訪問介護のバイトがきついって本当?やりがいや対処法を紹介
「訪問介護のバイトがしたいけど、仕事がきついって本当?」
「仕事内容や、やりがいについても詳しく知りたい」
訪問介護のアルバイトに興味があるけど、きついというイメージが強くてなかなか踏み出せない人もいるのではないでしょうか。
たしかに、高齢者の身の回りのお世話をする介護業務は大変な仕事です。
しかし、介護現場ならではの「やりがい」を感じているヘルパーさんもたくさんいます。
そこで今回「みーつけあ」では、訪問介護バイトの仕事内容やきつい理由や、その対処法をまとめてみました。
訪問介護について理解を深めて、自分なりに向き不向きを考えてみましょう。
1.訪問介護バイトの仕事内容とは?
訪問介護バイトは、介護認定を受けた利用者の自宅にヘルパーが直接向かい、介護サービスを提供する仕事です。
仕事内容は、大きく分けて以下の3種類となります。
- 身体介護
- 生活援助
- 通院等乗降介助
生活援助や通院等乗降介助であれば、資格がなくても働くことが可能です。
しかし、利用者の体に直接触れる身体介護の仕事は、介護資格がなければ行えません。
まず始めに、各仕事内容について理解していきましょう。
仕事内容1.身体介護
身体介護は、「入浴介助、排泄介助、移動介助」といった、利用者の体に直接触れて行う仕事です。
専門的な介護知識が必要となるため、入門資格となっている「介護職員初任者研修」以上の資格を修了していなければ行えません。
また、基本的に訪問介護員による医療的ケアは禁止されています。
しかし、上位資格である「実務者研修」を修了することで、「経管栄養、たんの吸引」といった医療的ケアであれば、対応できるようになります。
時給も他の仕事内容より高くなっているケースが多いため、より稼ぎを重視したいのであれば、資格の取得を目指しましょう。
▼介護資格については、以下の記事をご参考ください。
>>介護ヘルパーの資格の取り方について|費用や年齢制限は?
仕事内容2.生活援助
生活援助は、「掃除、洗濯、買い物」など、利用者に直接触れなくても行える身の回りのお世話をする仕事です。
ただし、訪問介護員が行う生活援助は、利用者の自立を支えるための最低限の家事のみとなります。
ペットの世話や庭の手入れなど、利用者が生活を送るうえで直接関係しない頼み事は、断らなければいけません。
▼訪問介護員にできること・できないことを確認したい人は、以下の記事が参考になります。
>>訪問介護ヘルパーに頼めることって?できること・できないことを紹介
仕事内容3.通院等乗降介助
通院等乗降介助は、利用者の通院や車の乗り降りをサポートする仕事です。
受診手続きの介助も業務内容ですが、病院内での付き添いはできません。
ただし、病院のスタッフが介助できない場合に限り、訪問介護員が介助することができます。
判断基準は都道府県や市町村によっても異なるため、詳しくは事業所のルールに従いましょう。
2.訪問介護のバイトがきつい理由4選
では、訪問介護バイトがきついと言われているのは、どういった理由になっているのでしょうか。
この記事では、以下の4点にまとめて紹介します。
- 体力的にしんどい
- 精神的にもきつい
- 給料と見合わない
- リアルな口コミ
要約すると、体力・精神的にハードな仕事内容のわりに、給料が見合わないといった口コミが多く見られているということです。
ここからは、より具体的に内容を深堀りしていきます。
きつい理由1.体力的にしんどい
訪問介護バイトが体力的にきついと言われる原因は、利用者の体に直接触れて行う「身体介護」にあります。
身体介護では、利用者を入浴させたりベッドから移動させたりと、たった1人で支えなければなりません。
そのため、腰痛に悩まされる訪問介護員が多いです。
また、利用者の自宅へ向かう移動手段が自転車や徒歩の場合にも、体力的にきついと感じてしまうでしょう。
少しでも移動の負担を減らしたいのであれば、電動自転車の使用をおすすめします。
きつい理由2.精神的にもきつい
体力的な大変さに加えて、精神的にもきついと感じる訪問介護員もいます。
なぜなら、利用者のなかには暴言を吐いたり文句を言ってくる人もいるからです。
とくに認知症の利用者の場合、「お金を取られた!」といった疑いをかけられるケースも少なくありません。
精神的に追い詰められやすい人にとっては、仕事が長続きしない要因にもなっているようです。
きつい理由3.給料と見合わない
