料理が苦手でも訪問介護ヘルパーは務まる?料理のポイントを紹介
「訪問介護ヘルパーとしてお仕事を始めたいけど料理に自信がない」
「訪問介護ってどのような料理を作る必要があるの」
このような悩みをお持ちではありませんか。
今回「みーつけあ」では、料理が苦手でも訪問介護のヘルパーは務まるのか、介護食を作る目的や、うまく作るポイントについても解説します。
介護食について知ることができるだけでなく、調理もしやすくなるので、自信をもって利用者さんに料理を提供できるようになりますよ。
1.料理が苦手でも訪問介護のヘルパーは務まる?介護食についても解説
ここでは、料理が苦手な人でも訪問介護のヘルパーは務まるのかということについて解説します。
訪問介護のヘルパーは利用者さんのために料理を作る機会も多いです。
普段の料理の延長の感覚で気軽にできる人もいますが、料理が苦手な人にとってはハードルが高く感じてしまうかもしれません。
また、普段家族や自分に作る料理と訪問介護で作る料理は別物に感じられて、とまどってしまう人もいるでしょう。
しかし、それだけで訪問介護の仕事をあきらめる必要はありません。
訪問介護のヘルパーがおこなう料理について確認していきましょう。
訪問介護は料理が苦手でも務まる?
訪問介護のヘルパーは料理が苦手でも務まります。
現役のヘルパーのなかにも、料理が苦手な人は多いです。普段の料理とは少し違う介護食を作るのにとまどった人も少なくありません。
しかし、利用者さんと向き合い、心をこめて料理を作ることで、苦手な料理を克服しています。利用者さんのことを第一に考えながら、訪問介護での料理のポイントを押さえて調理をおこないましょう。
最初はとまどうかもしれませんが、根気よく利用者さんとコミュニケーションを取り、満足してもらえるようにしていくことが大切です。
訪問介護で作る介護食について解説
介護食とは、利用者さんのための料理のことであり、噛む力や飲み込む力が弱い人でも安全に食べられるように作られます。
しかし、ただやわらかく作ればよいというわけではありません。利用者さんに安全に食べてもらうのはもちろん、生活の彩となるように作る必要があるからです。
介護食は利用者さんのさまざまな事情に合わせて作るため、どうしてもバリエーションが少なくなってしまいます。しかし、毎日同じパターンの料理ではどうしても飽きてしまい、食事の楽しみがなくなってしまいます。
利用者さんに食事を楽しいものだと感じてもらうために味付けを変えたり、同じ食材でも調理方法を変えたりと、様々な工夫をこらして作るのが介護食なのです。
利用者さんとコミュニケーションを積極的に取って、味の好みや好物などをしっかりと把握し、食事を心から楽しんでもらいましょう。
2.訪問介護で介護食を作る際のポイント
料理が苦手でも利用者さんに満足してもらえる介護食を作るためのポイントは以下の4つです。
- 利用者さんとコミュニケーションをとる
- 決められた時間内で調理できるようにする
- 栄養素に気を配る
- 見た目や食べやすさに注意する
上記のポイントに注意して、利用者さんを第一に考えて調理すれば、料理が苦手でも満足してもらうことができます。
1つずつ確認していきましょう。
ポイント1.利用者さんとコミュニケーションをとる
まずは利用者さんとしっかりとコミュニケーションを取ることを意識しましょう。
どのような食材が好みで、苦手なものがあるのかはもちろん、その日ごとに何が食べたいかなどを把握することが大切です。
利用者さんのなかには味付けや好みによって料理を食べてくれない人もいます。もしも直接利用者さんに味の好みを確認できない場合はご家族に聞いてみましょう。
また、今日の食事はおいしかったかどうかを聞いてみたり、楽しく食事してくれているかを観察したりして、食事に満足できているかを確認してみるとよいです。
ポイント2.決められた時間内で調理できるようにする
訪問介護のヘルパーには決められた時間内で調理をすることも求められます。決められた仕事の時間内で料理以外にも掃除や洗濯などの業務をこなす必要があるからです。
なかには調理に時間のかかる料理を要求する利用者さんもいますが、時間内で作ることのできる料理を選ぶようにしましょう。
時間内で調理を終わらせるためには以下のポイントに注意するとよいです。
- 利用者さんの自宅にある食材を把握しておく
- 調理にかかる時間をシミュレーションしておく
- 煮物を煮る間に別の料理を作るなど効率を考える
時間内で調理をすることに意識が向きすぎて料理自体がいい加減なものになってはいけないので、あくまで利用者さんに満足してもらえるだけの料理を作ることを意識しましょう。
