資格なしでも訪問介護員にはなれる?有資格者との給料や待遇の違いも徹底解説!
「訪問介護は資格なしでも大丈夫?」
「資格で給料や待遇はどれだけ違う?」
このように気になり、お調べですね。
少子高齢化が進み需要が高まる介護の仕事ですが、感染症の拡大でさらに人材が不足しています。
そのため、訪問介護員として活躍しようとする人が増えています。
しかし、無資格からのキャリア形成に不安を感じたことはないでしょうか。
今回「みーつけあ」では、訪問介護員と資格について待遇や給料まで含めて紹介します。
ぜひ最後までご覧いただき、新たなキャリアを形成する参考にしてください。
1.資格なしでも訪問介護の仕事はできる?
結論からいうと、介護に関する資格なしでも訪問介護の仕事に携われます。
厚生労働省の「介護保険における新型コロナウイルス 感染症に関する主な対応(報告)」によると、国が定めた条件さえ満たしていれば、資格なしでも訪問介護として働けるためです。
- 資格なしで働くときの仕事内容
- 資格なしではできない仕事内容
それぞれ詳しく説明するので、ぜひ参考にしてください。
訪問介護の資格なしで働くときの仕事内容
一定の条件を満たしている場合に限り、資格なしでも訪問介護員として生活援助に携われます。
後述しますが、利用者さんに直接触れる「身体介護」は資格が必要です。そのため、資格なしだと以下の生活援助に限られてしまいます。
- 部屋の掃除
- 洗濯
- 買い物
- 見守り
- 利用者さん分の食事の準備
- 医薬品の受取
生活援助は、主に利用者さん本人やその利用者さんのご家族がおこなえない日常の家事などのサポートのことです。
ただし、利用者さんの日常生活に直接関係していないこと(やらなくてもいいようなこと)は、生活援助の対象外になります。
具体例は、以下のとおりです。
- 庭掃除
- 部屋の模様替え
- 利用者さんの業務の援助
生活援助は、被介護者の自立支援が目的です。利用者さんが日常生活を営むのに必要な支援以外の業務は、介護保険の適用外となります。
※会社によっては有資格者による指導の元、生活援助外の業務をおこなうこともあります。
訪問介護で資格なしではできない仕事内容
訪問介護の場合、資格なしではおこなえない仕事が身体介護です。
ただし、有資格者の監視・指導の元であれば、資格なしの方でも身体介護をおこなえます。
そもそも身体介護は、利用者さんの身体に触れておこなう必要のある行為や、ADL・IADL・QOLなどの向上を支援します。
具体的には、下記の項目が身体介護の業務範囲です。
- 排泄介助、食事介助、特段の専門的配慮をもって行う調理
- 清拭(全身清拭)、部分浴、全身浴、洗面等、身体整容、更衣介助
- 体位変換、移乗・移動介助、通院・外出介助
- 起床・就寝介助
- 服薬介助
- 自立生活支援のための見守り的援助
出典:厚生労働省|訪問介護
こうした業務は資格なしでは対応できず、有資格者による支援が原則です。
2.介護資格なしで働く場合の給料や待遇を確認!
ここまでは資格なしでも働けることや、その場合の内容について触れてきました。
そのうえで気になるのは、やはり待遇や給料ですよね。ここからは、介護資格なしで訪問介護員として働く場合の下記3点について解説していきます。
- 勤務時間
- 給料
- 手当
なかでも給料や手当は、資格の有無によって変わりますので参考にしてください。
勤務時間
「仕事内容が資格の有無で変わる以上、勤務時間にも差は出るのだろうか」と、気になりますよね。
結論からいうと、一般的に資格なしでも勤務時間に大きな違いはありません。
訪問介護では、身体介護や生活援助などケアプランに合わせて支援をおこないます。そのため、利用者さんの数だけ働く先があり、さまざまな需要に合わせて訪問するからです。
また、介護業界全体が慢性的な人手不足であることから、「資格なしだから短時間しか働けない」ということはありません。
むしろ、事務作業や清掃などの資格の有無が関係のない仕事が回ってくることが増える可能性もあります。
給料
平成31年におこなわれた厚生労働省の調査によると、資格なしの平均給料は「約118,440円」でした。(※)
一般的に訪問介護の場合、生活援助が基本の支援です。そのため、同資料に記載された有資格者(介護職員初任者研修取得者)の平均給料「約90,210円」を超えています。
こうした給料の調査からみると、訪問介護で資格なしでも十分に給料がもらえるわけです。
ただし、事業所によって身体介護に対する手当や資格手当など別途で支給される給料があります。結果として、資格なしの人より高い給料をもらっている可能性はあります。
手当
訪問介護に限らず、介護の仕事では基本給に加えて資格手当が支給されます。
弊社で独自に調査した結果、内容と金額の目安は下記のとおりとなりました。
手当 | 内容 | おおよその金額 |
夜勤手当 | 深夜帯の勤務時間に付加 | 1日/約3,000〜8,000円 |
残業手当 | 残業時間に応じて付加 | =時給×1.25×残業時間 |
通勤手当 | 通勤にかかった費用を付加 | 0円〜全額 |
皆勤手当 | 欠勤なく勤務した場合に付加 | 約8,000〜10,000円 |