体力・精神的にきついと言われる仕事であるにも関わらず、決して給料が高くないこともきつい理由の1つです。
訪問介護のアルバイトは、シフト制以外にも「登録ヘルパー」という直行直帰の働き方もあります。
自宅から直接利用者の自宅に向かい、仕事が終わったらそのまま帰宅ができるため、定時出勤ができない主婦や副業の人におすすめです。
しかし、利用者の急な入院・死亡などによって仕事がなくなることもあります。
安定した給料がほしい人にとっては、「全然稼げない」といった不満要素になってしまうようです。
きつい理由4.リアルな口コミ
ここまで、3つのきつい理由について紹介しましたが、実際の口コミはどのようになっているのでしょうか。
この記事では、「【職種】訪問介護員(ホームヘルパー)が明かす仕事の本音」より、いくつかピックアップしてみました。
・入院、入所、死去などで、仕事の内容、時間、量、場所などが不安定。
・全てのケアが終わるまでは拘束されてる感があり、精神的にデイサービス勤務と変わらない。
・時給は高いが移動時間を考えると割安感が否めない。
・台風、大雪でも自転車で移動(会社方針)。
・癖のある方、暴言、汚部屋、うるさい家族など、ストレスがたまる。
・利用者本人もその家族もややこしい人ばかりで心身がきつい。
・事業所がしっかりしてないと、利用者がヘルパーを家政婦のように扱う。
・責任の重さと給料が全然合わない。
このように、主には体力的な辛さよりも「精神的にきつい・給料が割に合わない」といった声がとくに多くなっています。
また、事業所の方針によって働きづらさを感じている人も多いです。
そのため、「実際の仕事内容より、働く環境が自分に合っているか?」を見定めるようにしましょう。
3.訪問介護のバイトがきついときの対処法
訪問介護のアルバイトがきついと言われる理由については、大まかに理解できたのではないでしょうか。
ここからは、実際にきついと感じた場合の対処法について紹介します。
今回紹介する対処法は、以下の3つです。
- 仕事を振り返る
- 事業所に相談する
- 転職する
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
対処法1.仕事を振り返る
きついと感じたときには、改めて「なぜ訪問介護の仕事を選んだのか?」を振り返りましょう。
仕事を始めるキッカケは人それぞれですが、少なからず「介護の仕事に興味があった」もしくは「時間を有効活用したかった」などの理由があったはずです。
- 昔から祖父・祖母が好きで高齢者の役に立つ仕事がしたかった
- 体力に自信があり、忙しい環境が好きだから。
- 人と話すことが好きで、許容範囲も広い。
- 職場が近く、育児や家事・買い物の合間に働ける仕事がしたかった
改めて本来の目的を見つめ直すことで、「仕事を続けるべきか、辞めるべきか」を冷静に判断できます。
もしかしたら、自分自身でも改善できる点が見つかることがあるかもしれません。
一方的に「きついから辞める」と判断せずに、まずは一度仕事を振り返ってみてはいかがでしょうか。
対処法2.事業所に相談する
1人では解決できない理由であれば、事業所の責任者や上司に相談をしましょう。
たとえば、以下のような悩みを解決できる場合があります。
- 相性の悪い利用者の担当から外してほしい
- シフトの数、時間を変更したい
- 利用者からできないことを頼まれるから一度話し合ってほしい など
訪問介護の場合、1人きりで仕事を進めるため、なかなか相談できずに悩みを抱え込んでしまう人も多いです。
環境が合わないと感じているのであれば、積極的に相談することをおすすめします。
対処法3.転職する
どうしても仕事がきつい原因を解決できないのであれば、思い切って転職することも大切です。
ただし、勢い任せに辞めるのではなく、計画的に実行しましょう。
- 仕事がうまくいかなかった原因を追求する
- どういった仕事環境を望んでいるのかを明確にする
- 希望する給与・労働時間を設定する
- 住まい環境についても検討する
原因がはっきりしないまま辞めてしまうと、次の職場でも似たような理由で転職を考えてしまう恐れがあります。
一つひとつの原因としっかり向き合い、次の仕事の目処が立ってから退職するとよいでしょう。
▼以下の関連記事もおすすめです。
>>登録ヘルパーを辞めたい理由まとめ|辞める前に考えるべきこと
4.訪問介護のバイトのやりがいとは?
