登録ヘルパーでも社会保険に加入できる?加入条件や注意点について
登録ヘルパーの仕事は働く時間も自由に選べて、出勤しなくても直接利用者宅に向かい、仕事が終わったら帰宅できるフットワークの軽さも魅力です。
一方で「社会保険には加入できるのだろうか?」や「加入したいけど条件はどうなっているのだろう?」と言った疑問の声も多くなっているようです。
今回「みーつけあ」では、登録ヘルパーの社会保険について、加入条件や注意点についてご紹介していきます。
登録ヘルパーの社会保険、労働保険について
引用:https://www.photo-ac.com/
「そもそも社会保険や労働保険に関していまいち理解していない…」という方もいるかと思います。
大まかな社会保険や労働保険については以下のようになっています。
社会保険とは | 健康保険と厚生年金を合わせた総称 |
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労働保険とは | 労災保険と雇用保険を合わせた総称 |
社会保険や労働保険の未加入問題は介護業界に限った話ではありません。
しかし、近年では一部の自治体でも事業所指定の段階で、社会保険や労働保険の加入状況はチェックされるようになってきています。
ここからは社会保険、労働保険について説明した後、登録ヘルパーの加入条件についてもご紹介していきます。
社会保険について
健康保険と厚生年金の加入が義務付けられるのは、短時間労働者への適用拡大(平成28年10月〜)に伴い、週20時間以上の勤務が対象となっています。
厚生労働省の資料よりまとめると、以下の内容が加入条件ということになります。
①週20時間以上
②月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)
③勤務期間1年以上見込み
④学生は適用除外
⑤従業員 501人以上の企業
労働保険について
常勤、パート、アルバイト、派遣等の名称や雇用形態に関わらず、労働者を1人でも雇っている事業所は労災保険の加入義務があります。
雇用保険に関しては、週20時間以上勤務する労働者を雇った場合に加入が事務付けられることになります。
また、労働保険料の労災保険分は全額事業主負担となり、雇用保険分は事業主と労働者双方の負担となっています。
登録ヘルパーの社会保険や労働保険について
登録ヘルパーの社会保険
登録ヘルパーの社会保険においても、上記の厚生労働省資料による加入条件を満たした場合、加入義務があるということになります。
しかし、非常勤役員の扱いとなる登録ヘルパーには、個々の状況に応じて判断される要素もあるのが現状となっています。
- 実務内容として常勤扱いであるか非常勤扱いであるか
- 給料で保険料を支払えるか
- 事業所の経営に携わっているか、又は影響力を持っているか
- 会議や役員会に出席しているか
非常勤役員が一律に加入義務がないわけではなく、採用から半年程度、もしくは3、4年に一度の年金事務所の調査があります。
万が一加入漏れを指摘された場合には、保険料を徴収されるというケースもあり得ます。
そこそこ大きな金額にもなるため、事前に加入義務の有無に関して事業所に確認しておくのが最善と言えるでしょう。
登録ヘルパーの労働保険
登録ヘルパーの場合、労災保険は原則として加入対象になっていますが、雇用保険は週20時間以上勤務する方には加入義務があります。
しかし、例外として65歳に達した日以後に雇用された労働者は被保険者となりませんので、高齢者は注意が必要です。
登録ヘルパーの社会保険加入に関する注意点
引用:https://www.photo-ac.com/
登録ヘルパーも社会保険に加入する事で、当然ながら自身の給料から保険料が差引かれることになります。
中には給料の手取額が減ってしまうことに抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。
家庭の事情によっては、配偶者等の扶養の範囲内や、所得税のかからない範囲で働きたいと考えている方もいるかもしれません。
また、社会保険に加入となると事業主側にも少なからず負担が生じます。
そのため、あらかじめ社会保険の加入は無しとしている事業所もあるため、加入義務の有無の確認と同様にしっかり確認しておくようにしましょう。
関連記事はこちらから。
>>登録ヘルパーでも押さえておきたい労災保険の基礎知識について
>>登録ヘルパーは雇用保険に加入することができるのか?条件や注意点について
登録ヘルパーの社会保険についてよくある質問
引用:https://www.photo-ac.com/
登録ヘルパーでも社会保険に加入することはできますが、他にも様々な疑問をもつ登録ヘルパーの方も多いのが現状となっています。
ここからは登録ヘルパーの社会保険についてよくある質問にも着目していきましょう。
掛け持ちで社会保険の加入条件を満たした場合…
もし掛け持ちで2ヶ所以上の事業所に所属していて、加入条件にも当てはまっている場合、たとえ登録ヘルパーでも社会保険の加入が義務付けられます。
また、気を付けなければいけない点として、1日または1週間の所定労働時間及び、1ヶ月の所定労働日数が常勤(社会保険加入対象となっている正社員など)の4分の3以上勤務した登録ヘルパーも、社会保険の加入が義務となります。
移動時間は勤務時間として換算されるのか?
移動時間については、サービス利用者の家までの出勤時間が、個人的な寄り道として利用されていないと認められる場合には、勤務時間として扱われるということになります。
しかし、実際の移動時間、待機時間、自由時間などを事業所側が登録ヘルパーの自己申告のみで判断するのは非常に困難となっています。
そのため、対応のほとんどは「交通手当」または「移動手当」として換算されるケースがほとんどです。
移動時間に関する対応は各事業所により異なるため、気になる方は在職する事業所に確認をするのが最善と言えるでしょう。
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>>登録ヘルパーの移動時間問題!労働と認められる条件を徹底解説
まとめ
引用:https://www.photo-ac.com/
今回「みーつけあ」では、登録ヘルパーの社会保険について、加入条件や注意点も踏まえてご紹介しました。
短時間労働者への社会保険適応の拡大に伴い、保険に関する対応は大きく変わってきてはいますが、まだまだ曖昧な点が多いのも事実となっています。
「今まで何となく働いていただけで全然意識していなかった」という方でも、個人の意識を持つことで保険に関するトラブルを防ぐキッカケにもなるはずです。
事業所だけをあてにするのではなく、ぜひこの機会に自分自身が社会保険の加入対象であるかないか、また事業所がちゃんとした対応を出来ているかを見極めてみてください。