訪問ヘルパーのヒヤリハットとは?事故を防止する方法について
現在訪問ヘルパーの仕事をしている方は、業務中に大きな事故につながりかねない出来事を多く体験をしているかと思います。
そこで今回「みーつけあ」では、訪問ヘルパーをしている方であれば、知っておくべき「ヒヤリハット」について、具体的に紹介していきます。
利用者の介護をしている際、大きな事故を事前にしっかりと防止できるように、ぜひ参考にしてみてください。
ヒヤリハットとは?
引用:https://www.photo-ac.com
ヒヤリハットとは、業務中に「ヒヤリ」「ハッとする」など危険な出来事が起きたけど、重大な事故には繋がらなかったことを指します。
訪問ヘルパーの業務をしている中で、主にヒヤリハットが起きる場面は下記の通りです。
- 転倒
- 感染症
- 行方不明
それぞれの場面について、具体的に紹介していきます。
転倒
転倒は介護業界の中でもっとも多い事故です。最悪の場合、利用者が骨折してしまう可能性があります。
転倒が起こる場所については、以下が挙げられます。
- 入浴
- 散歩
- 階段
- 廊下
- 玄関
高齢者は、視野が狭くなっているので、物やコードなど散らばっている床や、ちょっとした段差でも転倒する恐れがあります。細心の注意を払うようにしましょう。
また、昼間よりも夜間の方が転倒が起こりやすいため、できるだけ利用者の自宅には物を床に置かないことをおすすめします。
感染症
感染症については、ノロウイルスやインフルエンザはもちろん、食中毒なども注意しなければなりません。
食中毒を防ぐには、日常的にウイルスに意識を向けて、適切な対応を行えば防ぐことができます。
例として、利用者の食事の調理をする際には、必ず手を洗うことや、食材の消費期限が切れていなことを必ず確認するなど配慮が必要です。
行方不明
行方不明については、主に認知症の利用者を介護する際に、「少しの間だけ目を離したら行方不明になってしまった」という事例が挙げられます。
行方不明になってしまった利用者の中には、「亡くなってしまった」というケースもあるので、認知症の利用者には十分に目を配ることが大切です。
訪問ヘルパーの事故やヒヤリハットの原因
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介護業界では、さまざまなヒヤリハットや事故が起こりますが、介護スタッフや利用者の注意不足や確認不足だけが原因ではありません。
具体的にヒヤリハットや事故が起こる原因として、主に下記3つのような要因が挙げられます。
- 介護スタッフ
- 利用者
- 環境
それぞれの原因を理解することで、ヒヤリハットや事故を事前に防ぐことに繋がります。ぜひ参考にしてみてください。
介護スタッフ
介護スタッフは、利用者の介護に日頃から気を遣い、精神的・肉体的に疲労が溜まりやすいです。
そのため、次第に集中力が無くなっていき、事故に繋がりやすくなります。
また、介護スタッフ自身の体調が優れていなかったり、利用者との人間関係のトラブルなどで気持ちに余裕がなかった場合でも、事故に繋がりやすくなるので、あらかじめ注意が必要です。
利用者
利用者については、自身が持っている持病や体調などによって介護スタッフの対応が異なります。
例えば、利用者が持病で糖尿病だった場合、介護ヘルパーは食事を作る際に注意が必要です。事情を知らないで食事を作ってしまったら、生死に関わる可能性があります。
利用者の持病や体調の変化には、十分に注意しましょう。
環境
環境については、自宅にある家具や福祉装具などの影響によって事故が起こることがあります。
ヒヤリハットが起こりやすい場所や状況を、介護スタッフと利用者、そのご家族が共有することで、事前に事故を防ぐことが可能です。
環境が原因で起こったヒヤリハットの事例としては、「階段の角度が急すぎて滑りそうになった」、「ベッドの高さが利用者に合っていなくて、転びそうになった」などと、事故の要因になることは多く挙げられます。
対策としては、ヒヤリハットが起きやすい場所を特定して、適切な介護用品の準備をしたり、利用者が住んでいる環境を変えたりしましょう。
