訪問ヘルパーのブログから学ぶ!リアルな現場の声についてまとめてみました
訪問ヘルパーは、高齢者の自宅へ直接向かって介護サービスを行う仕事です。
定められた出退勤時間がなく、好きな時間に働いて仕事が終わったらそのまま帰宅できる「直行直帰」の働き方ができることから、副業や主婦層に人気の職種となっています。
しかし、ネット上では訪問ヘルパーの仕事に関する様々な悩みが、ブログで投稿されているのです。
そこで「みーつけあ」は、訪問ヘルパーのブログ記事を参考に、リアルな現場の声をまとめてみました。
訪問ヘルパーの現場事情について詳しく知りたかったという方は、ぜひご参考ください。
訪問ヘルパーのブログ例1:利用者との距離感
引用:https://www.photo-ac.com
訪問ヘルパーの仕事は、サービス利用者の自宅で1対1のやりとりが基本となります。
そのため、利用者によっては情が移ってしまい「ヘルパーとお客様」という関係以上のサービスを求められてしまうことがあるようです。
特別扱いが事業所を巻き込む大問題に…
身寄りの全くない80歳男性の介護話です。
ヘルパー歴の浅いAさんは、この男性の介護を続けているうちに親しくなり、身内話をするようになりました。
ある日、会話の話題はAさんの子供の話となり、男性は「少しでいいから会ってみたい」と懇願するようになったのです。
最初は「プライベートの接触は禁止されていますので…」と、事業所のルールを守っていたAさん。
しかし身寄りのない男性に同情してしまったのか、ついに子供をプライベートで会わせてしまいました。
すると男性は、他の担当ヘルパーBさんにも同様に「子供に会ってみたい」と口にするようになってしまい、それを断ったBさんに「Aさんは快く会わせてくれた」と話してしまいます。
この事実をBさんは事業所に報告。結果、Aさんはこの男性の担当から外されてしまいました。
その後、新たなサービス利用者の介護を担当するようになったものの、事業所内では「Aさんは利用者を特別扱いすることがあるから気を付けたほうがいい」と噂されるようになってしまいます。
事業所内の気まずさに耐えられなくなったAさんは、自ら仕事を辞めてしまったのです。
自己判断によるルール違反は、状況次第では事務所の秩序を乱す原因になりかねません。
どうしても「なんとかしてあげたい」という場合には、必ずサービス責任者に相談をするようにしましょう。
▼訪問介護のあるあるに関する記事はこちら
>>訪問ヘルパーあるある!訪問介護の仕事内容について解説!
訪問ヘルパーのブログ例2:施設のスキルが通用しない
引用:https://www.photo-ac.com
施設介護として十数年の実績があるCさんの話です。
ある日、Cさんは毎日決められた時間に出勤する施設介護の仕事に疲れを感じ始め、好きな時間に働ける訪問ヘルパーへと転職しました。
施設経験が豊富なため、訪問介護の現場でも活躍していけると思っていたCさんですが、思いもよらぬ現場環境に戸惑う結果となってしまいます。
訪問介護の現場では臨機応変な自己判断が必要
Cさんが最初に戸惑ったのは、サービス利用者によって仕事環境が異なることでした。
施設介護では決められた場所に必要な道具が揃っていますが、訪問介護では各サービス利用者の自宅が仕事現場です。
当然、ご自宅によって調理器具・食器・掃除用具の場所は異なり、扱い方にも決められたルールがあるでしょう。
どんなに介護スキルが高かったとしても、環境に慣れないうちは手際の良い介護サービスは提供できないものです。
1対1の現場で責任の重さを感じる
さらにCさんを戸惑わせたのは、「責任の重さ」でした。
施設ではトラブルがあっても、状況をカバーできる仲間がいます。
スタッフ同士で協力し合いながら迅速な対応をしていく施設介護とは異なり、訪問介護の現場はサービス利用者1人1人の生活に寄り添った「臨機応変な対応」が重要です。
荷が重すぎる訪問ヘルパーの仕事に自信を失ってしまったCさんでしたが、「施設介護での経験が全くの無駄であったか?」といえばそうではありません。
何より、介護技術そのものには確かな実績があるわけですから、経験を活かした介護サービスに利用者は安心できるでしょう。
どんな仕事でも、環境が変わればスキルを活かしきれないシチュエーションは必ずあります。
しかし、経験があるからこそ「幅広い対応力」を備えているわけですから、環境には少しずつ慣れていけばいいのではないでしょうか。
▼訪問介護の資格に関する記事はこちら
>>登録ヘルパーに必要な資格とは?仕事内容や給料についても紹介!
