【必見】介護ヘルパーが理解すべき在宅介護でかかる金額について解説!
介護ヘルパーにかかる費用で悩んでいる利用者さんやご家族は少なくありません。
今後介護ヘルパーを目指していくのであれば、利用者さんが介護ヘルパーを利用する際に必要な金額を把握しておくべきでしょう。
相手に寄り添える介護ヘルパーは、信頼度が高まり、求められる人材となるはずです。
そこで「みーつけあ」では、介護ヘルパーを利用する際の金額やサービスの詳細などについて紹介していきます。
ぜひ参考にし、今後も胸を張って働けるようになりましょう。
介護ヘルパーもどのような金額がかかっているのか知っておくべき
介護ヘルパーとして働こうと考えているのであれば、利用者さんが介護制度を利用する上で、発生する金額を知っておきましょう。
介護ヘルパーになれば、利用を希望している人からさまざまな質問を受けるはずです。
また、将来独立も視野に入れているのであれば、利用者さんに適切なサービスを提供しなければなりません。
たとえば、
- 介護ヘルパーを頼むと金額は全部でいくらかかる?
- 金額が払えないときはどうしたらいいの?
などの質問は、意外に多く直面します。
「金額は知らない」では通用しませんので、この機会にぜひ理解しておきましょう。
介護ヘルパーに依頼する金額はいくら?
実際に、介護ヘルパーに依頼した場合の金額はいくらなのでしょうか。
介護ヘルパーに関連する種類別の金額について、以下に分けて解説します。
- 金額の前に知っておくべき利用料金の計算方法
- 身体介護の金額
- 生活援助の金額
- 通院等乗降介助の金額
順番に見ていきましょう。
金額の前に知っておくべき利用料金の計算方法
まずは、各サービスの利用料金を知る前に、計算方法について理解しておきましょう。
訪問介護のサービス利用料金は単位で決められており、地域によって1単位あたりの単価が変わります。
また、サービス内容や所要時間、事業所によって加算されるサービスが分かるので、注意しましょう。
介護ヘルパーの利用料金の計算方法は以下の通りです。
- 単位×利用回数×各地域の単価=費用
- 費用×保険負担割合=保険負担額
- 費用ー保険負担額=利用者さん負担額
1から順番に計算すれば自己負担額が算出されますので、計算方法を覚えておくと今後のキャリアアップに必要な勉強で役立ちます。
では、上記の計算方法に基づいて介護サービスの利用料金の相場を紹介します。順番に見ていきましょう。
身体介護の金額
まず、身体介護の金額の相場は以下のとおりです。
注:地域単価10円で計算した場合
身体介護の主な仕事は、排泄や食事、着替え、入浴など、直接体に触れて行う介助です。
上記の介助の準備や片付け、食事の準備もあります。
ヘルパーの身体的負担が大きい分、他の介助と比べると時給が高いのが特徴です。
生活援助の金額
次に、生活援助の金額の相場は以下のとおりです。
注:地域単価を10円で計算した場合
生活援助の主な仕事は、掃除、洗濯、調理、買い物などの家事や、薬の受け取りといった身の回りのお世話をします。
体には直接触れませんが、生活のお手伝いをする仕事です。
金額を支払えば何でも行えるわけでなく、利用者さんの身の回りに関することだけが対象となります。
家族・親族・親戚などの援助は業務に含まれていないため、覚えておきましょう。
通院等乗降介助の金額
通院等乗降介助の金額は、サービスを利用する回数によって変わります。
サービスにかかる料金は、以下のとおりです。
①運賃
タクシーと同じように送迎には料金がかかるのですが、時間制運賃と距離制運賃の2パターンあり、事業所によって異なります。
- 時間制運賃…例)30分ごとに1,000円など時間で決まる
- 距離制運賃…例)初乗り2km700円以降1㎞300円など距離で決まる
②介護サービス費用の自己負担額
通院の送迎のみ、もしくは家の中までの付き添いなどの身体介護を含むかどうかで料金が変動します。
- 通院等乗降介助…100〜300円
- 身体介護…200~2,000円
③レンタル費用
送迎の際に、レンタルする福祉器具があれば追加します。
- 車いす…500円程度
- ストレッチャー…2,000円程度
以上の3つの項目から、必要なサービスだけを利用できるのです。
通院等乗降介助は病院までの送迎だけでなく、
- 外出準備介助
- タクシーまでの移動の介助
- 乗車の補助
- 病院での受付や会計
- 薬の受け取り
など、必要に応じた介助を行います。
では、身体介護や生活援助、通院等乗降介助といった介護保険サービスとは別に、介護保険外のサービスもあることをご存知でしょうか。
ここからは、知っておきたい保険適応外のサービスを紹介しますので見ていきましょう。
料金が自費になる介護保険外のサービス
介護保険外サービスとは、利用者さんが料金を自費で出して受けるサービスのことです。
介護保険内では、要介護を受けている人の自立に向けた最低限のサービスのみ提供します。対する介護保険外では、生活をより良くするためのサービスを行っていると言えるでしょう。
介護保険外で提供しているサービスは、主に以下のとおりです。
- 外出援助
- 洗濯、掃除、調理、買い物など家事全般
- 送迎
- ペットの世話
- 庭の草むしりや花の水やり
- 訪問理美容
- 食事宅配 など
ただし、同居している家族がいる場合は援助が受けられません。
各自治体によって料金やサービスが変わるので、利用者さんのニーズに一番適したものを提供しましょう。
実際に働く地域の保険外サービスもチェックしておけば、スムーズに提案できるのではないでしょうか。
▼介護保険外サービスに関する記事は、こちらもご参考ください。
>>【介護保険外】訪問ヘルパーの自費サービスとは?料金や内容を徹底解説!
