訪問介護員の月収はどれくらい?給料アップ方法や仕事内容を一挙公開!
「訪問介護員って月収はどれくらいなの?」
「やりがいや大変なことも知りたい」
これから訪問介護員として働きたいと考えている人にとって、月収や仕事内容は気になる問題ですよね。
訪問介護員の仕事内容は、パート・アルバイト・正社員ともにほとんど変わりありません。
しかし、月収は雇用形態によって大きく異なります。
そこで今回「みーつけあ」では、訪問介護員の月収とともに、仕事内容ややりがい、大変なことをまとめてみました。
これから訪問介護員として働きたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
1.訪問介護員の月収をまとめてみた
まず始めに、厚生労働省の資料「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」を参考に、訪問介護員の月収について見ていきましょう。
冒頭にも書いたとおり、訪問介護員の月収はパート・アルバイトと正社員で異なります。
しかし、仕事内容はそこまで大差がありません。その分、正社員のほうが責任が重かったり、残業や欠員補充になったりする機会が多いでしょう。
これらを踏まえて、それぞれの月収を比較していきます。
パート・アルバイトの月収
訪問介護員を含めた、介護職員のパート・アルバイトの月収は、112,500円です。
2019年の106,750円と比較すると、5,750円ほど上がっています。
あくまで平均月収でありますが、決して高いと言える月収ではありません。
なぜなら、訪問介護のパート・アルバイトのほとんどが「登録ヘルパー」だからです。
・登録ヘルパーとは?
登録ヘルパーとは、働きたい時間を事業所に伝えて、仕事が入れば直接サービス利用者の自宅へ向かって働ける雇用形態です。
事業所に出勤する必要がないため、隙間時間を使って直行直帰で働くことができます。
そのため、定時出勤が難しい主婦や、副業として1〜2時間だけ働きたいといった人達におすすめです。
しかし、働きたい時間帯にサービス利用者とマッチングしなければいけなかったり、利用者の入院や死亡によって仕事が急になくなったりと、収入は安定しません。
このような原因が相まって、パート・アルバイトの月収が低くなっているのでは?と予測されます。
施設介護のパート・アルバイトであれば、施設内に利用者がいるため、定時出勤で安定した給料が見込めるでしょう。
パート・アルバイトの時給
パート・アルバイトの時給についても見ていきましょう。
訪問介護員を含めた、介護職員のパート・アルバイトの時給は1,110円です。
2019年の1,090円と比較すると、20円ほど上がっています。
時給単体でみると、決して安くはありません。
このことからも、「訪問介護のパート・アルバイトは希望どおりに稼げていないのでは?」と予測できます。
正社員の月収
訪問介護員を含めた、正社員の介護職員の月収は315,850円です。
2019年の300,120円と比較すると、15,730円ほど上がっています。
また、内訳としては基本給が182,260円、手当が78,440円、賞与といった一時金が55,150円です。
パート・アルバイトに比べると、より安定した月収が見込めるでしょう。
ただし、正社員は定時出勤なうえ、欠員が出た場合には残業を余儀なくされることもあります。
相応に責任も重くなるため、ライフスタイルは事業所に合わせなければなりません。
プライベートの時間よりも仕事を優先したい人には、正社員のほうがおすすめです。
2.訪問介護員の月収をアップさせる方法とは?
訪問介護員のパート・アルバイトとして働く場合、どうしても月収が不安定という悩みを抱えてしまいます。
そこで、本記事では以下4つの月収アップ方法をピックアップしました。
- 資格を取得する
- 掛け持ちをする
- 条件のよい事業所を探す
- キャリアアップを目指す
「月収は安定させたいけど、正社員としては働けない」と考えていた人は、ぜひ参考にしてください。
方法1.資格を取得する
1つ目の方法は、介護資格を取得することです。
そもそも、訪問介護員として働くには介護資格が必要です。
介護資格がなくてもできる仕事はありますが、任せてもらえる仕事が少なくなってしましまいます。
そのため、より対応できる仕事を増やすためにも、介護の入門資格である「介護職員初任者研修」の修了を目指しましょう。
また、上位資格である「実務者研修」を取得することで、資格手当も増えます。
▼資格の取り方に関しては、以下の記事が参考になります。
>>介護ヘルパーの資格の取り方について|費用や年齢制限は?
方法2.掛け持ちをする
登録ヘルパーは働いた分だけ稼げるため、複数の事業所を掛け持ちすることで給料の底上げが可能です。
1つの事業所だけで働いていると、担当の利用者さんが入院・入所・死亡してしまった場合には一時的に仕事がなくなってしまいます。
このような事態の回避策として、複数の事業所を掛け持ちして仕事量を増やすとよいでしょう。
ただし、事業所によっては掛け持ちを禁止している場合もあります。必ず事前に相談・報告をしてから、掛け持ちをしてください。
また、掛け持ち先の事業所には、面接のときに「他の事業所にも登録しています」という旨を伝えましょう。
▼登録ヘルパーの掛け持ちに関しては、以下の記事が参考になります。
>>登録ヘルパーは掛け持ちしても良い?掛け持ちをする3つのメリットとは
方法3.条件のよい事業所を探す
月収アップの方法として、条件のよい事業所を見つけることも欠かせません。
事業所を探す際には、時給だけで判断するのではなく、待遇について調べるようにしましょう。
- 処遇改善や資格手当は充実しているか?
