訪問介護は副業におすすめ?必要な資格や求人の探し方について
「訪問介護で副業をすることはできるだろうか?」
「必要な資格は?メリットやデメリットはあるの?」
これから訪問介護の副業がしたいと考えている人にとって、必要な資格や求人の探し方は気になる問題ですよね。
訪問介護の仕事のなかでも、ライフスタイルに合わせて働ける雇用形態を登録ヘルパーと呼びます。
登録ヘルパーなら、隙間時間を有効活用して副業を始められるでしょう。
そこで今回「みーつけあ」では、訪問介護の副業に必要な資格や求人の探し方、メリット・デメリットを紹介します。
訪問介護の副業に関する注意点を理解して、事前準備を整えましょう。
1.訪問介護の副業は認められているの?
副業とは、現在メインの収入源となる仕事があり、それとは別に副収入を得るための仕事を指します。
では、訪問介護の仕事は副業が認められているのでしょうか。
結論から言うと、「副業、ダブルワークOK」といった形で求人を募集している訪問介護事業所であれば、副業が可能です。
しかし、大前提として本職でも副業が認められていなければなりません。
そのため、副業を始めるには本職で副業やダブルワークが認められており、求人先の就業規則も副業・ダブルワークをOKとしていることが条件です。
ダブルワークと副業の違いとは?
副業と似たような意味合いとして「ダブルワーク」といった呼び方もあります。
副業とダブルワークは、ほぼ同じ意味合いです。しかし、2つ目以上の仕事の収入の捉え方によって若干違いがあるとされています。
- 副業:主体となる収入、就職先があり、それを補う目的で取り組んでいる仕事。
- ダブルワーク:主体となる収入がない、あるいは2つ以上の仕事がどれも同じくらいの収入源である。
つまり、本職があるなら「副業」、複数のパート・アルバイトを掛け持ちしているなら「ダブルワーク」といった意味合いです。
とくに大きな違いはありませんので、どちらを用いても問題はないでしょう。
2.訪問介護の副業は登録ヘルパーがおすすめ!
訪問介護の雇用形態は、「正社員、パート・アルバイト、派遣社員、登録ヘルパー」など、さまざまです。
なかでも、訪問介護の非常勤勤務として知られているのは「登録ヘルパー」です。
登録ヘルパーは、雇用された事業所に自分の働ける時間を伝えて、その時間帯にだけ働くことができます。
事業所に出退勤する必要はなく、直接介護サービス利用者の自宅に向かい、仕事が終わればそのまま帰ることも可能です。
家事や育児で忙しい主婦や、隙間時間に少しだけ働きたいといった人に人気の働き方といえるでしょう。
介護業界は常に人手が不足している
出典:平成29年度 「介護労働実態調査」の結果|公益財団法人 介護労働安定センター
介護労働安定センターの、平成29年度「介護労働実態調査」によると、訪問介護員の不足感は82.4%ともっとも高いです。
その原因は、同業他社との人材獲得競争が厳しかたったり、他産業に比べて労働条件がよくないといった理由が多くなっています。
しかし、訪問介護の需要は少子高齢化の加速とともに伸び続けていくでしょう。
とくに、登録ヘルパーの働き方は副業とも相性がよく、柔軟に働きたい人にとってはライフスタイルが維持しやすいです。
訪問介護の副業でよくある求人
では、訪問介護の副業を探す場合、どういった求人広告を探すべきなのでしょうか。
実際に検索してみると、以下のような条件が多いです。
- 15:00〜21:00の間で1日1h〜、週1日〜OK、直行直帰OK
- 8:00〜21:30の間で週1日〜・1日2h〜OK、扶養内やWワーク・副業もOK
- 未経験・無資格もOK、資格取得に向けてサポートします◎ など
訪問介護事業所によって、待遇や支援制度はさまざまとなります。
たとえば、働きながら資格を取得したいのであれば、サポートが充実している事業所をえらぶとよいでしょう。
副業目的なら「Wワーク・副業OK」と記載されている事業所を探してください。
不明点があれば、直接問い合わせて確認することをおすすめします。
3.訪問介護の副業に必要な資格や注意点
ここまで、訪問介護の副業に関する基本的な情報を紹介しました。
しかし、訪問介護ヘルパーとして副業をするうえで、注意点がいくつかあります。
今回ピックアップした注意点は、以下の3つです。
- 訪問介護の副業は介護資格が必要
- 就職先が副業OKであることが前提
- 確定申告の必要性も視野に入れる
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
注意点1.訪問介護の副業は介護資格が必要
いざ、求人を探してみると、「無資格OK」という募集も見かけます。
しかし、訪問介護の仕事をするなら介護資格を必ず取得しなければなりません。
なぜなら、訪問介護は利用者と1対1で介護サービスを行うため、サービス提供の資質を担保する必要があるためです。
つまり、最初は先輩ヘルパーさんと同行して業務内容を教えてもらいながら、資格を取得するといった流れになります。
実際に1対1で仕事を行うのは、資格を取得してからということです。
そのため、無資格・未経験の場合はいきなり理想どおりに稼げるというわけではありませんので注意しましょう。
▼資格に関しては、以下の記事が参考になります。
>>登録ヘルパーに必要な資格とは?仕事内容や給料についても紹介!
