介護ヘルパーと介護福祉士の違いとは?介護士の仕事内容や資格について
「介護の仕事をしたいけど、介護ヘルパーと介護福祉士って何が違うのだろう?」
「介護士とヘルパーって別の仕事なの?」
これから介護の仕事を始めたいと思っている人にとって、介護ヘルパーと介護福祉士の違いは気になりますよね。
結論から言うと、介護ヘルパーと介護福祉士は、共に同じ介護士の仕事です。その違いは、持っている資格や役職の内容となっています。
今回「みーつけあ」では、介護ヘルパーと介護福祉士の違いや、介護士の仕事内容、資格の種類について紹介します。
この記事を読めば、介護ヘルパーとして働くために必要な資格や、介護福祉士になるための流れについて理解できますよ。
介護士とは介護職員全般の呼び名である
引用:https://www.photo-ac.com
まず始めに、介護士について話しておきます。
口コミでは、「介護福祉士と介護士の違いは何ですか?」「介護ヘルパーと介護福祉士は別の仕事ですか?」といった内容の質問を見かけました。
混同しないようにまとめておくと、介護士とは、介護職員全般を指す言葉であり、介護ヘルパーや介護福祉士も含まれます。
基本的に、介護士として働くには資格が必要です。持っている資格によって、仕事内容、役職、待遇や給料が変わってきます。
その中でも、介護福祉士は介護業界で唯一の国家資格であり、最上位の資格です。
キャリアアップも視野に入れて働く介護士は、最終的に介護福祉士を目指すことを目標としている人も多いでしょう。
介護ヘルパーと介護福祉士の違いとは?
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では、介護ヘルパーと介護福祉士には、どのような違いがあるのでしょうか。この記事では、仕事内容、待遇・給料の違いについてピックアップしました。
仕事内容そのものには、そこまで大きな違いがあるわけではありません。しかし、介護福祉士の魅力は、活躍できる仕事範囲の広さにあります。
介護業界で、リーダー的な立場として活躍していきたいと考えている人は、参考にしてみてください。
仕事内容の違いについて
介護ヘルパーは、介護が必要なサービス利用者の自宅を訪問して「生活援助・身体介護」といった介護サービスを提供します。
生活援助 | 身体介護 |
---|---|
調理、掃除、洗濯といった、利用者の日常生活をサポートする | 排泄介助、入浴介助といった、利用者に直接触れて行う介護 |
介護ヘルパーの勤務先は、訪問介護事務所(ヘルパーステーション)がほとんどです。仕事は、事業所のサービス責任者から指示を受けて行うため、介護現場が主流となります。
一方、介護福祉士も介護ヘルパーと同様に、「生活援助・身体介護」が仕事です。
他にも現場の責任者になったり、サービス利用者の家族に介護アドバイスや、指導を行う「ケアワーカー」という業務も担っています。
さらには、介護福祉士養成施設で教員・講師としても働くことが可能です。いくつか介護福祉士が活躍できる勤務先を挙げてみましょう。
- 特別養護老人ホーム
- 有料老人ホーム
- 介護老人保健施設
- グループホーム
- 介護療養型医療施設
- サービス付き高齢者向け住宅
- デイサービス、デイケアなどの介護施設
- 訪問介護事務所
- 障がい者関係施設 など
このように、さまざまな介護現場で幅広く活躍できるのが、介護福祉士の魅力です。そして、相応に適任が伴う仕事ともいえます。
待遇・給料の違いについて
介護ヘルパーは、誰でも取得ができる民間資格な上、活躍できる場所が限られます。求人広告でも、パート・アルバイトの募集がほとんどです。
しかし、介護福祉士の資格を持っていれば、就職先の選択肢は一気に広がります。正社員として、事業所や施設に勤務することが可能です。
参考までに、令和2年度介護従事者処遇状況等調査では、介護福祉士の平均給与額は33万円ほどとなっていました。
介護福祉士なら資格手当がつき、給与面でも差が出てきます。介護福祉士として現場経験を積めば、ケアマネジャーを目指すこともできるでしょう。
介護ヘルパー(介護士)の資格による違い
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ここからは、介護ヘルパーの資格についても紹介します。介護ヘルパーの、代表的な資格は以下の4つです。
