訪問介護の給料はいくら?登録ヘルパーとパートの違いについて
「訪問介護の給料は、パートだといくらもらえるの?」
「登録ヘルパーとパートの違いは何?」
これから訪問介護のパートとして働きたい人にとって、給料相場は気になる問題ですよね。
ネットを調べてみると、時給が950円〜2000円と大きく異なっていたりして、「なぜ時給がこんなに違うの?」と疑問に感じた人もいるでしょう。
そこで今回「みーつけあ」では、訪問介護の給料相場や、登録ヘルパーとパートの違いについて紹介します。
訪問介護の給料に関する理解を深めて、自分に合った働き方や給料アップ方法を見つけましょう。
1.訪問介護の給料はいくら?【パート・アルバイト】
まず始めに、訪問介護のパート・アルバイトの給料について紹介します。
訪問介護の仕事内容は、大きく分けて「身体介護」と「生活援助」の2種類です。
それぞれの仕事内容によっても時給は変化するため、本記事では以下の項目に分けて説明します。
- 身体介護と生活援助の時給
- 平均給与と平均時給
それぞれについて、見ていきましょう。
(1)身体介護と生活援助の時給
訪問介護の「身体介護と生活援助」の仕事内容は、以下のように異なります。
- 身体介護:入浴や排泄、移動介助といった利用者の体に直接触れて行う介護。
- 生活援助:掃除や洗濯、食事の調理といった利用者に触れない範囲の支援。
身体介護の時給は1,500円〜2,000円、生活援助の時給は1,000円〜1,500円程度です。
主に身体介護のほうが専門知識や技術を要するため、時給は高く設定されています。
実際の時給は地域によっても異なるので、あくまで目安としてご参考ください。
▼地域別の給与相場は、以下の記事が参考になります。
>>登録ヘルパーの平均月収は?月収を上げる方法も徹底解説
(2)平均給与と平均時給
厚生労働省の資料「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員の平均給与は112,500円です。
2019年の段階では106,750円であり、5,750円ほど増加しています。
また、平均時給は1,110円となっており、2019年の1,090円から20円ほど増加しました。
2.訪問介護の給料はいくら?【正社員】
では、訪問介護の正社員の給料はいくらくらいなのでしょうか。
厚生労働省の資料「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、平均給与額は315,850円となっています。
そのうち、基本給は182,260円、手当が78,440円、賞与といった一時金が55,150円です。
また、同資料からは取得している資格別による給料の違いも掲載されています。
このように、資格の有無だけでも給料は25,000円ほど差があります。
国家資格である「介護福祉士」を取得していれば、介護職員初任者研修よりも28,000円ほど給料が高くなっています。
より安定した給料を求めているのであれば、正社員として働くほうがよいと言えるでしょう。
3.訪問介護のパートと登録ヘルパーの違いについて
訪問介護の仕事は、常勤・非常勤・派遣社員など、さまざまな雇用形態が存在します。
なかでも、特殊な働き方として知られている雇用形態が、「登録ヘルパー」です。
登録ヘルパーは、訪問介護事業所に働きたい曜日・時間帯を指定して、自宅から直接利用者宅に向かいます。
事業所に出退勤する必要がないため、隙間時間を活かした働き方ができることが特徴です。
訪問介護のパートはほとんどが登録ヘルパー
結論から言うと、訪問介護としてパート・アルバイトで働く場合は、ほとんどが登録ヘルパーとして働く形態になります。
時給が発生するのは、利用者の自宅に到着して、介護サービスを提供した実働時間のみというケースが多いです。
そのため、訪問介護のパートとして働く人のなかには、「給料が割に合わない」と不満を感じている人も少なくありません。
実際の口コミについて、以下のようにまとめてみました。
- 入院、入所、死去などで、仕事の内容、時間、量、場所などが不安定。
- 時給は高いが移動時間を考えると割安感が否めない。
- 稼げると言われ面接でも同じ事言われ、いざ入ったら一日1~2時間のみ。
- 一日に入れる件数が少ないので、拘束時間の割には給料は少ない。
- 責任の重さと給料が全然合わない。
引用:【職種】訪問介護員(ホームヘルパー)が明かす仕事の本音
このように、給料に関する不満の声はもっとも多くなっています。
では、訪問介護のパートが給料を上げるには、どうしたらよいのでしょうか。
次章より、詳しく紹介します。
4.訪問介護の給料を底上げしたいパートはどうするべき?
