訪問介護がしんどい!対処法を覚えて辞めずに改善
「訪問介護がしんどい」と感じる場合、退職を考える人も多いです。
もちろん、介護の仕事が苦手だったり、嫌いだったりするのであれば、ほかに合った仕事を見つけるのがよいでしょう。
しかし、介護の仕事が好きな人は、対処法を覚えることからはじめてみてください。
今回「みーつけあ」では、訪問介護のしんどさについて解説します。
どのように対処すれば、介護の仕事を辞めずに改善できるのか、検討しましょう。
1.訪問介護がしんどいと感じている人の声
訪問介護の仕事がしんどいと感じている人は、SNS上でも数多く存在しています。
ここでは、介護が「しんどい」という口コミを6つピックアップしました。
- 体力的に辛いときがある
- 介護は好きだけど向いていない気がする
- マスクをしての入浴介助が暑すぎる
- ほかの訪問介護員と比べられる
- 利用者さんと合わない
- 家族の人に見られての介護がやりづらい
どのような点で悩みが生まれるのか分かると、自分のケースと照らし合わせて解決策を見つけやすくなります。
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
その1.体力的に辛いときがある
早く寝なきゃと思うと、余計に寝れない。
体力的に、「訪問介護の仕事がしんどい」と感じる人は少なくありません。
訪問介護では、1日に複数の訪問先を周る人もいます。
体力的な負担としては、以下のようなものがありますね。
- 身体介護
- 移動が多い
- 立ちっぱなしでの生活援助 など
訪問介護は体が資本の仕事のため、体調だけでもしっかりと管理しておきたいものです。
その2.介護は好きだけど向いていない気がする
介護の仕事が好きでも、「自分には向いていないかも」と感じる人もいるようです。
どのような仕事にも、向き・不向きはあります。
「介護が好き」という気持ちがあるのなら、利用者さんにもその気持ちは届くはずです。
自分で「向いていないかもしれない」と考えて、どんどん介護の仕事が苦痛にならないように、得手不得手を書き出してみるのもよいでしょう。
介護の仕事に誇りと自信をもって働けているのであれば、辞める選択肢もなくなります。
その3.マスクをしての入浴介助が暑すぎる
夏場はマスクしての入浴介助はしんどい。 施設と違って大浴場ではないので、窓がない狭いスペースでは体力と効率勝負になります。
その最中、コミュニケーション能力を問われるのが介護士の仕事。
感染症対策に伴い、マスクをつけての生活が一般的になってきました。
訪問介護は、1対1で介護サービスを提供するため、利用者さんとの距離が近くなる介助も多く含まれています。
なかでも、入浴介助は利用者さんとの距離が近く、マスクの装着が欠かせません。
しかし、夏場の入浴介助は、マスクなしでもTシャツから汗が絞りだせるほどにしんどい介護です。
ふらついたり、気分が悪くなったりする人もいるため、夏場の入浴介助を嫌う人も多いでしょう。
その4.ほかの訪問介護員と比べられる
施設と違ってそのご利用者様の家に行きますがプライベートな事、その方の生き様が見えて来ます。他のヘルパーさんと比べられるのがしんどい。
利用者さんのなかには、提供されたサービスをほかの訪問介護員と比べる人もいます。
たとえば、以下のような言葉で比較した内容を伝えてくる場合もあるでしょう。
- あっちの人のほうがよかった
- 前の人の料理が美味しかった
- 前の人はもっと丁寧にやってくれた
- タバコも買ってきてくれた
利用者さんに満足してもらえることは大切ですが、比較された内容は介護サービスの範疇であるか考えてみましょう。
事業所の方針に則った仕事をしている場合であれば、気に病む必要はないかもしれません。
また、「利用者さんに認めてもらえるような介護をしよう」と考えると、やる気も出てくるでしょう。
その5.利用者さんと合わない
行かなくてよいなら行きたくない。こちらから、選べるなら選びたい。
物の捉え方、感じ方など、価値観は人それぞれ異なります。
利用者さんと訪問介護員は、関係は違えど人間であることに変わりはありません。
「利用者さんと合わない」と感じるケースも、多々あるでしょう。
しかし、担当している利用者さん全員と合わないことは稀なはずです。
訪問介護員として、「合わない利用者さんだから」といって態度を変えたり、介護サービス提供の質を落としたりするのは、避けましょう。
利用者さんと、「どのような形で折り合いをつけるのか」を考えてみてください。
利用者さんの気持ちを汲んだ介護ができるように、事業所に相談してみることもおすすめです。
その6.家族の人に見られての介護がやりづらい
