訪問ヘルパーの悩みや辛いこと|辞める前に考えるべきことは?
介護を必要とする高齢者の自宅を訪問して、1対1で介護サービスを行う訪問ヘルパー。
その仕事内容は、「きつい、汚い、危険」の3Kとして認知されています。
実際に現役訪問ヘルパーの悩みは、ネット上から後を絶ちません。
一体、訪問ヘルパーの悩みはどのような内容になっているのでしょうか。
今回「みーつけあ」では、訪問ヘルパーの悩みや辛いことについて紹介します。
解決策についても触れていきますので、ぜひご参考ください。
訪問ヘルパーの悩み:仕事内容
引用:https://www.photo-ac.com
訪問ヘルパーの悩みは、主に仕事内容と人間関係に多くなっています。
今回は、ネット上でよく見かける悩みをピックアップしてみました。
まずは、訪問ヘルパーの仕事内容に関する悩みについて紹介していきます。
1人きりの仕事が不安
訪問介護が初めての人なら、経験者が同行して仕事を教えてもらうのが一般的です。
しかし、訪問ヘルパーは基本的に、サービス利用者と1対1で介護を行います。
不慮の事故やトラブルが発生したら、全て1人で解決させなければいけません。
中には、心細さや心身的な負担に耐えられなくなってしまう人が多いようです。
・1人が苦手な方は施設介護の方が向いている
1対1の仕事が不安で耐えられない人は、施設介護で働いてみると良いかもしれません。
なぜなら、従業員と助け合うことが出来る上、介護に適した環境が整っているからです。
訪問ヘルパーは1対1に加えて、仕事環境はサービス利用者の自宅になります。
自身で用意した持ち物と、サービス利用者が普段利用している生活用品で対応しなければいけません。
現場によって、臨機応変な対応が求められる仕事と言えるでしょう。
「訪問ヘルパーの現場は合わない…」と悩んでいた方は、検討してみてください。
環境が変われば、似たような仕事内容でも、自分の向き不向きが見えてくるのではないでしょうか。
移動が辛い
訪問ヘルパーは、サービス利用者の自宅から自宅へ、自ら移動しなくてはいけません。
1日に複数の自宅を訪問する場合、移動だけで疲れてしまう人も多いです。
環境や天候次第では、負担はさらに増します。
台風、大雪でも自転車で移動(会社方針)。
場所によっては自転車で片道20分。
事故が怖くて1年で辞めました。
訪問ヘルパーとして働くなら、移動コストを踏まえて仕事をすることになるでしょう。
・体力的に厳しいなら事業所に相談する
どうしても移動が辛いなら、移動距離が短い現場に変えてもらいましょう。
ただし、希望通りに担当を変えてもらえるとは限りません。
自分なりに、移動手段を工夫する努力も忘れないでください。
自転車を利用しているなら、電動自転車に買い換えることで移動の負担を減らせます。
それでも解決できない場合は、施設介護への転職を考えてみてはいかがでしょうか。
▼登録ヘルパーの移動に関する記事はこちら。
>>登録ヘルパーの移動時間問題!労働と認められる条件を徹底解説
>>登録ヘルパーの交通費はどれくらいもらえる?通勤手当との違いについて
家政婦と間違われる
訪問ヘルパーとして働いているのであれば、「介護で社会貢献がしたい!」と張り切っている人もいるでしょう。
しかし、いざ働いてみたら掃除や洗濯、料理ばかり。
挙げ句には、サービス利用者に家政婦と勘違いされて、介護とは関係のないサービスを求められてしまうこともしばしば。
「私は介護がしたくて訪問ヘルパーになったのに…」
このようにモチベーションが下がって、仕事を辞めてしまう人は少なくありません。
・積極的に「身体介護の仕事がしたい」と事業所に伝える
訪問ヘルパーの仕事は、大きく分けて2種類です。
生活援助 | 身体介護 |
---|---|
掃除、洗濯、料理、買い物代行など、日常生活に必要な最低限の援助をする仕事 | 食事、排泄、入浴など、利用者に直接触れて介助を行う仕事 |
介護経験が浅い人は、事業所の考慮によって生活援助ばかりを任されてしまう場合があります。
そんなときは、積極的に「身体介護の仕事がしたい」と、事業所に相談するようにしましょう。
相談をしているのに仕事を増やしてもらえないのであれば、掛け持ちをするのも一つの手段です。
ただし、事業所によっては掛け持ちを禁止していることがあります。
必ず事業所に相談してから検討しましょう。
掛け持ちに関する記事はこちら。
>>登録ヘルパーは掛け持ちしても良い?掛け持ちをする3つのメリットとは
待遇が良くない
訪問ヘルパーの仕事は、たった1人で高齢者の命を扱う「責任が重い仕事」です。
それにも関わらず、長年にかけて賃金の低さが問題視され続けています。
潤沢に仕事があると言われ登録したが、キャンセル等で思うように収入が得られない。
全てのケアが終わるまでは拘束されてる感があり、精神的にデイサービス勤務と変わらない。
時給は高いが移動時間を考えると割安感が否めない。
・2021年では変化が見られない?
