訪問介護のダブルワーク(掛け持ち)は登録ヘルパーがおすすめ!
「訪問介護ってダブルワークは可能なの?」
「どのような働き方になるのか詳しく知りたい」
訪問介護のダブルワークを始めたい人にとって、実際にどのような働き方ができるのかは気になるポイントですよね。
一口に訪問介護といっても、雇用形態はさまざまです。
そこで、今回「みーつけあ」では、訪問介護のダブルワークにおすすめできる「登録ヘルパー」の働き方について紹介します。
登録ヘルパーとしてダブルワークを始めれば、隙間時間を有効活用することができるでしょう。
ぜひ、ご参考ください。
1.訪問介護のダブルワークとは?
ダブルワークとは、2つ以上の仕事を掛け持ちする働き方のことです。
似たような言葉として、「副業」や「兼業」といった呼び方もありますが、意味合いは若干異なります。
以下の表にて、違いを比較してみました。
名称 | 働き方 |
---|---|
ダブルワーク | 2つ以上の仕事を掛け持ちしているが、どの仕事も同じくらいの時間・稼ぎがある。 |
副業 | 本業があるが、それとは別に副収入が得られる仕事をしている。 |
兼業 | ダブルワークとほぼ同義語。たとえば、兼業主婦なら主婦業をしながら収入を得られる仕事をしている状態を指す。 |
意味合いは異なりますが、2つ以上の仕事をしているのであれば、どの言葉を使っても間違いではありません。
本記事のケースでは、ダブルワーク・兼業として働く場合を想定して話を進めていきます。
訪問介護の仕事内容
訪問介護の仕事は、大きく分けて「身体介護・生活援助」の2種類です。
それぞれの仕事内容は、以下のようになります。
身体介護 | 入浴介助、排泄介助、食事介助、移動介助など、利用者に直接触れて行う仕事 |
---|---|
生活援助 | 掃除、洗濯、料理、買い物代行など、利用者に直接触れなくても行える仕事 |
身体介護は、専門的な介護技術が必要です。そのため、「介護職員初任者研修」といった介護資格がなければ働くことができません。
しかし近年では、資格費用を負担してくれる事業所も増えています。
介護現場で働きながら、資格を取得することも可能です。
▼資格の取り方に関しては、以下の記事をご参考ください。
>>介護ヘルパーの資格の取り方について|費用や年齢制限は?
>>介護ヘルパーの資格「介護職員初任者研修」をハローワークで取得するには?
2.訪問介護のダブルワークは登録ヘルパーがおすすめ!
訪問介護の代表的な働き方として、大まかに「正社員、パート・アルバイト、登録ヘルパー」の3種類の働き方が挙げられます。
それぞれの特徴は、以下のとおりです。
勤務時間 | 給料制 | 特徴 | |
正社員 | 定時出勤 | 固定給 | ・働く時間が決められていて融通が利かない。 ・収入が安定している |
パート・アルバイト | 定時出勤 (シフト制で融通が利く) | 時給制 | ・正社員より時間の融通が利くが、出勤時間は決まっている。 |
登録ヘルパー | 直行直帰 (働ける時間を指定できる) | 時給制 | ・好きな時間に働けるため、時間の融通が利く。 ・仕事が急になくなることもあり、収入が安定しない。 |
正社員やパート・アルバイトはよく耳にしたことがあるでしょうが、登録ヘルパーは聞き慣れない人が多いのではないでしょうか。
要約すると、雇用はされているが、自分の働ける時間を指定して、その時間帯に介護を希望する利用者がいれば仕事がもらえる働き方になります。
訪問介護のダブルワークをするのであれば、登録ヘルパーは非常に相性がよいといえるでしょう。
さらに細かく、以下3点のポイントについて紹介します。
- 希望の時間に働ける
- 1対1で介護に集中できる
- 事業所の特徴を把握できる
それぞれについて見ていきましょう。
ポイント1.希望の時間に働ける
登録ヘルパー最大の特徴は、希望どおりのシフトを組むことができることです。
たとえば、3つの事業所を掛け持ちした場合には、以下のようなスケジュールを組むことができます。
時間 | スケジュール |
8時 | 子供を保育園へ送る |
9時〜10時 | 事業所Aの生活援助(1時間) |
10時半〜11時半 | 事業所Bの生活援助(1時間) |
12時〜 | 帰宅・昼食 |
13時〜 | 家事やその他用事 |
15時〜16時 | 事業所Cの身体介護(1時間) |
16時半〜 | 子供のお迎え |
17時半〜18時半 | 事業所Aの身体介護(1時間) |
19時 | 帰宅 |
このように、複数の訪問介護事業所の仕事を入れながら、隙間時間に主婦業をこなすといったダブルワークも可能です。
定時出勤が可能であれば、午前中はパート勤務、午後からは登録ヘルパーで微調整という働き方もできるでしょう。
ライフスタイルに合わせた働き方ができることこそ、登録ヘルパーの魅力といえます。
▼登録ヘルパーの詳しい働き方は、以下の記事もご参考ください。
>>登録ヘルパーとは?仕事内容やメリットデメリットをまとめて紹介!