ポイント3.栄養素に気を配る
おいしいだけではなく、利用者さんの体を気遣った栄養のある料理を意識することも大切です。
- 魚や肉、野菜をローテーションで作る
- 主食、主菜、副菜を揃えたバランスのよい食事を作る
- 不足しがちなタンパク質、ミネラル、ビタミン、食物繊維などを補給できるようにする
利用者さんの健康を保つために食事はとても大切なものです。不足しがちな栄養素を補うために、普段自分たちが食べる食事よりも一層バランスに気を使って調理しましょう。
ポイント4.見た目や食べやすさに注意する
調理する際は完成したときの見た目にも気を配りましょう。利用者さんに心から食事を楽しんでもらうためです。
見た目の悪い食事よりもきれいに盛り付けられた食事の方が食欲がわきますし、美味しく食べられますよね。それは利用者さんも同じです。
また、見た目だけでなく食材の大きさや固さにも注意しましょう。どんなにおいしい料理でも、利用者さんが食べられなくては意味がありません。
噛む力や飲み込む力は利用者さんごとに違うので、担当する利用者さんが問題なく噛んで飲み込める大きさと固さを常に把握しておくことが大切です。
どうしても食材を噛むことができない利用者さんにはミキサーを使って食材をすりつぶしたり、とろみのある料理を作ったりしてみるとよいでしょう。
介護食を作るポイントを押さえたら、次は現場で役に立つレシピを紹介します。
▼料理に関しては、以下の記事も参考になります。
>>介護ヘルパーは料理スキルが必要?料理を作るポイントや注意点まとめ
3.訪問介護で料理が苦手でも作れるおすすめレシピ3選
料理が苦手でも作れるおすすめのレシピを3つ紹介します。料理を考えるうえで苦労する主菜と副菜をまとめました。
3つの料理をローテーションで出すこともできるので、今回紹介するレシピを作れるようになっておけば安心ですよ。
どれも難しい調理はないので、まずは自分が食べる用に作ってみて料理の流れをつかんでおきましょう。
レシピ1.豆腐ステーキ
やわらかくて食べやすい豆腐ステーキは、食べ応えもあるので利用者さんの主菜に最適です。普段肉がかみきれずに食べることができない利用者さんにも喜ばれますよ。作り方は以下のとおりです。
- 豆腐を薄く切って水を切る
- 切った豆腐に片栗粉をまぶして揚げ焼きにする
- ソースを作る
- 豆腐を入れてひっくり返しながらソースをなじませる
作るソースに関しては、利用者さんの好みにもよりますが、カレー粉を使ったカレーソースや、醤油やみりんを使ったシンプルな醤油ベースのソースを作るとよいです。
ソースを作る際に一度フライパンを冷ますと焦げずに作れるのでおすすめですよ。
レシピ2.山芋の酢の物
滋養のある食材として有名な山芋を使った酢の物です。酢の物のようなさっぱりと食べられる料理を好む利用者さんは多いので、重宝する場面が多い料理となっています。
シャキシャキとした食感も楽しむことができるので、食事にメリハリを付けることもできますよ。
- 山芋と大葉を千切りにする
- 盛り付けた山芋の上に大葉をのせる
- 三杯酢をまわしかける
上記のように、調理手順も少ないので短い時間で調理できるのもよい点です。千切りした山芋をかむことができない利用者さんにはすりおろした山芋を使ってあげるのもよいです。
レシピ3.なすの味噌ポン酢和え
なすの味噌ポン酢和えは、電子レンジだけで簡単に作れます。ポン酢のさっぱりとした味わいと味噌のうまみでどんどん食べられますよ。作り方は以下のとおりです。
- なすを一口サイズに切って耐熱皿に入れ、少しお水を入れてレンジで3分チンする
- 小皿に砂糖、味噌、ポン酢、ごま油、生姜、にんにく、すりごまを入れて混ぜ合わせる
- 茄子の水分を切って混ぜた調味料と絡めて仕上げにねぎをかける
作業は簡単ですが、利用者さんの好みに合わせてなすの皮をむいたり、調味料の配分を変えたりしましょう。また、ごまはすりおろしたものを使わないと、入れ歯にはさまってしまうことがあるので注意が必要です。
▼さらにレシピを知りたい人は、以下の記事をご参考ください。
>>訪問介護のご飯作りがストレス!レシピやポイントを覚えて楽しもう
4.訪問介護の料理に関するQ&A
ここでは、訪問介護の料理に関するよくある悩みとその答えを紹介します。
- 訪問介護の料理に必要なレパートリー数
- 料理がまずいと言われた際の対応
- 訪問介護の料理の料金
実際に訪問介護をおこなうなかで感じる可能性が高い悩みばかりなので、しっかりと確認しておきましょう。
Q1.訪問介護の料理のレパートリーはどれくらい必要?
