訪問介護の労働時間はどのくらい?平均勤務時間から流れを知ろう
「訪問介護の労働時間はどのくらい?」
「勤務時間を知って働きやすさを判断したい」
このように気になり、お調べではないでしょうか。
訪問介護は、主に利用者さんの自宅で介護サービスを提供する仕事です。
しかし、移動時間を含めた勤務時間が長いことで、結果として労働時間の割に稼げないイメージを持つ人が多くいます。
そこで今回「みーつけあ」では、訪問介護の労働時間と1日の流れを紹介します。
移動・勤務時間の悩みを解決して、稼ぎやすい訪問介護の事業所を見つける参考にしてください。
空き時間に訪問介護で働いてみませんか?みーつけあでは登録ヘルパーの仕事探しを支援しています。今なら面接支援金を面接の合否に関わらず『毎回3,000円プレゼント』中!
1.訪問介護の平均労働時間|1日何時間働く?
訪問介護で仕事したいと思っても、いまの生活スタイルでおこなえるのか気になりますよね。
そのためには、以下2種類の訪問介護における平均労働時間を参考にしてみましょう。
- 訪問介護は週平均で35時間以上
- 非常勤は1日の平均労働時間が2~4時間短い
訪問介護の平均勤務時間や傾向を知って、仕事探しに役立ててください。
(1)訪問介護は週平均で35時間以上
まず、訪問介護における労働時間を「公益財団法人介護労働安定センターの2021事業所における介護介護労働実態調査」を参考に紹介します。
介護職の全体における、週の平均労働時間の割合は「35時間以上が60%」と半数以上を占めています。
データには夜勤やデスクワークなどが含まれますが、全体として労働時間が長い業種といえる傾向です。
次に、訪問介護員における週の平均労働時間は「35時間以上」が全体の38%を占めています。
しかし、2番目に多い「20時間以下の32%」と大きく差がついていません。
訪問介護は、同じ利用者さんに1日に何度もサービスを提供するケースはほとんどありません。
そのため、多数の利用者さん宅を1日に何件も訪問する仕事の特性上、連続した勤務時間は短いです。
その結果、介護職全体と比べると「週平均時間」は少なくなっています。
しかし、訪問介護の平均労働時間は介護職全体と遜色がないほど長いことがわかります。
(2)非常勤は1日の平均労働時間が2~4時間短い
次に、雇用形態別に平均した労働時間についてです。
厚生労働省が発表した「職業安定局民間需給調整課の介護労働実態調査中間結果報告」を参考にすると、正社員は「1日当たり7.8時間」です。
しかし、非正社員は「6.3時間」、登録ヘルパーは「3.9時間」となっています。
つまり、雇用形態ごとに労働時間が異なり、正社員に近づくほど勤務時間が長くなる傾向がわかります。
非正規社員や登録ヘルパーは、直接的な介護業務に大きなウエイトを置きますが、正社員は事務業務も多岐に渡るケースが多いです。
訪問介護では、こうした雇用形態・仕事内容の違いによって勤務時間が異なります。
2.訪問介護で労働時間に含まれるのは?ケースで確認
では、訪問介護で勤務した時間のうち、労働時間に含まれるのはどの程度なのでしょうか。
厚生労働省が開示している「訪問介護労働者の法定労働条件の確保のために」を参考に、具体的なケースにわけて紹介します。
- 移動時間
- 申し送り・業務報告書
- 待機時間
- 事業所での休憩時間
- 研修やミーティング
施設介護と違い、訪問介護はどの時間が労働時間に含まれるのかなかなか分かりにくいです。
それぞれ参考にして、全体の労働時間から勤務時間を計算できるようになりましょう。
ケース1.移動時間
労働時間にあたる移動時間とは、事業所・集合場所・利用者さん宅の相互間を移動する時間のことを指します。
そして、使用者が業務に従事するために必要な移動を命じ、自由利用が労働者に保証されていないと認められる場合に労働時間とされます。
ケース | 労働時間 | 例 |
---|---|---|
直行直帰 | 認められない | 自宅→利用者さん宅 利用者さん宅→自宅 |
利用者さん宅の移動 | 認められる | Aさん宅→Bさん宅 Bさん宅→Cさん宅 |
事業所への移動 | 認められる | 利用者さん宅→事業所 事業所→利用者さん宅 |
つまり、基本的に直行直帰でない限りは移動時間は「労働時間」として扱われます。
ただし、事業所によって移動時間に対して支払われる賃金の有無が異なる点に注意しましょう。
ケース2.申し送り・業務報告書
申し送りは、業務を遂行するために必要と判断されることから労働時間に含まれます。
また、業務報告書の作成については、介護保険制度や業務規程等により業務上義務付けられているものです。
そのため、原則として労働時間の間に記述することが求められます。
つまり、使用者の指揮監督にもとづいて事業所や利用者さん宅等において作成する場合は労働時間に含まれるわけです。
労働時間の間に業務報告書を書ききれなかった場合は、勤務時間に含まれません。提出するまで対応しましょう。
ケース3.待機時間
待機時間は、訪問介護員が事業所等において待機を命じられている時間のことです。