注意点2.就職先が副業OKであることが前提
副業を始めるうえで大前提となるのが、本職・副業先がともに副業を認めているということです。
厚生労働省は、2018年に「モデル就業規則」を改訂しており、働き方改革の一環として「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除しています。
その後のモデル就業規則の第14章「副業・兼業」の項目は、以下のとおりです。
(副業・兼業)
第68条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合
このように、副業そのものは認められても、会社や事業所によって制限はかけられてしまいます。
また、副業をする場合には必ず本職に相談をして、副業先にも「副業を前提に考えています」と、意思表示をしましょう。
注意点3.確定申告の必要性も視野に入れる
副業による収入は、年間20万円を超えると確定申告をしなければなりません。
副業先から年末調整を求められた際には、「年末調整は本職で行います」と伝える必要があります。話が行き違わないようにすることが重要です。
また、本職がなくパート・アルバイトで掛け持ちをしている場合でも、所得の多いどちらか一方で年末調整は行いましょう。
▼さらに詳しく知りたい人は、以下の記事をご参考ください。
>>登録ヘルパーでも知っておきたい!確定申告や年末調整について
4.訪問介護の副業のメリット・デメリットとは?
では、訪問介護の副業のメリット・デメリットはどのようになっているのでしょうか。
副業をすることで、本来の収入をさらに底上げできます。しかし、その分働く時間は増えるため、体調管理に気を付けなければいけません。
また、複数の仕事を引き受けることでスケジュール管理も複雑になるでしょう。
自身のキャパシティと相談したうえで、どのくらいの仕事をこなしていけるかを考えましょう。
訪問介護の副業のメリット
訪問介護の副業には、以下のようなメリットが挙げられます。
- 隙間時間を活かした働き方ができる
- 収入の底上げができる
- 実務経験が私生活にも活かせる
- キャリアアップを目指せる
一般的なシフト制の仕事とは異なり、訪問介護は介護サービスを提供している時間にのみ時給が発生します。
そのため、4〜5時間ほどの定時出勤が難しい人でも、1日1〜2時間だけ働くといった自由度が魅力です。
また、家族の介護が必要になったときには、仕事で学んだ介護技術や知識を活かすことができるでしょう。
さらに、上位資格を取得することでキャリアアップや資格手当も期待できます。
訪問介護の副業のデメリット
続いて、訪問介護の副業のデメリットには、以下の項目が挙げられます。
- 収入は不安定
- 体力・精神的に仕事がきつい
- スケジュール管理・体調管理が大変
- 企業秘密の漏洩、信頼関係、企業の利益を害するリスクが上がる
- 労働時間が短いと社会保険が受けられない
非常勤の訪問介護ヘルパーとして働く場合、利用者が入院・入所・死亡といった原因で急に仕事がなくなることもあります。
そのため、収入が安定しないといった理由から事業所を掛け持ちするヘルパーさんも多いです。
また、仕事内容によっては利用者の体を支えたり持ち上げたりするため、体力的にきついと感じる人もいます。
認知症の利用者によっては、暴言を吐くこともあり精神的に辛いと感じる人も少なくありません。
スケジュール管理や体調管理が苦手な人にとっては、そもそも副業が合わないケースも考えられるでしょう。
さらに、口が軽い人であれば事業所の情報を外部に漏らしてしまい、トラブルに繋がってしまうリスクも想定してください。
▼社会保険関連は、以下の記事を参考にしてください。
>>登録ヘルパーでも社会保険に加入できる?加入条件や注意点について
5.訪問介護の副業でよくある質問
最後に、訪問介護の副業でよくある質問について紹介します。
今回ピックアップした質問内容は、以下のとおりです。
- 仕事内容はどういったことをするの?