A.訪問介護の際には、最低でも3品は作れるとよいです。
以下の料理を作ることができると、利用者さんに喜ばれることも多くなります。
- ごはん(おかゆ)
- 酢の物
- お浸し
- 煮物
- みそ汁
このなかから得意な料理を作れるようになれば、ヘルパーとしての調理サービスを問題なくこなすことが可能です。
また、自分が得意な料理から派生させてさまざまな料理を作れるようになっていけば、利用者さんの満足度も上がっていくでしょう。
とくに、酢の物やお浸し、煮物は汎用性がとても高いので、1種類でも作れるようになっておけば応用しやすいですよ。
Q2.料理がまずいと言われたらどうやって対応する?
A.料理がまずいというクレームに悩まされるヘルパーもいます。
せっかく一生懸命作った料理をまずいと言われたらショックも大きいですよね。
しかし、利用者さんごとに違う味覚や好みのすべてに対応するのはベテランのヘルパーでも難しいので、落ち込みすぎることはありません。
もし料理がまずいと言われたら、以下の方法を試してみましょう。
- 料理を作る途中で味見をお願いする
- 味付けの好みを詳しく聞く
- 利用者さんのご家族にアドバイスをもらう
利用者さんの好みを詳しく聞いて、そのとおりに作ればまずいと言われる可能性は低くなります。また、実際に味見してもらったり、ご家族に好みの味を聞き出すのも1つの手です。
まずは、「まずい」と感じる利用者さんの心情を理解し、解決に努めてみましょう。
もし、それでも解決しなかったり、「まずい」と言うことでいやがらせをされていると感じたりしたら、上司に相談して担当を変えてもらうことを検討するとよいです。
Q3.訪問介護の料理の料金はいくら?
A.訪問介護の料理にかかる料金を算出する場合は、料理にかかっている時間を把握する必要があります。
訪問介護の料金設定は身体介護と生活援助の2種類があり、業務ごとに料金が設定されている訳ではありません。
料理については、掃除や洗濯と同じ生活援助に含まれるため、料理の料金が気になる人は生活援助の料金を確認し、料理にかかっている時間から計算してみましょう。
▼料金に関しては、以下の記事をご参考ください。
>>訪問介護で生活援助の範囲はどこまで?利用料金まで徹底解説
まとめ:料理が苦手でも訪問介護ヘルパーは務まる
本記事では、料理が苦手でも訪問介護のヘルパーはできるのかについて解説しました。
訪問介護のヘルパーは料理を利用者さんに提供する必要があります。しかし、訪問介護で作る料理は利用者さんのことを第一に考えて作られる介護食であり、ベテランのヘルパーでも完璧なものを作ろうとすると苦労します。
利用者さんと料理についてのコミュニケーションを取り、試行錯誤を重ねていくことで、介護食の調理は上達していきます。
料理が苦手だからといって敬遠したり、最初から上手く作らないといけないと思って、身構えたりする必要ははありません。
利用者さんを第一に考えてお仕事に取り組んでいれば必ず上達していくので、難しく考えすぎずに挑戦してみましょう。