訪問介護で雑巾がけの依頼は対応できる?範囲を明確に理解しよう
「訪問介護の仕事で雑巾がけを依頼されたけれど、対応してもよいのかな?」とお調べではないでしょうか。
利用者さんに雑巾がけを頼まれたら、「それくらいなら対応しよう」と気楽に承諾してしまいやすいです。
しかし、ケアプランに雑巾がけがない場合には、すぐに対応してはいけません。
今回「みーつけあ」では、訪問介護で対応できる掃除の範囲や、掃除を時間内にしっかり終わらせるコツを紹介します。
訪問介護で対応してもよい内容を理解して、自信を持って利用者さんに受け答えできるようになりましょう。
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1.訪問介護で雑巾がけは対応できる?
訪問介護で利用者さんから急に雑巾がけをお願いされたとしても、対応できません。
そこで、訪問介護の雑巾がけについて、以下の2つに分けて紹介します。
- 雑巾がけは対応できない
- プランの変更は要相談
どちらも訪問介護で働く場合は、押さえておきたい内容です。
なぜ対応できないのか、どうすれば雑巾がけに対応できるのかを確認しましょう。
内容1.雑巾がけは対応できない
ケアプランにない状態で利用者さんに雑巾がけをお願いされても、ヘルパーは対応できません。
なぜなら、介護は自立支援のためにおこなうからです。
自立支援のために雑巾がけをヘルパーがおこなうべきなのかは、ヘルパーだけでは判断できない内容となります。
たとえば、求められている雑巾がけについて、以下のような観点から検討しなければなりません。
- 日常的な生活の範囲に含まれることなのか
- 日常生活をおこなっていくのに必要なことなのか
ケアマネジャーに相談して、今後の訪問で雑巾がけをおこなうのかを決めてケアプランに盛り込みます。
「これくらいならよいだろう」という優しさによって、ヘルパーが利用者さんの要望に答え続けてしまうと、別のヘルパーへ引き継いだときに大きなトラブルになってしまいます。
ケアプランにない支援は、事務所に持ち帰ることを徹底してください。
内容2.プランの変更は要相談
「雑巾がけもしてもらいたい」という要望は、ケアプランの見直しに繋がります。
現在のケアプランのモニタリング結果として、ケアマネジャーに伝えましょう。
ケアプランを見直して雑巾がけが含まれたら、訪問介護でも対応できます。
ヘルパー個人の判断で利用者さんに返事をしてしまうと、ケアプランに雑巾がけが組み込めなかったときに問題になります。
「ご相談のうえで決めた計画書にある内容しかできないので、事務所に持ち帰って雑巾がけも可能かどうか考えさせてください」と、丁寧にお伝えしましょう。
2.訪問介護の掃除時間が足りないときには
訪問介護では、急にケアプランにないサービスをお願いされる以外に、規定の時間内に掃除を終わらせられないという悩みも珍しくありません。
厚生労働省の「訪問介護の基準・報酬について」によれば、ヘルパーが掃除にかける時間は平均30分〜40分となっています。
しかし、掃除内容がたくさんあると、「1時間以内に収まらずに困る」というヘルパーの声が多いです。
「掃除が間に合わないなんて、ヘルパーに向いていないんじゃないか」と、不安に思う人もいるでしょうが、気にしすぎる必要はありません。
以下のポイントを押さえて、利用者さんに満足してもらえる掃除方法を実施しましょう。
- 利用者さんとのコミュニケーションを心がける
- 利用者さんこだわりの掃除方法を把握する
- 要望のすべてに対応はできないと割り切る
知っておくだけで気が楽になるポイントもあるので、ぜひチェックしてみてください。
ポイント1.利用者さんとのコミュニケーションを心がける
訪問介護の際には、掃除の最中も常に利用者さんとのコミュニケーションを心がけましょう。
掃除は作業のように感じるかもしれませんが、れっきとした介護の一環です。
コミュニケーションを放棄して黙々と掃除に集中してしまうと、利用者さんが嫌な思いをするかもしれません。
たとえば、私物に触れるときには「触っても大丈夫ですか?」と声をかけるというように、気配りを忘れないことが大切です。
掃除中に積極的にコミュニケーションを取れば、利用者さんの掃除に関する希望も自然とわかってきます
ポイント2.利用者さんこだわりの掃除方法を把握する
利用者さんから指示が多く出される場合は、求められている掃除の方法を聞きましょう。
一度で覚えきれない場合は、見返せるようにメモをしておくのがよいです。
自分のやり方を優先せず、利用者さんに合わせて寄り添っていく姿勢を心がければスムーズに掃除できます。
要望が多い利用者さんは、細かく掃除後に部屋の隅々までチェックする場合も考えられます。
いままでに利用者さんから言われたことが実践できているのかは、掃除ごとに確認してください。
利用者さんのこだわりを知ると、要点を押さえた掃除が実現できて、結果的に掃除時間の短縮につながります。
ポイント3.要望のすべてに対応はできないと割り切る
訪問介護では、要望のすべてに対応はできないと割り切ることも大切です。
ケアプランの範囲内で対応できていれば、問題はありません。
優しい訪問介護員は、利用者さんに頼まれたことに積極的な対応を心がけます。
しかし、ケアプランの範囲外の支援に対応すると、他のヘルパーと差がでてしまいトラブルになるかもしれません。
また、完璧を求めすぎるあまり、時間内に掃除が終わらずに不十分な状態で利用者さんの家を出ることになる訪問介護員もいます。
ケアプランを意識しながら、気持ちに折り合いをつけて効率よく掃除に取り組みましょう。
補足:うまくいかない場合は事業所に相談
どうしても掃除がうまくいかない場合は、事業所に相談してください。
そもそも作業量が多すぎて、どれだけ頑張ってもすべてを実践するのは難しくなっている場合も少なくありません。
第三者の声を聞くことで、支援の内容を改善できますので、1人で抱え込みすぎないようにしましょう。
3.訪問介護の掃除で細かい要望はどこまで対応可能?
