夜間訪問介護の仕事内容は?知っておきたいポイントや給料も解説
「訪問介護で夜間の仕事はある?」
「夜間訪問介護の仕事内容は?」
「夜間訪問介護の給料はどれくらい?」
このような疑問を持つ人も多いでしょう。
夜間の訪問介護では、通常の仕事内容と異なる点があります。
そのため、夜間訪問介護の仕事で活躍できるように、事前に仕事内容を把握しましょう。
今回「みーつけあ」では、夜間訪問介護の概要から、取り組む際に意識したいポイントを解説します。
あわせて、働くメリットや給料面の条件も分かりやすく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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1.夜間訪問介護とは?
夜間訪問介護では、主に18時以降、要介護状態の利用者さん宅に向かいサービスを提供します。
対象者が要支援を含まず、要介護1以上の利用者さんとなる点が特徴です。
【夜間訪問介護と訪問介護の介護認定】
夜間訪問介護 | 通常の訪問介護 | |
利用者さんの介護度 | 要支援1~5 | 要支援1~2 または要介護1~5 |
夜間の訪問介護は、2006年の介護保険制度改正により誕生したサービスです。
以前は、利用者さんの在宅生活を支えるサービスがデイサービスや訪問介護のみで、夜間の対応ができない状態でした。
しかし、新設された夜間の訪問介護は、利用者さんが在宅状態でも24時間サポートが受けられるものです。
そのため、介護施設の入居が難しい場合でも利用しやすいサービスとなりました。
夜間訪問介護は、利用者さんの生活をより密接に支えられるサービスと言えます。
また、夜間の訪問介護の正式名称は、「夜間対応型訪問介護」と呼ばれます。
求人を探す際には、夜間対応型訪問介護の名称が使われている場合も多いので、覚えておいて損はないです。
2.夜間訪問介護の種類ごとに仕事内容を確認
夜間訪問介護は、通常の訪問介護と大きく仕事内容が変わることはありません。
しかし、夜間ならではの対応が必要になることや、介護度の違いから生まれる差は知っておくべきです。
夜間訪問介護の種類は、主に2つに分類できます。
- 定期巡回サービス
- 臨時対応サービス
ここからは、夜間訪問介護の種類ごとに仕事内容を解説していきます。
どのサービスで働きたいか考えてみましょう。
内容1.定期巡回サービス
定期巡回サービスは、定期的に利用者さんのお宅に訪問して介護を行うサービスです。
24時間対応で、あらかじめケアプランによって定められた内容に基づいて、身体介護や生活援助を行います。
また、定期巡回は夜間限定ではなく、日中の訪問も含まれる場合があります。
主な仕事内容は、以下のようなものです。
【定期巡回サービスの仕事内容】
身体介護 | ・排泄介助 ・食事介助 など |
生活援助 | ・服薬管理 ・見守り など |
利用者さんが必要とする支援によって、安否確認や見守りも含まれます。
1日の訪問回数は2~3回程度で、通常の訪問介護と比べて比較的短時間のサービスを提供するのが特徴です。
他の夜間訪問介護と違い、ケアプランで決められた内容で対応するため、訪問介護員の負担が少なく感じるでしょう。
内容2.随時対応サービス
随時対応サービスは、利用者さんの急変や転倒に対応するサービスです。
利用者さん宅には、ケアコールといった臨時で連絡できる手段が設置されます。
ご家族や利用者さん本人が緊急時に連絡して、その都度現場に向かい対応するのが主な仕事内容です。
具体的には、以下のような対応が求められます。
- 利用者さんがベッドから転倒して起き上がれなくなった
- 急な排泄介助が必要になった
介護資格で対応できない状況であれば、医師や看護師に連絡する場合もあります。
定期巡回と違うのは、緊急時対応のため、1日の訪問回数に定められた制限がない点です。
訪問介護員自身の判断力や応用力が必要な職場と言えます。
夜間訪問介護のオペレーションサービスとは?