- 訪問介護の副業はどれくらい稼げる?
- 登録ヘルパーとパート・アルバイトの違いは何?
- 最初から1人で仕事をやるの?
訪問介護の副業を始める前に、さらに細かい疑問を解決しておきましょう。
Q1.仕事内容はどういったことをするの?
A.訪問介護の仕事は、「身体介護」と「生活援助」の2種類があります。
身体介護は、入浴介助や排泄介助、移動の手助けといった利用者に直接触れて行う介護の仕事です。
対する生活援助は、掃除や洗濯といった利用者に触れなくても行えるサポート関連の仕事内容となります。
生活援助は介護資格がなくても行えますが、身体介護を行うには必ず介護資格が必要です。
無資格なのであれば、まずは入門資格となる「介護職員初任者研修」の修了を目指しましょう。
▼介護職員初任者研修に関する記事はこちらから。
>>介護ヘルパーの資格とは?初任者研修・実務者研修との違いや内容を解説
Q2.訪問介護の副業はどれくらい稼げる?
A.身体介護の時給は1,500円〜2,000円、生活援助は1,200円〜1,500円程度です。
身体介護は利用者の体に直接触れる分、責任が重く専門的な仕事となるため、時給が高く設定されています。
また、時給相場は地域によっても大きく異なります。
少しでも時給を高くしたいのであれば、上位資格を取得したり、待遇のよい事業所を探しましょう。
▼訪問介護の給料アップに関する記事はこちらから。
>>登録ヘルパーは本当に稼げるのか?時給の平均値や高時給の理由について
Q3.登録ヘルパーとパート・アルバイトの違いは何?
A.介護職員のパート・アルバイトは、主に施設介護がメインとなります。
混同されがちですが、一般的なシフト制で働く介護の仕事は、主に施設介護であるケースがほとんどです。
- 介護のパート・アルバイト:介護施設のシフト制で働けるため、給料も比較的安定しやすいが、体力的に大変。
- 介護の登録ヘルパー:非常勤の訪問介護員は、ほとんどが登録型。直行直帰で自由度が高いが、収入が不安定。
登録ヘルパーとして収入を上げたいのであれば、掛け持ちをして仕事数を増やすとよいでしょう。
▼登録ヘルパーの掛け持ちに関しては、以下の記事をご参考ください。
>>登録ヘルパーは掛け持ちしても良い?掛け持ちをする3つのメリットとは
Q4.最初から1人で仕事をやるの?
A.基本的には、初回訪問時に前任ヘルパーやサービス提供責任者が同行します。
ただし、「事業所の方針によってはいい加減な場合もある」と、口コミでは見かけます。
未経験者であれば、とくに小規模事業所には注意をしてください。
なるべく、大規模な事業所から経験を積むとよいでしょう。
まとめ:訪問介護の副業は登録ヘルパーがおすすめ!
訪問介護の副業は、時間に融通が利く登録ヘルパーがおすすめです。
ただし、利用者の都合によって急に仕事がなくなることもあります。収入が不安定になってしまう点には注意してください。
また、勝手な判断で副業を始めてしまうと、トラブルにも繋がりかねません。
副業を始める際には、必ず両方の会社、事業所に報告・連絡・相談をしましょう。