利用者さんのご家族に、介護している様子をじっとみられるケースもあります。
あまり見られすぎると、「介護しにくい」と感じることもあるでしょう。
ご家族目線で考えると、「プロの介護はどんなものか見てみたい」という単純な興味で見ているのかもしれません。
「介護をチェックして文句を言ってやろうと」考えている人は、少ないはずです。
訪問介護員の仕事を知ってもらうチャンスだと考えれば、ストレスなく前向きにサービスを提供できるでしょう。
利用者さんに寄り添った介護ができているのかを見直しつつ、介助してみてください。
2.訪問介護の離職率は15.6%
「介護労働安定センターの調査」によると、訪問介護の仕事についている人の離職率は、15.6%です。
調査対象は以下の3職種で、1年間(令和元年10月1日~令和2年9月30日)で調査されました。
- 訪問介護員
- サービス提供責任者
- 介護職員
データでは、採用率が16.0%であるのに対して、離職率は14.9%となっています。
職種別に見ると、訪問介護員の採用率は15.0%、離職率は15.6%となっており、離職率の割合が高いです。
辛く感じる箇所や度合いにもよりますが、辛くなって辞めてしまう人は少なくありません。
3.訪問介護をしんどいと感じたときに考えるポイント
「訪問介護が好きだけどしんどい」と感じたときには、以下のポイントを考えてみてください。
- 訪問介護の仕事が好きか
- 訪問介護事業所を変えたら解決するか
- 担当を変えたら解決するか
具体的にどういったことを考えるべきなのか、それぞれ詳しく紹介します。
ポイントごとに考えてみると、いまの気持ちを整理してすっきりと考えられるはずです。
ポイント1.訪問介護の仕事が好きか
「訪問介護員になろうと思ったきっかけ」や「なぜ続けているのか」といった、根本的な部分を考えてみてください。
訪問介護の仕事が好きと思えるのであれば、辞めずに解決できるかもしれません。
あなたが仕事をする理由は、どのようなものでしょうか。
- お金を稼ぐため
- 自分のスキルを磨くため
- 社会貢献するため
本当に介護の仕事が好きなのか、楽しいことと嫌なことを書き出して整理してみてください。
ポイント2.訪問介護事業所を変えたら解決するか
今しんどいと感じている内容は、訪問介護事業所を変えれば解決する問題かを考えてみてください。
たとえば、以下のようなケースでは、事業所が変われば解決する可能性があります。
- 訪問介護事業所の人間関係が複雑で嫌
- ケアマネジャーの考え方が偏っていて嫌
- 訪問介護員同士の派閥があって嫌
- 利用者さんファーストすぎて訪問介護員が蔑ろにされているのが嫌
もし介護の仕事が好きで、事業所を変えただけで問題が解決しそうなのであれば、そうするべきといえるでしょう。
ただし、担当の利用者さんが個別でいる場合には、事業所への相談をおすすめします。
ポイント3.担当を変えたら解決するか
担当する利用者さんと価値観や考え方が合わないことは、仕方のないことです。
性格はすぐに変わるものではないので、折り合いがつかない可能性もあるでしょう。
嫌われていると感じたり、サービス提供を拒否されたりするようなら、担当の変更を事務所に相談するのも1つの手です。
ただし、「やりたい介護をさせてくれない」といった自分都合の場合には、利用者さんが変わっても問題が解決しないため注意してください。
4.訪問介護がしんどいときの対処法
訪問介護がしんどいと感じたときに、「どのように対処すればよいのか」を解説します。
対処法を覚えておけば、介護の仕事を辞めずに対処することで続けていけるでしょう。
- 別の職種への転職を検討する
- 訪問介護員が集まるサイトやSNSで意見交換する
- 訪問介護事業所を掛け持ちする
- 事業所に相談してみる
それぞれの対処法について、詳しく説明します。
対処法1.別の職種への転職を検討する
介護が好きだけど、訪問介護はしんどいと感じている人は、同じ介護の仕事でも環境がガラッと変わる転職をおすすめします。
たとえば、以下のような転職先があります。
- 老人保健施設
- デイサービス
- デイケア
- 特別養護老人ホーム
- 病院
介護自体が好きなのであれば、同じ介護士として所属する場所を変えてみてください。
訪問介護とは異なり、複数名で仕事をしたり複数名の利用者さんと一度にかかわりをもつことになるため、新鮮な気持ちで働けるでしょう。
対処法2.訪問介護員が集まるサイトやSNSで意見交換する
SNSや一般のサイト上で、同じ悩みをもつ人同士が交流できる場も増えています。
訪問介護員が集まるサイトやSNS上で、自分の不満について相談してみることもおすすめです。