ポイント2.1対1で介護に集中できる
登録ヘルパーに限った話ではありませんが、訪問介護の仕事は利用者と1対1になって介護サービスを提供します。
そのため、同業者と仕事中に揉めたり、口を挟まれることもないため、人間関係のトラブルは最小限に押さえることができるでしょう。
もちろん「1対1」ということは、代わりに責任が重くのしかかります。
利用者の自宅環境もそれぞれ異なるため、ときには臨機応変な対応力も必要です。
「1人で積極的に行動して仕事をこなしていきたい」という人にとっては、ストレスなく働ける環境ともいえます。
▼訪問介護のやりがいに関しては、以下の記事が参考になります。
>>介護ヘルパーのやりがい5選【楽しいところと大変なところがわかる】
ポイント3.事業所の特徴を把握できる
複数の事業所に登録して仕事をこなすことで、冷静に物事を判断できることもポイントの1つです。
たとえば、事業所Aは「人手が少ないけど、人間関係は良好」なのに対して、事業所Bは「時給はよいけど、仕事のキャンセルが多い」といったように特徴が異なります。
しかし、1つの事業所に集中していると比べる対象がないため、「訪問介護の仕事そのものが悪い」と視野が狭くなりがちです。
このような場合に、ダブルワークなら「事業所によって課題はいろいろある。そのなかで自分にできることに専念しよう」と前向きに判断できるでしょう。
▼パートと登録ヘルパーの違いについても知りたい人は、以下の記事が参考になります。
>>登録ヘルパーとパートの違いとは?働き方や時給の違いを徹底比較!
3.訪問介護のダブルワークで気を付けること
ここまで、訪問介護のダブルワークにおすすめな「登録ヘルパー」としての働き方について紹介しました。
では、ダブルワークをするうえでの注意点としては、どのようなものが挙げられるのでしょうか。
今回ピックアップした注意点は、以下の4つです。
- スケジュール管理を徹底する
- 職場には必ず報告・確認をする
- 確定申告を行う
- 健康管理を怠らない
ダブルワークによって、収入を底上げすることができます。しかし、上記の注意点を把握しておかないと、後々のトラブルに繋がりかねません。
1つずつ、確認していきましょう。
注意点1.スケジュール管理を徹底する
訪問介護のダブルワークをするうえで欠かせないのが、スケジュール管理です。
掛け持ちしている仕事のスケジュールを把握していないまま働き続けていると、「ダブルブッキングをしてしまった」といった事態にもなりかねません。
「スケジュール管理が苦手」という人は、スケジュール帳を買って細かく管理する癖をつけましょう。
注意点2.職場には必ず報告・確認をする
ダブルワークをする前に、必ず職場の上司に「ダブルワークは可能ですか?」と確認をしましょう。
なぜなら、事業所によってはダブルワークを禁止している場合があるからです。
ダブルワークを前提に仕事を探すのであれば、まずは「ダブルワークOK」として応募している事業所を探さなければいけません。
もし、現在働いてる仕事があるのであれば、責任者や上司に「ダブルワークをしても大丈夫ですか?」と相談をしましょう。
「禁止されているから」と黙って掛け持ちを始めてしまっては、後々の就業規則トラブルに繋がります。
注意点3.確定申告を行う
ダブルワークをする場合、年末調整は片方の会社、または事業所で行う形になります。
登録ヘルパーの場合、メインの事業所で年末調整をしており、それとは別に複数の事業所を掛け持ちしていたり、その他ダブルワークの収入が年間20万円以上あれば、必ず確定申告をしなければいけません。
より細かく知りたい人は、以下の国税庁サイトをご参考ください。
