MCI(軽度認知障害)について
MCI(軽度認知障害)
健常者と認知症の中間にあたる、MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)という段階(グレーゾーン)があることをご存じですか?
MCIとは、認知機能(記憶、決定、理由づけ、実行など)のうち1つの機能に問題が生じてはいますが、日常生活には支障がない状態のことです。以下がMCIの定義です。
1.記憶障害の訴えが本人または家族から認められている
2.日常生活動作は正常
3.全般的な認知機能は正常
4.年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する
5.認知症ではない
MCIになるとどうなる?
MCIをそのままにすると、認知機能の低下が続きます。MCIから認知症に症状が進む人の割合は年平均で10%程度と言われています。また、厚生労働省は、認知症とその予備軍とされるMCIの人口は862万人存在すると発表しています。この数は65歳以上の4人に1人です。実は、認知症やMCIはとても身近なのです。
MCIは早期発見、対策を
MCIは適切な治療・予防をすることで回復したり、発症が遅延したりすることがあります。一部の場合を除き(※)認知症は完治しないと言われますが、早期にMCIに気づき、対策を行う事で症状の進行を阻止することはとても大切です。
※脳腫瘍・慢性硬膜下血腫・正常圧水頭症・脳血管障害等の外科的治療の対象となる疾患。他にも脳症や、薬の副作用によるせん妄状態など治療可能な状態もあります。
認知機能低下に対する適切な対策を行うことで、MCIになったとしても、認知症の症状が最後まで出ずにすむケースもあります。