訪問ヘルパーの悩みあるある3選!解決策についても紹介
訪問ヘルパーとは、直接利用者の自宅を訪れて介護サービスを提供する職種の一つです。
そんな訪問介護業界あるあるとして「よくある不安や悩み」が、絶えずネットや口コミで話題となっている事実をご存知でしょうか。
今回「みーつけあ」では、訪問ヘルパーのあるあるを「仕事内容、人間関係、給料や交通費」といった3つの観点から紹介していきます。
- 利用者さんがヘルパーを家政婦と間違えて困る
- 利用者さんとのコミュニケーションが苦手
- 給料が不安定で稼ぎにくい
あるあると共に解決策についても紹介していくので、「私もそんなあるあるに悩まされた経験がある!」という方は、ぜひご参考ください。
訪問ヘルパーあるある①仕事内容について
引用:https://www.photo-ac.com
訪問ヘルパーの仕事あるあるとしてよく聞かれるのが、「サービス利用者に家政婦と間違われてしまう」ということです。
訪問ヘルパーの仕事内容は、大きく分けて「生活援助、身体介護」の二つと、ご家族の代わりに利用者さんを病院へ送迎する「通院介助」があります。
これらは介護保険法に基づいた範囲での業務内容として定められているため、どんなことでも引き受けられるというわけではありません。
この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。
しかし、現実問題としてサービス利用者さんが訪問ヘルパーを家政婦や家事代行サービスと勘違いをしてしまうケースは多く、訪問ヘルパーあるあるとして長く悩まされ続けているようです。
訪問ヘルパーができること
では実際に、訪問ヘルパーが業務として行える介護内容とはどのようなものなのか?
「生活援助」の仕事内容は以下のようになっています。
- 部屋の掃除(サービス利用者の生活スペース)
- 食事の調理・料理
- 洗濯
- 買い物代行
- 薬の受け取り代行
サービス利用者の体に直接触れない範囲での、日常生活を援助する仕事ということになりますね。
そして「身体介護」の仕事内容は以下となります。
- 食事の介助
- 入浴の介助(洗面、清拭も含める)
- 排泄の介助
- 服薬の介助
- ベッドなどの移動介助
- 着替えの手伝い
生活援助に比べ、より専門的な介護技術が必要とされるため、厚生労働省は身体介護の定義について以下のように定義しています。
- 利用者の体に直接触れて行う介助サービスは準備、後片付けなどの一連の行為を含む
- 利用者の「ADL、IADL、QOL(日常的動作や生活の質)」や意欲向上のために行う自立支援と重度化を防止するサービス
- その他専門知識や技術を要する日常生活、社会生活のためのサービス
直接サービス利用者の体に触れる分、責任が重くのしかかる仕事内容とも言えますね。
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訪問ヘルパーができないこと
上記に対して、訪問ヘルパーが介入できない仕事とは一体どのような内容なのか?
代表的な内容として以下のようなものが挙げられます。
- ペットの世話
- 利用者とは関係のない部屋掃除や調理
- 窓拭き、庭の手入れ、大きな荷物の移動など
- 来客者の応対
- 現金引き落としの代理人
- 電球の取り替えや修理関連
訪問ヘルパーが関与できるのはあくまでサービス利用者の生活における必要最低限のサポートとなっているため、利用者に求められたからと言って何でも手伝わなければいけないというわけではありません。
介護保険法として定められていない内容は家政婦や家事代行サービスを利用してもらうということになりますね。
アドバイス:サービス外の頼まれごとはキッパリ断ることも大事
訪問ヘルパー自身が提供できるサービス内容を理解していたとしても、全ての利用者が事情を理解しているとは限りません。
訪問介護の現場では1対1のやりとりが仕事の中心となるため、自分自身で判断し行動していく必要があります。
こちらが良心のつもりで「今回は特別に…」と受け続けてしまうと、次第にそれが当たり前となってしまい自分の首を締めてしまうこともあるでしょう。
全てをマニュアル通りに決断するのは難しい現場ですから、適材適所を自分自身が見極め、許容範囲を理解していくことが重要です。
訪問ヘルパーあるある②人間関係について
引用:https://www.photo-ac.com
介護業界は女性が中心の職場となりやすいことから、人間関係にまつわる「悩みあるある」も多く存在しています。
・癖のある方、暴言、汚部屋、うるさい家族など、ストレスがたまる
・利用者本人もその家族もややこしい人ばかりで心身がきつい。
訪問ヘルパーの場合、人間関係の悩みは職場内よりサービス利用者間で起きることが多いようです。
コミュニケーションも仕事の一つ
訪問介護は利用者に介護サービスを提供することが目的の仕事となっているため、「話し相手になる」ということは介護保険法による業務内容とは無関係となります。