在宅介護では介護ヘルパーに依頼する金額以外にもお金がかかる
在宅介護をする場合、介護ヘルパーを利用する金額以外にもお金がかかります。
たとえば、おむつ代や医療費、介護食、交通費などの介護に関するものや、生活する上で必要な食費や日用品などです。
公益財団法人家計経済研究所によれば、在宅介護にかかる金額は平均で月5万円といわれています。
内訳としては、介護サービスに1.6万円、介護サービス以外で3.4万円です。
ただし、要介護認定が4〜5に加え認知症が重度であれば、さらに必要な金額がプラス2万円ほど高くなる傾向があります。
在宅介護はお金がかからないイメージがあるかと思いますが、家族の負担を考えると経済的にも精神的にもハードです。
とはいえ、在宅介護で介護ヘルパーを依頼した場合に、実際の自己負担額がいくらなのか気になる人もいるでしょう。
以下では、実際の自己負担額をシミュレーションしますので、参考にしてください。
実際にかかる自己負担金額をシミュレーション
では、実際に必要な自己負担額について以下の順番で解説します。
- 在宅サービスの利用限度額はいくら?
- 生活援助の自己負担額
- 身体介助の自己負担額
それぞれチェックしていきましょう。
在宅サービスの利用限度額はいくら?
まず前提として、誰もが介護ヘルパーのサービスを受けられるわけではありません。
介護サービスを利用するためには、要介護認定を受けなければいけないためです。
また、要介護度によって、1ヵ月のサービスを利用できる限度額が決まっています。
厚生労働省によれば、在宅サービスの利用限度額は以下のとおりです。
以上の限度額以内であれば、認定を受けている人は介護サービスを利用できます。
生活援助の場合の自己負担額
では、実際に訪問介護の生活援助サービスを受けた場合の自己負担額を見ていきましょう。
今回は、以下の条件の人の自己負担額です。
- 単身者
- 年金は月6万円
- 要介護3
- 生活援助を20~45分/週3
- 自己負担額1割
上記の条件であれば、1ヶ月の自己負担額は約2,200円です。
ただし、在宅介護で必要な食費や交通費、医療費などは別途必要になります。
身体介護の場合の自己負担額
身体介護の場合も、上記と同じ条件で計算します。
- 単身者
- 年金は月6万円
- 要介護3
- 身体介助を30~60分/週3
- 自己負担額1割
1ヶ月の自己負担額は、約4,700円です。
ただし、在宅介護で必要な食費や交通費、医療費などは別途必要ですので、注意してください。
介護ヘルパーと老人ホームならどっちの金額が安い?
