訪問介護の目標の立て方と具体例を紹介!メリットと注意点も解説
「介護目標になにを書いたらよいのだろう」と悩まれているのではないでしょうか。
目標を立てるポイントを理解していなければ、なにを書いてよいか分からず、苦痛に感じてしまいますよね。
訪問介護の目標を立てることは、自分自身の向上につながります。
ポイントを把握して、自分を向上させられる目標を立てましょう。
今回「みーつけあ」では、介護目標を立てるポイントを解説します。
ポイントを押さえることで、目標をスムーズに立てられるようになり、頭を悩ませる時間が短縮できますよ。
1.訪問介護で目標を立てるメリットとは?
目標を立てることを「面倒だ」、「立てる意味が分からない」と感じているのではないでしょうか。
日々の業務に追われながら、目標を考える時間を作ることは簡単ではありません。
しかし、目標を立てることは自分自身の向上につながります。
さらに、自分に足りない部分を見つめ直すよい機会にもなるのです。
目標を立てることで得られる主なメリットには、次の3つがあります。
- モチベーションアップ
- キャリアアップ
- スキルアップ
各メリットについて詳しく紹介していきます。
メリット1.モチベーションアップ
目標を立てることで目的意識がうまれ、モチベーションがアップします。
仕事に慣れてくると、どうしても流れ作業的になる部分が出てきてしまうものです。
淡々と仕事をこなしていても、なにも気づきはありません。
新しい課題や改善点を見つけるためには、目的意識を持つことが重要です。
「今後どのような課題に取り組みたいのか」、「課題をクリアするためにはどうするべきか」などの目的意識を持つことで、モチベーションをアップすることができるでしょう。
メリット2.キャリアアップ
数年後こうなっていたいと思える自分のキャリアを設定し、そこにたどりつくための目標を立てることで、キャリアアップへの道を進むことができます。
たとえば、「3年後介護福祉士に合格する」、「5年後リーダーになる」など長期的なキャリアプランを立て、その目標に向かって今なにをするべきかを考えましょう。
キャリアプランを逆算し、達成しなければならない課題をこなしていくことで、目指すキャリアに近づくことができます。
メリット3.スキルアップ
自分自身に足りないものを知り補うことで、スキルがアップします。
たとえば、「利用者とコミュニケーションをうまく取れない」、「効率のよい動き方ができない」など自分の仕事ぶりについて一度考えてみましょう。
足りない部分やレベルアップしたい部分が分かれば、それをクリアするための目標を立てればよいのです。
目標を意識して働くことで、スキルアップすることができます。
メリット4.人事評価の参考にもなる
目標を立て課題をクリアすることで人事評価の参考となり、結果次第では昇進や昇給につながります。
介護職は、仕事の結果が数字や形となって現れる仕事ではありません。
評価が難しく、正当な評価を受けられず悔しい思いをしている人も多いでしょう。
そのため、目標を立て実行することで自己評価と他者評価を明確にすることができます。
正当な評価を受けられるようになるという点でも、目標を立てることは重要なのです。
2.訪問介護目標を立てるポイント
目標を立てる意味が分かっても、自分に合った目標を立てられなければ向上もしませんし、人事評価もあがりません。
まず、訪問介護の目標を立てるポイントを覚えることから始めましょう。
今回は、ベーシック法を用いた方法で解説していきます。
目標を立てるポイントは次の4つです。
- 目標項目の設定
- 達成基準の決定
- 期限の設定
- 達成計画を立てる
ポイントを把握してしまえば、目標を立てるのは難しくありませんよ。
ポイント1.目標項目の設定
自分に足りないと感じる部分を解決できる目標や、スキルアップするために必要な目標を設定します。
目標は次の各業務から考えてみるとよいですよ。
- 資格取得
- 業務の把握
- 緊急時の対応
- 書類の記載
目標は、簡単すぎても理想が高すぎてもよくありません。
頑張れば達成できるような目標にすることが重要です。
また、目標はできるだけ具体化することをおすすめします。
たとえば、「できるだけ利用者の話を聞く」ではなく、「毎日10分は利用者の話を聞く」にしましょう。
具体化し数値化できるところは数値化することが、達成しやすい目標を立てるコツです。
ポイント2.達成基準の決定
具体的な目標を決めたあとは、目標を達成したとみなす基準を決めます。
例をいくつか挙げてみました。
- 緊急時マニュアルを1日5ページずつ読んで覚える
- 全利用者の住居からもっとも近い避難場所まで実際に歩いてみる
- 清拭時、必ず利用者の爪チェックをする
基準の設定が厳しすぎると、達成が困難と感じモチベーションが下がってしまいます。
達成可能な基準に設定してくださいね。
ポイント3.期限の設定
立てた目標は、いつ頃までに達成するのかを決めましょう。
期限を決めない場合、先延ばしにしてしまい評価の時期に慌ててしまうことになるかもしれません。
「〇月〇日までに資格の本を読み終わる」、「〇月中に目標を達成する」などできるだけ詳細に期限を決めると達成しやすいです。
ポイント4.達成計画を立てる
立てた目標を達成するために必要なアクションを決めます。
アクションについて、わかりやすく表にまとめました。
