訪問ヘルパーを辞めたい6つの理由!辞めた後にどうすべきかも徹底解説
「もう訪問ヘルパーを辞めたい」
「給料も安いし、仕事も大変」
「訪問ヘルパーを辞めたあと、どうすればいいのかわからない」
高齢化の影響で需要が増している訪問ヘルパー。
利用者の自宅で介護サービスや生活援助を実施する仕事ということで、やりがいがあると同時に「身体的・精神的にキツイ」という声をよく耳にします。
そこで今回「みーつけあ」では、訪問ヘルパーを辞めたいと感じる理由について紹介。
最後まで読んでいただければ、「辞めたい」と感じる理由はもちろん、感じた後にとるべき行動について理解できますよ。
訪問ヘルパーを辞めたい人は多い
https://www.pakutaso.com/20200253041post-25758.html
訪問ヘルパーを辞めたいと感じる人は、決して少なくありません。
介護労働安定センターの調査によると、訪問ヘルパーの離職率は正規職員で16.3%、非正規職員で12.1%となっています。
このうち施設介護を含めた介護業界全体の離職率(正規職員)は14.6%であり、訪問ヘルパーの方が上回っています。
参照:公益財団法人介護労働安定センター『平成 30 年度 「介護労働実態調査」の結果 』
さらに、そのうち1年以内の離職率が正規・非正規職員合わせて35.4%というデータもあり、入社後すぐに辞めてしまう人が3割以上いる実態が見えてきます。
では、いったいなぜ訪問ヘルパーを辞めたいと感じるのでしょうか?
次章より詳しくみていきましょう。
訪問ヘルパーを辞めたいと思う6つの理由
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訪問ヘルパーを辞めたいと感じる主な理由は、以下の6つです。
➀人間関係
➁移動の多さ
➂辞めやすい労働環境
➃給料が低く、安定しない
➄セクハラ
➅将来への不安
訪問ヘルパーならではの理由から、介護業界全体に通じる理由まで幅広く紹介していきます。
➀人間関係
1つ目の理由は「人間関係」です。
訪問介護は利用者の自宅に出向き、一対一でサービスを提供します。
そのため、利用者との相性や認知症の進行度によっては関係構築が難しい場合もあり、悩みの原因となるのです。
また施設介護と違って、気軽に業務の悩みを相談したり、協力をお願いしたりできないのもストレスにつながります。
他にも利用者のご家族からプレッシャーを感じたり、(サービス提供責任者など)管理職の場合は利用者と職員の板挟みにあったりと、人間関係の悩みは退職を決める要因となりやすいですね。
➁移動の多さ
2つ目の理由は「移動の多さ」です。
訪問介護は、利用者宅から別の利用者宅への移動が発生します。
交通手段は徒歩、自転車、公共交通機関など様々です。
この「移動が体力的にキツイ…」という問題が、辞める原因に繋がっています。
特に真冬や真夏であっても自転車での移動などを行う場合、どうしても身体的な負担は大きくなりますね。
➂辞めやすい労働環境
3つ目の理由は「辞めやすい労働環境」です。
訪問ヘルパーは慢性的な人手不足が課題であり、2019年度の調査では有効求人倍率が「15.04倍」となっています。
これは1人のヘルパーに15の事業所が求人を出している状況を意味し、「辞めても働き先がある」という売り手市場になっていることがわかりますね。
また非正規雇用が多い、離職率が高いなど、「周りの人も辞めているから、自分が辞めても問題ない」という心理になりやすいのも、辞める原因の1つとして考えられます。
➃給料が低く、安定しない
4つ目の理由は「給料の低さ」です。
訪問ヘルパーは、業務内で移動時間が発生します。
事業所によっては「移動手当500円」など、労力にそぐわない給料となることがあります。
他にも登録ヘルパーであれば、「高単価の身体介護業務がほとんどない」「働きたいのにシフトが入らない」など、収入が安定しないという問題も発生します。
労力の割に給料は上がらない…という状況に不満を感じ、辞めてしまう方は多いと考えられますね。
▼登録ヘルパーのメリット・デメリットに関する記事はこちら
>>登録ヘルパーのメリット・デメリット3選!よくある質問まとめ
➄セクハラ
5つ目の理由は「セクハラ」です。
自宅という閉鎖的な空間でサービスを提供する仕事のため、利用者からの女性職員へのセクハラ等はつねに問題視されています。
1人で業務を行う環境だからこそ、そうした悩みを誰にも相談できず、抱え込んでしまうケースが多いようです。
➅将来への不安
6つ目の理由は「将来への不安」です。
肉体労働が多い訪問ヘルパー。
「体力の衰えを考えると、長く働くことはできない…」と悩んでしまうケースは多いです。
また訪問ヘルパーの作業はAI等での代替が難しいです。
それをメリットとして捉えることもできますが、同時に「労働生産性の向上」が難しく、収益に限界があるということも意味します。
よって給料アップが期待できず、将来への不安を拭えずに辞めてしまう…というのが考えられますね。
▼訪問介護を辞める理由に関しては、こちらもご参考ください。
>>登録ヘルパーを辞めたい理由まとめ|辞める前に考えるべきこと
訪問ヘルパーを辞めたいと思ったらやるべきこと3選
https://www.pakutaso.com/20151207343post-6378.html
訪問ヘルパーを辞めたいと考え、勢いで退職すると収入面などで問題が発生しやすいです。
ここからは、「訪問ヘルパーを辞めたいと思ったらまず考えるべきこと3つ」を紹介していきます。
