訪問ヘルパーが買い物代行で買えないものとは?代行サービスとの違いについて紹介
訪問ヘルパーの生活援助には、「買い物代行」という仕事があります。
しかし、サービス利用者から頼まれたものであれば、何でも購入して良いというわけではありません。
今回「みーつけあ」では、訪問ヘルパーが買い物代行で買えないものについて紹介していきます。
介護保険外サービスの一環である「買い物代行サービス」との違いを踏まえて説明しますので、ぜひご参考ください。
訪問ヘルパーが買い物できるのは生活必需品のみ
引用:https://www.photo-ac.com
訪問ヘルパーが、サービス利用者のために購入できる買い物は、日常生活において必要最低限な物だけです。
サービス利用者の中には、生活援助の支援範囲を理解していない方が少なくはありません。
このような周知不足を解消するために、厚生労働省は事業運営に関して、以下の内容を呼びかけています。
- 利用者が介護保険外のサービスを希望する場合、訪問ヘルパーは利用者に対応できない理由を説明しなければいけない。
- 生活支援サービスや、ボランティアなどの活用を助言すること。
生活支援サービスに関しては、後ほど紹介していきます。
訪問ヘルパーが買えるもの・買えないもの
では、具体的に訪問ヘルパーが買えるもの・買えないものとは、どのようなものなのでしょうか。
それぞれを、具体例としてピックアップしてみます。
買えるもの | 買えないもの |
---|---|
・日用品(トイレットペーパー、歯ブラシなど) ・食品 | ・お酒 ・タバコ ・雑誌 |
嗜好品の買い物は断らなければいけない
上記の通り、訪問ヘルパーが買えないものは、趣味・嗜好品にまつわるものになります。
ここで一度、介護保険法が定める定義について、紹介しておきましょう。
この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。
要するに、「訪問介護は、あくまで自立支援に伴うサポートしかできない」ということです。
酒・タバコ・雑誌などは、「日常生活を送る上で必ず必要」と言えるものではありません。
したがって、ケアプラン作成の段階でも、原則として嗜好品の購入は認められていないのです。
▼訪問ヘルパーの嗜好品購入に関する記事はこちら
>>訪問ヘルパーは酒タバコの買い物代行ができない?できる・できないサービスについて
訪問ヘルパーにできない買い物は代行サービスが便利!
引用:https://www.photo-ac.com
訪問ヘルパーは、日常生活における最低限の買い物なら可能です。
しかし、それだけでは補えない買い物が出てくる可能性は、十分に考えられます。
例えば、夜中になって紙おむつの予備がないことに気付いたとしても、対応できるのは利用者の家族しかいません。
利用者によっては、「どうしても嗜好品が必要!」という方もいらっしゃるでしょう。
常に日用品の在庫状況を把握したり、嗜好品を定期購入するのは大変ですよね。
そこで、より買い物の負担を減らすために便利なのが「介護保険外サービス」です。
介護保険外サービスとは?
生活支援サービスとは、訪問介護による介護保険サービスだけでは補えない日常生活の支援ができるサービスです。
別称として「介護保険外サービス」と呼ばれることもあり、個人のニーズに合わせて利用することができます。
代表的な保険外サービス例としては、以下のようなものが挙げられます。
市区町村が実施する高齢者在宅サービス | おむつサービス、配食サービス、訪問理美容サービスなど |
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民間企業の介護サービスや高齢者支援サービス | 家事代行サービス、移送サービス、配食サービスなど |
介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業) | 通所・訪問による活動援助サービス |
シルバー人材センターの家事・福祉支援サービス | 窓拭き、洗濯、掃除、買い物、通院介助、留守番、会話の相手など |
介護保険外サービスだから嗜好品の購入も可能!
介護保険外サービスは、各種保険が適応されないオーダーメイドサービスです。
したがって、ペットの世話や嗜好品の購入など、介護保険では行えないサービスができます。
訪問ヘルパーだけでは補えない日常生活の不満を抱えていた方は、検討してみると良いでしょう。
▼訪問ヘルパーにかかる費用に関する記事はこちら
>>訪問ヘルパーさんの依頼にかかる費用はいくら?老人ホームとの違いについても徹底比較!
訪問ヘルパーの買い物でよくある質問
引用:https://www.photo-ac.com
Q1.自宅からサービス利用者の自宅に向かう間に買い物をしても大丈夫?
A.基本的に、買い物は利用者宅から近隣の店舗に向かうのが通常です。
しかし、事前に電話確認、もしくは前回の訪問時に買い物の内容を確認できている場合は、事業所から目的の店舗へ行き、買い物をしてから利用者宅へ向かうことができます。
業務時間に関しては、買い物にかかる標準的な時間と、利用者宅での介護時間を合算させるのが一般的です。
詳細は、各事業所の就業規則を確認するようにしましょう。
Q2.商品券での買い物を頼まれたらどうするべき?
A.買い物によっては、利用者から商品券を渡され、「これで買ってきてほしい」と頼まれるときがあります。
この場合、「お釣りが出ませんが、よろしいですか?」と、利用者の承諾を得なければいけません。
利用者が納得したときは、念の為に文書を用いて確認をすることで、後々のトラブルを防ぐことができます。
万が一、「お釣りが出ないのは困る」というのであれば、買い物をする前に必ずサービス責任者に相談しましょう。
自己判断で自分の現金と交換してしまうと、プレミアム付商品券の着服を疑われてしまいます。
プレミアム付商品券とは
消費税率の10%への引上げに伴い、所得の少ない方、小さな乳幼児のいる子育て世帯に対して、税率引上げ直後における消費への影響を緩和し、地域における消費を下支えすることを目的として、全国の市区町村が発行・販売するものです。
サービス責任者に相談後、指示に従って行動をしましょう。
Q3.訪問ヘルパーが利用者と一緒にタクシーで移動して買い物同行をすることは可能?
A.各地域によって大きく異なる問題ですが、自己判断による利用は認められないでしょう。
例外として、タクシー移動が日常的であり、周囲の人間、環境、所属する事業所からも「これが通常である」と認識されていれば、認められる可能性があります。
わからない場合には、利用者と自身のみで判断をせず、事業所と相談をすることが最優先です。
まとめ
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訪問ヘルパーは、ときとしてサービス利用者から家政婦と間違われることがあります。
そのため、介護サービスの一環として従事しており、「ケアプランに基づいた範囲でのサービスしか提供ができない」ということを、利用者に理解してもらう必要があります。
勝手な判断は事業所に迷惑をかける上、最悪の場合には仕事を続けられる環境すら失いかねません。
介護サービスへの理解力を高め、健全な関係を築けるようにしましょう。
▼買い物代行サービスのできること・できないことについては、以下の記事も参考になります。
>>訪問介護ヘルパーによる買い物代行サービスのできること・できないこと