買い出しに出かけたり、自宅に戻ったりなどの「自由な時間の利用が保証されていない」と認められる場合は労働時間に含まれます。
ケース4.事業所での休憩時間
休憩時間とは、トイレに行ったり食事をしたりする「まさに自由利用する時間」です。
そのため、訪問介護の労働時間に含まれません。
移動時間で解説したように、Aさん宅から次のBさん宅への移動時間は労働時間に含まれるのに対して、移動後の次の訪問介護までの空き時間は自由時間が保証されています。
つまり、移動間の空き時間も休憩時間と同様に労働時間とされません。
ケース5.研修やミーティング
訪問介護で研修やミーティングに参加する場合、使用者の明確な指示に基づいて行われるものは労働時間に含まれます。
使用者の明確な指示が無い場合でも、強制力が確認できると認められます。
たとえば、研修内容と業務の関連性が強く参加しないと業務に支障があり、実質的に出席の強制が認められるといった場合です。
しかし、介護職は連携とコミュニケーションを重視する傾向がある職種のため、やむを得ず参加できない場合は事前に上司へ確認をおすすめします。
3.訪問介護が知っておくべき労働時間と労働基準法
訪問介護に限らず、「介護職はブラックだ」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。
実際に経験がない人も、訪問介護で働き続けるときに自らを守るため、労働基準法を知っておくと安心です。
こちらは、厚生労働省が出した通知である「介護保険事業者における業務管理体制の整備と届出先」からも読み解けます。
過去には、訪問介護で労働基準法令違反となってしまっている事業所が多くあったようです。
そのため、不正行為を未然に防止するために通知された内容では、訪問介護員の法定労働条件の確保が必須になっています。
訪問介護は、移動時間や勤務時間によって労働時間が変化します。
自らをまもるために、労働基準法を知っておくと訪問介護員として事業所におかしな部分が無いか確認できるでしょう。
▼登録ヘルパーの休業手当に関しては、以下の記事が参考になります。
>>登録ヘルパーは休業手当が支給される?計算方法まで徹底解説
訪問介護の労働時間でよくあるQ&A
最後に、訪問介護の労働時間について「よくある質問」をまとめました。
- 登録ヘルパーに労働基準法は適用される?
- 訪問介護で1日の流れや仕事内容が知りたい
- 訪問介護の変形労働時間制って何?
普段は聞けない疑問を解消して、今後の訪問介護員としての活動に役立ててください。
Q1.登録ヘルパーに労働基準法は適用される?
A.登録ヘルパーにも労働基準法が適用される場合がほとんどです。
介護保険法に基づく訪問介護の業務に従事する訪問介護員は、一般的には使用者の指揮監督の下にあるため労働者に該当すると厚生労働省通知により解釈されています。
つまり、登録ヘルパーは労働者であり、「労働基準法が適用」されるのです。
労働条件や基準についても、労働基準法にそった待遇を求められます。
▼詳しくは、以下の記事もご参考ください。
>>登録ヘルパーは請負ではなく労働者!保険や有給についても紹介
Q2.訪問介護で1日の流れや仕事内容が知りたい!
A.訪問介護で1日8時間の労働時間で働くと、以下のような流れとなります。
8:00 | 事業所にて引継ぎや1日の流れの確認 |
8:15〜11:30 | 訪問介護2件(移動時間含む) |
11:30〜12:30 | 事業所で休憩 |
12:30〜16:00 | 訪問介護2件(移動時間含む) |
16:30 | 事業所に戻り記録や翌日準備 |
17:00 | 退勤 |
訪問介護の仕事内容は、身体介護と生活援助の2種類があります。
そのため、利用者さんによって業務内容は異なる場合があり、労働時間の配分も異なります。
▼1日の流れについては、以下の記事も参考にしてください。
>>訪問介護員の仕事内容を解説!1日の流れ・給料・向いてる人とは?
Q3.訪問介護の変形労働時間制って何?
A.変形労働制とは、週単位や月単位での労働時間を定めたものです。
訪問介護は、日によって訪問する件数が不規則である場合が多い仕事です。
一般的に、1日8時間勤務だと「週に40時間」という計算になります。
ただし、件数が異なるケースが多い訪問介護事業所の場合、週単位で40時間と定めます。
そのため、1日訪問介護が無く他の日に5件入っていても、週単位や月単位の労働時間での計算になります。
まとめ:訪問介護の労働時間を理解して正しく働こう
本記事では、訪問介護の労働・時間・労働基準法について解説してきました。
介護職は、体も心もすり減らすことの多い仕事のため、労働条件については頭に入れておきましょう。
つらいことばかりではなく、利用者さんの笑顔だったり、自身の成長だったりやりがいも大いに期待できる仕事です。
訪問介護に興味があったら、ぜひ挑戦してみてください。
空き時間に訪問介護で働いてみませんか?みーつけあでは登録ヘルパーの仕事探しを支援しています。今なら面接支援金を面接の合否に関わらず『毎回3,000円プレゼント』中!