訪問介護で本人不在時はサービスを提供できない?理由を詳しく解説!
「訪問介護で訪問先に行ったら、利用者さんが不在でどうしていいかわからず、そのままサービスを提供した。」
よくある話ですが、実は本人不在時に介護サービスを提供してはいけません。
今回「みーつけあ」では、訪問介護で本人不在時における規定や本人不在時にとるべき行動、本人不在を避ける方法を紹介します。
本記事を読むことで、訪問介護における規定を介護者と利用者さん双方の視点から理解することができ、さらに快適な介護サービスを提供できるようになりますよ。
1.訪問介護で本人不在時はサービスを提供してはいけない理由
訪問介護で利用者さん本人が不在の場合は、サービスを提供してはいけません。
理由は、訪問介護におけるサービスはあくまでも利用者さん本人に対するものだからです。利用者さん本人が不在ということは、サービスを提供できる相手がいないことになります。
また、利用者さん本人が不在でもご家族が自宅にいる場合に、生活援助のサービスを提供してしまう人がいます。しかし、この場合もサービス提供の対象にはならないので注意しましょう。
2.訪問介護で本人不在時に注意しておきたいポイントを解説
訪問介護で利用者さん本人が不在だった場合、注意しておきたいポイントがあります。
ここで紹介するポイントを知らないと報酬を得られない可能性があるので、あらかじめ確認しておきましょう。
本人不在時に注意したいポイントは、以下の2つです。
- 報酬は支払われない
- 一時的に本人が席を外しているときの対応
それぞれ詳しく解説していきます。
ポイント1.報酬は支払われない
訪問介護時に利用者さん本人が不在で、家族に頼まれて掃除や料理などのサービスを提供してしまってもその時間に対する報酬は支払われません。
理由は、厚生労働省の訪問介護の規則として定められているからです。
訪問介護の目的が家事援助の場合でも、基本サービスのなかに本人の健康チェックや相談援助をおこなうことが含まれています。
本人不在時はこのようなサービスを提供できないことから、報酬を支払うことが認められないという点は理解しておきましょう。
ポイント2.一時的に本人が席を外しているときの対応
訪問時には利用者さんがいても、そのあと一時的に本人が外出するというケースもありますが、そのような場合もサービスを提供することはできません。
訪問介護のサービスが提供できるのは、あくまで本人が在宅の場合のみです。ヘルパーが掃除している最中に一時的に利用者さんが別室で待機している状況などはサービスの提供が可能ですが、外出した場合はサービス提供はしないようにしましょう。
本人が自宅にいないとサービス提供ができないことについては、利用者さんのみならず、ご家族にも共通の認識を持って頂くよう働きかけることが重要です。
3.訪問介護で本人不在時にとるべき行動
もし訪問介護で利用者さん本人が不在だった場合、どのような行動をとるべきでしょうか。
利用者さんとのトラブルに発展させないため、訪問介護時に利用者さん本人が不在だった場合にとるべき行動を把握しておく必要があります。
利用者さん本人が不在時にとるべき行動は、以下の2つです。
- キャンセル料を請求する
- 介護事業所へ連絡する
詳しく見ていきましょう。
1.キャンセル料を請求する
訪問介護時に利用者さんが不在だった場合は、介護従事者はサービスを提供することができないので、利用者さんにキャンセル料を請求しましょう。
この「キャンセル料を請求する」という行動には2つのメリットがあります。
1つは、介護従事者と介護事業者間でのトラブルを回避できることです。
訪問介護時に利用者さん本人が不在だった場合は、サービスを提供できないうえにその時間に対する報酬も支払われません。
そのため、キャンセル手続きをおこない、キャンセル料を請求することによって、サービス提供と報酬の問題を解決することができます。
2つ目は、利用者さん側に対してペナルティを与えることによって、キャンセルの件数が減ることです。