目標 | ・嚥下が難しい利用者が食べやすいご飯を作る | ・介護福祉士に合格する |
---|---|---|
期限 | ・2か月以内 | ・1月の試験日まで |
アクション | ・嚥下障害についての本を読む ・3日に1回新しいレシピを作り試食してみる ・15品目作れるようにする | ・8月までに参考書を読み終わる ・11月中に問題集を解き終わる |
アクションを決めることで、達成までになにをすべきか明確になります。
達成をゴールと考え、スケジューリングしましょう。
3.訪問介護目標の具体例を紹介
ここでは、経歴別に3つのパターンに分けて具体例を紹介します。
- 新人の場合
- 中堅の場合
- ベテランの場合
具体例を参考にしながら、自分に合った目標を立てましょう。
もっとも重要なことは、あなたのための目標ということです。
まず、自分の仕事について、なにができていて、なにができていないのか課題点を見極めてから目標を立てるようにしてくださいね。
具体例1.新人の場合
介護の職について浅い新人は、利用者間でのコミュニケーションの取り方について悩むことが多いです。
とくに、訪問介護では1対1の密な関係となるので、うまくコミュニケーションを取ることが重要になります。
コミュニケーションに関連した具体例をいくつか挙げていきます。
- 毎回利用者の話を10分聞く
- 利用者の特徴を知る
- コミュニケーション関連の本を3冊読む
- 前担当者に話を聞き、利用者の嗜好を知る
新人の場合は、先輩や前担当者のコミュニケーション技術や、利用者への接し方などを目標にしてみるのがおすすめです。
具体例2.中堅の場合
3年目を過ぎ中堅の位置になると、新人の教育を任せられることが多くなります。
新人に教えることは基本を再確認する機会でもあるので、自分のスキルアップにもつながります。
また、仕事に慣れてきて流れ作業的になっている部分がないかを見つめ直してみましょう。
中堅の具体的な目標例をいくつか挙げていきます。
- 危機予測ができる
- 利用者の変化に気づき臨機応変に対応することができる
- 新人に利用者とのコミュニケーションの取り方を教えることができる
- 自ら新人に不安や苦手な点を尋ね、一緒に考えることができる
中堅の場合は、難しい資格取得や責任ある立場へ挑戦する目標などもおすすめです。
具体例3.べテランの場合
10年以上のベテランになると、現場や事業所の責任者として忙しい日々を送る人が少なくありません。
責任者として事業所を統括するには、マネジメント力を磨く必要があります。
また、さまざまな書類に目を通すことも増えるので、事務関連の目標などもよいでしょう。
ベテランの具体的な目標例をいくつか挙げます。
- すべての書類作成ができる
- 業務すべてを把握できる
- 緊急時に適切な指示が出せる
- マネジメントの研修会に参加する
ベテランになると、書類関係の仕事が増える分、利用者宅へ訪問する回数が減ってしまう傾向があります。
基本に戻り、利用者とのコミュニケーション関連の目標を立ててみるのもよいですね。
4.訪問介護の目標設定の注意点
訪問介護の目標はポイントを把握することで、簡単に立てられるようになります。
ただし、理想の高すぎる目標や実現不可能な目標を立ててしまうと、達成できずに残念な結果に終わってしまうことでしょう。
さらに、モチベーションまで下がってしまいかねません。
目標設定するときには、次の注意点に気をつけてくださいね。
- 実現できない設定はしない
- 具体性のある目標を設定する
- 利用者の負担にならない設定をする
それぞれについて解説します。
注意点1.実現できない設定はしない
理想が高すぎるあまり、実現不可能な目標を立ててしまうと、途中で挫折してしまいます。
モチベーションも下がり、今後のやる気にも影響してしまうでしょう。
自分に合った目標を立てるには、自分を知ることが重要です。
自分の課題点をしっかり考えることから始めましょう。
自分自身で分かりにくいのであれば、上司や同僚からの客観的な意見を求めることをおすすめします。
注意点2.具体性のある目標を設定する
抽象的な目標だと達成基準が分かりにくく、どう行動するべきか迷ってしまいます。
人事側でも、達成できているのか判断ができません。
そのためにも、具体性のある目標を設定しましょう。
また、数値化できるものは数値化することで、さらに具体性が増しますよ。
注意点3.利用者の負担にならない設定をする
目標を立てることは、自分自身を向上させるために大事なことです。
しかし、利用者の負担になってしまってはいけません。
たとえば「毎回訪問するたびに15分お話をする時間を作る」という目標を立てたとします。
利用者が眠たそうだったり、機嫌がよくなかったりで話したい雰囲気ではないのに、目標達成のために話し続けてしまってはよくありませんよね。
1番に考えるべきは、利用者の状態です。
利用者の状態を最優先したうえで、目標達成に向けて行動しましょう。
まとめ:訪問介護の目標は自分を向上させるために必要
本記事では、訪問介護の目標の立て方について解説しました。
訪問介護の目標は、1日、1週間、1か月、1年後の自分への道しるべとなります。
モチベーションやスキルがアップするだけではなく、人事評価の参考にもされるので昇給するチャンスにもつながりますよ。
目標を立てなければならないと考えるのではなく、自分自身の向上のためによく考えて計画を立てましょう。