登録ヘルパーは常勤換算に含めていいの?具体例を用いて計算方法を伝授
訪問介護事業を立ち上げるうえで重要なのが、介護保険法で定められている「人員要件」です。
介護保険法では、常勤換算で2.5名以上を配置することが義務付けられています。
ただ常勤換算と聞いて、
「常勤換算ってなに?どうやって計算するの?」
「登録ヘルパーなどの非常勤を含めていいのかわからない…」
と疑問を覚える方が多いのではないでしょうか?
そこで今回「みーつけあ」では、常勤換算についてわかりやすく解説していきます。
具体例を用いて計算しているため、初心者の方でも常勤換算を理解できますよ。
登録ヘルパーは常勤換算に含まれるの?
引用:https://www.pakutaso.com
結論として、登録ヘルパーは常勤換算に含まれます。
ただしその理由を説明するためには「常勤換算法とは何か」を理解する必要があるため、わかりやすく解説していきますね。
常勤換算法とは
そもそも「常勤換算」とは、事業所で働いている平均職員数のことです。
介護サービスの質を維持するには、一定数の職員がいないと現場は回りません。
そのため介護保険法によって、人員配置の基準が定められています。
ただし介護事業所では、常勤(=正社員)以外のパートや登録ヘルパーが多数在籍していますよね?
人手不足の介護業界ではそういった非常勤職員を計算に含めないと、とても人員配置の基準を達成することはできません。
そこで非常勤の職員を含めた「労働時間」で計算を行い、常勤の職員として合算できるようにした制度が常勤換算法なのです。
なお常勤換算の計算方法は、以下のとおり。
1か月の稼働時間数÷(常勤の)1か月間の勤務時間数=(2.5以上)
具体的な計算は後ほど行います。そのためまずはこういった計算方法がある…という事実を抑えておいてください。
登録ヘルパーの常勤換算における注意点
登録ヘルパーは事前に働ける時間を登録するため、稼働時間は週・月によって変動します。
そのため登録ヘルパーを常勤換算に含む際は、「週当たりの平均稼働時間」で計算しましょう。
登録ヘルパーを含めて常勤換算の計算をしてみよう
引用:https://www.pakutaso.com
イメージを深めるべく、実際に訪問介護事業所を想定して常勤換算の計算を行っていきます。
実例を用いた常勤換算の計算方法
「みーつけあ訪問介護事業所(仮名)」という事業所を想定して計算していきましょう。
みーつけあ訪問介護事業所の人員・稼働時間(週)は以下のとおり。
人員 | 週の稼働時間 | 月の稼働時間 |
---|---|---|
サービス提供責任者 | 40時間 | 160時間 |
パートヘルパーA | 30時間 | 120時間 |
パートヘルパーB | 20時間 | 80時間 |
登録ヘルパーC | 10時間 | 40時間 |
登録ヘルパーD | 5時間 | 20時間 |
この事業所では、サービス提供責任者の月稼働時間である160時間を、1か月間の勤務時間数として扱います。
また1か月の稼働時間数は全職員の月稼働時間を合計し、「160+120+80+40+20=420時間」となります。
これを先ほど紹介した計算式に当てはめると、
420時間÷160時間=2.625
…となり、基準の2.5名を超えました。
よってみーつけあ訪問介護事業所は問題なく運営できているという扱いになります。
実績のある事業所では「週の稼働時間」で計算する
常勤換算を行う際は、ローカルルールとして「実績がある事業所」「実績のない事業所」で計算方法が異なります。
- 実績のある事業所…前年度の週当たりの平均稼働時間で計算
- 実績のない事業所…月の稼働時間をもとに計算
つまり今回のみーつけあ介護事業所では、実績のない事業所として計算を行ったことになりますね。
こういった細かな基準を理解していくことが、常勤換算では重要となっています。
そのため厚生労働省のHP等を参照しながら、少しずつ理解を進めていきましょう。
常勤換算では「資格の有無」が重要
常勤換算では、登録ヘルパーなどの非常勤であっても「特定の資格取得」が必須条件となっています。
なお具体的な資格は以下のとおり。
- 介護福祉士
- 介護職員実務者研修
- 介護職員初任者研修
- 旧介護職員基礎研修
- 旧ホームヘルパー1級および2級
- 看護師、准看護師
- 生活援助従事者研修
まとめ
引用:https://www.pakutaso.com
常勤換算は非常に計算がややこしく、初心者には難易度が高いです。
また今回紹介した以外にも「有休や育休の場合はどうするのか」など、細かな条件があります。
事業所の人員構成を想定しながら、疑問や不安を感じたときはすぐに最新の情報を調べるよう徹底しましょう。