訪問ヘルパーが心得ておきたい基本マニュアルや質問まとめ
訪問ヘルパーとして介助を行う場合、施設とは全く異なる環境でサービスを提供する必要があります。
各サービス利用者のご家庭にあるルールやマナーによって、臨機応変な対応が求められることも珍しくありません。
そこで今回「みーつけあ」は、訪問ヘルパーが心得ておきたい基本マニュアルや、口コミでよくある質問についてまとめてみました。
ぜひご参考ください。
よくある訪問ヘルパーの基本マニュアル
引用:https://www.photo-ac.com
訪問ヘルパーの基本マニュアルは、各事業所によって異なります。
各市町村によって、ローカルなルールが存在する事業所もあるでしょう。
ここからは、その中でもとくに用いられることが多い「基本マニュアル」について紹介していきます。
訪問ヘルパーのマナーについて
・挨拶・コミュニケーション
より好印象・安心感を持ってもらうためには、適切な挨拶・コミュニケーションが重要です。
サービス利用者ご本人はもちろん、ご家族や所属する事業所の従業員に対しても、好感が持てるように「敬語」を使うことが基本となります。
会話は誰でも聞き取れるようにはっきりと発音し、話すだけではなく聞き手としても相槌を打つなどの意思疎通を図りましょう。
・服装
服装は動きやすく、清潔感があれば細かい指定はありません。
ただし派手すぎる私服、ピアスやネックレスなどの装飾品は外すように指摘している事業所が多いです。
香水などの強力な匂いも不適切となります。サービス利用者の不快にならないよう、身なりを整えることが重要です。
生活援助関連のマニュアルについて
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生活援助は、日常生活で必要な「調理・掃除・洗濯」などのサポートをする仕事です。
・調理・食事
食事は「食材・味付け・切り方・好み」などが、各ご家庭によって異なります。
調理する前に、必ずサービス利用者やご家族に確認するようにしましょう。
また、利用者によっては、「訪問ヘルパーに任せる」という方もいらっしゃいます。
そのときは食材をどのように調理するかを伝え、利用者の了承を得る必要があります。
・洗濯
洗濯機はメーカー、使用する洗剤、分類、干し方などが、各ご家庭で異なってきます。
細かい使用方法や洗い方を、サービス利用者、またはご家族に確認して利用しましょう。
・掃除
掃除は掃除機の扱い方、雑巾がけの場所などを、サービス利用者、またはご家族に確認します。
自己判断で行動すると、「〇〇がなくなった!」というようなトラブルにも繋がりかねません。
利用者によっては手を付けてほしくない場所があるため、掃除をする場所は細かく確認するようにしましょう。
・買い物代行
買い物代行は、サービス利用者が同行するか、単独による買い物かで対応が異なります。
同行する場合には、購入する商品、金額などをサービス利用者に毎回確認しながら行いましょう。
訪問ヘルパーが単独のときは、買い物リストを作成し、預かる金額もその場で利用者と確認します。
帰宅後に商品と買い物リスト、釣り銭とレシートの照らし合わせを必ず行いましょう。
訪問介護における、金銭トラブルを減らすことに繋がります。
身体介護関連のマニュアルについて
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身体介護は、「食事介助・入浴介助・排泄介助」など、サービス利用者に直接触れて行う仕事です。
・食事介助
食事介助を行う場合、状況の把握・準備が重要となります。
身体機能 | 咀嚼能力、障害や麻痺の度合いなど |
---|---|
体調 | 当日の体調を把握する |
食習慣 | 食事の回数と時刻、食事にかかる時間、分量や内容、嗜好など |
食事制限 | 医師によるカロリー制限などの有無を把握する |
動作の自立度合い | 座った姿勢を保てるか、介助が必要であるかの把握 |
食事の環境 | 落ち着いて食事ができる環境を整える(誤嚥に注意する) |
サービス利用者によって食事方法は様々です。細かい点までよく観察し、利用者に合わせた食事介助を行いましょう。
・入浴介助
入浴介助は、サービス利用者に負担がかかったり危険を伴うことがあるので、事前の観察と入浴後のケアを怠らないよう注意が必要です。
主には、「体温・脈拍・血圧・呼吸・頭痛・皮膚の状態」などの観察を行います。
入浴方法や手順は、利用者によって異なります。ご本人やご家族に確認をとりながら介助をしましょう。
・排泄介助
日常生活を送る上で排泄は欠かせない行動です。
排泄の把握 | 自立して排泄行動ができるか、言葉で伝える手段の有無など |
---|---|
排泄手段 | トイレ、オムツ、尿道カテーテルなど |
排泄物のチェック | 排泄回数や量、利用者の体調などを確認する |
後処理 | 陰部洗浄など、清潔を保つ |
プライバシーを尊重し、常に利用者の気持ちに寄り添って介助を行うことを忘れないようにしましょう。
業務全体のマニュアルについて
- 報告・連絡・相談を怠らない
- 連絡ノートがある場合は積極的に有効活用する
- サービス利用者とのコミュニケーションを大事にする(声掛け・確認を怠らない)
訪問ヘルパーの仕事は、訪問介護計画書に基づいてサービスが提供されます。
しかし訪問介護計画書は、あくまでサービスを利用するときに定めた「内容、提供手順、提供方法」を確定したものです。
当然、サービス利用者だって日々を重ねるごとに環境、状況が変わってくるでしょう。
それを「訪問介護計画書には記載されていないから」と見過ごすのは柔軟性に欠けてしまいます。
常にサービス利用者の立場になって、計画書の更新や情報提供に貢献していく姿勢を大事にしましょう。
訪問ヘルパーのマニュアルに関するQ&A
引用:https://www.photo-ac.com
訪問ヘルパーはなぜ年齢層が高い?
