訪問ヘルパーの正社員は稼げる?働き方や給料について
「訪問ヘルパーの正社員はどのくらい稼げるの?」
「年収や仕事内容が気になる」
介護業界で正社員として働きたいと考えている人は、正社員の待遇や仕事内容が気になりますよね。
訪問ヘルパーの正社員は、労働時間が定められているため、パートや登録ヘルパーよりも安定した給料が得られます。
任される仕事も多いので、積極的に介護業界で活躍していきたい人に向いているでしょう。
今回「みーつけあ」では、訪問ヘルパーの正社員の給料や仕事内容について紹介します。
正社員としての働き方を理解して、今後のキャリアアップを検討しましょう。
訪問ヘルパーの正社員としての働き方とは?
介護業界で活躍したい人なら、正社員として安定した給料が得たいと考えている人が多いのではないでしょうか。
基本的には、正社員として働いたほうが給料は高いです。
労働時間が定められており、ボーナスの支給も見込めるでしょう。
ただし、誰しもが正社員になれるわけではありません。
正社員として働くには、相応のスキルが求められるため、実務者研修修了(旧ヘルパー1級)の資格取得が条件としている事業所も多いです。
また、事業所によっては日中勤務以外に夜勤・残業・休日出勤が求められることもあります。
パート・アルバイトに比べると責任が重くなりますが、より給料の安定性を求めるのであれば、目指してみるとよいでしょう。
正社員として転職した人の事例
施設介護での経験がある人のなかには、サービス責任者候補として、訪問ヘルパーの正社員としての道を選ぶ人が少なくありません。
しかし、訪問介護の事業所はパート・登録ヘルパーとして働いている人が多いです。
そのため、急な欠勤の穴埋めはもちろん、要介護度の高い利用者の訪問が多くなります。
いきなり正社員として働き始めた人にとっては、経験があっても「荷が重すぎる」と感じてしまうことがあるでしょう。
【ポイント】自信がなければ面接で伝えよう!
キャリアアップのために、正社員の道を選ぶのはよいことです。
しかし、即戦力として自信がないのであれば、事前に「少しずつ学んでいきたい」という旨を伝えましょう。
まずは訪問介護の現場に慣れていき、サービス責任者になるまでの流れや期間、仕事内容を理解していくことが重要です。
訪問ヘルパーの正社員の給料・年収はいくら?
では、実際に訪問ヘルパーの正社員はどのくらい稼げるのでしょうか。
パート・アルバイトの場合は、生活援助と身体介護で時給が異なります。
生活援助は1,200円〜1,500円、身体介護は1,300円〜2,000円ほどが相場です。
ここからは、訪問ヘルパーの正社員の給料・年収について、パート・アルバイト・登録ヘルパーと比較しながら見ていきましょう。
正社員の給料・年収
厚生労働省の資料 「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、正社員として働く訪問ヘルパーは、平均年収が約360万円です。
月収換算で、毎月約30万円の給料を貰っていることが分かります。
また、訪問介護事業所で管理者として働く人の月収は、平均341,190円です。
正社員でも、訪問ヘルパーの経験を活かして上位資格を取得することで、キャリアアップが見込めます。
パート・アルバイトの給料・年収
厚生労働省の資料 「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、パート・アルバイトとして働く訪問ヘルパーは、平均年収が約120万円です。
時給換算すると、約1,617円となりました。
他職と比べても時給は高いため、コストパフォーマンスとしては悪くありません。
また、同調査のデータでは資格を持っている場合、同じ仕事をしていても給料が高くなることがわかっています。
たとえば、介護福祉士の資格を持っている非常勤の介護ヘルパーの月収は126,280円です。
年収換算だと1,515,360円となり、年間で30万円程の差となります。
そのため、経験を積みながら資格の取得を目指すことで、パート・アルバイトでも給料アップが可能です。
