訪問介護の夜勤の仕事内容を解説!必要な資格とメリット・デメリットも
「夜勤は給料がよいらしい」
「スキルアップのために夜勤をしてみたい」
このような理由から訪問介護の夜勤を検討中ですね。
利用者が夜間から明け方に体調を崩しやすいことから、訪問介護の夜勤では冷静で迅速な対応が求められます。
ある程度の資格と経験が必要な難しい仕事ですが、利用者とその家族を不安から守るやりがいのある仕事でもあります。
また、スキルと収入がアップできるなどメリットも多いです。
今回「みーつけあ」では、訪問介護の夜勤の仕事内容とメリット・デメリットを紹介しています。また、必要な資格や給料、夜勤が向いている人についても解説しています。
読むことで、夜勤への道の第一歩を踏み出すことができるでしょう。
1.訪問介護夜勤の仕事内容は?
訪問介護夜勤の仕事は、厚生労働省によって創設された「夜間対応型訪問介護」に基づいておこなわれています。
「夜間対応型訪問介護」とは、夜間において、定期巡回訪問、または、随時通報を受け利用者(要介護者)の居宅を訪問介護員等が訪問し、入浴・排せつ・食事等の介護等の提供を行うものをいう。
訪問介護夜勤の主な仕事内容は次の3つです。
- 定期巡回
- 随時対応
- オペレーションサービス
これらの仕事内容は、利用者さんの健康と安全を守るために重要な役割を担っています。
夜勤の仕事にたずさわる前に、仕事内容を把握しておきましょう。
仕事内容1.定期巡回
定期巡回は、22時から翌朝6時までの間、定期的に利用者の自宅を訪問して排泄の介助や安否確認をおこないます。
仕事内容2.随時対応
随時対応は、利用者の体調悪化や転倒などにより通報を受け、利用者宅へ向かい対応します。
状況に応じて医師への連絡や救急車の手配をおこなうなど、迅速で冷静な判断が必要です。
仕事内容3.オペレーションサービス
介護士または看護師の資格を持つオペレーターが、24時間利用者からの通報に対応します。
必要に応じて、訪問介護士を利用者宅へ向かわせたり、救急車の手配をしたりしなければならない点も理解しておきましょう。
次に、訪問介護の夜勤の勤務時間について見ていきましょう。
2.訪問介護の夜勤の時間帯
夜間対応型訪問介護のサービス提供時間は、22時から6時までを含む夜間の時間帯と定められています。
また、8時から18時まではサービス時間帯に含めてはならないと決められています。
実際の勤務時間は、事業所が2交代制あるいは3交代制どちらを導入しているかによって大きく異なるでしょう。
2018年介護施設夜勤実態調査結果では、2交代制を導入している施設が多い結果になっています。
訪問介護の夜勤の求人票には、2交代制では16時半頃から翌朝9時頃まで実働約16時間、3交代制では18時頃から翌朝9時頃までの間で実働約8時間、と記載している事業所が多いです。
3.訪問介護で夜勤をするには資格が必要?給料は?
夜勤を始める前に、チェックしておきたいポイントが資格の有無と給料です。
決まった資格を持っていなければ、夜勤で働くことはできません。
また、夜勤の介護は大変な仕事なので、少しでも多く給料を得たいと思うのは当然のことです。
夜勤の仕事を探す前に、自分が働ける資格を持っているのか、満足できる給料をもらえるのかどうかを把握しておきましょう。
ここでは、気になる必要な資格と給料について解説していきます。
必要な資格
訪問介護の夜勤の仕事内容には、定期巡回、随時訪問、オペレーションサービスの3つがあります。
このうち、定期巡回と随時訪問をおこなうには以下の資格が必要です。
- 介護福祉士
- 実務者研修修了者
- 初任者研修修了者
- 旧介護職員基礎研修
- 旧訪問介護員1級
- 旧訪問介護員2級
オペレーションサービスに必要な資格は以下のとおりです。
- 看護師
- 介護福祉士
- 医師
- 保健師
- 准看護師
- 社会福祉士
- 介護支援専門員
- サービス提供責任者として1年以上従事した経験を持つ者
オペレーションサービスを提供したい人は定期巡回や随時訪問とは異なる資格が必要な点は理解しておきましょう。
平均時給
平均時給は1,500円ほどを目安にしておくとよいでしょう。
夜勤では早朝、夜間、深夜帯の勤務時間により25%から50%加算されるよう設定されているため、日中のときよりも時給が高くなります。
求人票を見ると、1回の夜勤で18,000円から20,000円ほどの給料を提示している事業所も少なくありません。
このように夜勤は時給が高いので、少ない日数で高い収入を得ることが可能です。
4.訪問介護で夜勤をする3つのメリット
「辛い」、「きつい」というイメージのある訪問介護の夜勤ですが、実は多くのメリットがあります。
夜勤で働いている人からは「夜勤のほうが仕事が楽」という感想もあるほどです。
しかし、訪問介護の夜勤は、利用者からの緊急通報に対応しなければならないため、緊張感を常に持ち続ける必要があります。
大変な仕事ですが、得られるメリットが多いと挑戦してみようと思えるのではないでしょうか。
訪問介護で夜勤をするメリットは次の3つです。
- 給料がよい
- 日中に自由な時間ができる
- ほかの仕事とかけもちができる
訪問介護夜勤のメリットについて詳しく紹介します。
メリット1.給料がよい