訪問介護のヘルパーさんって年齢層高い気がします。
なぜでしょうか?逆に介護施設は若い人が多いような…
介護施設は比較的若い世代のヘルパーが揃っているのに、なぜ訪問ヘルパーは高齢化が深刻なのか?という口コミがありました。
大きな原因として、介護環境が整っているかどうか?ということが挙げられます。
介護施設であれば、介護における周辺機器が整っており、若いヘルパーでも対応が可能です。
しかし、訪問介護の現場は各サービス利用者の自宅が現場となります。
現場によっては洗濯機が2槽式だったり、衣類の手洗いを求められることがあるのです。
また、施設介護ならヘルパー同士で助け合うことも可能ですが、訪問介護の現場は基本的に1対1と責任が重くなります。
「若い世代にはどうしても不安要素が多くなってしまっている」というのが、訪問介護界の現状と言えるのではないでしょうか。
▼訪問ヘルパーのあるある記事はこちら
>>訪問ヘルパーの悩みあるある3選!解決策についても紹介
訪問ヘルパーは玄関に手荷物を置くべき?
訪問介護、ヘルパーは玄関先に自分のかばんなどを置いて上がらないといけないというのは本当でしょうか?
訪問ヘルパーのマニュアルには、支援に不必要な手荷物は玄関先に置くようにと定めている事業所が多いです。
これは、室内に私物を持ち込むことによる紛失トラブルを防ぐ目的があります。
しかし、サービス利用者によっては玄関先に置くことを嫌がる方もいらっしゃいます。
そのため、基本的には「各ご家庭で確認をする」というのが最も主流のルールとなっているようです。
「荷物はどこに置けばいいでしょうか?」と確認した上で判断し、情報は事業所に報告するというのが確実でしょう。
訪問ヘルパーの交代基準に関するマニュアルについて
訪問介護事業所の体調が悪い訪問介護員の交代基準マニュアルを作成しようと思うのですが、 最低限記載しておいた方がよいことなどを教えていただきたいです。
交代基準に関するマニュアル例は以下となります。
- 明らかな体調不良があった場合は出勤停止とする
- 体調不良が発覚した場合、速やかに責任者へ報告する
- サービス提供責任者は自らサービスにあたる、又は交代できる職員を探す
- 発熱、咳、倦怠感などの症状がある。又は無症状でも体温が37.5℃以上ある。
また、新型コロナウイルスの影響で、体調管理に関するマニュアルを設ける事業所も多くなりました。
<マニュアルの目的>
1 訪問介護を行う際の感染症に関する知識を身に付けることにより、ホームヘルパー
等の感染を防止する。
2 利用者及び同居家族等が濃厚接触者(同居家族が感染者となり入院した場合を含
む)となった場合において、訪問介護サービスが継続できるように、正しい知識と
技術を身に付ける。
新型コロナウイルスに関するマニュアルと、交代基準マニュアルとは別に用意することが望ましいでしょう。
▼訪問ヘルパーのコロナに関する記事はこちら
>>【2020年】新型コロナウイルスによる訪問ヘルパーの対策や状況についてまとめてみた
まとめ
引用:https://www.photo-ac.com
今回「みーつけあ」では、訪問ヘルパーが心得ておきたい基本マニュアルや、口コミでよくある質問について紹介してきました。
訪問介護の現場は、どうしても各ご家庭のルールが最優先となるため、一概に「マニュアルが全て」という判断が下せないことがあります。
サービスを提供する上で、できる限りの「目配り・気配り・心配り」に配慮し、サービス利用者の気持ちに寄り添ったサービス提供を心がけましょう。