訪問介護で資格手当が出る資格5つ!支給額相場や取得方法を徹底解説
少しでも給料を上げるために必須ともいえる「資格手当」は、訪問介護でも支給されるのか気になっている人は多いと思います。
手当が出る資格を優先的に取得すれば、給料だけでなく自身の介護スキルや知識を高められるでしょう。
今回「みーつけあ」では、具体的な資格名や資格手当の金額まで紹介します。
無駄なく資格を取得したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
1.訪問介護でも資格手当は出る!支給される介護資格一覧
訪問介護は、資格手当が出ないと思っている人もいるでしょう。
しかし、訪問介護でも手当が支給される以下5つの資格が存在します。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- ケアマネジャー
- 認知症ケア専門士
介護の資格はたくさんありますが、手当が支給される資格はある程度決まっています。
一般的に、1~4までの資格に対して手当を支給する事業所がほとんどです。それぞれ、詳しくみていきましょう。
資格1.介護職員初任者研修
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)は、介護の入門的資格です。
介護未経験の人が、基礎的な知識やスキルを身につけられる研修となっています。
訪問介護に限らず、介護では適切なサービスを提供するために、知識やスキルが求められます。
そのため、介護職員初任者研修を修了すると、資格手当の支給と知識・技術を証明できるのが利点です。
資格2.介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格として位置づけられている資格です。
初任者研修より、さらに踏み込んだ介護の知識やスキルを学べます。
また、介護福祉士の受験の条件になっているため、キャリアアップを見据えている人にもおすすめです。
実務者研修は、受験に際して特別な条件をクリアする必要はありません。
しかし、学べる内容が介護の経験者向けに作られていることから、介護未経験の人にとっては少し難しく感じるレベルです。
そのため、はじめて資格を取得する場合は介護職員初任者研修を受講しましょう。
資格3.介護福祉士
介護福祉士は、現場で働く介護士が取得できる資格のなかで最上位の国家資格です。
詳しくは後述しますが、取得には以下にある、いずれかの条件を満たす必要があります。
ルート | 受験資格 |
---|---|
実務経験ルート | 実務経験3年以上 実務者研修修了 |
養成施設ルート | 介護福祉士養成施設で指定のカリキュラムを修めて卒業 |
福祉系高校ルート | 福祉系高校で指定のカリキュラムを修めて卒業 |
受験資格に記載されているとおり、3年以上の実務経験(施設・高校学習)が求められます。
その代わりに、高い技術や知識を保有していることを証明できたり、リーダーとして働けたり、やや高い資格手当をもらえます。
資格4.ケアマネジャー
ケアマネジャーは、ケアプラン作成やサービス事業者との調整を担う、介護保険に関するスペシャリストの資格です。
こちらも受験に際して、以下のいずれかの受験資格を満たす必要があります。
- 特定の国家資格(※)を保有している
- 相談援助業務に通算5年以上の従事期間があり、900日以上の従事日数がある
※「特定の国家資格」については後述します。
ケアマネジャーは、おもに介護福祉施設や居宅介護支援事業所、地域包括支援センターなどで働きます。
介護福祉士と同レベルの資格手当がもらえて、より多くの利用者さんを支援できるでしょう。
資格5.認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は、2005年に制定された「認知症ケアのプロがもつ証」として注目を集めている新しい資格です。
認知症ケアに関する知識とスキルをもちあわせた専門士であり、一般社団法人日本認知症ケア学会が主催する民間資格となっています。
おもに、介護保険施設で認知症ケアに携わります。
事業所によって金額が異なりますが、独自調べで資格手当を支給しているケースがありました。
資格取得支援をおこなっている事業所の場合は、支給される可能性が高いと考えられます。
2.訪問介護で資格手当が出る資格の支給額相場はどのくらい?
