未経験・無資格でも訪問介護員になれる?不安なく介護職になるには?
「訪問介護員に興味がある」
「でも未経験で無資格だと雇用してもらえないかも」
転職を考えている人のなかで、このような疑問を抱えている人は多いのではないでしょうか。
じつは、未経験や無資格でも訪問介護員として働けます。
ただし、対応できない仕事内容があるため、業務の範囲や今後の働き方を考えておかなくてはなりません。
そこで今回「みーつけあ」では、未経験でも訪問介護員になれる理由や、無資格でも安心して就業できる理由について紹介します。
この記事を参考に、訪問介護員のやりがいや仕事内容を知り、転職のきっかけにしてください。
1.訪問介護は未経験でもできる!
結論からお伝えすると、介護が未経験の人でも訪問介護員として働けます。
しかし、利用者さんの身体に直接触れる「身体介護」は、資格を取得していなければおこなえません。
そのため、訪問介護の業務をすべてこなすには「介護職員初任者研修」の修了が必須となります。
こうした背景から、未経験・無資格の場合は独り立ちに時間を要したり、なかなか雇ってもらえなかったりします。
また、無資格の場合には従事できる業務も少ないため、利用者さんの身の回りのことをおこなう「生活援助」が中心です。
さらに、未経験者歓迎というような文言が記載されていても、実際は「介護職員初任者研修」といった資格の取得が必要な場合もあるでしょう。
事業所が求めている人材によって求人の条件も変わるので、転職の際には注意深くチェックしてください。
2.訪問介護が未経験の人が知っておきたい3つのこと
訪問介護が未経験の人は、働く前から多くの不安を抱えています。
そこで、働く前から知っておきたい3つの知識を紹介します。
- 先輩の同行があるから未経験の人でも不安は少ない
- 「同行なし」ではないか前もって確認を
- 特例によって無資格でも訪問介護員になれるケースも
訪問介護の事業所では、未経験でも安心して働けるように多くの取り組みがおこなわれています。
ぜひ参考にして、働く前の不安を解消してください。
(1)先輩の同行があるから未経験の人でも不安は少ない
初めて訪問介護員になった場合は、先輩の訪問介護員が同行します。
そのため、未経験でいきなり介護を任せられるようなことはありません。
一般的に、見学や先輩のサポートを経て、徐々に独り立ちします。
経験豊富な先輩方が同行する間に、業務面や利用者さんの特徴について理解を深めて、独り立ちに備えることが何よりも大切です。
(2)「同行なし」ではないか前もって確認を
事業所の方法や利用者さんのレベルによっては、初めての訪問介護であっても「同行なし」となる場合があります。
また、生活援助だけの場合は「1回の同行だけ」で、そのまま担当が割り振られることも少なくありません。
こうした傾向から、不安な場合は面接の際に前もって同行の有無を聞いておきましょう。
(3)特例によって無資格でも訪問介護員になれるケースも
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、無資格でも訪問介護員として働ける特例措置が講じられました。
しかし、特例は以下の条件が設けられています。
「一時的なものであり、かつ利用者の処遇に配慮したものであれば、柔軟な対応をして差し支えないものであり、その際、訪問介護員の資格のない者であっても、他の事業所等で高齢者へのサービス提供に従事した事がある者であり、利用者へのサービス提供に支障がないと認められる者であれば、訪問介護員として従事することとして差し支えない」
引用:「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」のまとめ|厚生労働省 - ※2021年12月現在
過去に介護サービスを提供しており、利用者さんへ問題なく介護をおこなえる場合は、無資格でも訪問介護員として働けるという旨の記載がされています。
非常に曖昧な部分ですが、わかりやすくすると「これまでまったく介護経験がない」場合は、対象となりません。
あくまでも、新型コロナウイルス感染症の患者対応により、人員基準が満たせなくなった場合を想定されて講じられた特例です。
3.訪問介護の仕事内容を未経験の人にもわかりやすく説明
未経験でもサポート業務が中心であれば、訪問介護員として働けます。
しかし、どこまでの範囲が仕事内容となるのか不安に感じる人も多いです。そのため、以下の2つにわけて、訪問介護の一般的な仕事内容を紹介します。