訪問ヘルパーのブログ例3:ヘルパーの高齢化が深刻
引用:https://www.photo-ac.com
全労連による介護労働実態調査では、以下のような結果報告がされています。
正規労働者が 20.4%、パート労働者が 22.1%、登録ヘルパーが 51.7%、その他 5.8%で、登録ヘルパーが半数を超えています。平均年齢は 55.5 歳で、50 歳以上が 73.0% と全体として平均年齢が極めて高いのが特徴です。20 代は 1.0%しかいません。また、前 回 2012 年の調査と比べて登録ヘルパーの高齢化が急速に進んでいます。前回は平均 55.2 歳で、今回 58.7 歳と平均 3.5 歳引き上がっています。60 歳以上の労働者が半数以上の 51.0 %となっています。
上記資料による「登録ヘルパー」とは、訪問ヘルパーの別称です。同じ訪問介護員として認識してください。
この調査から、訪問介護員の7割以上が50代ということが分かります。
さらに、20代の労働者はわずか1%となっており、訪問介護員の高齢化がいかに深刻であるか?ということが理解できるのではないでしょうか。
介護の仕事は8割以上が「したくない」と答えている
このような事態に繋がっている原因として、長崎県で行われた介護の仕事のイメージに関するアンケート結果では、8割以上の方が「介護の仕事をしたいとは思わない」と答えているのです。
超高齢化社会を迎えている日本では、介護の仕事は決して食いっぱぐれることのない職種として注目されています。
しかし世間的なイメージとしては、「誰でもできる・給料が安い・3K(臭い、汚い、きつい)」というデメリットばかりを気にしている方が過半数を占めているのが現実です。
訪問ヘルパーの高齢化が進むことで、近い将来には致命的なヘルパー不足という社会問題に発展する可能性があります。
いかに若い世代の興味を介護業界と向き合わせることが出来るか?というのが、今後の課題となってくるでしょう。
訪問ヘルパーのブログ例4:暴露ブログが裁判沙汰に…
引用:https://www.photo-ac.com
とある訪問ヘルパーに関する記事で、たった3回の訪問介護で解雇をされてしまったという話があります。
「どんな輝かしい経歴の持ち主でもボケるときはボケるのだね」。高齢の文化人の介護に派遣されたホームヘルパーが、インターネット上のブログで文化人の近況を暴露し、人格をおとしめるような書き込みをした。会社に言われて出向いた謝罪の場でも開き直り、さらに悪態の書き込みを重ねる始末。文化人と親族はプライバシー侵害と名誉毀損による損害賠償を求めて訴訟を起こした。
ブログは有益な情報をユーザーに与える手段として有効ですが、使い方を間違えると人を傷つける道具にもなりかねません。
今回の事例では、事務所側にも指導監督義務があるとされ、「秘密を漏洩させない義務は当人の解雇後も負い続ける」として賠償金の支払いを命じられました。
訪問介護のブログでは、人間関係に関するトラブルの愚痴を多く見かけますが、どんなにリアルな事情であってもプライバシーを侵害するような書き込みは許されることではありません。
本人はただ目立ちたかっただけなのかもしれませんが、浅はかな行為によって傷つく方がいるということ忘れずに、正しい方法で情報発信をするべきでしょう。
まとめ
引用:https://www.photo-ac.com
今回「みーつけあ」では、訪問ヘルパーのブログ記事を参考に、リアルな現場の声を幅広く紹介しました。
介護業界における仕事のトラブル、環境によって様々な対応力が求められる現場、ヘルパー自身の高齢化問題、そしてブログによる誹謗中傷被害…。
訪問ヘルパーのブログによってマイナスイメージばかりが目立っていますが、ブログによってもっと明るい未来が見える情報発信が広がれば、より介護業界にも関心や注目が集まるのではないでしょうか。
今後の介護業界は、いかにプラスなイメージを全国的に広げていけるかが重要となってくるでしょう。