- 交通費は支給されるか?
- 昇給制度はあるのか
- 資格支援はしてくれるのか? など
事業所によっては、介護職員初任者研修の費用を負担してくれる事業所もあります。
もし、下調べの段階で分からないことがあれば、面接の際に確認するとよいでしょう。
自身の希望に合わないと感じるのであれば、無理せずに他の事業所を探すことをおすすめします。
方法4.キャリアアップを目指す
ある程度仕事に慣れてきた人であれば、思い切ってキャリアアップを目標にすることも重要です。
最初は子育てが忙しくて働けないとしても、子供が独り立ちすれば時間の使い方も変化します。
そのようなときのために、上位資格を取得してサービス責任者やケアマネジャーといった仕事をしてみるのも月収アップの方法として有効でしょう。
3.訪問介護員の仕事内容
訪問介護員の月収や給料アップの方法について、理解は深められたでしょうか。
ここからは、訪問介護員の仕事内容について見ていきましょう。
一口に「高齢者の自宅を訪問して介護サービスを提供する仕事」とはいっても、仕事内容は分類されています。
主な仕事内容は、「身体介護・生活援助・通院等乗降介助」の3つです。
それぞれについて、詳しく紹介します。
身体介護
身体介護は、排泄介助や入浴介助など、利用者の体に直接触れなければ行えない介護の仕事です。
そのため、専門的な介護技術や知識がなければサービスを提供できません。
身体介護を行うには、介護職員初任者研修以上の資格取得を目指しましょう。
また、身体介護の時給は1,500円〜2,000円とやや高めです。
積極的に身体介護の仕事を行うことで、給料アップにつなげることもできます。
生活援助
生活援助は、掃除や洗濯など、利用者に直接触れなくても行える支援の仕事です。
ただし、提供できるサービスは利用者が自立した生活を送るために最低限必要とされる生活の援助のみとなります。
庭の手入れやペットの世話など、利用者に直接関係のない家事は行なえません。
万が一頼まれた場合には、必ず断りましょう。
通院等乗降介助
通院等乗降介助は、利用者の通院をサポートする仕事です。
訪問介護員が直接車を運転して、利用者の乗降介助や受付を行います。
ただし、病院内の付き添いは介護保険外サービスとなるため行えません。
病院側がどうしても対応できないといった特殊な状況に限り、付き添いが許される場合もあります。
細かいルールに関しては、各地域や事業所によってさまざまです。責任者の指示に従って行動しましょう。
さらに詳しく仕事内容を知りたい人は、以下の記事をご参考ください。
>>介護ヘルパー(訪問介護員)とは?仕事内容・資格・やりがいについて紹介
>>訪問介護ヘルパーに頼めることって?できること・できないことを紹介
4.訪問介護員の1日を紹介
では、訪問介護員として働いた場合、スケジュールはどのようになるのでしょうか。
この記事では、子育て中の主婦パートと正社員を例にして紹介します。
まず、子供の育児に忙しい主婦のスケジュール例は、以下のとおりです。
タイムスケジュール | 業務の内容 |
7:00~10:00 | 家事・子供を保育園に送る |
10:15:00~11:15 | Aさん宅で身体介護 |
12:00 | 帰宅して昼食 |
13:30〜14:30 | Bさん宅で生活援助 |
15:00〜16:00 | Cさん宅で身体介護 |
16:15 | 子供を迎えに行って一緒に帰宅 |
このように、ライフスタイルの隙間時間を活かして働けることが、登録ヘルパーの強みになります。
対する正社員のスケジュール例は、以下のとおりです。
タイムスケジュール | 業務の内容 |
8:30 | 出勤・訪問準備 |
9:30〜10:30 | Aさん宅で生活援助 |
11:00〜12:00 | 移動後、Bさん宅で身体介護 |
12:30 | 昼休憩 |
13:30〜14:30 | Cさん宅で生活援助 |
15:00〜16:00 | Dさん宅で身体介護 |
16:30〜17:30 | 帰社後、記録や引き継ぎを行ってから帰宅 |
正社員の場合は、事業所に出勤してから利用者の自宅に向かいます。
帰宅前には一度帰社をして、記録や引き継ぎを行わなければなりません。
そのため、出勤から退勤までは一般的な正社員と同様に働く形となるでしょう。
▼関連記事はこちらから。
>>登録ヘルパーは忙しい?1日のスケジュールをご紹介!
