訪問介護の面接での質問対策まとめ!具体例や事前の準備も確認しよう
「面接に慣れていないから、緊張するかもしれない…」
「落ちたらどうしよう…」
「訪問介護の面接で聞かれる質問の対策をしたい!」
このようにお考えですね。
訪問介護の仕事をしようと決めたとき、1つ目の関門となるのが面接です。
せっかく仕事をしようと思い立ったのに、面接対策が不十分でアピール不足になってしまう状況は避けたいですよね。
今回「みーつけあ」では、訪問介護の面接で押さえておくべきポイントを紹介します。
また、面接の質問に対応する方法を具体的にNG例も踏まえて解説するので、ぜひ参考にしてください。
面接対策ができていると感じている人も、見逃している対策がないか確認しましょう。
1.訪問介護の面接でよくある質問に対応するポイント
訪問介護の面接に対応するために、大切なポイントは以下の2点です。
- 訪問介護の現状を理解する
- 訪問介護の定義を理解する
介護職と言っても、サービス内容や事業体系は多岐に渡ります。
そのため、訪問介護の面接を受ける前に、「訪問介護とはどのようなものか」を再確認し準備しておきましょう。
また、仕事内容の理解度も重要なポイントとなります。それぞれの内容を、訪問介護未経験の人でも分かるように紹介します。
ポイント1.訪問介護の現状を理解する
訪問介護の現状を理解しておくと、面接の受け答えがスムーズになります。
仕事の取り組み方が想像しやすくなったり、緊張感が和らいだり、といった効果があるためです。
たとえば、訪問介護の就労状況や就労人口割合を確認しておくとよいでしょう。
介護労働安定センターの「平成29年介護労働実態調査」のデータによると、正規職員の割合は30.3%に対して、非正規職員の割合は69.7%と、非正規職員の割合が高い傾向にあります。
就業形態では、女性の割合が高く、正規職員では73.6%、非正規職員で95%です。
訪問介護は、女性の割合がかなり高い職種であることがわかります。
訪問介護の人手不足は進み、離職率も高い状況です。
しかし、一番の課題は、求人に対しての応募が少ないといった採用に関わるものです。
このように現状を把握すると、面接で程よい緊張感を持って受け答えができるでしょう。
ポイント2.訪問介護の定義を理解する
訪問介護は、利用者さんの健康や安全に関わる仕事のため、仕事の理解が必要です。
訪問介護の定義も理解しておくと、面接時の受け答えがスムーズになります。
厚生労働省による訪問介護の定義では、「訪問介護とは、訪問介護職員等が、利用者(要介護者等)の居宅を訪問し、入浴・排泄・食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事等を提供するものをいう。」となっています。
業務内容を簡単に説明すると、身体介護と生活援助に分かれています。
【訪問介護の身体介護と生活援助の例】
身体介護 | 生活援助 |
・排泄介助 ・食事介助 ・清拭 ・入浴介助 ・服薬介助 ・自立支援の見守り など | ・掃除 ・洗濯 ・ベッドメイク ・調理 ・生活必需品の買い物 など |
訪問介護は、要支援や要介護状態になった利用者さんが、在宅で生活するために大切な役割です。
役割を全うする心持ちで面接にのぞむことで、やる気がある姿をアピールできるでしょう。
ここまでは、面接で最低限必要なポイントを紹介してきました。
より具体的に、「どのような対策をすればよいのか」気になる人は、次の章を確認しましょう。
▼訪問ヘルパーの仕事内容に関しては、以下の記事が参考になります。
>>訪問介護員(ホームヘルパー)とは?役割と仕事内容・給料事情のキホン
2.訪問介護の面接で必ず聞かれる質問例
訪問介護の面接で聞かれる主な内容は、以下の7項目です。
- 志望動機
- 理念の理解
- 介護経験
- 介護の仕事で好きなこと
- 介護の仕事で苦手なこと
- チームワークについて
- 今後取りたい資格
面接の質問の多くはテンプレート化しているため、傾向を掴めれば回答は絞られます。
しかし、各事業所の色はさまざまで、想定外の質問もされるかもしれません。
そのため、面接を受けるうえで重要なのは、「できる限り対策をしておくこと」です。
少しでも不安を減らして面接を受けられるように、参考にしてみてください。
訪問介護面接の質問1.志望動機は?