扶養手当 | 扶養人数に応じて付加 | 配偶者 5,000〜10,000円 子ども 3,000〜5,000円 |
住宅手当 | 家賃の一部を付加 | 約5,000〜15,000円 |
介護福祉士 | 有資格者に付加 | 約10,000〜15,000円 |
介護福祉士実務者研修 | 有資格者に付加 | 約3,000〜8,000円 |
介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級) | 有資格者に付加 | 約2,000〜5,000円 |
支給される手当の金額や基準は、お住まいの地域や事業所によって異なる場合があります。
3.訪問介護は資格なしでも働きながら取得を目指せる
訪問介護は、資格なしでも働きながら取得を目指せる職種です。
「働かない期間があると困る」という人は、働きながら資格を取得できる事業所を選びましょう。
これからキャリアを新しく形成する人に向けて、以下の2つを紹介します。
- 訪問介護員を続けるなら取っておきたい資格一覧
- 評価アップや仕事の幅の向上につながる資格一覧
それぞれ確認して、これからのことも考えてみてください。
訪問介護員を続けるなら取っておきたい資格一覧
訪問介護員として働き続ける場合、昇給や評価の向上につながる資格の取得がおすすめです。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- ガイドヘルパー
なかでも、介護職員初任者研修は初心者が知っておきたい知識を学べるため、最初に取得したい資格です。
今後のキャリア形成を考える場合、介護福祉士を目指すうえで必要となる介護職員実務者研修も視野に入れましょう。
なお、ガイドヘルパーは障がい者の移動支援に従事する場合に求められる資格です。必須ではありませんが、幅広い利用者さんを支援している事業所では重宝します。
評価アップや仕事の幅の向上につながる資格一覧
介護に関連する評価アップや仕事の幅を広げてくれる資格を、一覧にして紹介していきます。
- 介護事務
- 介護食士
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- レクリエーション介護士
- サービス提供責任者
- 福祉用具専門相談員
- 喀痰吸引等研修
その他、民間企業で取得できる資格もあります。実務経験が必要なケアマネジャーや、施設向けのレクリエーション介護士など、今後のキャリアに合わせて取得を目指してみましょう。
ただし、それぞれの資格に手当が出るかは事業所によって異なります。
訪問介護員に資格なしでなりたいときのQ&A
たとえ訪問介護に興味があっても、疑問や不安が残ったまま行動するのは難しいですよね。
そこで、ここでは資格なしで訪問介護に就く前に挙がりやすい、下記のような疑問を解消していきます。
- 訪問介護の求人は資格なしでも見つかる?
- 無資格で働いても罰則はない?
- 介護資格の勉強は難しい?
無資格でも求人を見つけられて、働いても罰則はありません。ただし、注意点がありますので確認しておきましょう。
Q1.訪問介護の求人は資格なしでも見つかる?
A.資格なしでも訪問介護の求人は見つけられます。
お住まいの地域によっては見つかりにくい場合はありますが、資格の取得を目指しながら働けるといった内容で募集されています。
また、人材不足によって生活援助に限定して人員を募集するケースもあるほどです。
資格は持っていなくても、介護の世界に触れられますのでチャレンジしてみてください。
Q2.無資格で働いても罰則はない?
A.無資格で働くこと自体は問題なく、罰則もありません。
訪問介護では、生活援助に限り資格なしで働けます。ただし、身体介護といった有資格者にしか許されていない業務をおこなうと、事業所を含めて罰則を受けます。
一般的に身体介護を資格なしでおこなう場合には、有資格者による監視・指導が必要です。
長く働き続けることを考えると、介護職員初任者研修の資格を取得して、身体介護まで対応できると重宝される人材となれるはずです。
Q3.介護資格の勉強は難しい?
A.介護資格の勉強は難しくなく、働きながら覚えられるレベルです。
実際に、働きながら資格を取得できるようにサポートしている事業所があります。また、職業訓練やオンラインスクールなど介護の資格を取得できる機会はさまざまです。
自分に合った方法を選べると、壁にぶつかることなく資格の取得を目指せるでしょう。
ただし、国家資格である介護福祉士は実務経験が求められるため初心者では取得できません。最初は、介護職員初任者研修の取得を目指してください。
まとめ:やりがい豊富な訪問介護をはじめてみよう
今回の記事では、主に下記3つのポイントについて解説しました。
- 資格なしでも訪問介護の仕事はできるのか
- 介護資格なしで働く場合の給料や待遇
- 訪問介護に関する資格一覧
業務範囲こそ変わるものの、現在は資格なしでも訪問介護に携われます。
そして、働きながらでもおこなえる業務の幅を向上させるために、介護職員初心者研修を取得まで考えていきましょう。
しかし、介護職のキャリアのためには資格取得だけでなく実務経験を積んでいくことも同様に大切です。経験と共に資格も取得していき、介護職での盤石なキャリアを築く参考にしてください。