登録ヘルパーの移動時間問題!労働と認められる条件を徹底解説
「移動時間の賃金は出ないのかな…」
「移動途中で買い物に行っちゃダメ?」
「どこからどこまでが労働時間なの!」
利用者様のお宅を仕事場とする登録ヘルパーは、移動が多くなるものですよね。
しかし移動時間は労働とは認められないのか、賃金は発生するのかなど、疑問に感じる部分もあるのではないでしょうか。
今回「みーつけあ」では多くの登録ヘルパーが持つ、移動時間の疑問を解決していきます。
登録ヘルパーとして働いている方はもちろん、これから働きたいと思っている方も、ぜひ参考にしてください。
移動時間や空き時間の考え方
引用:https://www.pakutaso.com/
登録ヘルパーは、移動時間や空き時間が多くなりがちです。
しかし、どこまでが労働でどこからが労働でないのか、詳しく理解しないで働いている方も少なくありません。
ここでは移動時間や空き時間の考え方、そして労働として認められるかどうかをご紹介します。
移動時間が労働になるための2つの条件
移動時間が労働として認められる条件は2つあります。
1つ目は、使用者(雇用主や事業所)から業務を命じられ、業務に従事するために事業所・集合場所・利用者様宅の間を移動すること。
2つ目は、自由に利用できる時間がないこと。
つまり仕事場から仕事場への移動であり、なおかつ買い物などをする時間の余裕がない場合のみ、労働として認められるということです。
また自宅への移動は通勤なので、労働とは認められません。
ここではかみ砕いてご説明していますが、厚生労働省労働基準局が発行する「訪問介護労働者の法定労働条件の確保のために」の中には詳しく掲載されています。
労働と認められる時間とそうでない時間を比較!その違いとは
労働と認められる移動時間とは実際にどのようなものなのでしょうか。
ここでは想像しやすいように、具体的なケースを3つご紹介します。
ケース1はAさん宅からBさん宅、Bさん宅から事業所への移動が労働と認められます。
反対に、ケース3はAさん宅へ直行直帰のため、通勤移動なので労働とは認められません。
もっとも悩みやすいパターンはケース2で、Aさん宅からBさん宅までの一部の時間が労働とは認められていません。
これは空き時間が移動時間を超えてしまっているからです。
例えばAさん宅からBさん宅への移動時間が15分で済むにも関わらず、空き時間が2時間ある場合。
業務のために必要な移動は15分のみで、残りの1時間45分は自由に過ごせるため条件に該当しなくなります。
業務以外の自由な行動ができる時間は、労働と認められないと覚えておきましょう。
長い空き時間は自由に過ごして良いの?
短い移動時間と長い空き時間が重なると、労働と認められない空き時間が発生します。
この空き時間はお給料の発生しない、登録ヘルパーにとって自由な時間ということ。
実際に、買い物や家事をしたり読書や仮眠をするなど、自由に過ごしてもらって構いません。
空き時間をもったいないと感じるようであれば、登録する事業所を増やしたり、シフトの調整をしたりと、空き時間を作らないように工夫してみましょう。
移動中の事故は労災になる?
車や自転車で移動することの多いヘルパーにとって、交通事故などの災害は不安要素の1つです。
特に、委託契約が多い登録ヘルパーはそもそも労災が適用されないのか、また労災の適用範囲内はどこまでなのか、など不安なことが多いですよね。
全ての災害に労災が適用する訳ではありませんが、登録ヘルパーであっても労災に適用する場合があります。
厚生労働省労働基準局は、介護保険法に基づき業務に従事する登録ヘルパーも、実態として雇用されていると判断されれば労働基準法に適用される、という考えを明示しています。
(「介護労働者の労働条件の確保・改善のポイント」に記載)
つまり労働基準法が適用される登録ヘルパーであり、発生が労働時間内として認められる場合は、労災が適用される可能性が高いと言えます。
ただし、事業所によって見解はさまざまなので、登録している事業所に確認するなど、不安な場合は確認をしておきましょう
移動時間の賃金はいくら?
引用:https://www.pakutaso.com/
労働として認められる移動時間の賃金額は、事業所によってさまざまです。
一般的には、介護労働の賃金額よりも少なめに設定されていますが、そのような決まりはありません。
厚生労働省労働基準局が発行する「訪問介護労働者の法定労働条件の確保のために」の中に、最低賃金額を下回らない範囲内であれば、労働者と使用者の話し合いによって決定して良いという見解が示されているからです。
最低賃金額は令和元年度に改正され、厚生労働省より発表されました。
地域によって最低賃金は違うため、「令和元年度地域別最低賃金改定状況」でご確認ください。
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>>登録ヘルパーは本当に稼げるのか?時給の平均値や高時給の理由について
移動時間が支払われていない?疑問はすぐに相談しよう
引用:https://www.pakutaso.com/
「移動時間の賃金が支払われていない…」
「支払われてないときはどうすればいいの?」
労働と認められる移動時間の賃金が支払われていない場合、事業所が厚生労働省の見解を知らない、もしくは賃金を上乗せした時給を設定している、という原因が考えられます。
どちらにしても、事業所に相談することがもっとも有効な解決策と言えるでしょう。
ただし移動時間の賃金を新しく設けることで、介護労働の賃金を減らす事業所も少なくありません。
事業所が改善をしてくれない、事業所の意見に納得ができない、など解決に向かわない場合は、登録先の事業所を増やしたり変えてしまうのも1つの手でしょう。
▼登録ヘルパー用、履歴書の書き方はこちらから
>>登録ヘルパーのための、本当に正しい履歴書の書き方講座
>>自己PRと志望動機を楽々書ける!登録ヘルパーになるための履歴書の書き方講座
まとめ
引用:https://www.pakutaso.com/
登録ヘルパーの移動時間はどこまでが労働と認められるか、あなたの疑問を解決できたでしょうか。
移動時間が労働として認められる条件は、使用者からの命により必要な移動であることと、労働者に自由な時間がないことです。
空き時間が長い場合は、労働として認められない場合もあるので気をつけましょう。
また移動時間の賃金は、最低賃金を下回らなければ、使用者と労働者の話し合いで決定して良いとされています。
時給に上乗せしていたり、別の手当で支給している事業所もあるので、疑問がある場合はまず相談することをオススメします。
1つでも多くの不安を解消し、登録ヘルパーとして安心して働きましょう。