志望動機は、面接者が一番知りたい質問です。
この質問では、「なぜ訪問介護をやりたいのか」や「なぜ自分の事業所に応募したのか」ということを聞き取る意図があります。
質問に瞬発的に回答するのではなく、何を知りたいのか読み取り回答しましょう。
【悪い例】 | 人と関わる仕事が好きだからです。 |
【解説】 | 内容自体はとてもよいですが、端的過ぎる印象を与える可能性があります。 |
【よい例】 | 訪問介護によって、介護が必要な人の在宅生活を支えたいと思っています。また、地域の中で御社の取り組みに感銘を受けたため志望しました。 |
【解説】 | 訪問介護の仕事を通して、どうなりたいか利用者にどうなって欲しいかの理由が明確です。 |
訪問介護を単にしたいのみならず、面接を受けている事業所で働きたいという意思も示せています。
訪問介護の質問2.法人理念は理解していますか?
事業所は、理念に沿ってサービスを提供しています。
単に訪問介護をやりたいけど、どこの事業所でもよいという人よりは、理念に共感してくれる人材が欲しいものです。
【悪い例】 | 訪問介護の事業をしていることは知っていますが、すみません、理念は分かりません…。 |
【解説】 | 求人情報で、事業所の立地と時給を確認してすぐ電話する行動力がある人が陥るかもしれない回答です。日程調整して早々に面接する場合に起こりやすいでしょう。 |
採用側は、人手不足であればすぐに面接をしたいものです。しかし、何のために事業をしているかは、最低限抑えるべきです。
【よい例】 | はい、〇〇という理念に共感いたしました。私が仕事を行う上でも、〇〇を大切にしています。 |
【解説】 | 事業所理念に共感する部分を取り上げて、自身の介護感と合わせて伝えましょう。理念を知っていることは、本気で働きたい意思を伝えるポイントです。 |
訪問介護の質問3.過去の介護経験はありますか?
1から仕事を教えるよりも、経験者の方がよいと考える事業所は多くあります。経験者であっても、アピールし過ぎずに回答するポイントを紹介します。
【悪い例】 | はい。デイサービスで5年の介護経験があり。リーダーとして3年働きました。仕事のできない職員にも関わり仕事ができるまで育てました。 |
【解説】 | 内容的にはよいですが、アピールし過ぎな印象があります。高く評価を受けて、採用して欲しい気持ちが前面に出ているので、謙虚さでもアピールしましょう。 |
【よい例】 | はい。介護の仕事を5年した経験があります。できたことも、できなかったこともありますが、経験を生かしながら学び続けたいと思っています。 |
【解説】 | 経験を伝えながら、自身の仕事の振り返りができています。また、これから学び続けたいという意思表明も好印象です。 |
訪問介護の質問4.介護の仕事で好きなこと
誰しもが「訪問介護の仕事をしたい」と純粋に感じた経験やきっかけがあるはずです。
好きであったり、興味があったり、得意だと感じたことを伝えて、よいアピールに繋げるポイントを紹介します。
【悪い例】 | 利用者さんと話すことが好きです。食事介助も得意なため好きです。 |
【解説】 | 回答は間違いではありませんが、好きな理由が自分からの一方的な印象があります。 |
介護の仕事のため、利用者さんの反応に対して嬉しいから好きという方向性が好ましいです。
【よい例】 | 何気ないことでも、利用者さんに感謝されることが嬉しいです。 1人では食事が難しい利用者さんを介助したとき、微笑みながら食事される様子が嬉しいので食事介助が好きです。 |
【解説】 | その仕事がなぜ好きなのかの理由に、利用者さんの喜びという意味が込められています。利用者さんへの介護で、自分も嬉しいという感情は好印象です。 |
訪問介護の質問5.介護の仕事で苦手なことはありますか?
