訪問介護に適した靴の選び方!注意点や購入しやすい場所を解説
利用者さんの宅に向かい支援する訪問介護では、移動用と室内用の靴を準備しなければいけません。
移動時は、季節による気温の変化から、靴でも暑さや寒さの対策をしたいものです。
また、利用者さん宅の環境によって、「室内用に履くものを用意したい」と考える人もいるでしょう。
今回「みーつけあ」では、訪問介護に適した靴の選び方を紹介します。
訪問介護に向いている靴を、入手しやすい店舗についてもまとめました。ぜひ、参考にしてください。
1.訪問介護に必要な仕事靴とは
訪問介護は、利用者さんのお宅へ訪問して必要な介護を行います。
自宅内での訪問介護時には、室内用の靴以外に外履きも仕事用で準備すべき場合もあります。
外履きの靴は、運転や利用者さんの買い物といったサービスを提供する際に必要です。
また、徒歩や自転車で移動する際に、足の負担を軽減する目的も考えたいですね。
室内用の場合は、ルームソックスやシューズという選択肢があります。
ルームソックスを選ぶときは、汚れることもあるため替えが必要となる点は考慮しておきましょう。
2.訪問介護用に靴を選ぶ3つのポイント
作業や運動用の靴は多くありますが、すべてが訪問介護に適しているというわけではありません。
また、靴の種類も多いことから、どれを選んでよいのか分からなくなることもあるでしょう。
訪問介護で靴を選ぶポイントについて、以下の3つにまとめて解説します。
- 室内用は複数用意する
- 脱ぎ履きのしやすさ
- 汚れの落ち安さ
ポイントを理解しておくと、迷うことが少なくなり、訪問介護の靴をスムーズに選択できるでしょう。
ポイント1.室内用は複数用意する
室内用の履物は、複数個用意しましょう。
汚れたときに、すぐ取り替えられるように予備が必要なためです。
室内用の靴の選び方は、動作の多さで決めましょう。
訪問したお宅での介護動作が多い場合は、スリッパや靴下を使うと滑ってしまう危険性があります。
そのため、可能であれば上靴といった、滑り止めがある靴を選択したほうがよいです。
家事を行う場合には、スリッパや靴下といった簡単に準備できるものも選択肢に入ります。
ただし、靴下だけの場合は汚れる可能性もあるため、何足か持ち歩くようにしてください。
利用者さんも、汚い靴下で家に入られるのは嫌だと感じる場合が多いです。
靴下が汚れる場合を考慮して、訪問の都度交換できるように複数持ち歩くことをおすすめします。
ポイント2.脱ぎ履きのしやすさ
靴を脱いだり履いたりするシーンが多い訪問介護では、着脱のしやすさも考慮してください。
訪問介護では、ベッドの上や浴室に入る際に靴を脱がなければいけないことが多いです。
脱ぎ履きしにくい靴では、煩わしく感じてしまうこともあるでしょう。
そのため、外履きや上履きに関わらず、極力脱ぎやすいものを選ぶと便利です。
たとえば、靴ひもを結ぶ手間がないスリッポンと呼ばれる形を選ぶのも1つの選択肢になります。
靴ひもがない靴は、介護時のケガのリスクも減らせるため、一石二鳥です。
訪問介護では、すっと脱げる靴や外出時に履きやすい靴を意識して選びましょう。
ポイント3.汚れの落ちやすさ
歩く機会も多い訪問介護では、汚れの落ち安さまで考えられると、靴を用意するコストを抑えられます。
たとえば、雨の日に訪問介護を提供するときは、利用者さんのお宅に向かうまでに泥や水はねで足元が汚れる場合も多いです。
また、室内でも生活援助の掃除で靴が汚れる場合もあります。
汚れる可能性を考慮して、汚れてもすぐに買い換えられる安価なものや、洗浄しやすい靴を選びましょう。
ゴムやエナメル素材の靴は、タオルで簡単に汚れをふき取れます。
サンダル状の靴では、防水やコーティング加工できるスプレーを利用すると汚れにくくなるので、工夫してみてください。
3.訪問介護に適していない靴
訪問介護の靴選びでは、使いやすさを主なポイントとして解説しました。
しかし、使いやすさ以外にも、利用者さんが受け取る印象や介護時の危険性まで考慮した選び方があります。
訪問介護用に適していない靴を、以下3種類にわけて解説します。
- ファッション目的
- 足先が出ている
- 通気性が悪い
それぞれの内容を把握して、利用者さんに喜んでもらえる訪問介護を提供しましょう。
適していない靴1.ファッション目的
ファッション目的の靴は、たとえば以下のようなものが該当します。
- ブランドものの靴
- 柄物のスニーカー
- ヒール付きの靴
ブランドものや柄物のスニーカーは、運動に適したクッション性や滑り止めの機能がありません。
そのため、動き回る介護の現場で、足に疲労を感じる可能性があります。
また、利用者さんによっては派手な見た目から、訪問介護員に対してあまりよくない印象を持つ可能性もあるでしょう。
ヒール付きの靴には、看護師の現場でも使われるナースシューズもありますが、利用者さんのお宅で使用する場合には向きません。
かかとが高くなる靴は、つま先に重心が集中するため、足に力が入りづらくなります。
訪問介護はあくまでも、「利用者さんの生活を支えるための仕事」です。ファッション目的で、靴を選ばないようにしてください。
適していない靴2.足先が出ている
訪問介護では、つま先が出ている靴をなるべく避けましょう。
人によっては、通気性を意識してつま先が出ている靴を選びたくなる場面もあるかもしれません。
しかし、つま先が出ている靴は、作業中に物が落ちてきたり、災害が起きたりした場合にケガのリスクが高まります。
室内で靴を履かない場合も、同様にケガのリスクがあります。
利用者さんのお宅で、足元に鋭利なものが落ちている可能性も考慮しましょう。
訪問介護員がケガをすると、十分なサービスを提供できない可能性もあります。
できる限りでシューズやスリッパを準備して、足元の安全を確保しましょう。
適していない靴3.通気性が悪い
通気性のない靴は、熱がこもりやすく、足に汗をかくこともあります。
足の臭いは、訪問介護員本人も避けたいですよね。
また、臭いがきつい場合は、利用者さんを不快にさせてしまうかもしれません。
一般的には、素材に合皮を使用した靴の通気性が悪いといわれています。
メッシュ素材で靴の中で換気されるものは、一定の通気性が確保されます。
靴下も「速乾素材」といった記載があるものを選択すれば、足の蒸れを抑えて不快感が少ないでしょう。
訪問介護の靴を購入するときは、通気性の記載があるかチェックしてください。
4.訪問介護用の靴はどこで買う?