在宅介護で介護ヘルパーを利用したときの金額のイメージができたと思いますが、介護ヘルパーを利用する場合と老人ホームの場合、どちらの方が金額が安いのでしょうか。
結論からいうと、介護ヘルパーの利用金額は「サービスを受ける量が多いほど高くなる」というものです。
そのため、介護ヘルパーと老人ホームを比較しても、サービスを受ける量が多い方が高くなる傾向があります。
では、以下の例で見ていきましょう。
まず、居宅介護で介護ヘルパーを利用する金額は、上限が定められています。
目安としては以下のとおりです。
介護度が高くなるほど上限が上がりますが、この金額の範囲でサービスを決めてもらうため全額払わなければならないというものではありません。
次に、特別養護老人ホームを利用したケースを見てみましょう。
この例は、介護度5であり多床室と呼ばれる多人数型でのケースです。
参考:厚生労働省|サービスにかかる利用料
こうして金額だけ見ると、介護ヘルパーを居宅介護で利用したケースが高く感じます。
しかし、介護ヘルパーを上限額ギリギリまで受けることは滅多にありません。ケアマネージャーが適切なケアプランを作るため、多様なサービスを組み合わせていきます。
たとえば、介護ヘルパーを朝と夕方に2時間、日中は老人ホームといったような形です。
介護ヘルパーを居宅介護で利用した金額と、老人ホームの金額を比較しても、選ぶ基準にはならないでしょう。
もし、金額に不安を感じたなら、担当のケアマネージャーに相談して支援を受けるようにしてみてください。
また、介護度に合わせて金額が知りたい人は、以下の厚生労働省が出している介護サービス概算料金の計算を使ってみましょう。
▼料金を計算する
介護事業所・生活関連情報検索
▼料金の比較に関しては、こちらもご参考ください。
>>訪問ヘルパーにかかる費用や期間はどれくらい?老人ホームとも比較して紹介!
介護ヘルパーの金額に関する疑問を解決
最後に、介護ヘルパーの金額に関する疑問について解説していきます。
順番にチェックしましょう。
Q1.介護費用が払えないときはどうしたらいい?
A. 介護費用が払えない場合には、補助制度を活用しましょう。
補助制度を受けるには、条件を満たさなければいけません。条件をクリアすれば行政から支援を受けられるので、困っているのであれば補助制度を活用してください。
主な補助制度は以下のとおりです。
- 医療費控除
- 介護保険負担限度額認定証
- 利用者さん負担軽減措置
それぞれの制度について解説するので、見ていきましょう。
医療費控除
医療費控除とは、介護保険サービスの利用限度額が超えた場合に、差額分を控除できる制度です。
前年度所得額が80万円以下の場合、自己負担額が15,000円まで引き下がります。
前年度の収入が少ないのであれば、検討してみましょう。
介護保険負担限度額認定証
介護保険負担限度額認定証は、所得や預貯金が一定の金額を下回れば認定される制度です。
具体的には、老人ホームでかかる食費と居住費に限度額を設定できます。
第1段階に認定された場合、上限額が96,000円になるので、経済的に困っていれば利用しましょう。
利用者さん負担軽減措置
利用者さん負担軽減措置とは、訪問介護だけでなく、入浴介護やリハビリなどの介護全般の費用を25%割引で利用できる制度です。
経済的に困窮する世帯のみが対象なので、支払いが難しい人は申請してみてください。
Q2.訪問介護でも利用開始時に初期費用がかかる?
A. 結論から言うと、訪問介護の利用開始時に初期費用はかかりません。
しかし、現在住んでいる家の環境によっては、リフォームや家具の買い替えが必要です。
たとえば、以下のような介護環境が必要であれば、リフォームしましょう。
- 生活スペースに手すり
- 介護用ベッド
- トイレ和式から洋式に など
利用者さんが住みやすい家づくりをすれば、介護の負担も軽減されるでしょう。
Q3.訪問介護と訪問看護は料金が変わる?
A. 訪問介護と訪問看護の料金は、変わります。
そもそも、訪問介護は日常生活の介護サービスを提供しますが、訪問看護は看護師や医療従事者が訪問し、点滴やリハビリを行うので、サービス内容が違います。
また、サービスの料金設定は、自治体や事業所によって異なります。
訪問看護を利用する場合は、医師の「訪問看護指示書」が必要なので、利用を希望する人はケアマネージャーに相談しましょう。
▼関連記事はこちらから。
>>訪問看護ヘルパーのサービスを受けるなら医療保険?それとも介護保険?
まとめ:介護ヘルパーの金額は説明できるようになろう
今後、介護ヘルパーとして活躍したいのであれば、介護ヘルパーの基礎知識は知っておくべきでしょう。
在宅介護をしている人は、介護ヘルパーについてあまり知らない人も多いはずです。
介護ヘルパーは利用者さんだけでなく、利用者さんのご家族にも寄り添ってあげなければなりません。金額について安心して利用してもらえるように、利用者さんとご家族に丁寧で分かりやすい説明を心がけましょう。