登録ヘルパーを辞めたいと考える主な理由とは?辞め方やその後のキャリアパスも解説
登録ヘルパーとは、利用者宅でサービスを提供する、やや特殊な介護形態です。
利用者の日常生活を支えるうえで、たいへん重要な役割があります。
非常に価値のある職業であり、決して誰にでも務まるものではありません。
一方で登録ヘルパーは、大きなストレスを感じやすい職業でもあります。
さまざまな理由で、「もう登録ヘルパーを辞めたい」と考えている人も多いでしょう。
大きなストレスを抱えながら登録ヘルパーで働くのは、とても辛いことですよね。
今回「みーつけあ」では、登録ヘルパーを辞めたいと考える主な理由や、その後のキャリアパスなどについて解説します。
本記事を読んで、少しでも気持ちが楽になり、新しい道が見えるようになれば幸いです。
登録ヘルパーの辞め方:その主な理由とは?
引用:https://www.photo-ac.com
登録ヘルパーを辞めたいと考える理由は、人によってさまざま。
主だったものとしては、以下が挙げられるでしょう。
業務の責任に耐えられない
「登録ヘルパー」という責任の重さが苦痛となり、辞めたいと考えることもあるでしょう。
登録ヘルパーは、(その給与水準と比較して)非常に責任が思い仕事です。
利用者の介護を1人で引き受け、突然なトラブルなどにも適切に対応しなければいけません。
さらに一般的な介護施設とは違い、「現場には自分しかいない」という状況です。
よって、登録ヘルパーにおけるほとんどを、自分1人の責任でこなさなければいけません。
「もう私には務まらない」と、精神的に限界を迎えている人も多いでしょう。
大きな責任を背負うのは、本当に大変なことですよね。
というような責任の重さからプレッシャーを感じ「登録ヘルパーを辞めたい」と考えるケースは、決して珍しくありません。
業務がきつく、耐えられない
また、「激しい業務負荷があり、肉体的に耐えられない」というケースもあります。
登録ヘルパーでは、「利用者の要介護度」や「施設ごとの方針」によって、肉体的な負担が変動します。
よって、
- 入浴・起床・臥床介助など、腕力や体力が求められる業務が集中する
- 肉体労働をする時間が長く、とても疲れやすい
- 連続した夜勤など、ハードなスケジュールが組まれてしまう
といった問題が起こるわけです。
数日であれば、なんとか乗り切れるかもしれません。
しかし、業務負荷が強い状態をずっと継続していると、次第に限界へと近づいていきます。
中には「手足を傷める」「慢性的な腰痛を抱えるようになる」といったケースも
登録ヘルパーでは、肉体的な負担が強くなりがちです。
自身の持っている体力や年齢といった要素も絡んで、「登録ヘルパーを辞めたい。楽な仕事に移りたい」と考えるケースが、数多く存在します。
ハードなスケジュールも問題です。中には、1日13時間の勤務を、何日も繰り返しているという人も。
肉体的に辛いときは、精神的にも辛いことが多いでしょう。心身ともに苦しい状態では、「辞めたい」という風に考えて当然です。
もしそのような状況にあれば、無理して継続するべきではないかもしれません。
人間関係でのトラブル
また、「人間関係でのトラブルに耐えられない」という理由も挙げられるでしょう。
大なり小なり人間関係で悩んでいる人は、大勢います。
たとえば、
- 私はこれだけやっているのに、なぜ評価されないのか
- 人員が頻繁に入れ替わるので、深い信頼関係を作れず、苦労する
- セクハラやパワハラが常態化している
- 上司やリーダー(いわゆる「お局」)が、自分に対しては必要以上に辛く当たるetc…
というようなことが、悩みのタネとなるようです。
「なぜこんな扱いを受けなければいけないのか」と、怒っている人も多いのではないでしょうか?