「訪問介護の給料をパートとして底上げしたい」
これから訪問介護員として働きたい人にとっては、少しでも給料アップをさせたいですよね。
本記事では、給料を底上げする方法を5つほどピックアップしました。
- 上位資格を取得する
- サービス責任者になる
- より時給の高い事業所を探す
- 掛け持ちをする
- 施設介護のパートを探す
どれも実用的な方法ばかりです。自分に合った方法で、給与アップを目指しましょう。
方法1.上位資格を取得する
介護業界で長く活躍していきたいと考えているのであれば、上位資格を取得することで給与アップを目指せます。
なぜなら、ほとんどの訪問介護事業所では資格手当が発生するからです。
厚生労働省の資料「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」でも、資格の有無で給料差は42,230円となっています。
とくに、介護福祉士の資格は資格手当の金額が高くなっているため、長期的な目標として設定してみてはいかがでしょうか。
▼資格の取り方に関しては、以下の記事が参考になります。
>>介護ヘルパーの資格の取り方について|費用や年齢制限は?
方法2.サービス責任者になる
上位資格の取得を目指すと同時に、事業所のサービス責任者(介護支援専門員)への昇格を検討することもおすすめです。
同資料「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」では、正社員の315,850円を超える357,850円となっています。
サービス責任者になるには、介護福祉士もしくは実務者研修を取得していることが条件です。
訪問介護の現場で働くだけでなく、事務的な役割もこなしていきたいと考えている人は目指してみるとよいでしょう。
方法3.より時給の高い事業所を探す
現在の訪問介護事業所の給料に不満があるのであれば、より時給の高い事業所を探してみるのも1つの方法です。
単純な時給だけで判断するのではなく、以下の点に注意して求人を探しましょう。
- 賞与や資格手当はあるか?
- 交通費は支給されるのか?
- 処遇改善手当の支給額は多いか? など
いくら時給が高くても、待遇が充実していない事業所では給料アップは見込めません。
面接の時点で、待遇関連の質問を用意しておくとよいでしょう。
▼処遇改善も兼ねた給料アップ方法については、以下の記事をご参考ください。
>>訪問介護ヘルパーは年収が低い!?給料の相場や給料アップの方法を紹介
方法4.掛け持ちをする
収入が安定しない訪問介護パートの給料を安定させる手段として、掛け持ちをする方法が挙げられます。
登録ヘルパーの場合、掛け持ちを前提として複数の事業所に登録をしているヘルパーさんも多いです。
ただし、掛け持ちを禁止している事業所もあるため、事業所には必ず相談しましょう。
掛け持ちを前提に働きたいと考えているのであれば、面接の際にもあらかじめ伝えておくことで、後々のトラブルを減らせます。
▼掛け持ちに関しては、以下の記事が参考になります。
>>登録ヘルパーは掛け持ちしても良い?掛け持ちをする3つのメリットとは
方法5.施設介護のパートを探す
ある程度、働ける時間を確保できるのであれば、訪問介護ではなく施設介護のパートを探してみるとよいでしょう。
訪問介護の場合、どうしても利用者さんの入院・死亡といった理由で仕事が急になくなってしまうことも少なくありません。。
その反面、施設介護であれば常に利用者が施設内にいるため、勤務中は常に時給が発生します。
「掛け持ちはスケジュール管理が大変そう」と思う人は、施設介護から始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ:給料を安定させたいなら施設介護もあり
訪問介護のパートは、ほとんどが登録ヘルパーとして働く形態になります。
そのため、利用者の入院や死亡などで急に仕事がなくなることもあるでしょう。
少しでも給料を安定させたいのであれば、複数の事業所を掛け持ちすることをおすすめします。
1つの事業所で働きたいのであれば、訪問介護ではなく施設介護のパートとして働くことで、より給料は安定します。
ぜひ、自分のライフスタイルにあった介護職を探してみてはいかがでしょうか。