登録ヘルパーは慰労金対象者なのか?金額や支給までの流れについても紹介
新型コロナウイルスによる感染症対策として、厚生労働省は介護サービス事業所・施設等に勤務する職員に慰労金を給付することを決定しました。
慰労金は上限を20万円とし、各対象者に支給されることとなりますが、果たして登録ヘルパーは慰労金対象者であるのか?
そしてどのような流れでいくらの支給が見込めるのか?
今回「みーつけあ」では、登録ヘルパーは慰労金対象者であるのか?について、金額や支給までの流れについても紹介していきます。
登録ヘルパーは慰労金をもらえる?
引用:https://www.photo-ac.com
サービス利用者との接触を余儀なくされる介護の現場は、常に新型コロナウイルスの感染リスクに晒され続けています。
今回決定された介護慰労金の対象者は、介護サービス事業所・施設等に勤務する職員が対象となっているため、「登録ヘルパーも慰労金対象者として扱われている」ということになります。
ただし、慰労金支給は対象期間内に通算10日以上勤務し、サービス利用者と接していたことが条件となります。
厚生労働省はこの対象期間を、新型コロナウイルス感染症患者1例目の発生日、もしくは受け入れ日のいずれか早い日から2020年6月30日とし、「サービス利用者と接していた」という対象範囲を以下のように説明しています。
利用者との接触とは、身体的接触に限られるものではなく、対面する、会話する、同じ空間で作業する 場合も含まれます。利用者がいる建物から離れた別の建物に勤務し、物理的に利用者に会う可能性が全 く無いような場合は対象とはなりません。
また、利用者と接触する日が1日でもあれば対象となります。 なお、最終的な判断は都道府県が行うこととなりますが、一義的には各事業者で判断いただくことになります。
登録ヘルパー以外の職種も対象者
今回の慰労金は、訪問介護や施設介護職員以外の職種でも対象者になるという特徴があります。
厚生労働省が定める対象期間(2020年6月30日)に利用者との接触が見込まれるのであれば、サービス責任者などの事務員、リネン業者、調理員、送迎車のドライバーなども対象者となります。
ただし、厚生労働省の資料にも記載されているように、判断は事業所に委ねられているという点から、基準に関しては都道府県や各事業所で異なってくるようです。
退職していても慰労金は支給される
すでに退職されている方であっても、対象期間の慰労金支給条件さえ満たしていれば支給は可能です。
個人で申請、又は在職していた事業所にて申請を行えば慰労金を受け取ることができます。
一部対象外となる施設がある
今回の慰労金は、「無届けホーム」は対象外となっています。
無届けホームというのは、義務となっている設置届を行政に提出せずに運営している法令違反の施設のことです。
設置届を提出してしまうと、面積基準や人員配置基準などの規制に従う必要があり、行政指導の対象となってしまいます。
これらの規制の負担を避けるために無届けで施設運営をしている割合は、年々増加傾向にあり、2016年では1207件にも及んでいました。
この後の調べでは2019年には662件にまで減ってはいるものの、届出を出している施設に比べて格段に安く利用できることから、行き場のない困窮層の利用者に利用されているという背景があるようです。
登録ヘルパーがもらえる慰労金はどれくらい?
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慰労金の支給額は、職種によって異なるわけではなく、対象期間内に感染者や濃厚接触者の対応を行なったかどうか?によって異なってきます。
ここからは、登録ヘルパーがもらえる慰労金の金額について紹介していきます。
慰労金は5万円か20万円の固定支給
慰労金はサービス利用者と接していた職員に、最大で20万円を給付するという内容となっています。
しかし、実質の給付額は5万円、もしくは20万円の2択となっていることが、厚生労働省の資料から確認できます。
上記厚生労働省の資料を参考に分かりやすく分類すると、以下のような打ち分けとなります。
20万円 | 感染者・濃厚接触者発生日以降に施設で勤務を行った、又は感染者・濃厚接触者に実際にサービスを提供した |
---|---|
5万円 | 20万円の条件に該当しない施設や職員 |
登録ヘルパーの慰労金は重複申請できない
登録ヘルパーの場合は、複数の事業所を登録しているというケースがあります。
資料に記載されているように、複数の事業所を登録していたとしても合算して計算するため、感染者・濃厚接触者に実際にサービスを提供したのであれば20万円、該当しなければ5万円のいずれかとなります。
登録している施設毎に申請するというような重複申請をすることはできず、発覚した場合には全額返金となります。
登録ヘルパーに慰労金が支給される流れについて
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慰労金を申請するには、登録している事業所に代理委任状を提出する必要があります。
退職している場合には、登録していた事業所に申請するか各都道府県に直接申請する形となります。
給付は2020年8月〜9月に本格化してきていますが。都道府県によっては10月頃になる場所もあるため、詳しくは厚生労働省の資料にてご確認ください。
慰労金を申請しない事業所が多数存在する
ネット上では、「慰労金の受給を希望しているのに事業所が申請をしてくれない」という相談が多くなっているという内容をよく目にします。
このような事態に発展している背景として、以下のような問題が起きているようです。
- 事業所が慰労金の申請手続きに対応し切れていない
- 支給対象に関する判断が難しく、従業員同士のトラブルを懸念している
- そもそも慰労金に関する事業所の理解が足りていない
実際にコールセンターへ相談する支給対象者も多く、厚生労働省は2020年8月頃から各事業所へ慰労金手続きの申請要請を呼びかけています。
まとめ
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今回は登録ヘルパーの慰労金支給について、金額や支給までの流れについても紹介してきました。
慰労金の対象期間は2020年6月30日までとされていますが、2020年後期でも新型コロナウイルスの脅威は改善されていません。
限られた期間での支援だからこそ、本来ならばより公平に職員全員が納得できる慰労金の給付となるべきですが、課題の残る感染症対策であったようにも感じられます。
今後の動きについては、厚生労働省の「介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業等及び職員に対する慰労金の支給事業」についてを参考にするとよいでしょう。
本記事が少しでも個々の理解を深められるキッカケとなれば幸いです。