認知症の方向けのデイサービスについて解説!
認知症対応型デイサービスとは
認知症の方を対象としたデイサービスです。
可能な限り、自立した生活を過ごしてもらうために、レクリエーションや体操など認知症の方向けのサービスの提供をしています。
認知症対応型デイサービスとデイサービス・デイケアの違い
では通常のデイサービスやデイケアは何が違うのか、簡単な特徴をあげていきながら説明していきます。
認知症の方でなくても、要支援・要介護度が出ていれば利用できるサービスです。 1日を通して、必要な介護のサービスを提供しています。 よって、認知症でなくても通うことが可能です。 |
医師の指示のもとリハビリを中心のサービスです。 リハビリの専門家(理学療法士・作業療法士など)によるリハビリを提供してもらえます。 よって、リハビリがメインなので、認知症に特化したケアを受けることができません。 |
デイサービスの目的とは?デイケアとの違いも解説こちらも参考にしてください。
認知症対応型デイサービスの利用条件
では、認知症対応型デイサービスの利用条件は、認知症だったら誰でもいいの?というわけではありません。
利用条件について説明していきます。
医師の診断
まずは医師の診断が必要です。
認知症だろうというだけでは、デイサービスに通うことはできません。
ちょっと気になる、と思い始めたら一度病院へ行ってみてください。
認知症は早期発見が重要です。
年齢
40歳に達し、介護保険に加入したときから利用することが可能です。
ただし65歳以上の第1号被保険者と、
40歳以上65歳未満の第2号被保険者とで利用できる条件が異なります。
第2号被保険者の場合、特定疾病(指定された疾病16種類)にかかっている場合にのみ、介護保険サービスを受けることができます。
特定疾病
以下特定疾病に該当する16種類の疾病です。
◆ がん(がん末期)
◆ 関節リウマチ
◆ 筋萎縮性側索硬化症
◆ 後縦靱帯骨化症
◆ 骨折を伴う骨粗鬆症
◆ 初老期における認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症等)
◆ 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(パーキンソン病関
連疾患)
◆ 脊髄小脳変性症
◆ 脊柱管狭窄症
◆ 早老症(ウェルナー症候群等)
◆ 多系統萎縮症
◆ 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
◆ 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞等)
◆ 閉塞性動脈硬化症
◆ 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎等)
◆ 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
厚生労働省引用
介護度の申請
介護認定の申請をしないと介護保険サービスは受けることができません。
介護申請方法について、説明していきます。
1.申請手続き | お住いの地域包括支援センターお住まいの市区町村の窓口(役所)へ行き、介護度の申請手続き。 ※申請時に必要な物は申請書類(窓口で記載可能)、介護保険被保険者証、マイナンバーか身分証明書 |
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2.認定調査 | 申請後、ご自宅にて聞き取り調査(認定調査) (市区町村からの依頼により、かかりつけの医師が心身の状況について主治医意見書を作成) |
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3.一次判定 | 認定調査結果や主治医意見書に基づくコンピュータによる一次判定 |
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4.二次判定 | 一次判定結果や主治医意見書に基づく介護認定審査会による二次判定 |
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5.要介護認定 | 市区町村が要介護度を決定 |
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6.ケアマネジャー決定 | 要介護度が判定された後は、市区町村窓口か地域包括支援センターにケアマネージャーを紹介してもらう |
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7.計画書作成 | ケアマネジャーの訪問調査にて「どんな介護サービスを受けるか」「どういった事業所を選ぶか」についてサービス計画書(ケアプラン)を作成し、それに基づきサービスの利用が開始 |