- 介護職員初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
- 生活援助従事者研修
介護ヘルパーとして働くのであれば、資格は必ず取得しなければいけません。本記事を参考に、少しでも理解を深めてみてください。
1. 介護職員初任者研修
介護ヘルパー(介護士)として働くために、必ず必要な資格が「介護職員初任者研修」です。介護の現場で働く上で、基本となる技術や知識を学ぶことができます。
資格を取得するには、130時間の講義と演習を受講しなければいけません。また、最終的には修了試験に合格する必要があります。
研修内容は、以下のとおりです。
出典:介護職員初任者研修・生活援助従事者研修関係 – 厚生労働省
短ければ1ヶ月半、通常なら3〜4ヶ月ほどの期間で、修了できます。また、正確な合格確率は公的に明かされていません。
ネット上の口コミで確認できる限り、「ほぼ合格できる、9割以上は合格している」といった情報が多いです。難易度そのものは、かなり低いと言えるでしょう。
2. 実務者研修
出典:介護福祉士養成施設等における「医療的ケアの教育及び実務者研修関係」|厚生労働省
より深い知識を学んだり、キャリアアップを目指したい人は「実務者研修」を修了しましょう。
身体介護で行える「たんの吸引、経管栄養」といったサービスを提供するにあたり、必要となる資格です。
上記資料からも、「介護福祉士の養成施設における2年以上の養成課程と同等の水準」と表記されていることから、専門性の高さが伺えます。
実務者研修は、20科目で450時間の研修内容です。初任者研修を修了していれば、130時間分は免除されます。
より幅広く介護の現場で活躍したい人は、目指すべき資格といえるでしょう。
3. 介護福祉士
出典:[介護福祉士国家試験]受験資格(資格取得ルート図)|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
介護業界で幅広く活躍していきたい人は、介護福祉士を目指しましょう。社会的認知度や信頼性が高く、転職や就職で有利な実績となります。
ただし、介護福祉士国家試験に受験するためには、「実務者研修」の修了及び、実務経験3年以上が必要です。
合格率は、2021年3月の発表時点では71.0%となっています。
参考:第33回介護福祉士国家試験合格発表 – 厚生労働省
現場の責任者や指導者という立場で仕事をしたい人は介護福祉士を目指してみましょう。
4. 生活援助従事者研修
生活援助従事者研修は、生活援助について学べる資格です。簡単に取得できますが、身体介護の仕事は引き受けられないので注意しましょう。
研修内容は、介護職員初任者研修とさほど変わりません。しかし、研修時間は半分以下の59時間となっています。
参考:介護職員初任者研修・生活援助従事者研修関係 – 厚生労働省
介護ヘルパーとして働くのであれば、最初から初任者研修を終了したほうがよいでしょう。
「とりあえず生活援助だけ学んでみたい」という人は、取得してみてはいかがでしょうか。
介護ヘルパー(介護士)になるには
介護ヘルパー(介護士)を目指すのであれば、まずは「介護職員初任者研修」を修了することが最初の目標となります。
年齢制限はありませんが、16歳以上としているスクールもあるようです。事前に確認しておきましょう。
高校卒業後に、そのまま介護福祉士を目指したいのであれば、介護・福祉専門の学校へ行くのも1つの方法です。
また、資格を取得するには、数万円から数十万円の費用がかかります。しかし近年では、資格支援制度が充実しており、無資格でもキャンペーンが実施されている場合があります。
求人情報の詳細は、必ずチェックしておきましょう。
介護ヘルパーと介護福祉士の違いを理解して資格取得を目指そう
引用:https://www.photo-ac.com
今回「みーつけあ」では、介護ヘルパーと介護福祉士の違いについて、介護士の仕事内容、資格も踏まえて紹介しました。
介護ヘルパーは介護現場中心の仕事ですが、介護福祉士は管理職にも仕事の幅を広げられる職業です。より活躍の場を広げていきたい人は、介護福祉士を目指してみましょう。
介護の仕事は、老若男女問わずいつでも挑戦できます。高齢化社会によって需要が高まっている業界なので、興味のある人は資格を取得してみてはいかがでしょうか。