夜間訪問介護では、定期巡回や随時対応を円滑に進めるために、オペレーションセンターの設置が要件として定められています。
オペレーションセンターの人員配置要件として、訪問介護員との兼務が認められている点が特徴です。
オペレーションサービスでは、電話をただ受けるだけではなく、以下のような仕事内容を行います。
- 利用者さんの電話対応
- 相談援助
- 利用者さんの状況判断
- 救急要請
オペレーションに必要な要件としては、以下のとおりに定められています。
【オペレーション人員に必要な資格】
- 医師
- 看護師
- 保健師
- 准看護師
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 介護支援専門員
- 1年以上訪問介護サービス提供責任者の経験がある
要件の中に当てはまる資格がある場合、夜間訪問介護の仕事で活躍する機会が増えます。
気になった人は、これから資格取得を目指す際の参考にしてみてください。
3.夜間訪問介護の仕事内容は難しい?3つのポイントを確認
夜間に対応する訪問介護は、時間帯や介護認定の違いによって対応が難しく感じる場合もあります。
ここからは、夜間訪問介護で仕事内容が難しく感じるポイントを、3つにまとめて解説します。
- 求められる介護スキルは高め
- 緊急時の対応方法を頭に入れておく
- 自己管理能力が求められる
ポイントを知れば、事前に足りないスキルを補ったり、不測の事態に対する準備をしたりできるでしょう。
夜間の訪問介護を新しい仕事として検討している人は、ぜひ参考にしてください。
ポイント1.求められる介護スキルは高め
夜間の訪問介護で求められる介護スキルは、通常の介護よりも高くなります。
なぜなら、利用者さんの介護度が高いためです。
たとえば、夜間に対応する内容として、利用者さんの体位変換や排泄介助があります。
単純なスキルだけではなく、体力が求められる身体介護にも対応しなければいけない場面が増えるでしょう。
また、1回あたりにかけられる時間が短い点も、難しいと感じるポイントです。
「これまで、身体介護にあまり携わる機会がなかった」という人は、夜間訪問介護を始める前に、自身のスキルを確認してみてください。
ポイント2.緊急時の対応方法を頭に入れておく
随時対応サービスでは、現場の状況によって緊急の対策が必要になることもあります。
利用者さんの安全を第一に対応できるように、緊急時の対応をしっかりと把握しておきましょう。
さらに、事務所ごとに決められたマニュアルを、業務前に確認してください。
現場に向かう訪問介護員は、家族や事業所、医療機関への報連相を常に心掛ける必要があります。
また、利用者さんがケガをしている可能性もあるので、最低限できる応急処置も身に付けておきましょう。
【医療行為以外でできる応急処置の例】
- 軽い傷の処置
- 回復体位
- 気道確保
ポイント3.自己管理能力が求められる
夜間訪問介護では、自身の健康を守るための自己管理能力も求められます。
夜間の対応では、寝不足や疲れがとれないといった問題が出てくる可能性も考えられるためです。
不規則な生活で体調を崩さないために、食事をしっかり取ったり、休日も適度な運動をしたり、できる範囲で健康を維持しましょう。
業務中でも、夜間や早朝の冷え込みで風邪を引かないよう、着ていく服を考えるといった対策ができます。
夏場では、業務に集中するあまり水分補給を忘れないようにしてください。
日々の業務で「働きづらい」と感じた内容は、リスト形式でメモを取ると問題解決に向けて動き出しやすくなるでしょう。
訪問介護員自身の体調管理は、判断力や体力の低下を防ぎ、利用者さんの安全にもつながります。
自己管理も頭に入れて、夜間の訪問介護に取り組んでみてください。
4.夜間訪問介護で働くメリット
夜間訪問介護の仕事内容をポイントで確認したとき、「難しい」と感じた人もいるはずです。
しかし、夜間訪問介護で働くと、難しさ以上に得られるメリットもあります。
- 夜間訪問介護は給料が高い
- 働く時間を確保しやすい
- 培ってきたスキルを活かせる
3つのメリットで、夜間訪問介護の魅力を確認しましょう。
メリット1.夜間訪問介護は給料が高い
夜間訪問介護では、時給が他の介護職と比べて高い傾向があります。
なぜなら、夜勤分の給料が割り増しになるからです。
複数の求人サイトをみーつけあで独自に調べた結果、夜勤手当の平均は1回あたり6,000~8,000円ほどでした。
また、アルバイト・パート向けの求人では、日給で2万円の条件もあります。
定期巡回サービスでは、必ず夜勤手当が付くとは限りません。
しかし、夜間対応のシフトで募集している求人に応募すれば、通常より多くの給料が貰えるということになります。
メリット2.働く時間を確保しやすい
夜間訪問介護の仕事を探す人のなかには、子育て中で職場復帰を目指す人もいるでしょう。
夜間の訪問介護では、働く時間を確保しやすいです。
たとえば、子育て中の共働き世帯では、日中の子どもの面倒を見てパートナーに引き継ぐといった働き方もできます。
このように、日中の仕事が難しい場合でも、夜間の訪問介護なら働く時間を確保しやすい点はメリットです。
メリット3.培ってきたスキルを活かせる
訪問介護の仕事を経験した人は、「思っていたよりも、勉強したことを役立てていない」と悩んでいることもあります。
夜間訪問介護では、身体介護の頻度が多いです。
体位変換や排泄介助といった仕事内容は、介護職を目指して勉強してきたスキルをフルに活かせるものとなるでしょう。
働きがいや利用者さんを支えている実感が薄れてきたとき、夜間訪問介護の仕事に携わることで、介護の魅力を再発見できるかもしれません。
5.夜間訪問介護の現状|今後の働き方はどうなる?