人間関係の問題は、職場の空気を悪くする、業務へのやりがいを見失うなど、さまざまな弊害をもたらします。
さらにその上で「仕事が大変」ということが重なれば、ある意味で「辞めたくなって当然」とも言えるでしょう。
待遇における問題
また、待遇や給与に不満を感じて、「登録ヘルパーを辞めたい」と考えるケースも多く存在します。
登録ヘルパーにおける待遇や給与をめぐっては、以下のような問題が起こりがちです。
- 残業などがあり、また残業代も支給されない
- 介護業界の常として、給与そのものが少ない
- 利用者宅へ移動する際、給与が発生しないのが響いている
- 専門的な介護をしたいのに、簡単な業務しか回ってこない(希望している業務と相違する)
- スキルが適切に評価されず、ステップアップを望めないetc…
というように、登録ヘルパーにおける待遇には、多くの人がさまざまな不満を持っています。
中でも残業代や給与水準について不満を持っている人は、特別に多い状態です。
「待遇が低い」だけであれば、「辞めたい」と思うほど、大きな要因にはならないのかもしれません。
しかし多くの場合は「業務の責任が重い」「肉体労働があるので、体力的にきつい」という問題も重なってきます。
よって「給料は安い上に激務」という状況となり、辞めたいと考えるように至るケースが多いようです。
利用者とのトラブル
あらゆる形態での介護に共通しますが、「利用者とのトラブル」が原因となることも。
登録ヘルパーを利用している利用者の性格やバックグランドは、実に多種多彩です。
もちろん、年長者として尊敬に値するような利用者も、大勢存在します。
一方で、
- 正当ではないクレームを入れる
- 叩かれたり、モノを投げたれたりといった暴行を受ける
- セクハラや暴言に該当する言葉をかける
- サービス内容を逸脱した要求がある
- たいへんなわがままであるetc…
など、対応に困ってしまうような利用者も、決して少なくありません。
こういった利用者に登録ヘルパーのサービスを提供し続けるのは、きわめて大変なことです。
「利用者は大切にすべきなのはわかっているが、限界を感じる」というような葛藤を抱えている、というような人も多いでしょう。
利用者とのトラブルをなくすのは、極めて難しい部分があります。
よって解決するよりも、「登録ヘルパーを辞めたい」という風に考えるケースが多いようです。
キャリアアップのため
一方で、「介護職としてキャリアアップしたい」という、前向きな理由も存在します。
一例として、
- 登録ヘルパーではなく、介護施設で活躍したい
- 資格を取得し、よりマネジメントに近い部分で働きたい
- その他業界に挑戦したい
というような理由が挙げられるでしょう。
▼関連記事はこちら
>>登録ヘルパーを辞めたい理由まとめ|辞める前に考えるべきこと
>>登録ヘルパーの退職理由として多いのは?円満な退職方法についても紹介
登録ヘルパーの辞め方について考えたいこと
引用:https://www.photo-ac.com
上記で記載したさまざまな理由で、「登録ヘルパーを辞めたい」と考える人は大勢います。
もちろん登録ヘルパーを辞めるというのも、キャリアパスのひとつです。
とはいえ、「本当に、今働いている介護事業所を辞めるべきなのか?」という点については、一度冷静になって考えたいところ。
なぜなら、介護事業所で働き続けることには、さまざまなメリットがあるからです。
たとえば、
- 自分の好きな時間で働ける
- 時間帯が固定されづらく、シフトの融通も利きやすい
- 家事や子育てと両立しやすい
- ダブルワークにも向いている
というようなものが挙げられます。
もちろん、メリットがあっても「辞めたい」と思っている原因が解決するわけではありません。
一度上記のようなメリットがあるということを踏まえて考えれば、より冷静に判断できるはずです。
もしかしたら、「辛い部分もあるけれど続けてみよう」と思えるかもしれません。
また、「辞めたい」と思ってしまう要因が解決される可能性もあります。
たとえば、
- 自分に辛く当たる人が異動し、人間関係が改善される
- 相性が悪い利用者から、別な利用者の担当に回される
- 人手が増えることで、残業過多が解消されるetc…
というようなことが起こるかもしれません。
そうすれば、ある程度気持ちよく働けるようになるでしょう。
もしくは自分が動くことで、解決できるというケースもあります。
今勤めている登録ヘルパーを辞めるのは、決して悪いことではありません。
ただし本当に辞めてしまっても問題ないか、一度冷静な視点で考えてみましょう。
登録ヘルパーの辞め方:その後のキャリアパスについて
引用:https://www.photo-ac.com
冷静に考えたうえで、「やっぱり介護施設を辞めたいものは辞めたい」という結論を出す人も多いでしょう。
もしそう思うのであれば、辞めるのもひとつの選択です。
むしろ新しい道を選ぶうえで、とても賢明な判断だと言えるでしょう。
とはいえ、「辞めてからどういうキャリアパスを選べばいいかわからない」という人も多いはず。
いきなり次の道を考えろ、と言われても、困ってしまいますよね。
もし悩むようであれば、以下のようなキャリアパスをおすすめします。
別の訪問介護施設を探す
第一に、「別の介護事業所で登録ヘルパーとして働く」というキャリアパスが考えられるしょう。
特に「今の施設は辞めたい。一方で登録ヘルパーの仕事自体には魅力を感じている」人にとっては、有力な選択肢です。
別の訪問介護施設で働くと、基本的な業務内容はそのままに、人間関係やその他環境が変わります。
具体的には、
- 一緒に働くスタッフや上司(サービス提供責任者)
- 担当する利用者
- 給与額や手当、残業代を適切に支給しているか否か
- シフトやスケジュールの決定方法