一般的に訪問介護向けの靴は、以下のような場所で購入できます。
- シューズショップ
- ネット販売
- 介護用品の専門業者
介護器具を販売している専門業者は、介護向けの靴を取り揃えている場合があります。
通気性や足の疲れを考えて重量の軽いものが手に入るので、事業所でつながりがある場合はおすすめの選択肢です。
他にも、介護士専用雑誌で、さまざまな種類の靴が掲載されている場合もあります。
鞄やカーディガンといった、介護に便利な商品を確認できるため、靴以外にも欲しいものがある人は確認してみるとよいでしょう。
なかには、「訪問介護用の靴で専門的なものがあるのでは?」と疑問を持つ人もいるかもしれませんね。
しかし、基本的には、「必ず着用しなければいけない」といった指定の靴はありません。
そのため、今回紹介した以下のポイントを押さえて、金額や履き心地から選ぶとよいでしょう。
- 室内用は複数用意する
- 脱ぎ履きしやすいものを選ぶ
- 汚れの落ちやすさ
- ファッション性が高いものは避ける
- 足先が守られている
- 通気性がよい
ユニフォームの一環として、事業所で用意される場合は、指定の靴を着用してください。
詳しい指定がない場合も、事業所のサービス管理者や先輩の訪問介護員に、「どこで靴を購入しているか」を聞くと参考になるはずです。
訪問介護の靴に関するQ&A
最後に、訪問介護で働く人によくある靴の疑問から、以下3つを厳選して回答します。
- 施設介護の靴はそのまま使える?
- 訪問介護で家に入るときは裸足でもよい?
- クロックスといったラフなものでも大丈夫?
訪問介護以外の経験がある人は、以前の職場で利用していた靴を流用したい場合もあるでしょう。
また、上履きを用意するのが面倒だったり、ラフな靴を選びたかったり、といったケースの疑問にも回答します。
Q1.施設介護の靴はそのまま使える?
A.施設介護の靴が使える場合もありますが、基本的に新調したほうが好ましいです。
使えるか判断するときには、以下のポイントを確認してみてください。
- 事務所名が記載されていないか
- 靴底が汚れていないか
- 着脱しやすいか
以前勤めていた施設名が記載されている場合は、事務所のコンプライアンス面から利用できないと考えましょう。
また、利用者さんのお宅を汚さないためにも、靴底は綺麗なものを使用してください。
施設介護で外履きと併用している場合は、細菌感染のリスクもあるため利用できません。
そして、意外と見落としてしまうのが、着脱のしやすさです。
施設では、靴を脱ぎ履きする機会が少ないため、訪問介護で使う場合は不便に感じるかもしれません。
Q2.訪問介護で家に入るときは裸足でもよい?
A.裸足で訪問するようなことは、できる限り避けましょう。
他人が家の中を裸足で歩き回るのは、誰しもがあまりよい印象を持ちません。
しかし、入浴介助では、靴下が濡れないように裸足にならなければいけない場面もありますね。
入浴介助がある場合は、浴室用の防水靴を事前に用意していると、足を濡らすことなく介護できます。
浴室用の靴は、一般的なスーパーマーケットの掃除コーナーに陳列されている場合が多いです。
簡単に手に入るので、気になる人はぜひ確認してください。
Q3.クロックスといったラフなものでも大丈夫?
A.室内で利用する場合は、クロックスといったラフなものでも大丈夫です。
着脱のしやすさや通気性もよいため、訪問介護で利用している人もいます。
汚れた場合にも、すぐ洗えて乾きやすい点から利便性も優れているでしょう。
ただし、外履きで利用する場合は、靴の中が汚れやすい点に注意してください。
砂ぼこりで靴下が汚れたり、水が入り濡れたりする場合があります。
まとめ:働きやすい靴で足の負担を減らそう!
訪問介護の靴は、選び方がわからなかったり、事務所の指定がなかったりといった点から迷う場面も多いです。
今回「みーつけあ」で紹介した、選び方や適していない靴に当てはまらないか確認して、選んでくださいね。
総合して気にするべきは、「安全性を守れるか」です。
身体介護では、訪問介護員の足で利用者さんを支える場面もあります。
足にしっかり力が入って、ひもで転倒することがない履きやすい靴を探してください。