訪問介護で手当が出る資格は、大体どの程度の支給額相場なのかが気になる人もいるでしょう。
実際の求人を見てみると、支給額は事業所や働き方によって差があることがわかります。
資格名 | 支給額相場 |
---|---|
介護職員初任者研修 | 3,000円~5,000円 |
介護福祉士実務者研修 | 5,000円~20,000円 |
介護福祉士 | 時給に+20円~20,000円 |
ケアマネジャー | ~20,000円 |
認知症ケア専門士 | ~3,000円 |
※編集部の独自調べ
支払われる資格手当は、事業所ごとに支給額が異なっているため幅は大きくなります。
- 介護職員初任者研修 3,000円~5,000円
- 介護福祉士実務者研修 5,000円~20,000円
- 介護福祉士 ~20,000円もしくは時給に+20円~
- ケアマネジャー 5,000円~20,000円
- 認知症ケア専門士 ~3,000円
それぞれ詳しく紹介するので確認してください。
資格手当1.介護職員初任者研修 3,000円~5,000円
介護職員初任者研修は、「3,000円~5,000円」と事業所により多少の幅があります。
誰もが取得できる資格のため、あまり多額の資格手当は支給されません。
ただ、支給額が3,000円だとしても、給料にプラスされることを考えると嬉しい額です。
少しでも給料をあげたい人は、支給額が多い事業所を探してみましょう。
資格手当2.介護福祉士実務者研修 5,000円~20,000円
介護福祉士実務者研修は、「5,000円~20,000円」と事業所によって幅が大きくなります。
初任者研修の上位資格であり、さらに実践的な介護知識とスキルを持ち合わせていることが評価されるためです。
そのため、支給額が安い事業所でも5,000円ほどは見込めるでしょう。
資格手当3.介護福祉士 ~20,000円もしくは時給に+20円~
介護福祉士は、「時給に+20円」または「〜20,000円程度」の支給額となっています。
事業所によって差はありますが、ほぼ20,000円近く支給している事業所が多くありました。
専門性の高い国家資格のため、リーダーとして働くことで手当が支給されるケースもあります。
資格手当4.ケアマネジャー 5,000円~20,000円
ケアマネジャーは、「5,000円〜20,000円」の資格手当が支給されます。
「介護福祉士よりも支給額が高くなりそう」と考える人もいますが、実際はあまり差がありません。
国家資格か公的資格かという点で、差別化をはかっていると考えられます。
ケアマネジャーは介護現場を兼任することも多いため、介護福祉士も保有している場合にはさらに給料アップを期待できるでしょう。
資格手当5.認知症ケア専門士 ~3,000円
認知症ケア専門士は、ある程度知られている資格ではありますが、他の介護資格に比べるとまだまだ認知度は低めです。
そのため、資格手当を支給している事業所は多くありません。
認知症ケア専門士の知名度があがり、現場でより活躍する人材が増えれば、支給額アップが期待できます。
補足:パートタイムでも事業所によっては資格手当がある
パートタイムで働く場合でも、事業所によっては資格手当が支給されます。
パートタイムだからといって資格手当が安くなることは少なく、正社員と同じように資格手当が支給されるケースが多いです。
保有している資格手当の支給額が高ければ、自分のシフト次第で納得のいく給料を得られます。
3.資格手当があるだけでこんなに違う!無資格との差額はどのくらい?
資格手当といっても、「あまり給料アップには影響しないのでは?」と感じている人もいるかもしれません。
給料から考えると資格手当は少額に感じられますが、資格手当があるだけで大きな差が生まれます。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査の職種別賃金額」によれば、ホームヘルパーの給料の平均は21万円です。
21万円を軸として、資格手当がある場合とない場合で年収を比較してみましょう。
今回は、直接訪問介護に関係する以下の3つの資格で比較します。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
資格手当ありの給料と、資格手当なしの給料を年収として出してみました。
資格手当あり ※年収 | 資格手当なし ※年収 | |
介護職員初任者研修 | 255万円~258万円前後 | 252万円前後 |
介護福祉士実務者研修 | 258万円~276万円前後 | 252万円前後 |
介護福祉士 | 276万円前後 | 252万円前後 |
※単純計算のため目安程度にご覧ください
1ヶ月の給料では大きな差がないように感じても、年収で考えると、24万円ほどの差が出る資格もあります。
他にも、夜勤手当や残業手当などが含まれると、さらに給料が上がるでしょう。
資格手当に興味を引かれない人もいると思いますが、実際にどの程度違うのかを知ればその重要性に気づくはずです。