一般的な面接の質問でも、短所を聞かれることが多くあります。
ここでは、訪問介護の面接で質問されたときに、マイナスイメージにならない方法について見ていきましょう。
【悪い例】 | 腰が痛いので、入浴介助は苦手です。認知症で帰宅願望が強い人の対応も苦手です。 |
【解説】 | 苦手なことを正直に伝えるのは、悪いことではありません。しかし、面接の質問に対する回答としては、ややマイナスな印象になってしまいます。 |
苦手と言い切ると、できないことをできるようになる気がないと捉えられてしまう可能性もあります。
【よい例】 | 少し腰痛があるため、入浴介助は苦手ですが、腰に負担のかからない介護方法について学んでいます。帰宅願望の強い利用者さんの対応は難しいですが、否定せず傾聴して向き合っています。 |
【解説】 | 苦手なことを伝えつつも、打開したい為の努力や姿勢が伝わり好印象です。 |
訪問介護の質問6.チームワークとはどのようなものですか?
職員の人間関係について、悩む人も多いでしょう。
訪問介護は、基本的には単独で行う仕事です。
しかし、サービス提供責任者やケアマネジャーや利用者ご家族とチームワークの連携が必要な仕事です。
【悪い例】 | みんなが上司の指示を聞いて、指示を守り、まとまることです。 |
【解説】 | 業務命令に従うのは大切です。しかし、それだけではチームワークは成り立ちません。 |
必要な姿のみではなく、「どうしたらよいチームになるのか」と考えるのが1つのポイントになります。
【よい例】 | 意見の食い違いがあっても、相手の話を聞いたうえで否定せずに話し合い、方向性を見出すことです。 |
【解説】 | 意見の相違があったときは、一方的な話になりかねません。意見の相違は、好き嫌いや人間関係の崩れが起こりうるものです。 |
職場の関係が悪くならないように、自分が気を付けていることも含めれば好印象です。
訪問介護の質問7.今後取りたい資格はありますか?
資格によっては、事業所は加算を取れる場合もあります。
資格取得の質問をされた場合は、面接を受ける人の向上意欲が見られていると判断しましょう。
【悪い例】 | 受験要件は分かりませんが、介護福祉士を取ってみたいと思います。 |
【解説】 | 漠然と取りたいということでは、現実味がありません。取得するためにはどうすればよいかは最低限調べる必要があります。 |
【よい例】 | 実務者研修を受けたので、次は介護福祉士にチャレンジしたいと思います。 |
【解説】 | 段階的なステップアップにより、向上心が期待できます。仕事を行う上でも計画性と向上が期待できる印象になります。また、チャレンジという言葉も好印象です。 |
訪問介護の質問8.質問はありますか?(逆質問)
逆質問は、面接を受けた事業所の理解度をアピールしたり、働く意欲を示したりできるチャンスです。
しかし、聞きたいことを矢継ぎ早に聞くのは印象が悪くなってしまいます。
回答例としては、急がず好印象を与えるのがポイントです。
【悪い例】 | 時給は、1,150円から1,200円と書いてあったのですが、いくらになりますか?休みは、何日前に言えばよいですか? |
【解説】 | 時給に関して決めていない場合は、面接の内容から持ち帰り検討する場合が多いです。そのため、即答できないことがあります。 |
待遇面は、とても重要な情報ですが面接後に採用連絡をもらって契約までに確認する人が一般的でよい印象です。
【よい例】 | 採用して頂けたら嬉しく思います。その他条件等は、連絡時に質問させて頂ければと思います。 |
【解説】 | 採用して欲しいという気持ちを伝えたうえで、しっかりと条件面については確認の意向を伝えられています。 |
3.訪問介護の面接前に確認すべき準備
訪問介護の面接では、質問内容をあらかじめ予測した準備が必要です。
合わせて、面接自体が円滑に進むようにするための準備も欠かせません。
訪問介護の面接前にするべき準備は、以下の3点です。
- 面接での服装と持ち物
- 面接場所
- 面接での話し方
直前でバタバタしてしまい、面接で実力を出せなかったという後悔にならないように、余裕を持った準備をおすすめします。
今一度、面接前に不足していることがないか、確認しておきましょう。
準備1.面接での服装と持ち物
基本的には、面接時に服装や持ち物に関する通知がきます。