▼より細かい確定申告や年末調整については、以下の記事もご参考ください。
>>登録ヘルパーでも知っておきたい!確定申告や年末調整について
注意点4.健康管理を怠らない
ダブルワークをするのであれば、健康管理を怠らないことも重要です。
仕事量や時間が増えるということは、体の負担や疲れも溜まりやすくなります。
自分の体調に見合わない量の仕事をこなしていると、体調不良で欠勤というケースにもなりかねません。
複数の事業所を掛け持ちしていることは理由になりませんので、無理のない範囲で仕事をこなすように心がけましょう。
4.訪問介護のダブルワークによくある質問
最後に、訪問介護のダブルワークによくある質問を紹介します。
今回ピックアップするのは、以下3つの質問です。
- ダブルワークのメリット・デメリットは?
- 訪問介護の給与はどれくらい?
- 面接で気を付けることはある?
さらに細かいダブルワークへの疑問を解決させて、いざダブルワークを始めたときに「失敗した」と後悔しないようにしましょう。
Q1.ダブルワークのメリット・デメリットは?
A.ダブルワークのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
【ダブルワークのメリット】
- 収入アップが期待できる
- 隙間時間を有効活用できる
- 将来にも役立つスキルが身につく
【ダブルワークのデメリット】
- スケジュール管理が大変
- 体力的に大変
- 自由時間が減る
ダブルワークは、収入の底上げをする手段としては有効です。
しかし、仕事量が増える分、体調管理、スケジュール管理が大変になるでしょう。
また登録ヘルパーの場合は、「利用者の入院や死亡によって思うように仕事が入らない」といったデメリットがある点にも注意しましょう。
▼詳しくは、以下の記事もご参考ください。
>>登録ヘルパーの仕事がないのは本当?その原因や仕事の増やし方について紹介します
Q2.訪問介護の給与はどれくらい?
A.身体介護・生活援助のそれぞれによって時給が異なります。
仕事内容による時給の違いは、以下のとおりです。
仕事内容 | 時給相場 |
身体介護 | 1,500円〜2,000円 |
生活援助 | 1,000円〜1,500円 |
また厚生労働省の 「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、正社員で働く訪問介護ヘルパーは、平均年収が約360万円です。
正社員、パート・アルバイト、登録ヘルパーの給料相場を知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
>>介護ヘルパーの給料相場はいくら?収入を上げる方法や介護報酬改定も解説!
Q3.面接で気を付けることはある?
A.ダブルワーク前提で働きたいということは、必ず伝えるようにしましょう。
応募の時点で「ダブルワークOK」と記載されていたからといって、面接の際に説明を省くとシフト面で支障をきたす可能性があります。
担当者にちゃんと伝えれば、自分に合った範囲の仕事を検討してくれるはずです。
また、履歴書は丁寧に記載して、面接に適した服装を心がけることで、採用率を高めることもできます。
詳しくは、以下の記事もご参考ください。
>>登録ヘルパーの面接で使える豆知識!服装や履歴書の書き方について
まとめ:ライフスタイルに合わせて働こう!
訪問介護のダブルワークは、収入を底上げしたい人におすすめです。
登録ヘルパーとして複数の事業所を掛け持ちすれば、急なキャンセルで仕事がなくなっても、他の事業所で補うことができるでしょう。
少しでも収入を安定させたいのであれば、検討してみてはいかがでしょうか。