しかし対人サービスである以上、臨機応変なコミュニケーションはある程度必要不可欠であり、訪問ヘルパーの仕事は接客業の一種でもあると考えるべきではないでしょうか。
サービス業のやりがいとは「お客様に直接感謝の気持ちをいただける」ことであり、自分にとって都合の良いように相手と接することではないはずです。
相手の立場に寄り添って行動するのは決して簡単なことではありませんが、「苦手だから…」の一点張りで判断するのではなく、「どう接したら相手に喜んでもらえるだろうか?」ということを考える必要があるでしょう。
アドバイス:サービス利用者との距離感を考える
訪問ヘルパーの方の中では、利用者と仲良くなりすぎてしまったことがトラブルを招き、仕事を続けられなくなってしまったという口コミを見かけることがあります。
仲良く接することが出来るというのはとても良いことなのですが、仕事とプライベートを一緒にしてしまうと思わぬトラブルに繋がりかねません。
仲良くなりすぎてしまったが故のあるあるとしては以下のような事例が挙げられます。
- 「人として」という言葉を突きつけられ、困っていたら何でも助けてほしい!と言いくるめられた。
- 「あなたは優しいから」と、自分勝手な行動をしても許してもらえると思い込まれてしまった。
- 「〇〇さんならやってくれるのに…」と他の訪問ヘルパーさんと比較された
訪問ヘルパーは時として、理不尽な対応に悩まされてしまうことも致し方のない仕事です。
しかし、どんなに仲良くなったとしても「仕事は仕事」と頭の中では割り切り、お互いの立場をサービス利用者自身にも理解してもらうことが、より良好な関係を続けるためには必要なのかもしれませんね。
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訪問ヘルパーあるある③給料や交通費について
引用:https://www.photo-ac.com
訪問ヘルパーの給料あるあるで多く聞かれるのは「給料が不安定」というワードです。
訪問ヘルパーと言ってもその働き方には様々な形態が存在し、主には「正社員、パート、登録型」があります。
正社員やパートであれば勤務時間がある程度固定されていますが、好きな時間だけに働ける登録型の訪問介護員(登録ヘルパー)の場合は、働いた分だけ給料が発生するため、どうしても給料が不安定になりがちなんです。
その理由として、以下のように口コミが挙げられています。
・入院、入所、死去などで、仕事の内容、時間、量、場所などが不安定。
・とにかく稼げない。稼げると言われ面接でも同じ事言われ、いざ入ったら一日1~2時間のみ。
・移動交通費は100円ほど。出ない所もある。一日に入れる件数が少ないので、拘束時間の割には給料は少ない。
サービス利用者が高齢者であるため「入院、入所、死去」などの原因が避けられず、不慮のキャンセルによって給料が安定しないというのが最も多い原因となっているようです。
登録型の訪問ヘルパーは移動時間が時給換算されないケースが多い
給料が安定しないという理由にさらに追い討ちをかけるのが、交通費待遇の曖昧さです。
直行直帰の働き方によって時給が発生するのは、サービス利用者宅に到着してから予定された終業時間までのみとなります。
移動時間が時給換算されない代わりに、事業所によって交通費や移動手当として支給がされますが、その対応費用に関してはまちまちとなっているのが現状です。
中にはほとんど支給されないというケースも存在し、移動距離が長くなるほど「せっかくの高時給でも割りに合わない」と嘆く声は多くなっています。
アドバイス:掛け持ちによって給料の底上げができる
多くの登録型訪問ヘルパーは、安定しない給料を「事業所の掛け持ち」という手段で補っています。
一つの事業所ではどうしても1日に1〜2時間程度しか仕事がもらえなかったり、最悪の場合キャンセルによって仕事そのものがなくなることもあり得ます。
多数の事業所を掛け持つことで、1日にもらえる仕事量を増やすことができ、万が一キャンセルが起きても他の事業所の仕事で繋ぐことが出来るでしょう。
事業所によっては掛け持ちが認められていないケースもありますので、掛け持ちをする場合には必ず事業所と相談をしながら検討しましょう。
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まとめ
引用:https://www.photo-ac.com
今回「みーつけあ」では、訪問ヘルパーのあるあるを「仕事内容、人間関係、給料や交通費」の3つの観点から紹介してきました。
今回紹介した内容以外にも、融通が効かない状況や理不尽な対応に追われるケースは人それぞれあるでしょう。
サービス利用者の自宅という特殊な環境での仕事は、施設にあるようなマニュアルが通用しないことも多く、利用者の自宅ルールも踏まえたサービス提供が必要です。
より相手の立場になって考える柔軟さを持ち、お互いに気持ちの良い関係を築けるよう努めてみましょう。