➀収入がなくても生活可能な期間を計算する
まずは貯金、生活費などを計算し、「収入ゼロでも生活できる期間」を明確にしましょう。
計算方法は大まかで問題ありません。
家計簿等をつけることで「1か月にかかる生活費(家賃、食費、水道光熱費、通信費など)」を可視化し、貯金から差し引いて何か月生活できるのか把握します。
これにより、どのくらいの期間で転職しなければいけないかが理解できるため、「気付いたら貯金も仕事もない…」というリスクを回避できますよ。
➁辞めることの「デメリット」を考える
次は「辞めると発生するデメリット」を考えます。
辞める際はどうしても「あの人が嫌い」「早く辞めてラクになりたい」など、主観的な考えで行動しやすいです。
しかし「すぐに離職する人と判断され、転職しづらくなる」「別事業所への移動ができる制度を見落としていた」など、想定できるデメリットも多々あります。
そのため、一度転職エージェントへの相談などを経て、辞めることによる客観的なデメリットと向き合うようにしましょう。
➂転職活動を開始する
生活する上で収入は必須です。
そのため、辞めてからどのような仕事をするのか…を早めに考える必要があります。
ただしすぐに転職し、同じように早く辞めてしまっては本末転倒です。
キャリア設計について考え、自分が長く続けられる仕事を自己分析などで明確化していく必要があります。
なお自己分析は、たとえ離職しなかったとしてもキャリア設計で役立つためムダになりません。
求人を眺める、転職エージェントに登録する、施設介護を検討する…など、少しずつ転職活動を始めていきましょう。
【注意】退職の申し出は早めに
退職の申し出は最短でも2週間前には行いましょう。
なぜなら労働基準法にて、退職を申し出てから14日で辞められると明示されているからです。
期間の定めのない雇用の場合、労働者はいつでも退職を申し出ることができます。また、会社の承認がなくても、民法(明治29年法律第89号)の規定により退職の申出をした日から起算して原則として14日を経過したときは、退職となります(民法第6 27条第1項及び第2項)。
業務の引継ぎ等を踏まえると、2~3か月前には申し出たほうがスムーズです。
印象を悪くするような退職をすると、業界内での評判に傷がつく可能性もあります。
そのため早めに退職届を出すなど、具体的なアクションを起こしましょう。
▼訪問介護のやりがいに関しては、以下の記事をご参考ください。
>>介護ヘルパーのやりがい5選【楽しいところと大変なところがわかる】
訪問ヘルパーが転職活動で注意すべきこと2選
https://www.pakutaso.com/20170648177danger.html
訪問ヘルパーとして転職活動をする際、注意すべきことは以下の2つです。
➀辞めたいと感じた要因を深堀する
➁「市場価値の高いスキル」を洗い出す
それぞれ詳しく解説していきます。
①辞めたいと感じた原因を深堀する
1つ目は「辞めた原因の深堀」です。
特に介護業界内で転職活動を行う場合、原因の深堀は重要となります。
なぜなら、別の訪問ヘルパー事業所や施設介護系の企業に転職する場合に、今回辞める理由と同じ状況になる可能性が高いから。
たとえば「利用者との人間関係が合わない」「給料が安い」などの理由は、事業所を変えても発生する確率が高い問題です。
そのため辞める理由を深堀し、明確にしたうえで対策を練りましょう。
具体的には「アルバイトで事業所の様子を見てから入社を決める」「夜勤ありで給料の高い施設介護に変える」など、辞める理由に対して適切なアプローチをとることが重要です。
➁「市場価値の高いスキル」を洗い出す
2つ目は「市場価値の高いスキル」を洗い出しておくことです。
市場価値の高いスキルとは、社会から必要とされるスキルを指します。
たとえば営業職を志して企業の面接に挑む際、面接官に「入浴介助が得意です」といってもメリットとして扱われませんよね。
- Excelでシフト作成を行っていたため、関数全般を扱える
- 年齢層の高い方とのコミュニケーションが得意
- 教育担当をしており、人に業務を教えるのが好き
…など、どの業界・職種でも役立つようなスキルを明確にしておくことで、面接等で有利に進められます。
【補足】登録ヘルパーも検討しよう!
「転職してすぐ働くのは難しいけど、収入がないと厳しい」という方は、登録ヘルパーを検討しましょう。
登録ヘルパーとは、事前に空いている時間を登録し、都合の良い時間にのみ働ける訪問ヘルパーのことです。
雇用形態としては非正規(パート・アルバイト)と同様ですが、より自分の時間を大切にしながら働けるのが特徴。
訪問ヘルパーと同様に登録ヘルパーも人手不足のため、採用確率は高いです。(他職員との兼ね合いもあるため)登録した日時に必ず仕事が入るとは限りませんが、収入源の1つとして押さえてみてください。
▼登録ヘルパーとパートの違いに関する記事はこちら
>>登録ヘルパーとパートヘルパーの違いは?メリット・デメリットを総まとめ
まとめ
https://www.pakutaso.com/20190847233post-22775.html
訪問ヘルパーを辞めたいと思う理由はさまざま。
人間関係、移動の多さ、給料面の不満など、人によって気になる部分は異なります。
それでも勢いで辞めず、「辞めたあとにどうするか」を考えておくことは全員に共通して重要です。
今回紹介した6つの理由を参考にし、次の就職先で生かせるよう「なぜ自分は訪問ヘルパーを辞めたいのか?」について考えてみてください。