5.訪問介護員のやりがい
仕事内容を確認した人のなかには、「訪問介護の仕事にやりがいはあるのだろうか?」と、気になった人もいるのではないでしょうか。
訪問介護は、他の介護業務以上に「利用者と1対1で向き合う仕事」ともいえます。
なぜなら、施設介護のように従業員が数人待機しているわけではないからです。
このような特徴を踏まえて、以下2点のやりがいについて紹介します。
- 感謝や成長を感じられる
- 自主的に働ける
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
やりがい1.感謝や成長を感じられる
訪問介護のやりがい1つ目は、利用者からの感謝や、自身の成長を感じれることです。
さまざまな利用者さんと出会うなかで、ときには「いつもありがとう」と声をかけられることもあるでしょう。
また、「ずいぶんと手際がよくなったね」と、仕事ぶりを評価してもらえることもあるかもしれません。
1対1で向き合う仕事だからこそ、利用者さんは担当する訪問介護員のことをちゃんと見ています。
1人の訪問介護員として認められたときの気持ちは、言葉では表現しきれないやりがいともいえるでしょう。
やりがい2.自主的に働ける
訪問介護のやりがい2つ目は、自主的に働けることです。
最初は先輩ヘルパーに同行して仕事を覚えていきますが、仕事を覚えてからはたった1人で介護サービスを提供しなければいけません。
つまり、状況に合わせて自分で判断していかなければいけないのです。
裏を返せば、煩わしい職場の人間関係に悩まされることなく働けるということ。
指示をされるのが好きじゃないという人にとっては、やりがいをもって仕事に取り組めるでしょう。
▼さらに詳しくは、以下の記事でも紹介しています。
>>介護ヘルパーのやりがい5選【楽しいところと大変なところがわかる】
6.訪問介護員の大変なところ
最後に、訪問介護員の大変なところについても理解いておきましょう。
今回紹介するのは、以下の2点です。
- 臨機応変に対応しなければいけない
- 体力・精神的に大変
働ける時間の融通が効き、自主的に働ける訪問介護員の仕事ですが、人によっては「体力・精神的にきつい」と感じる人もいます。
また、1人きりで働くことが逆に大変だと感じることもあるでしょう。
それぞれについて、詳しく紹介します。
臨機応変に対応しなければいけない
やりがいとして「自主的に働けること」を挙げましたが、人によっては「自分で判断するより、指示をされたほうが働きやすい」と感じる人もいるはずです。
ここで一例を紹介します。
介護職員のAさんは、定時勤務の施設介護に疲れてしまい、好きな時間に働ける訪問介護に転職しました。
介護経験も10年とベテランのAさんでしたが、いざ仕事を始めると「こんなはずではなかった」と落胆してしまいます。
なぜなら、介護設備やマニュアルが整った施設介護とは違い、訪問介護は利用者の自宅環境に合わせて働かなければいけなかったからです。
どこに何があるかも分からなければ、自宅ルールまで存在してしまうことで「自分のスキルが活かしきれない」と、苦労を語っていました。
人によっては、1人で臨機応変に対応するよりも、協力しながら働くほうが性に合っているという人もいるかもしれません。
体力・精神的に大変
「体力・精神的に大変」という訪問介護員も多いです。
「【職種】訪問介護員(ホームヘルパー)が明かす仕事の本音」では、以下のような口コミがあります。
・癖のある方、暴言、汚部屋、うるさい家族など、ストレスがたまる
・移動が大変です。急いでいる時とか、事故りそうになった事がよくある。
・責任の重さと給料が全然合わない。
訪問介護員として働く場合、夏場の暑い時期や真冬の寒い時期でも、利用者の自宅まで訪問しなければいけません。地形によっては、移動だけでも疲れてしまうでしょう。
また、身体介護では1人の人間を何度も抱える必要があり、腰痛に悩まされる訪問介護員も少なくありません。
さらに、認知症の利用者から暴言を吐かれたり、家族からも口うるさく文句を言われたりなど、精神的に追い詰められてしまう人もいます。
1対1の仕事ではありますが、大変だと感じるときには無理をせず、事業所に報告・連絡・相談をして解決策を考えることも重要です。
▼辞めたいと思ったときの対応策は以下の記事が参考になります。
>>登録ヘルパーを辞めたい理由まとめ|辞める前に考えるべきこと
まとめ:長期的に働いて月収アップを目指そう!
訪問介護の月収は、事業所の待遇や取得している資格によって大きく異なります。
そのため、まずは資格を取得してキャリアアップを目指しましょう。
今後、介護の仕事はさらに需要が高まってくるため、決して食いっぱぐれのない仕事として長期で活躍できます。
自主的に仕事がしたい人は、ぜひ訪問介護員として働いてみてはいかがでしょうか。