ここまで、訪問介護バイトのきつい理由や対処法について紹介しました。
なかには、「訪問介護バイトってやりがいはないの?」と、疑問を抱いてしまった人もいるのではないでしょうか。
きつい理由ばかりを紹介してしまいましたが、当然訪問介護の仕事にやりがいを感じているヘルパーさんも大勢います。
本記事では、以下のやりがいについて紹介します。
- 利用者の役に立てる
- 自主的に働ける
- キャリアアップが目指せる
- 前向きな口コミ
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
やりがい1.利用者の役に立てる
訪問介護バイトのやりがいは、利用者から直接「ありがとう」と言葉をかけてもらえることです。
仕事にやりがいを感じることは人それぞれ異なります。しかし、大まかには以下のような要因が挙げられています。
- 自身の成長を感じられるとき
- 感謝されたとき
- 達成感があるとき
- 相応の報酬・成果が得られたとき など
訪問介護の仕事であれば、とくに自身の成長と感謝をしてもらえるといったやりがいを感じることができるでしょう。
お金をしっかり稼ぐことも重要ですが、それ以上に「誰かに頼ってもらえる仕事がしたい」という人におすすめです。
やりがい2.自主的に働ける
訪問介護は利用者と1対1で仕事をするため、周りの人間関係に左右されず自主的に働ける点も魅力です。
人によっては、仕事内容に口出しをされたり、監視されたりしていると、本来のスキルを活かせない人もいるでしょう。
そのような人にとっては、自分の判断とペース配分で仕事を進められる訪問介護の仕事は働きやすい環境といえます。
やりがい3.キャリアアップが目指せる
訪問介護として給料アップを目指したり、さまざまな介護分野で活躍していきたいと考えているのであれば、さらに上位資格の取得を目指すことでキャリアアップできる点もやりがいの1つです。
介護資格は、主に以下の3種類がメインとなります。
- 介護職員初任者研修
- 介護職員実務者研修
- 介護福祉士
初任者研修と実務者研修は、誰でも受講して修了することが可能です。
介護福祉士は、実務者研修を修了したうえで、さらに実務経験を3年以上積んでいれば試験を受けられます。
介護業界唯一の国家資格である介護福祉士を目指したい人は、挑戦してみましょう。
▼資格の取得方法に関しては、以下の記事が参考になります。
>>介護ヘルパーの資格の取り方について|費用や年齢制限は?
やりがい4.前向きな口コミ
訪問介護の仕事に関する、前向きな口コミについても確認していきましょう。
・利用者さんと会話が楽しい。色々な人生観に触れられる。
・上司、先輩などから見張られてるプレッシャーがないので落ち着いてケアに集中出来る。
・お客様に喜んで貰え、素敵な笑顔に会える。
・定年後も長く働ける。
・途中自宅に帰れるから家事はやりやすい。
・登録(ヘルパー)だと、時間の融通がきく。
・元気を貰えたり、感謝される。自分のペースで働ける。
・利用者のありがとうの言葉はやっていて良かったと思う瞬間
・一人一人、個性や考え方等が違うのを、しっかり受け止められる
このように、訪問介護バイトのきつい理由の裏にはさまざまなやりがいを持って仕事をしているヘルパーさんもいます。
上記内容に賛同できる人は、訪問介護バイトに挑戦してみてはいかがでしょうか。
▼やりがいに関しては、以下の記事もご参考ください。
>>介護ヘルパーのやりがい5選【楽しいところと大変なところがわかる】
5.訪問介護のバイトに関するQ&A
最後に、訪問介護バイトに関するQ&Aを紹介します。
今回ピックアップしたのは、以下の質問です。
- 訪問介護のバイト時給はどれくらい?