- 身体介護
- 生活援助
未経験・資格なしの場合は担当できない身体介護も含めて紹介するので、イメージを膨らませてみてください。
(1)身体介護
身体介護とは、以下の利用者さんの身体に直接触れておこなうサービスのことをいいます。
- 入浴
- 排泄
- 食事や移動
こうした身体介助は、介護職員初任者研修の資格を取得していることが提供の条件です。
また、身体介護はあくまでも、利用者さんが可能な限り自立した生活を送るためのお手伝いとなります。
そのため、一方的に個人で必要と判断した介護をおこなうことはできません。
ケアプランに決められた内容のとおりにサービスを提供して、不安な場合は先輩や上司に相談しましょう。
(2)生活援助
生活援助では、以下の身体介助に当たらない支援をおこないます。
- 掃除
- 洗濯
- 料理
- 買い物
利用者さんの日常生活に必要な範囲で、1人ひとりに合わせたさまざまなサポートがメインです。
また、無資格の状態で訪問介護員になった場合は、生活援助がメインの仕事です。
ちなみに、一般的な生活援助では掃除・調理・配膳がメインの提供サービスとなっているようです。
そのため、調理などが得意な場合は、訪問介護をおこなううえで大きな強みになります。
4.訪問介護が未経験でも向いている人の特徴
訪問介護員の仕事について紹介するだけでは、まだ転職などに躊躇する人もいるかもしれません。
そのため、ここからは訪問介護に向いている人を、以下の4つにわけて紹介します。
- 体力に自信がある人
- お世話が好きな人
- 聞き上手な人
- 気持ちの切り替えがうまい人
自分がどのくらい訪問介護に適しているか、今後の参考にしてみてください。
(1)体力に自信がある
訪問介護に向いている人の1つ目の特徴は、体力に自信があることです。
入浴や排泄といった身体介護はもちろんのこと、お買い物や次の利用者さん宅への移動なども含めると、1日でかなりの体力を使います。
また、介護技術を習得すると、身体介護の際の負担も減らせますが、体力があるに越したことはないでしょう。
仕事中は利用者さんに対して常に安全なサポートを提供するためにも、日頃から体力を蓄えておくことがとても大切です。
(2)お世話が好きな人
訪問介護に向いている人の2つ目の特徴は、お世話が好きな人であることです。
訪問介護では、利用者さんが少しでも自分らしい生活を送るためのお手伝いをします。
誰でも「自分でできること」が減っていくと、自信を失ってしまうものです。
そのなかで、利用者さんの意欲を引き出すことが、訪問介護で求められる1つのスキルです。
人のために尽力できる人は、利用者さんの喜びを自分のエネルギーに変換できるため、訪問介護員を続けやすいといえます。
(3)聞き上手な人
訪問介護に向いている人の3つ目の特徴は、聞き上手な人であることです。
生活の一部をお預かりする訪問介護では、コミュニケーションを通して利用者さんのことを理解し、お互いが信頼できる人間関係を築いていくことが大切です。
適切なサポートをおこなうには、利用者さんがどのような考えの持ち主なのか知ることが求められるためです。
また、利用者さんを知るには、話しやすい雰囲気作りができたり、返答しやすい質問を考えたりするスキルが重宝します。
もし、自分が聞き上手だと感じているのであれば、訪問介護員として利用者さんとよい信頼関係を築くことにも長けているかもしません。
(4)気持ちの切り替えがうまい人
訪問介護に向いている人の4つ目の特徴は、気持ちの切り替えがうまい人であることです。
訪問介護員は、身体だけでなく、精神的な疲労も大きくのしかかってくる仕事で、うまくいかないことも多々あります。
また、訪問介護をおこなっている間は、常に利用者さんへの思いやりや、寄り添い続ける姿勢が求められます。
いくら聞き上手であったり、お世話好きな人であったりしても、仕事として長時間気を使い続けるのは大変です。
訪問介護の現場には、訪問介護員のストレスの原因となる要因が複数存在していることも事実です。
そのなかで、ストレスを抱えたまま日常に戻らず、自身の体調を崩さないためにも、気持ちを上手に切り替えられるスキルは必須といえるでしょう。
訪問介護員を続けていくには、ストレスを発散できる趣味を見つけるというのも大切なポイントとなります。
▼訪問介護の向き不向きに関しては、以下の記事もご参考ください。
>>訪問介護に向いてる人・向いていない人の特徴13選!