1番のメリットは、給料がよいことです。
訪問介護の夜勤では、正社員の場合、夜勤手当がつきますし、アルバイトやパートであれば時間帯により時給がアップします。
利用者が睡眠中であることから仕事は基本的には見守りが中心です。
身体的負担が軽減されることも夜勤のメリットと言えるでしょう。
メリット2.日中に自由な時間ができる
訪問介護の夜勤は朝に仕事が終わるため、日中に自由な時間ができることもメリットの1つです。
平日の人が少ない時間帯に出かけたり、習い事に参加したりなど、プライベートを充実させることができます。
メリット3.ほかの仕事とかけもちができる
夜勤は仕事の時間帯が夜なので、日中の仕事とのかけもちが可能です。
キャリアアップや収入アップのために夜勤をする人は多く、求人票を見ると「週に1回からOK」としている事業所も少なくありません。
週に1回だけ夜勤をおこなった場合でも、毎月50,000円から80,000円ほどの収入アップが期待できます。
ただし、かけもちを禁止している事業所や施設がある点には注意が必要です。
自分の勤務先がかけもちをしても問題ないか確認をしてから始めてくださいね。
5.訪問介護の夜勤の注意点
高収入であったり、日中の時間を有効に活用できたりなど、訪問介護の夜勤には魅力的なメリットがあります。
しかし、メリットだけではなく注意点も存在するのです。
通常寝ている時間に働くということは、体に負担がかかります。
また、夜間は利用者の体調が悪化しやすいことから、迅速で的確な判断をする場面にも遭遇しやすくなるでしょう。
ここでは、訪問介護の夜勤をする前に知っておいてほしい注意点を紹介します。
注意点1.生活リズムが崩れる
昼夜逆転の生活になり、生活リズムが崩れやすくなります。
とくに、日中と夜勤のシフトが交互にあると、生活リズムの崩れから体を壊しかねません。
日頃から、睡眠と食事をしっかりと取り体調維持を心がけるようにしましょう。
夜勤専従にすると、生活リズムを合わせやすくなるのでおすすめです。
注意点2.休みを取りにくい
夜勤に配置されているスタッフの数が少ないため、急な休みを取りにくい点にも注意が必要です。
急な休みを取らなければならない理由のある人は、夜勤を避けたほうがよいでしょう。
また、事業所によっては長期休暇も取りにくい可能性があります。
旅行や帰省など、長期の休みが欲しいのであれば事前に確認しておいたほうが安心です。
注意点3.緊急を要する場面が多い
夜勤の仕事は見守りが中心ですが、利用者の体調悪化や転倒による怪我など、緊急を要する場面にも遭遇します。
夜間は連絡のつながらない機関も多いです。
緊急時には「救急車を呼ぶ必要があるか」、「経過観察するべきか」など、自分自身で素早く的確な判断をおこなわければなりません。
そのためにも、緊急時のマニュアルをしっかりと頭に入れておき、なにか疑問点や不安な点があればすぐに解決するようにしましょう。
また、利用者の体調は日中から徐々に悪化し始めます。
日中に対応した訪問介護士からの申し送りに細かく目を通しておくことや、巡回時になにか異常な点がないかチェックすることを心がけることが重要です。
6.訪問介護の夜勤がおすすめな人と向いていない人
訪問介護の夜勤について紹介してきましたが、果たして自分に向いている仕事なのかと気になりますよね。
向いていると分かれば、夜勤に挑戦する勇気が出てくるのではないでしょうか。
夜勤におすすめなのは次のような人です。
- ある程度の経験がある人
- 夜型タイプの人
一方、次のような人は夜勤に向いていません。
- 急な休みが多い人
- 体力に自信がない人
ここでは、夜勤がおすすめな人と向いていない人について解説していきます。
おすすめな人
訪問介護の夜勤におすすめなのは、これまで訪問介護や施設の介護などである程度経験を積んできた人です。
訪問介護の夜勤は、利用者の体調悪化や怪我にひとりで対応しなければなりません。
利用者の状況を観察し判断するためには、これまで培ってきた経験が役に立ちます。
体調悪化により不安を抱えた利用者も、経験のある訪問介護員の対応で落ち着くことができるでしょう。
くわえて、夜勤は通常寝ている時間に働かなければならないため、夜に強いタイプの人にもおすすめです。
向いていない人
急な休みを取る必要がある人は、訪問介護の夜勤は向いていません。
理由として、夜勤に配置している人員数が多くはないため、休みの交換が難しいからです。
日頃から、休むことが多い人は夜勤を避けたほうがよいでしょう。
また、訪問介護の夜勤の仕事は、昼夜が逆転します。
変則的な勤務により体調を崩しやすくなるので、体力に自信がない人も夜勤を避けたほうが無難です。
▼訪問介護の向き・不向きに関しては、以下の記事が参考になります。
>>訪問介護に向いてる人・向いていない人の特徴13選!
まとめ:訪問介護の夜勤の仕事では緊急時対応を習得しておくことが重要
本記事では、訪問介護の夜勤について紹介しました。
夜勤の仕事をするには、利用者の体調悪化による緊急通報に備えて緊急時の対応を習得しておく必要があります。
冷静かつ迅速に対応するには、ある程度の経験と知識が必要です。
訪問介護の夜勤は、これまで培った経験を活かせるやりがいのある仕事と言えるでしょう。