登録ヘルパーの給料・年収
登録ヘルパーという働き方は、訪問介護特有のシステムで、時給や日給制で給料が決まります。
厚生労働省の資料 「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、登録ヘルパーとして働く人は、平均月収が約14万円です。
年収換算では、約175万円となります。
ただし、登録ヘルパーは働き手によって勤務時間がバラバラです。
あくまで参考としての、目安にしてください。
▼登録ヘルパーの収入に関する記事は、こちらもご参考ください。
>>登録ヘルパーの平均月収は?月収を上げる方法も徹底解説
【訪問ヘルパー】正社員と登録ヘルパーの違い
訪問ヘルパーの雇用形態は、正社員やパート、登録ヘルパーといった種類があります。
「正社員とパートは分かるけど、登録ヘルパーって何?」
このように、正社員と登録ヘルパーの違いについて、理解していない方は多いのではないでしょうか。
ここからは、訪問ヘルパーの正社員と登録ヘルパーの特徴について紹介していきます。
正社員
正社員とは、雇用期間を決めないで雇用主と労働契約を直接結んだ労働者のことです。
法律上の線引きはありません。
社会保険や雇用保険への加入が義務付けられており、登録ヘルパーよりも社会的に保護されます。
具体的な正社員の条件は、主に下記3つです。
- 直接雇用であること
- 労働契約をした際に期間が決められていない
- 労働時間がフルタイムであること
上記の3つの条件を満たす労働者が「正社員やパート」、それ以外を「非正規社員」として扱っている企業や事業者が多くなっています。
また、正社員はボーナス(賞与)や退職金が支給されます。
パートは、正社員より給与面が劣るものの、時間の融通が効きやすく、退職や転職が容易ですね。
登録ヘルパー
登録ヘルパーは、非正規社員のことを指します。
先ほど紹介した正社員は直接雇用でしたが、登録ヘルパーは間接雇用です。
勤務している企業と給与を受ける取る企業が異なる場合もあります。
登録ヘルパーとして働くメリットは、以下の通りです。
- 兼業が可能
- 希望する働き方ができる
- 転勤がない
- 業務内容がある程度決まっている
このように、登録ヘルパーとして働く場合には、自分のやりたいことができる範囲が広がり、正社員に比べると自由に働くことができます。
しかし、デメリットとしては収入が不安定です。
正社員と比べると昇給・昇格は見込めないので、あらかじめ注意が必要です。
▼登録ヘルパーの働き方に関する記事はこちらから。
>>登録ヘルパーとは?仕事内容やメリットデメリットをまとめて紹介!
訪問ヘルパーの正社員のメリット
「訪問ヘルパーの正社員として働く具体的なメリットが知りたい」と思っている人も多いでしょう。
具体的なメリットについては、下記4つが挙げられます。
- 雇用が安定している
- 福利厚生が充実している
- 社会的信頼度が高い
- キャリアップがしやすい
それぞれのメリットについて、紹介していきます。
メリット1.雇用が安定している
先ほども紹介しましたが、正社員とは雇用期間を決めないで企業や事業所と労働契約を結んだ労働者です。
よほどのことが無い限り解雇される心配がありません。
また、同じ職場で長く務めることができるので、人間関係が安定しやすいです。
一緒に仕事をしていくにつれて親密度を高めることができます。
メリット2.福利厚生が充実している
福利厚生とは、事業所が労働者に提供する「給料以外のサービス、報酬」のことを指します。
暮らしの支えの一部として用意するものです。
具体的な福利厚生の種類については、下記2種類が挙げられます。
- 法定福利厚生
- 法定外福利厚生
法定福利厚生とは、法律的に義務付けられている事業者負担の社会保障制度のことです。
労働者とその家族の生活安定や健康維持のために、事業所は努めなければいけません。
法定福利厚生の種類は、主に「健康保険・厚生年金保険・労災保険・雇用保険」などが挙げられます。