ポイント:給料が高い事業所よりも資格手当が出る事業所を選ぶ
求人を探すときには、給料が高い事業所を選びやすいですよね。
しかし、本当に給料を高くしたいなら「資格手当が出る事業所を選ぶことをおすすめ」します。
なぜなら、元の給料が高い事業所はその後の給料アップが見込みにくいからです。
資格手当が出る事業所の場合には、資格を取得するたびに給料に反映されやすく、給料アップを狙いやすくなります。
また、訪問先の数や時間に影響されずに、固定された金額が確定しているのも嬉しいポイントです。
4.訪問介護で資格手当が出る対象資格の取得方法
訪問介護で資格手当が出る対象資格を取得するために、具体的な方法をまとめました。
資格取得方法はおもに、講座を受講したり実務経験を積んだりする必要があります。
働きながら取得できる資格もたくさんあるため、給料アップを狙っている人も、いま保有している資格の上位資格を取得してみてください。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- ケアマネジャー
- 認知症ケア専門士
まだ訪問介護の仕事に就いていない人や、これから資格を取得する予定の人は要チェックです。
取得方法1.介護職員初任者研修
介護職員初任者研修には、資格取得のための受験資格は存在しません。
初任者研修の講座を実施しているスクールに通い、130時間(10項目)のカリキュラムを修了します。
そして、最終日に修了試験があり、合格すると資格を取得できます。
受験資格・条件がなく、学歴・職歴も関係なしに受験できる資格です。
取得方法2.介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、資格取得のための受験資格が設けられていません。
450時間(6ヶ月)の受講を終えると資格を取得できます。
誰でも時間をかければ取得可能な資格ではありますが、より早く取得したい場合は以下の受講期間の免除を確認しておきましょう。
保有資格 | 取得までの時間 |
無資格 | 450時間 |
介護職員初任者研修 | 320時間 |
旧ホームヘルパー2級 | 320時間 |
旧ホームヘルパー1級 | 95時間 |
旧介護職員基礎研修 | 50時間 |
すでに対象の介護資格を保有している場合に、受講する予定の科目のなかで免除される科目があります。
そのため、受講に必要な時間が短くなり、取得までの期間は短くなります。
こうした傾向から考えると、まずは介護職員初任者研修の取得をおすすめします。
取得方法3.介護福祉士
介護福祉士は国家資格であるため、受験資格を満たす必要があります。
取得までのルートにより受験資格が異なるため、それぞれ確認しておきましょう。
ルート | 受験資格 |
実務経験ルート | 実務経験3年以上 実務者研修修了 |
養成施設ルート | 介護福祉士養成施設で指定のカリキュラムを修めて卒業 |
福祉系高校ルート | 福祉系高校で指定のカリキュラムを修めて卒業 |
養成施設や福祉系高校に通っていない人の場合、実務経験ルートでの取得が最短です。
実務者研修を働きながら取得すれば、最短3年で介護福祉士の国家試験を受験できます。
高校を卒業していなくても、介護の経験を積むことで受験できるため、プロフェッショナルを目指しやすい資格です。
取得方法4.ケアマネジャー
ケアマネジャーは、勤務先もしくは住んでいる都道府県にて、年1回おこなわれる「介護支援専門員実務研修受講試験」の合格が第一条件です。
その後、実務研修を修了しなくてはなりませんので、医療福祉系の国家資格や実務経験が必要となります。
ケアマネジャーの実務研修の対象となる国家資格は、以下のとおりです。
- 医師
- 看護師
- 薬剤師
- 保健師
- 社会福祉士
- 介護福祉士
いずれかの国家資格を保有しており、5年以上の実務経験が求められます。
都道府県によって試験の方式は異なりますが、一般的にマークシート方式が採用されています。
ケアマネジャーの受験対策講座も開講されているため、試験に不安がある人は受講を検討してもよいでしょう。
取得方法5.認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は、認知症ケア専門士認定試験に合格すると取得できる資格です。
試験から過去10年の間に、認知症ケアに関する施設や機関などで実務経験が3年以上あることが受講の条件となります。
合格したあと、登録申請料の15,000円を支払うことで資格が認定されます。
まとめ:資格手当が出る事業所を選んだほうが給料がアップしやすい
訪問介護で資格手当が支給される資格や、平均支給額・資格を取得する方法などを紹介しました。
手当が支給される資格を持っておくと、少しでも給与を高い水準で保てます。
また、実際に求人をチェックする場合は、資格手当を支給している事業所を探すことがポイントです。
サービス提供の質を高められて自分の給料もアップする介護資格は、積極的に取得しましょう。