なかには、心無い言葉を浴びせてくる人もいますが、多くが親身になって相談にのってくれるでしょう。
このとき、「利用者さんや事業所のプライベートな話」は避けてください。
自分の情報も出しすぎてしまうと、特定されてしまう危険性があるため、匿名での意見交換をおすすめします。
対処法3.訪問介護事業所を掛け持ちする
訪問介護を続けたい人は、「訪問介護事業所を掛け持ちする」という選択肢があります。
掛け持ちすれば、嫌な事業所とかかわる時間が減少するでしょう。
そのため、ほかの事業所の担当利用者さんに専念できます。
また、嫌な事業所だと感じていても、働いている時間だけと割り切ることで、楽しく働ける可能性もあります。
しかし、訪問介護事業所を掛け持ちしすぎると、シフトをうまく入れられなくなるかもしれません。
生活に影響する可能性があるため、できる範囲で調整するように注意してください。
▼掛け持ちに関する記事はこちらから。
>>登録ヘルパーは掛け持ちしても良い?掛け持ちをする3つのメリットとは
対処法4.事業所に相談してみる
事業所に相談してみることも、おすすめです。
事業所自体を信頼できない場合には、ケアマネジャーにも相談してみましょう。
訪問介護員のことをよく理解してくれているケアマネジャーであれば、親身になって話しを聞き、対処法がないかを一緒に考えてくれるはずです。
事業所に相談する場合は、「どの程度親身になって対応してくれるのか」によって信頼度がはかれるでしょう。
対処法5.リラックスできる時間を満喫する
リラックスできる時間を満喫し、ストレスを発散するのも重要な対処法です。
自分の趣味によりお金をかけてみたり、没頭できることを探してみたりすると、リフレッシュできます。
気分をリフレッシュさせれば、次の仕事ですっきりとした気持ちで働けるでしょう。
5.訪問介護員に向いている人の特徴
しんどいと感じたとき、「訪問介護員に向いていないのでは?」と不安になる人もいるかもしれません。
具体的にどういった人が訪問介護員として向いているか、適性をまとめました。
- コミュニケーションが好き
- 人の価値観を受け入れられる
- 一対一でかかわりたい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
特徴1.コミュニケーションが好き
コミュニケーションが好きな人は、訪問介護に向いているといえます。
利用者さんと1対1で過ごす以上、ずっと無言のままというわけにはいきません。
「憂鬱や体の辛さを忘れられるような安心感が与えられるか」がポイントです。
意識して話すことで余計に辛く感じてしまう可能性があるため、自然体で問題ありません。
「話をしっかり聞いてくれる人」といったイメージが与えられれば、介護しやすくなることもあるでしょう。
特徴2.人の価値観を受け入れられる
人の価値観を受け入れられる人は、訪問介護員に向いています。
訪問介護では、価値観や考え方が合わないことに悩みを感じる場合が多いです。
自分に合わせてもらおうとしたり、利用者さんの価値観を否定したりする姿勢は、利用者さんとのトラブルの元になります。
相手の価値観を受け入れ、否定しない人であれば、良好な関係が築けるでしょう。
特徴3.1対1でかかわりたい
1対1で関わりたい人や、より深く1人ひとりと関わりたい人は、訪問介護に向いています。
複数名が苦手な人も、自分のペースでスムーズに働けるでしょう。
利用者さんとより深くかかわることで、自分の訪問介護員としてのやりがいを感じやすくなります。
1対1の関係だからこそ分かる、これまでの人生や本音も聞けるかもしれません。
介護のスキルにくわえて、人との関わりから何かを見出したい人には、適性があるでしょう。
▼訪問介護の向き不向きに関する記事はこちらから。
>>訪問介護に向いてる人・向いていない人の特徴13選!
▼訪問介護のやりがいに関する記事はこちらから。
>>介護ヘルパーのやりがい5選【楽しいところと大変なところがわかる】
まとめ:訪問介護がしんどいと感じても対処法が分かれば大丈夫
訪問介護がしんどいと感じた場合でも、自分で対処法を理解していれば問題なく働き続けられます。
すぐに辞めてしまうのは簡単ですが、介護が好きであれば、関わり方を変えることで解決する問題もあります。
事業所、利用者さん、周りの同僚など、何が変われば気持ちが楽になるのかを考えてみましょう。
訪問介護はやりがいが大きい仕事であるとともに、同時にストレスを感じやすい仕事でもあります。
無理をして働き、利用者さんに迷惑をかけることがないように、まずは対処法と考え方を身につけておきましょう。