夜間訪問介護は、2006年の介護保険制度改正によって生まれた、比較的新しいサービスです。
そのため、これから携わる人は、今後どのように業界が変化するかも気になるでしょう。
2020年に厚生労働省が主催した「社会保障審議会介護給付費分化会」では、夜間訪問介護についての審議が行われました。
審議内容は、以下のとおりです。
- オペレーターにおいてグループホームなどの介護施設の職員との兼務
- 随時訪問ヘルパーとの兼務を認める
- 市区町村ごとの人員配置の撤廃
- 複数の事業所間で随時対応サービスを集約化できるようにする
- 地域の訪問介護事業所に対して事業の一部委託を認める
夜間訪問介護では、事業所との連携強化や定期巡回の人員配置が今後の課題とされています。
また、地域の訪問介護事業所でも夜間訪問介護の委託が認められたことで、今後はより働き手が求められるでしょう。
介護業界の人材不足は、職種問わず大きな問題です。
実際に、公益社団法人 介護労働安定センターが平成30年に行った調査では、年々従業員の不足感が高まっていることが分かります。
出典:公益社団法人 介護労働安定センター 60歳以上の介護労働者の割合
不足する介護人材の中で、夜間訪問介護の経験は活きてくるはずです。
少しでも夜間訪問介護に興味があれば、今後の介護業界を支える1人として携わる選択肢も考えてみましょう。
夜間訪問介護の仕事内容に関するよくある質問
夜間訪問介護の仕事を始めようと考える人が、よく感じる疑問をQ&A形式で回答します。
以下の内容を順番に解説するので、気になる部分から確認してください。
- 重度訪問介護と夜間訪問介護の違いは?
- 夜間訪問介護の求人はどうやって見つける?
- 仕事内容は他の介護施設よりも楽?
働く前に疑問を解消すれば、前向きに仕事に取り組めるようになるはずです。
Q1.重度訪問介護と夜間訪問介護の違いは?
A.重度訪問介護は、障がいを持つ利用者さんに対応します。
夜間訪問介護では、介護度に基づいた対応をする点が異なります。
また、重度訪問介護では「重度訪問介護従業者養成研修」といった専門資格が必要です。
夜間の対応がある点は同じように思えますが、仕事内容が違うことを覚えておきましょう。
Q2.夜間訪問介護の求人はどうやって見つける?
A.市区町村のサイトから探してみましょう。
夜間訪問介護は、地域密着型サービスの一環として行われているため、事業所から求人を出すことが少ないです。
また、求人数は少ないですが、通常の求人サイトでも夜間訪問介護を募集している場合もあります。
Q3.仕事内容は他の介護施設よりも楽?
A.定期巡回サービスなら、仕事内容が安定しています。
介護職では、「夜勤の方が、日中よりも楽」といった意見もあります。
介護施設の夜勤では、見回りや申し送りで業務を終えるた経験があるかもしれません。
しかし、夜間訪問介護に限ったことではないものの、緊急対応が必要になる場合もあります。
「夜勤だから楽」といった考えを持っていると、仕事内容が辛く感じることもあるでしょう。
働き方が合っていたり、やりがいを感じられたりといった理由なら、楽しく仕事を続けられるはずです。
まとめ:夜間訪問介護は給料もよく働きがいも見つけられる!
これから夜間訪問介護に携わる人向けに、仕事内容や働く際に押さえておきたいポイントを紹介しました。
夜間訪問介護ならではといえる、緊急時対応や生活リズムを管理する能力が求められます。
しかし、給料面や家庭に合わせた働き方ができる点などメリットもありましたね。
訪問介護の仕事でスキルを活かせないと思った人は、より身体介護の頻度が多くなる夜間訪問介護を始めてみるのも、1つの手段です。
夜間の訪問介護は、今後の需要が増すことも予想されます。
やりがいや自分に合った働き方を求める人は、楽しんで取り組めるでしょう。
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