- 仕事をちゃんとこなせるか心配です
- 訪問介護が向いてる人ってどのような人?
- パートや正社員の違いは何?
- 働きながらでも資格は取れる?
- 面接で気を付けることはある?
どれも、訪問介護バイトを探している人が疑問に感じている内容となります。
より深く訪問介護バイトについて理解して、仕事探しの参考にしてください。
Q1.訪問介護のバイト時給はどれくらい?
A.時給相場は、身体介護と生活援助で異なります。
訪問介護の時給相場は、以下のとおりです。
- 身体介護:¥1,500〜¥2,000
- 生活援助:¥1,200〜¥1,500
生活援助より、専門知識が求められる身体介護のほうが時給は高い傾向にあります。
よりお金を稼ぎたいのであれば、積極的に身体介護の仕事を希望するとよいでしょう。
▼訪問介護の給料について知りたい人は、以下の記事をご参考ください。
>>訪問介護ヘルパーは年収が低い!?給料の相場や給料アップの方法を紹介
Q2.仕事をちゃんとこなせるか心配です
A.前もって事業所について調べておくことで、自分に合った環境を探せます。
事業所によって、営業方針や就業規則はさまざまです。
事業所の公式サイトや口コミなどを参考にして、複数の事業所を比べてみるとよいでしょう。
また、最初から1対1で仕事を任されるわけではありません。
慣れるまでは先輩ヘルパーが同行するのが一般的ですので、安心してください。
待遇が明らかに悪いと感じるのであれば、転職を検討しましょう。
Q3.訪問介護が向いてる人ってどのような人?
A.誰に対しても、慈悲の心でもって臨機応変に対応できる人が向いています。
向き不向きに関しては、介護の捉え方によっても異なるため、一概には正解がありません。
しかし、「イライラしやすい人は共通して訪問介護に向いていない」と語る関係者が多いです。
▼訪問介護の向き不向きに関する記事はこちらから。
>>訪問介護に向いてる人・向いていない人の特徴13選!
Q4.パートや正社員の違いは何?
A.資格を持っていれば、仕事内容に大きな違いはありません。
強いていえば、正社員の場合は事業所の打ち合わせや管理業務関連を任されることもあります。
また、正社員は固定給になるため、パート・アルバイトに比べると給料は安定しているでしょう。
▼さらに詳しく知りたい人には、以下の記事が参考になります。
>>登録ヘルパーとパートの違いとは?働き方や時給の違いを徹底比較!
Q5.働きながらでも資格は取れる?
A.資格費用を支援してくれる事業所もあります。
近年では、介護職員初任者研修の費用を支援してくれる事業所も増えてきています。
訪問介護バイトで働きながら資格を取得したいのであれば、募集の時点で支援制度について確認しておきましょう。
▼無職で資格取得を目指す人は、以下の記事をご参考ください。
>>介護ヘルパーの資格「介護職員初任者研修」をハローワークで取得するには?
Q6.面接で気を付けることはある?
A.志望動機や質問を明確にしておくことで、好印象を与えることができます。
高確率で「質問はありますか?」と聞かれますので、支援制度や待遇に関しては細かく質問するとよいでしょう。
また、服装は派手すぎず、清潔感のあるものがおすすめです。スーツを指定された場合には、従ってください。
履歴書もできる限り丁寧に書くことで、第一印象がよくなります。
▼面接や履歴書に関しては、以下の記事をご参考ください。
>>介護ヘルパーの履歴書で資格はどう書く?正式名称・送付方法・面接のコツを解説
まとめ:訪問介護のバイトはきついけどやりがいがある
訪問介護のアルバイトは、1人で臨機応変に対応しなければいけないため、責任が重く、きついと感じてしまう人は多いかもしれません。
しかし、同業者から仕事の口出しをされることはなく、自分のペースで仕事と向き合っていくことができます。
体力に自信があり、高齢者の役に立てる仕事がしたいと考えている人には向いているでしょう。
介護業界に興味があるのであれば、さまざまな介護現場を経験して、自分に合った職場を見つけてみてはいかがでしょうか。