訪問介護が未経験の人が知っておきたいQ&A
最後に、訪問介護が未経験である人が抱えやすい「3つの悩み」にお答えしていきます。
- 訪問介護員はバイトでもきついの?
- 未経験や無資格で本当に仕事は見つかる?
- 訪問介護の管理者は大変って本当?
転職に向けて、しっかり準備をおこなうためにも、事前に少しでも疑問を減らしておきましょう。
Q1.訪問介護員はバイトでもきついの?
A.訪問介護員は、アルバイト・パートでもきついといえます。
訪問介護員として働く場合、雇用形態による仕事内容の違いはあまり見受けられません。
そして、一般的に知られているように「高齢化の進行」により、訪問介護員の需要は常に高い状態となっています。
そのため、アルバイトやパートといった形で訪問介護員を雇用し、働き手を増やしている事業所も多く存在しているわけです。
また、資格を必要としない生活援助の場合、一定の業務量であると考えて働き始めておくとギャップに苦しまないでしょう。
しかし、アルバイト・パートのほうが、勤務時間に融通がきく場合もあります。
あまり長い時間働けない場合には、正社員にならずとも、パートなどで働くことも1つの方法といえるでしょう。
▼関連記事はこちらから。
>>介護ヘルパーはきついのか?きつい理由と対処法を徹底解説
Q2.未経験や無資格で本当に仕事は見つかる?
A.未経験や無資格でも、訪問介護員の仕事は見つかります。
訪問介護員が未経験だったり、介護関連の資格をもっていない人は、本当に仕事がみつかるか不安に感じているかと思います。
しかし、介護業界は常に人材が不足しているため、未経験や無資格の人でも雇用してもらえるケースが多いです。
未経験や無資格でも、仕事を通じて経験を重ねることで技術を習得できます。
また、資格取得までの道のりをサポートしてくれる制度を導入している事業所も多いので、現場で実際に学びながら、確実に力をつけていくこともできます。
最初は業務面での制約もありますが、経験を積めば、希望する仕事に就くことは決して不可能ではありません。
▼無資格に関する記事はこちらから。
>>介護ヘルパーは無資格でもできる!業務や取っておきたい資格を解説
Q3.訪問介護の管理者は大変って本当?
A.どの事業所にも管理者が存在します。
訪問介護の事業所で管理者として挙げられるのは、「サービス提供責任者」と「管理者」の2つです。
サービス提供責任者は、訪問介護計画書を作成して、利用者さんに適切なサポートの提案をおこないます。
そして責任者は、サービスのチェックからシフトの管理など、事業所の統括をおこなっています。
どちらの仕事も利用者さんの生活の質を高めるために必須の業務であり、困難な仕事といえるでしょう。
管理者は特別な資格を必要としませんが、訪問介護員目線、利用者目線で物事を見ていく必要があるため、自ずと資格取得レベルの知識が求められます。
まとめ:訪問介護員はつらくてもやりがいのある仕事!
今回は、未経験でも訪問介護員になれるか否か、という点についてお伝えしました。
未経験・無資格でも訪問介護員になることはできますし、現場での経験を積むことも可能です。
しかし、キャリアアップの観点や、利用者さんに適切で最善なサポートを提供するためには、資格の取得が必要です。
まずは、自分に訪問介護員としての適正があるか見極め、給料や資格取得までのサポート体制など、事業所ごとの特徴を捉えるようにしましょう。
利用者さんやご家族から感謝を伝えられるといった、仕事を続けられる大きなやりがいもたくさん存在していますよ。