訪問介護の掃除では、利用者さんの細かい要望についてどこまで対応してよいのか疑問に思っている人も多いでしょう。
訪問介護は、訪問介護員がおこなわなくても日常生活に問題が出ない掃除や、日常的な家事の範囲を超える掃除などは対応できません。
たとえば、以下のようなことは日常的な家事の範囲外です。
- 棚に置いてある物を移動させる拭き掃除
- 換気扇の油汚れの除去
- 排水口の掃除
- 仏壇の掃除
- 廊下のワックスがけ
- 庭の草むしり
- エアコンの掃除
一方で、玄関やリビングといった家の中の掃除は、日常的な方法でおこなう場合は認められます。
玄関の掃除については、「訪問介護で玄関掃除は依頼できる?サービスの範囲を確認」でも紹介しているので、参考にしてください。
自治体によって判断が分かれる掃除もあるので、ケアプランにないことをお願いされたらケアマネジャーに確認しましょう。
訪問介護の雑巾がけに関連して知りたいQ&A
訪問介護で雑巾がけをおこなう場合、実際に支援しているなかでさまざまな疑問が出てきます。
そのなかで訪問介護員がよく悩むのは、以下の3つのポイントです。
- 訪問介護で畳の拭き方に困っています
- 訪問介護ヘルパーはカビ取りしてもよい?
- 訪問介護の掃除範囲を知りたい
事前によくある疑問と回答を知っておけば、幅広いケースでの雑巾がけに安心して対応できます。
それぞれのQ&Aについて、順番にみていきましょう。
Q1.訪問介護で畳の拭き方に困っています
A. 訪問介護では、掃除の一環として畳を拭くように頼まれる場合があります。
しかし、いままで畳を拭いたことがない訪問介護員も珍しくありません。
なかには、畳の拭き方を知らないことで、利用者さんとトラブルになることもよくあります。
基本的に、畳は濡れ雑巾で拭くとカビを発生させたり、傷みの原因となったりするので注意しておきましょう。
主に、畳を拭くときは乾拭きでおこない、どうしても取れない汚れだけ固く絞った雑巾で拭きます。
濡れ雑巾で拭いた部分は、乾いた雑巾で拭いてしっかりと水分を取ってください。
Q2.訪問介護ヘルパーはカビ取りしてもよい?
A. 「拭き掃除が終わったら、お風呂のカビ取りもお願いできる?」といった、カビ取りを頼まれる場合もあります。
しかし、カビ取りを含む掃除は、ヘルパーだけで判断するのは難しいです。
カビ取りが日常生活でおこなう掃除の範囲に含まれるのか、ケアマネジャーに確認してください。
カビを放置するのは利用者さんの健康状態にも関わるので、早めにどうにかしてあげたいと思うかもしれません。
一方で、ハイターを使うと揮発した成分を利用者さんが吸引してしまう危険性もあります。
所属する事業所に相談してカビ取りが認められてから、換気や時間配分などの計画を立てて掃除に着手しましょう。
Q3.訪問介護の掃除範囲を知りたい
A. 介護保険の適用範囲はわかりにくいため、以下の2つの条件は覚えておくとよいです。
- 日常生活で必ず利用する場所
- 掃除ができる同居人がいない状況
これらの条件を満たす場合は、訪問介護で掃除できる可能性があります。
実際に対応可能かは、ケアマネジャーと相談して決めるようにしましょう。
訪問介護での掃除の範囲について、「介護ヘルパーが掃除サービスでできることは?【具体例を紹介】」で詳しく説明しているので参考にしてください。
まとめ:訪問介護の掃除で曖昧な対応範囲は確認
訪問介護では、ケアプランに決められていないことはできません。
掃除については日常生活の範囲に含まれるかどうかというような条件で対応可能かどうかが変わります。
自分だけで判断して対応してしまうと、利用者さんや他のヘルパーとトラブルになることもあるので要注意です。
対応してもよい掃除の範囲はヘルパーだけで決めることは難しいので、ケアマネジャーに確認しましょう。
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