近年、2021年4月の「介護報酬改定案」が公表されました。
これにより、施設介護や通所介護など、ほとんどのサービスは基本報酬が上がっています。
しかし、訪問介護のみ、ほとんど基本報酬が上がっていません。
訪問ヘルパーの賃金の低さは、とくに深刻な悩みとしてネット上で取り上げられています。
今後も改善が期待できない場合、訪問ヘルパーの人手不足に拍車がかかる危険性が出てくるでしょう。
▼訪問ヘルパーの人手不足に関する記事はこちら。
>>訪問ヘルパーの人手不足が止まらない!原因や悩みのタネとは?
訪問ヘルパーの悩み:人間関係
引用:https://www.photo-ac.com
訪問ヘルパーの悩みは、仕事内容だけではありません。
ここからは、人間関係に関する悩みについても紹介していきます。
利用者やその家族のパワハラ・モラハラに耐えられない
「訪問ヘルパーは利用者と1対1の仕事だから、従業員同士の揉め合いがなくてラクかも!」
このように思っている方は、意外と多いのではないでしょうか。
確かに施設介護に比べたら、従業員同士でトラブルになることは少ないかもしれません。
しかし、サービス利用者とその家族のパワハラ・モラハラに悩みを抱える訪問ヘルパーがたくさんいるのです。
癖のある方、暴言、汚部屋、うるさい家族など、ストレスがたまる
・1人で抱え込まない
「私がしっかりしなきゃいけない」と1人で抱えてしまうことは、解決策になりません。
もちろん、接客態度を改めることは、大事なことです。
自分の失態が相手を怒らせたのであれば、改善するべきでしょう。
しかし、どんなに誠実な対応を心がけても、相手の態度が必ず変わるとは限りません。
パワハラやモラハラとなれば、事業所の責任者に相談することを強くおすすめします。
担当を変えてもらえれば、心が軽くなるかもしれません。
もし、事業所が助けてくれないのであれば、迷わず逃げてもいいのです。
最後に自分を助けてあげられるのは、自分自身だということも、忘れないでください。
▼関連記事はこちら
訪問ヘルパーの悩みあるある3選!解決策についても紹介
事務所と意見が合わない
訪問ヘルパーの悩みは、事業所の人間関係でも起こります。
普段は、従業員と顔を合わせる機会がないかもしれません。
ところが、噂は勝手に独り歩きしてしまうもの。
ちょっとしたミスやトラブルが、陰口の原因となり、居心地が悪くなってしまう訪問ヘルパーがいます。
・事務所と合わないなら、転職を検討しよう
サセキ\’(上司)が変わる事が多い。サセキの性格により振り回されることがある。介護職なのにドライで、ヘルパーやご利用者に対して配慮が足りないサセキの下で働く事は苦痛で仕方ない。
陰口に限らず、事務所の人間関係が上手くいかないと感じるのであれば、転職を検討しましょう。
人間関係は、簡単に修復できるものではありません。
自分が心地良く働ける事業所を、探してみてはいかがでしょうか。
▼他に参考にしたい記事はこちら
>>登録ヘルパーのブログから学ぶリアルな訪問介護事情について
訪問ヘルパーを辞める前に考えるべきこと
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ここまで、訪問ヘルパーの悩みと、解決策について紹介してきました。
中には、「それでも、訪問ヘルパーを辞めたい…」と、追い込まれてしまっている人もいるでしょう。
最後に、訪問ヘルパーを辞める前に考えるべきことについて紹介していきます。
嫌なだけで辞めるのは控えよう
本記事では、様々な解決策を紹介してきました。
とはいえ、ただ辞めるだけでは解決策になりません。
残念ながら、事務所や現場が変わっただけでは、また同じ悩みを繰り返してしまう可能性が高いです。
訪問ヘルパーを辞めたいのであれば、本記事で紹介した解決策を、以下の順番で試行錯誤した上で検討しましょう。
- 1人で抱え込まない
- 事業所の責任者に必ず相談をする
- 悩みは隠さずに全て伝える
- それでも解決しないのであれば、転職を検討する
小さい問題であれば、ちゃんと話し合うことで解決することがあります。
それでも環境に変化がなかったときは、思い切って転職を考えましょう。
感謝の気持ちに耳を傾けてみる
訪問ヘルパーの仕事を選んだということは、それなりの理由があったはず。
口コミでは、以下のようなコメントがあります。
利用者さんと会話が楽しい。色々な人生観に触れられる。
お客様に喜んで貰え、素敵な笑顔に会える。
元気を貰えたり、感謝される。自分のペースで働ける。
利用者のありがとうの言葉はやっていて良かったと思う瞬間
ご利用者様の喜んでくださる姿。必要とされていると感じる事が多い。人生の先輩から聞ける貴重なお話、助言はとても勉強になります。
毎回感謝されると素直に嬉しいです。
訪問ヘルパーの仕事は、1対1という責任の重い仕事です。
しかし、利用者の中には、自分の命を大切に扱ってもらえることに、心から感謝をしている人がいます。
そんな利用者からもらえる感謝の言葉は、訪問ヘルパーにとって最高のやりがいと言っても過言ではありません。
仕事が辛くなったときは、改めて「なぜ、自分は訪問ヘルパーの仕事を選んだのか?」を、再確認してみることを忘れないでください。
まとめ:訪問ヘルパーの悩みは1人で抱え込まないようにしよう
引用:https://www.photo-ac.com
今回「みーつけあ」は、訪問ヘルパーの悩みについて紹介しました。
悩みは1人で抱え込まず、事業所と相談をしながら環境を整えていきましょう。
それでも解決しないのなら、思い切って逃げることも忘れないでください。