- 施設の方針や、考え方
などが、大きく変わるわけです。
よって訪問介護施設を変えるだけで、抱えている問題があっさりと解決するケースもあります。
訪問介護の施設は、何も今勤めている一箇所しか存在しないわけではありません。
「ここを辞めたらおしまいだ」とは考えず、他の施設で働くことも視野に入れてみましょう。
別な施設で、介護職を続ける
訪問介護ではない介護施設で働くという方法もあるでしょう。
具体的には、
- 通所介護
- 介護老人保健施設
- 有料老人ホーム
- 特別養護老人ホーム
などが、候補として挙げられます。
登録ヘルパーとして訪問介護を提供する以外、特に「入居型」、もしくは「通所型」などの形式に変更することで、劇的に働きやすくなるケースもあります。
登録ヘルパーには、
- 利用者と1対1で関わる
- 利用者宅へと向かう必要があり、その賃金は支払われない
- 現場でサポートを受けられないetc…
など、いくつか難しいポイントが存在します。
しかし、そのほかの介護施設に移ることで、これらの問題はたいてい解決されるでしょう。
訪問でない介護施設であれば、
- 利用者と1対1ではなく、複数対複数になる
- 利用者宅へ向かう必要はない
- 現場には上司や同僚がいるため、サポートを求められるetc…
という風に解決されます。
登録ヘルパーを辞めたとしても、「何らかの形で介護の現場に関わりたい」と考えている人は多いはず。
もしその思いがあるならば、別な形態の介護施設へ移ることをおすすめします。
また介護士を続けるうえで、「介護福祉士」や「ケアマネージャ」など、上位資格を取得するチャンスもめぐってくるでしょう。
そうなれば、さらにやりがいの大きな業務を担当することも可能です。
介護士以外の道を探る
思い切って、介護士以外の道を探るというキャリアパスもあるでしょう。
登録ヘルパー、もしくは介護そのものに疲労感を感じている場合、有力な選択肢となります。
もちろん介護士以外で何の道を進むかは、人それぞれ自由に選択するものです。
ただ、登録ヘルパーの経験が活かされるような職業や業界なら、より有利に働けるでしょう。
たとえば、
- 培ったコミュニケーションを活かすため、接客業へ移る(飲食店スタッフなど)
- 傾聴するスキルを武器にして、保育園などに移る(保育助手など)
- 利用者の生活をサポートしてきた経験を活かして、看護・医療の分野へ移る(看護助手など)
といった選択肢は、特に有力です。
もちろん、特別にやりたい職種や挑戦したい業種があるならば、それを優先するのもよいでしょう。
介護から離れたからといって、それで二度と介護の世界へ戻ってこれない、というわけではありません。
むしろ介護への復職することのハードルは、かなり低い部類に入ります。
もしも他の職業に可能性や魅力を感じているのであれば、積極的にチャレンジしてみましょう。
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▼登録ヘルパーの掛け持ちに関する記事はこちら
>>登録ヘルパーは掛け持ちしても良い?掛け持ちをする3つのメリットとは
登録ヘルパーの辞め方について
引用:https://www.photo-ac.com
とはいえ、「登録ヘルパーを辞めたいけれど辞め方がわからない」、「あるいは辞めづらい」という人も多いでしょう。
どこかを辞めた経験がない人にとっては、特に困ってしまう部分です。
登録ヘルパーを辞める流れは、おおむね以下のとおりです。
- 退職届を書く
- 上司に退職の意思を伝える
- 退職日(意思を伝えて2週間後よりも先)を決定して、退職届を提出する
- 退職日までの勤務において、業務内容や利用者の状況を引き継ぐ
- 退職日を迎えて退職する
- 貸与物を返却し、退職にかかわる書類を受け取る
上記が、退職するまでの正しい流れです。
とはいえ、「今の状況では辞めづらい」という人も多いでしょう。
いくら正しい手順を踏んだとしても、後ろ髪が引かれるような思いになりますよね。
「退職日まで気まずいかもしれない」、といった不安ごともあるでしょう。
もしそう思うなら、
- 退職の理由として、「家庭の事情」や「健康上の問題」など、納得されやすいものを挙げる
- 退職日を、2週間ではなく3週間後などに設定して、介護施設の負担を下げる
- 可能なら退職日までの出勤日数を減らす
- 退職することに批判的な態度の人とはかかわらない
というようなものが有効です。
気まずさやストレスを完全に除けるわけではありませんが、精神的にはかなり楽になるでしょう。
まとめ:登録ヘルパーの辞め方について悩む方へ
引用:https://www.photo-ac.com
登録ヘルパーは、特別な価値を持っている職業です。
やはり誰しもが務められる仕事ではありません。
スキルと体力、そして「人を助けたい」という高い人間性があってこそ、初めて務まる仕事です。
だからこそ、やりがいや情熱を持っている人も多いはず。
また、「誰かの役に立てる」「ありがとうと言ってもらえる」という部分に、喜びを感じるという人もいるでしょう。
もちろん、ひとつの登録ヘルパーとして働き続けることにはメリットもありますし、そして一つひとつが小さなものではありません。
登録ヘルパーを辞めたくなるような理由は、さまざま存在します。
登録ヘルパーは、スタッフ1人ひとりの負担が、非常に大きくなりやすい職業です。
よって「登録ヘルパーを辞めたい」と考えたとしても、まったく不思議なことではないでしょう。
もちろん、「辞めることは、逃げだ」ということもあり得ません。
冷静に考えたうえで、「やはり登録ヘルパーを辞めたい」と考えるなら、思い切って辞めてしまいましょう。
辞める場合も、辞めない場合も、すべての人がより素敵な環境で働けるようになることを願って止みません。