吸引
喀痰吸引とは
口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内にカテーテルを挿入し、分泌物(鼻水、唾液、小さな外気のゴミを含んだ粘膜液等)を除去していくこと。これらが詰まってしまい、呼吸が辛い方などに対して、苦痛を改善するケアのことです。
吸引が必要な人は?
嚥下や呼吸器などの障害により自分で咳や痰を上手に吐き出せないなどで正常に呼吸ができなくなっている人に対して行います。
- ALS
- 気管支喘息
- パーキンソン病
- 脳梗塞
- 気管カニューレを行っている方 等
これらの方々で痰が詰まっている場合に、適宜吸引が必要です。
吸引を行えるひと
医師、看護師、ご家族様(医師や看護師より指導を受けたもの)
介護職員は咽頭前の口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内のみ対応できます。
※研修修了者、実務者研修、平成29年度以降の介護福祉士のみに限る。
施設や事業所が「登録事業者」にならないと行うことはできません。都道府県が定める登録基準を満たしている場合に申請が行えるようになっています。
吸引時に必要な物
- 吸引器
- 吸引カテーテル
- 使い捨て手袋 (気管カニューレの場合は滅菌手袋を使用)
- 水道水(鼻腔 口腔の場合)
- アンコール綿
- 吸引カテーテル保存容器
- 消毒剤(手の除菌に使う)
吸引頻度
吸引の頻度は以前までは2時間起きと言われましたが、
時間は決めずに必要な時に適宜行ってください。
利用者様の表情などでチェックできるようになるといいですね。
吸引時に気を付けること
身の回りや備品はとにかく清潔であること。
吸引を実施するときは手洗いをし、除菌を徹底してください。
鼻腔内や口腔内にカテーテルを入ってくるので、不快に思い、手が出るなどの拒否反応が見られる可能性があります。
しっかり声掛けをして、今から吸引をするという意思表示をして実施するようにしましょう。
また長時間カテーテルを入れていると、呼吸の苦痛を柔らげるために吸引をしているのに、かえって呼吸が苦しくなってしまう恐れもあるので10秒程度で1度出してあげてください。
1度に喀痰が出ないようであれば、何回かに分けて実施するようにしましょう。
鼻腔内、口腔内は粘膜が柔らかく傷つきやすくなっているので注意してください。