておけば、ご飯の準備が簡単になるほか、手間をかけずにほかのサービスに時間をまわせます。
利用者さんにも好きなタイミングで食べてもらえるため、作り置きレシピを覚えておくとよいでしょう。
ただし、作り置きが可能になるのは、ケアプランに記載がある場合のみです。
利用者さんのケアプランを確認して、作り置きは可能かをチェックしておきましょう。
▼訪問介護の作り置きに関するルールは、以下の記事で確認できます。
>>訪問介護で作り置きはできる?食事量や保存のポイントを解説
レシピ1.里芋とインゲンのポタージュ
作り置きは、冷凍して保存できるものがよいでしょう。
里芋といんげんのポタージュは、食物繊維もとれて栄養面も考えられたレシピです。
【材料】
- 里芋(冷凍)
- いんげん(冷凍)里芋の半量
- だし汁の素 180cc
- 塩 少々
- お好みで生クリームもしくは牛乳 適量
【作り方】
- 生クリーム以外の材料を鍋に入れて煮込む
- 野菜が柔らかくなったら潰す
- 生クリームや牛乳でとろみをつける
生クリームや牛乳を入れる際は、粗熱を取ってから入れることで分離を避けます。
いつでも解凍してすぐに食べられます。
利用者さんの好みにあわせて、コーンを入れてもおいしいレシピです。
レシピ2.にんじんときゅうりの酢の物
作り置きにピッタリな酢の物から、にんじんときゅうりのレシピを紹介します。
【材料】
- ニンジン 1本
- きゅうり 1本
- ラディッシュ 1個
- 酢 計量カップ1/2(100cc)
- オリーブオイル 大さじ1
- 大葉 2枚
- トマト 1/4個
- レモン汁 少々
【作り方】
- ニンジンときゅうりをピーラーで細長くカットする
- ラディッシュを輪切りにする
- 酢とオリーブオイルを混ぜ合わせる
- プラスチック製の食品保存容器に入れて冷蔵庫で寝かせる
- 食べる前に大葉やトマトを加える
食べるときに加えるのが面倒な場合には、先に入れた状態で冷蔵庫に保管するのもよいでしょう。
利用者さんの好みにあわせて、さまざまな野菜をセットで盛り付けてみてください。
レシピ3.じゃがいもと鮭のグラタン
グラタンは、老若男女問わず食べやすくおいしいことから、人気があります。
訪問介護の作り置きレシピでも、食べやすいグラタンは活躍します。
【材料】
- じゃがいも 3個
- 牛乳 大さじ2~4
- 玉ねぎ 1個
- 鮭フレーク 適量
- チーズ 適量
【作り方】
- じゃがいもを茹でる
- 水をきったじゃがいもに牛乳を加えてペースト状に潰す
- 玉ねぎを透明になるまで炒める
- じゃがいものペーストと鮭フレークを加えてまぜる
- 耐熱容器にすべて入れてチーズをかけて焼く
牛乳の量は、ペーストの濃度にあわせて調節してください。
鮭フレークで塩分多めになっているため、チーズの量を増やすとしょっぱい味付けになります。
チーズの量は、味見をして調節しましょう。
焼いた状態で冷凍もできますが、直前に焼いたほうが美味しく食べられます。
まとめ:訪問介護のご飯作りはポイントを押さえれば安心
訪問介護のご飯作りは、ポイントを押さえてレシピを覚えられれば、不安やストレスを感じることなく行えます。
利用者さんに対して、ご飯を作るときのポイントをしっかりと押さえましょう。
慣れてきたら、活用できるレシピを覚えたり、周りの先輩訪問介護員に聞いたりしてみてください。
苦手意識は利用者さんにもすぐに伝わってしまい、食事を楽しくない時間へと変えてしまいます。
自分自身の苦手意識と、利用者さんへのご飯作りに対する考え方を、変えられるようにしてみましょう。