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申請から認定までには1か月はかかります。早めの申請をしましょう。
デイサービスを受けるには?介護保険を受けるための手順も解説!こちらでも、申請方法について詳しくまとめているので参考にしてください。
事業所タイプ別の認知症対応型デイサービスの形態内容
認知症対応型デイサービスには、3つ事業所形態があります。
どのような形態があるのか説明します。
認知症対応型デイサービスのみで運営している施設です。 少人数で対応しているところが多いので、アットホームなイメージです。 | |
ほかの福祉施設(特別養護老人ホームや通所リハビリなど)と併設している施設です。 認知症対応型デイサービスの人数は決まっているので、変わりありません。 ですが、施設にはたくさんの人が利用しているので、施設自体はとてもにぎやかです。 | |
グループホームなどの施設の1部を使ってサービス提供している施設です。 グループホーム入居者とともに生活します。 今後、グループホームに入居したい方など職員や入居者と、顔なじみになることができるので今後のことを考えて通われている方もいます。 |
事業所形態別・介護度別に料金概算
事業所形態別・介護度別に料金が変わりますので、説明します。
7時間以上8時間未満のデイサービス利用の料金概算
自己負担額1割の場合の方の利用料金です。
自己負担額2割、3割の方はこれらの料金に2倍、3倍 をした料金になります。
1回の利用料金です。
単独型事業所
認知症対応型デイサービスのみで運営している施設
要介護1 | 1,300円/回 |
要介護2 | 1,400円/回 |
要介護3 | 1,550円/回 |
要介護4 | 1,650円/回 |
要介護5 | 1,800円/回 |
併設型事業所
ほかの福祉施設(特別養護老人ホームや通所リハビリなど)と併設している施設
要介護1 | 1,150円/回 |
要介護2 | 1,300円/回 |
要介護3 | 1,400円/回 |
要介護4 | 1,500円/回 |
要介護5 | 1,600円/回 |
共有型事業所
グループホームなどの施設の1部を使ってサービス提供している施設
要介護1 | 750円/回 |
要介護2 | 770円/回 |
要介護3 | 780円/回 |
要介護4 | 800円/回 |
要介護5 | 830円/回 |
事業所形態によって、料金が異なります。
おおよその値段表記になりますので、必ずデイサービスに確認してください。
※入浴介助加算も含んでいます
利用料+加算がある
利用料のほかに、プラスで加算がつきますので、注意してください。
デイサービスによって、地域の加算など違いがありますので必ずデイサービスに確認してください。
- 入浴介助加算 50円
- 若年性認知症利用者受入加算 60円
- 個別機能訓練加算 28円
- 介護職員処遇改善加算 10.4%(算定単位数)
※別途 昼食代金かかります。
認知症対応型デイサービスの1日の流れ
認知症対応型デイサービスの一日の流れを説明していきます。
一日の流れとして、通常のデイサービスと大きな違いがありませんが、認知症ケアに特化しているケア、レクリエーションがあるかの違いになってきます。
9:00~ | 送迎 | ご自宅まで、車で迎えにきてもらえます。 車いすの方でも、送迎は可能です。 認知症状が強い方などで外出前の不安がある方は訪問介護に対応してもらい、 安全に送り出ししてもらいましょう |
10:00~ | バイタルチェック | 到着したら、看護職員(介護職員の場合もある)がバイタルチェックを行います。 特に認知症の方は体調や気分にムラがある方が多いので、体調をしっかり確認することはとても大切です。 |
10:30~ | 個別ケア | 認知症対応型デイサービスは少人数のため、個別ケアや少人数グループでケアを行うこともできます。 デイサービスによってはできないところもあるので事前に確認してください。 |
午前~OR午後~ 適時 | 入浴 | 大きめの浴室があり、自立している方、見守り、介助が必要な方でも対応可能です。 家の浴室が狭い、一人で入るのが怖いと思っている方でも安心して入浴できます。 入浴に拒否がある人でも声掛け次第で入浴できることもあるので、デイサービス職員に相談してみてください。 |
12:00~ | 昼食 | 昼食を食堂で食べることができます。 自分で食べることが難しくなった方でも、声掛けや食器の配置の仕方次第でご自分で召し上がることができることもあります。 |
