訪問介護の早朝加算とは?早朝のサービス内容と注意点を解説
「早朝の訪問介護の仕事は大変だと聞いたことがある」
「訪問介護の早朝加算について知りたい」
このような考えをお持ちではないでしょうか。
日中の時間帯よりも給料がよい早朝の訪問介護は、終わる時間も早いし、魅力的ですよね。
また、早朝の訪問介護は基本報酬の25%の加算がつきます。25%も基本報酬が割り増しされるのは誰にとってもうれしいことです。
今回「みーつけあ」では、訪問介護の早朝加算について詳しく解説します。
早朝の訪問介護の仕事内容と注意点、知っておくべきポイントなども解説していきますので、ぜひ最後まで記事をご確認ください。
1.訪問介護の早朝加算とは?
訪問介護の早朝加算とは、利用者の状況に応じたサービス計画書に添って、早朝にサービスを提供することを評価する加算のことです。
通常のサービス提供時間以外の時間帯である午後6時から午前8時までの勤務が対象となります。
早朝や夜間、深夜のサービス提供は介護する側にとっても自身の家庭生活やプライベートの調整が必要となるため、その分の負荷に対して加算がつくとうれしいですよね。
早朝や夜間時間帯のサービスの加算
では、具体的にどういった要件を満たせば、加算対象となるのでしょうか。算定要件は以下となります。
- 夜間、深夜、早朝の時間帯にサービスを提供している
- 在宅介護サービス計画または訪問介護(訪問看護)計画上、サービス開始時間が、夜間、深夜、早朝の時間帯にあること
訪問介護の計画に基づいて、夜間、深夜、早朝の介護が必要な利用者へのサービスの時間帯が決まります。
早朝にニーズがあることに意外さを感じる人もいるかもしれませんが、朝は利用者の家族にとっても何かと忙しい時間帯です。学校へ登校する子どもの準備の手伝いや、家族自身が会社へ出勤する準備をする必要があります。
そのようななか、早朝に介護士が来て、利用者の起床介助や身支度、排泄の介助や朝食の手伝いをしてくれると助かりますよね。早朝の訪問介護はニーズが高いと考えられるでしょう。
以下の表では早朝、夜間、深夜の介護サービスの提供が具体的にどのような時間帯区分か、また加算率をまとめました。
主に、基本報酬の25%または50%の加算がされることが分かりますね。
区分 | 時間帯 | 加算率 |
早朝 | 午前6時~午前8時 | 25% |
夜間 | 午後6時~午後10時 | 25% |
深夜 | 午後10時~翌朝6時 | 50% |
昼間よりも高い金額が加算される点は、イレギュラーな時間帯で働くメリットと言えるでしょう。
早朝の場合もサービスコードは「夜」コードになる
すでに早朝の介護サービスを提供したことがある人や、これからサービスを提供予定の人のなかには、なぜか早朝の介護のはずなのに表に「身体介護2・夜」などの表記がされて疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
違和感を感じるかもしれませんが、早朝のサービスコードは、「夜」という表記でも問題ありません。
「夜間」と「早朝」は加算率が25%と同じなので、1つにまとめられているということになります。「夜間」と代表して表記されていますが「早朝」の場合も含みます。
2.訪問介護の早朝の仕事内容とは?
早朝の訪問介護サービスでは、具体的にどのような介護内容となるのかが気になるところですよね。
具体的には以下のような介護内容が中心となります。
- 起床介助
- 排泄介助
- 身体整容
- 更衣介助
- 朝食の準備
- 食事介助
- 服薬介助
起床介助とは、介護士が利用者を朝起こすときの一連の動作を指します。その後、排泄介助をおこないます。
身体整容とは、一般的に容姿を整えることです。たとえば、洗顔や歯磨き、整髪、爪切り、耳かき、ひげそりなどがそれに当たりますね。
次に、服を身に着ける介助に移り、朝食の準備や食事介助、服薬介助に続きます。
そのほか、以下のような生活援助もサービスに含まれる場合があります。
- 掃除
- 洗濯
- ベッドメイク
- 衣類の整理、補修
- 一般的な調理、配膳、後片付け
- 買い物、薬の受け取り
早朝介護の注意点
早朝の介護は通常時間の介護内容より簡単そうなので、チャレンジしてみようと思う人も多いかもしれません。
しかし、早朝介護には1点だけ注意点があります。それは、高齢者が深夜から早朝にかけて体調が変化しやすいという点です。
つまり、早朝の介護士は利用者に変わった様子がないか、より注意深く見守る必要があるのです。
たとえば、皆さんも朝起きたら風邪の症状に気が付くことがありますよね。「朝起きたら喉が痛い」などはよくあることです。しかし、サービス利用者の多くである高齢者は、そういった症状に気付きづらい傾向があります。水やお茶の飲み方ひとつでも注意深く見てあげてください。
また、「脳梗塞」などの発症時間は、起床時が多いとされています。
利用者がいつもより上手くしゃべれていない、手足にしびれがあると訴えた場合などは注意が必要です。その際には、利用者の顔の半分に麻痺が出ていないかも注意深く見守る必要があります。
そのほか、朝の時間帯はご家族が在宅している場合が多いので、コミュニケーションや情報共有を大事にする姿勢も大切です。
3.訪問介護の早朝の仕事のメリットとデメリットを解説
早朝に訪問介護をおこなうのは、早起きは三文の得と言われるように、よいことがあるかもしれません。
しかし、ヘルパーにもそれぞれのライフスタイルがあります。考えられるメリットとデメリットを具体的に挙げましたので、ご自身に合うかどうかを検討してみてくださいね。
メリット
早朝のサービス提供のメリットは以下になります。
- 日中の勤務よりも給料が高い
- 早朝のみ募集している仕事であれば、勤務時間が短い
- 仕事が早く終わるので、一日を長く使うことができる
やはり早朝割増しがつくのは嬉しいポイントですよね。
さらに、勤務が終わる時間帯が早くなるため、その後の1日を長く使えるのも魅力です。
日中に別の仕事をしたい人や、ほかの用事が多い人にとっても、早朝の短時間に集中して仕事ができるのは時間の有効活用と言えます。
デメリット
早朝介護のデメリットは以下となります。
- 子供が幼稚園や学校に通っている場合は勤務ができない(通学前の朝は忙しい時間であるため)
- 喫緊の対応を迫られる場合がある
もし子供が幼稚園や学校に通っている場合、家庭内で子供達のサポートが必要となるため、残念ながら早朝介護の仕事は難しいでしょう。
また、早朝介護は喫緊の対応を迫られる場合があります。たとえば、深夜の徘徊による怪我の第一発見者になる場合も十分ありえるでしょう。
怪我の症状の見極めや手当など、迅速な対応が求められる場合もあるので、冷静な対処能力が必要となります。
まとめ:訪問介護は早朝加算のある時間帯の仕事も魅力的
本記事では、訪問介護の早朝加算について紹介しました。
早朝の訪問介護は加算が25%もつくため、給料面でとても魅力的です。さらに、日中に仕事が終わる場合が多いため、1日を長く使えるといったメリットもあります。
一方で、高齢者は夜間に体調の異変が起きやすいのも事実です。早朝の介護をおこなうには、事故などの不測の事態を冷静に対処するスキルが必要となります。
トラブル時のシミュレーションもしっかり行って、ぜひ早朝の訪問介護にチャレンジしてみてください。