訪問ヘルパー:ヒヤリハットの事例
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訪問ヘルパーの業務をしていると、さまざまなシチュエーションでヒヤリハットや事故が起きます。ヒヤリハットの事例をあらかじめ理解しておけば、事前に事故を防ぐことが可能です。
ここからは、ヒヤリハットの事例を具体的に紹介していきます。
事例①:入浴時
訪問ヘルパーが利用者の入浴介助をしている際に、利用者が滑って転倒しかけたという事例があります。
原因として、訪問ヘルパーが浴室の床が滑りやすいことに気付いていなかったことが挙げられます。浴室内は滑りやすいので、あらかじめ滑り止めマットを敷くなどの対策をすることをおすすめします。
入浴時については介護の現場でよくあるヒヤリハットで、実際に事故がとても多いです。
事例②:服薬時
利用者によっては、朝昼晩と薬の種類が異なる場合があります。それを介護スタッフが間違えて薬のセットをしてしまい、利用者に時間帯が異なる薬を飲ませそうになった事例があります。
対策としては、介護スタッフが薬を間違えないように、内服管理ボックスを色分けや、テプラーなどで表示をすることで、服薬時に間違えることを防ぐことができます。
事例③:散歩時
利用者と一緒に公園で散歩をしていた際、小さな段差に躓いて転倒しかけたヒヤリハットも、訪問ヘルパーの業務中には多い事例です。
高齢者は視野が狭いため、小さな段差を見落とす可能性があります。そのため介護スタッフは利用者に細心の注意を払わなければいけません。
具体的な対策として、常に利用者から目を離さず、手を繋いで散歩をすることで、転倒を最小限に防ぐことができます。
訪問ヘルパーのヒヤリハット事故防止策を共有する
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ヒヤリハットの適切な事故防止策を理解しておくことで、重大な事故を防ぐことができます。具体的な対策方法については、以下の通りです。
- 報告書を活用する
- 検討会を行う
それぞれのヒヤリハット対策について、紹介していきます。
報告書を活用する
ヒヤリハットの対策方法の一つとして、ヒヤリハット報告書を活用することが挙げられます。
具体的なヒヤリハット報告書の書き方については、以下の6つのポイントが挙げられます。
- いつ
- どこで
- 誰が
- 何を
- どうして?
- 今後の対応をどうするのか?
上記のように、5W1Hを意識して書くことで、ヒヤリハットが起こってしまった原因について詳細に把握することができ、介護スタッフ間で情報をシェアすることでヒヤリハット対策に繋がります。
ヒヤリハット報告書は、些細なことでも記入していきしょう。なるべく多くの情報を共有することをおすすめします。
検討会を行う
検討会では、ヒヤリハットについて介護スタッフ同士で話し合いをすることで、具体的な防止策に繋がります。
ヒヤリハットの検討会で話すポイントについては、下記の3つが挙げられます。
- 介護スタッフはどのような状況だったのか?
- 利用者の状況・状態は把握できていたのか?
- どのような環境だったのか?
上記のような内容を踏まえて、今後のヒヤリハットの対策・対処方法について検討をすることによって、再発防止のマニュアル化を検討することができます。
まとめ
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今回「みーつけあ」では、訪問ヘルパーの事故防止ヒヤリハットについて、原因や事例、対策について紹介してきました。
ヒヤリハットの原因は、基本的に介護スタッフ・利用者・環境の3つがあり、それぞれの原因を理解することによって、ヒヤリハットや事故を事前に防ぐことができます。
ヒヤリハットの防止対策については、事業所や対応している利用者の状況によって、臨機応変にヒヤリハット対策することが重要です。
ぜひ今回紹介した内容を参考に、あらかじめヒヤリハット対策をしておくことをおすすめします。