「カジュアルな服装で」と伝えられた場合でも、最低限のTPO(時や場所や場合)をわきまえて、フォーマルな服装が好ましいです。
カジュアルな服装を指定された場合は、リクルートスーツを用意する必要はありません。
介護の仕事で使用するような、チノパンとポロシャツといった、清潔感がある服装で向かいましょう。
また、髪の色にも気を付けましょう。
あくまでも人柄と見た目を重要視される現場のため、奇抜な色や派手な髪型は避けてください。
ただし、事業所によって「どこまでの服装が求められるか」は異なります。
事業所のホームページでスタッフの写真がある場合は、確認するのがよい方法です。
通える距離なら、通りかかって雰囲気を事前に見ておくことも準備になります。
準備2.面接場所
面接場所の確認は、前日や当日にも行いましょう。
社会人として、時間を守ることは必須条件です。
公共交通機関の乱れによる遅刻を考慮して、余裕を持って何本か前の電車やバスに乗る意識を持っておくとよいですね。
似たような名前の事業所と勘違いしたり、面接場所は本部だったり、といった失敗もあり得ます。
面接に遅れてくるという印象は、大きなマイナスになりかねません。
「利用者さんの介護時間もルーズだろうな…」と思われないように、面接場所は必ず抑えておきましょう。
準備3.面接での話し方
アットホームな雰囲気が売りの事業所でも、いきなり友達口調で話すのは避けましょう。
謙譲語までへりくだる必要はありませんが、不快な気持ちにならないような配慮が必要です。
訪問介護は、利用者さんのお宅に行き介護をする仕事です。
そのため、面接では、話し方や身振り手振りといったコミュニケーション能力も見られます。
また、声や表情でも印象は変わります。
介護サービスでは、何気ない言葉が「虐待かもしれない」と周りの人に感じさせる可能性もあるものです。
自分も事業所も守り利用者さんによいサービスを提供するために、日ごろから丁寧な言葉遣いを意識しておきましょう。
訪問介護の面接・質問に関するQ&A
最後に、訪問介護の面接に関連する以下3点の質問に答えます。
- 正職員とパートの質問内容の違い
- 想定外の質問にはどう対応すればよい?
- 無職の期間があっても大丈夫?
面接経験が少ない人にとっては、「今さら人には聞けない」という内容もあるかと思います。
少しでも不安要素を減らして、訪問介護事業所の面接に備えましょう。
Q1.正社員とパートの面接では質問内容に違いがある?
A.正職員とパートの面接では、質問内容が違う可能性があります。
なぜなら、正職員とパートでは、事業所で定めた業務時間や役割が異なるためです。
正職員は、現場の介護のみではなくサービス提供責任者も任されることもあるかもしれません。
パートの面接では、家族状況からどれくらいシフトに入れるかという視点での視点が多くなります。
Q2.想定外の質問にはどう対応すればよい?
A.少し時間がかかっても、真面目に考えて回答しましょう。
事前に質問を想定していても、面接に想定外はつきものです。
考えても分からない場合は、嘘をつくのではなく正直に分からない旨を伝えれば、正直な印象が生まれるでしょう。
また、自分が困ったときの面接者の態度は、「今後一緒に仕事がしやすいか」といったポイントがイメージしやすくなるチャンスでもあります。
想定外の質問でも前向きに捉えて、落ち着いて対応しましょう。
Q3.無職の期間があっても大丈夫?
A.無職期間があるからといって、面接で必ず落とされることはありません。
介護業界で働く人のなかには、心か体の休養が必要でブランクがあったり、家族の介護や育児で仕事ができなかったりする人もいます。
面接時に言えない内容であれば、契約前に守秘義務を守ってもらうよう相談してから伝えましょう。
何があっても、働きたいという今の気持ちに自信を持ちましょう。
まとめ:訪問介護でやりがいとステップアップを手に入れよう
訪問介護の面接で質問に対応する方法や具体的な回答例を解説しました。
事前にある程度の内容を練習しておけば、緊張感も和らいで自分の良さを出した面接ができるはずです。
想定外の質問でも、「訪問介護に携わりたい」と思った気持ちを真摯に伝えられるように、何度か面接練習をしておきましょう。
人手不足により介護を受けたくても受けられない人の力になるためにも、面接をクリアして訪問介護の仕事を始めてください。