利用者さん側はキャンセルについての認知度が低く、自分が不在だった場合もサービスを受けられると思っていたり、キャンセルしてもキャンセル料を請求されないと思っていたりします。
契約時に、キャンセル料や本人不在時にサービスを提供できないことについてしっかり伝えることが大切です。
そうすれば、実際にキャンセル料が発生したとしても、確実に利用者さんに理解してもらえるでしょう。
結果として、訪問時に本人不在を避けることができ、キャンセルを減らすことできます。
2.介護事業所へ連絡する
訪問介護時に利用者さんが不在の場合は、介護事業所に連絡しましょう。
介護事業所に連絡する理由は、キャンセル手続きをするためでもありますが、自己判断をして利用者さんとのトラブルに発展させないためでもあります。
訪問介護時に利用者さんが不在だった場合は、介護従事者が個人で勝手な判断を下し、のちに介護事業所から指摘を受けることが多いです。
介護事業所とのトラブルを回避するためにも、訪問介護時に利用者さんが不在だった場合はすぐに介護事業所へ連絡をして的確な指示を受けましょう。
4.訪問介護で本人不在を避ける方法
訪問介護で本人不在時におこなう介護サービスに対して報酬が支払われないのであれば、そもそも本人不在を避けるしかありません。
ここでは、訪問介護時の本人不在を避ける方法を紹介します。
本人不在を避ける方法は、以下のとおりです。
- こまめな連絡を心がける
- カレンダーを活用する
- 規定を理解してもらう
それぞれ詳しく解説していきます。
方法1.こまめな連絡を心がける
訪問介護の利用者さんのなかには、軽度の認知症により訪問介護の日程を忘れてしまう人がいます。
そのような場合の対策として、こまめな連絡を心がけることが挙げられます。
訪問介護当日はもちろん、前日やそれ以外の日にこまめな連絡をいれることで本人不在を回避することができるでしょう。
訪問介護時に本人不在だった場合のリスクを考えれば、事前に対策する方がメリットが大きいです。
少し手間を感じるかもしれませんが、利用者さんとのコミュニケーションも兼ねて、こまめな連絡を心がけていくことをおすすめします。
方法2.カレンダーを活用する
利用者さんの自宅のカレンダーに訪問日程を記載しておくことで、訪問介護時の本人不在を回避することができます。
カレンダーの活用は、利用者さんが忘れていてもご家族が気付くこともあるのがメリットです。
こまめな連絡をおこない、さらに利用者さんやご家族にカレンダーで確認してもらえばより高い効果を得られるでしょう。
方法3.規定を理解してもらう
キャンセル規定や訪問介護時の本人不在に関する規定を理解してもらうことで、本人不在を回避することができます。
利用者さんのなかには、利用規約を把握せずに訪問介護を契約してしまう人が多いのが現状です。そのため、本人不在について安易に考えているケースが多いのです。
契約時に利用規約を丁寧に説明することに加えて、サービス中の会話のなかに盛り込んでいくことで、より理解を深めてもらえるでしょう。
結果的に、訪問介護時の本人不在を回避することに繋がります。
まとめ:訪問介護で本人不在時は、規定を理解してもらうよい機会
本記事では、訪問介護で利用者さん本人が不在だった場合について解説しました。
訪問介護で利用者さん本人が不在だった場合は、いかなるときも介護サービスを提供することはできません。また、もしサービスを提供したとしても報酬が支払われることはないので注意しましょう。
もし訪問介護で利用者さん本人が不在だった場合は、介護事業者へ連絡をして、キャンセル料を請求するなどの的確な指示を受けることが大切です。
また、訪問介護での本人不在は、以下の方法で避けることができます。
- こまめな連絡を心がける
- カレンダーを活用する
- 規定を理解してもらう
どの方法も普段の業務のなかに一手間加えるだけで効果を得られるので、積極的に実行していきましょう。
訪問介護で利用者さんが不在だった場合は、利用者さんやご家族に訪問介護の規定を理解してもらえるよい機会です。
訪問介護におけるトラブルを未然に防ぎ、利用者さんに快適な介護サービスを提供しましょう。