食後 | 口腔ケア | 昼食後は自分で持ってきた歯ブラシセットで口腔ケアをします。 口腔内の汚染や食べ残しから、誤嚥性肺炎になる恐れもあるので、面倒くさがらずに実施しましょう。 口腔ケア体操を実施するところもあります。 |
適時 | 排泄 | トイレはバリアフリーでの対応になっているので、誰でも安心して利用できます。 行きたいときに行くことができますが、ご自分で排泄のタイミングが分からない方には、職員が声掛けしてトイレ誘導を実施しています |
13:30~ | レクリエーション | レクリエーションを実施することは認知症の方にはとても効果的なケアです。 デイサービスによって、取り組むレクリエーションは違うので、各デイサービスに確認してください。 散歩や体操、頭や手先を使ったレクリエーションなどさまざまなレクリエーションがあります。 |
15:00~ | おやつ | ほっと一息、おやつタイム。 顔なじみの方々と談笑したり、ゆっくり休むこともできます。 |
16:00~OR17:00~ | お見送り | ご自宅まで車でお見送りしてもらえます。 |
認知症の方に効くレクリエーション
認知症の方は、今の自分に不安や焦りの感情を持っています。
レクリエーションをすることで、楽しむ感情や、まだまだ自分にもできることがあるという自信を持つことができるのです。
昔得意だったこと(歌・絵・字を書くこと・身体を動かすこと)をやることもレクリエーションに組み込むことも大切です。
他人と比べないことが大事になってきます。
頭を使ったレクリエーション
頭を使うことで、脳内が活性化します。
- パズル
都道府県パズルなど、出身地などで盛り上がることができます。 - 計算
簡単な計算問題でも構いません。 - 言葉を使ったゲーム
ことわざ遊びや漢字の部首を当てるゲーム
手先を使ったレクリエーション
手先を使うことで、脳と指先の刺激になります。
- 塗り絵
最近では大人のぬりえも流行っています。難しい塗り絵にチャレンジ! - ものづくり
簡単な装飾などの作成。(刺繍が得意な方には刺繍や縫物など) - 折り紙
手先と頭を使う、折り紙作成も刺激になります
身体を使ったレクリエーション
身体機能の維持・向上、脳内の刺激になります。
- 体操
身体を動かすことで、身体機能の維持・向上にも繋がります。 - 散歩
季節の空気を肌で感じることで、脳内の刺激や身体機能にもいい影響がでます。 - ボール遊び
楽しみながら、行うことで笑顔が生まれて表情も豊かになります。
楽しみながら、行うことで笑顔が生まれて表情も豊かになります。
認知症の方に効く療法
認知症に効くと言われている療法がいくつかありますので、説明していきます。
※すべての方に効くというわけではありません。
学習療法
認知症の方の脳機能の維持改善や、認知症予防になります。
漢字を書くことや、計算をすることで、脳は活性化されます。
問題を解いて、他人に褒められることでさらに脳は活性化します。
音楽療法
メロディを聞き、音楽に乗り、歌うことで、脳が活性化します。認知症の方でも、昔の歌を覚えているということは、自信にも繋がります。
園芸療法
屋外で植物に触れることで、外的刺激を受けることができます。自分で植物を育てている、植物が芽を出した、花が咲いた、など植物を通して、刺激を受けることで脳も活性化します。
外に出る機会を設けることも大事なポイントです。
回想法
昔懐かしの話題になると、表情豊かになり、昔の話題を思い出すことで脳も活性化されます。1960年代にアメリカの精神科医、ロバート・バトラー氏が提唱し、注目されました。
認知症の方がデイサービスを拒否した時の対処法
認知症の方は、時々デイサービスや介護拒否することもあります。
その時の対処方法を説明していきます。
- デイサービス担当者に任せる
家族の声掛けだけだと、拒否が強くデイサービスへ行くことを拒否する場合があります。
デイサービスの担当者の協力して声掛けをしてもらうことで、行く意欲が持てるかもしれません。 - キャンセル
何度か声掛けしたけれど拒否が強くなり行くことが難しい場合は、無理強いしてもよくないのでキャンセルしましょう。
しかし、当日キャンセルにはキャンセル料がかかりますので注意してください。
認知症ケアの専門家が在籍
認知症対応型デイサービスですと、認知症のケアの専門家が在籍しております。
在宅生活で、困っていることなども遠慮なく相談しましょう。
一人で抱え込まず、ケアマネージャーやデイサービス職員などに相談し、よりよいサービスを受けて、よりよい日常生活が送れるようにしましょう。
まとめ
認知症の方向けのデイサービスは、個別ケアや認知症ケアに特化しているデイサービスです。
認知症の方には、認知症の方に向けのケアをしていくことが重要になってきます。
みーつけあでは、介護の相談に乗ります!
条件に合うピッタリなデイサービスもお探しします。
↓こちらからご相談お待ちしております!