法定外福利厚生については、先ほど紹介した法定福利厚生とは反対に事業所や企業は、法的に費用を負担する義務はありません。
代わりに従業員の満足度を上げることができるため、導入している事業所も多いです。
法定外福利厚生の主な種類は、「住宅ローン・交通費・特別休暇」などが挙げられますが、事業所によって種類はさまざまです。
また、働き方改革が推進されており、雇用形態に関係なく福利厚生の平等が注目されています。
正社員だけではなく、非正規社員にも広がることが期待できるのではないでしょうか。
▼福利厚生に関する記事は、こちらもご参考ください。
>>登録ヘルパーでも押さえておきたい労災保険の基礎知識について
>>登録ヘルパーは雇用保険に加入することができるのか?条件や注意点について
メリット3.社会的信頼度が高い
訪問ヘルパーの正社員として働くメリットに、社会的信頼度が高いことが挙げられます。
社会的信頼度が高いと、住宅ローンやクレジットカードなど金融機関から安定した収入があると判断されて利用することが可能です。
しかし、正社員である程度の勤務実績がない状態で転職を繰り返してしまうと、逆に社会的信頼度が下がってしまう可能性があるので、あらかじめ注意が必要です。
メリット4.キャリアップがしやすい
正社員は非雇用社員と比べて、研修や教育を事業所や企業から受けてスキルアップをすることができるため、キャリアアップがしやすいメリットがあります。
非雇用社員だと、業務上で責任がない場合が多いのに対して、正社員だと大きなプロジェクトを任されて、出世するためのチャンスが多いです。
さらに、正社員として長く事業所や企業に所属することで、将来的に期待されて徐々にキャリアップをすることが可能です。
訪問ヘルパーの正社員のデメリット
訪問ヘルパーの正社員としての働くデメリットを理解しておくことで、自身に合った働き方を選ぶことができます。
具体的な訪問ヘルパーの正社員としての働くデメリットは、以下の3つです。
- 責任が重くなる
- 業務範囲が広がる
- 残業や休日出勤が増える可能性がある
デメリット1.責任が重くなる
正社員になると事業所にとって重要な仕事を任される場合が多いです。
登録ヘルパーに比べると、責任が重くなるデメリットがあります。
責任がある仕事を任されるということは、成功を期待されているのことはもちろんです。
しかし、失敗すれば事業所に大きな損害を与えてしまうプレッシャーの中で業務を行わなければならないのです。
このように、正社員には責任がつきまといます。
「正社員では責任が重い…」ということで、登録ヘルパーを選ぶ方も少なくありません。
デメリット2.業務範囲が広がる
訪問ヘルパーの正社員になると、業務の範囲が広がるデメリットがあります。
具体的にどのような業務範囲が広がるかというと、以下の通りです。
- 登録ヘルパーのシフト管理
- 部下への指導・フォロー
- 新規利用者の対応
このように訪問ヘルパーの正社員の業務内容は通常業務の他にも、上記のような業務を行う必要があります。
あらかじめ注意が必要です。
デメリット3.残業や休日出勤が増える可能性がある
訪問ヘルパーの正社員として働くと業務範囲が広がり、必然的に残業や休日出勤が増えるデメリットがあります。
また、利用者やシフトの状況などによっては、休日出勤や残業をしなければいけません。
結果として、拘束時間が増えてしまいます。
ライフワークバランスを重視している方にとっては、正社員として働くことはデメリットです。
自身にあった雇用形態で働くことをおすすめします。
まとめ
今回「みーつけあ」では、訪問ヘルパーの正社員について、メリットとデメリットを紹介しました。
今回紹介したのは、訪問ヘルパーの正社員の基本的な内容です。
事業所によっては異なる場合があるので、あらかじめ事業所に確認をしておくことをおすすめします。
訪問ヘルパーの正社員として働くメリットについては、「雇用が安定している」「福利厚生が充実している」「社会的信頼度が高い」の3つが挙げられますが、デメリットについても理解しておくことが大切です。
ぜひ、訪問ヘルパーの正社員を目指してみてはいかがでしょうか。