【訪問介護】ホームヘルパー2級は資格として書ける?復職・転職に対応した履歴書の書き方
訪問介護のホームヘルパー2級は、2012年に廃止されました。
すでに資格を持っている人は「履歴書に資格として書けないの?」「新しく資格を取り直す必要があるの?」と不安になってしまうかもしれません。
しかし、ホームヘルパー2級は、現行の初任者研修に相当する知識と技術があるとみなされます。
そのため、初任者研修を取り直す必要はなく、アピールとしても問題なく書ける資格です。
「みーつけあ」では、ホームヘルパーの資格は履歴書にどう書けばよいのかを解説します。
これから復職を考えている、または転職したいという人は、ぜひ参考にしてください。
1.ホームヘルパー2級の資格は履歴書に書ける
ホームヘルパー2級は、廃止となった現在でも履歴書に書いてかまいません。
2012年に廃止された資格ではありますが、介護業界でメジャーな資格であったため、自身のアピールとしての役割は十分にあります。
記載することで知識や能力を伝えられるので、書かないと損です。
履歴書には積極的に記載しましょう。
記載するときは、資格欄に必ず正式名称で「訪問介護員養成研修2級課程修了」と書いてください。
介護職員初任者研修レベルの知識・技能があるとアピールできる
「古い資格を書くことが逆に転職に不利になるのでは?」
このように考える人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。
ホームヘルパー2級を取得していることで、代わりに作られた介護職員初任者研修と同レベルの知識や技能があることをアピールできます。
資格欄の空欄を減らせば、熱意や積極性、介護職への前向きな姿勢を示せるはずです。
つまり、廃止になった資格でもアピールになるので、取得したものは書くべきといえます。
なぜホームヘルパー2級は廃止されたのか?
出典:今後の介護人材養成の在り方について(概要)-厚生労働省
以前までは、ホームヘルパー2級・1級など、さまざまな資格が多数存在しており、介護福祉士を養成する体系が複雑でした。
また、ホームヘルパー2級は訪問介護員を養成することが目的であり、施設での介護業務を学べる資格ではなかったのです。
そこで、より介護人材のキャリアパスを分かりやすくし、訪問介護に限らず、施設での介護業務も行えるように誕生した資格が「介護職員初任者研修」です。
このように、介護資格の取得ルートを明確化することで、生涯に渡って介護業界で活躍できる体系を整えたことにより、ホームヘルパー2級は廃止されました。
2.ホームヘルパーの資格と実務者研修は両方書いてよいの?
ホームヘルパーの資格と実務者研修を取得している場合は、両方とも書きましょう。
過去にホームヘルパーの資格を取得し、さらに新しい資格である実務者研修も取得したという経歴は大きなアピールポイントになります。
「新しい資格を取得したから、古い資格は書かなくてもよい」
このようなもったいないことはせずに、しっかりと記載してください。
ただし、代わりに生まれた資格であるとはいえ「介護職員初任者研修=ホームヘルパー2級」「実務者研修=ホームヘルパー1級」ではありません。
ホームヘルパー2級と初任者研修の違いは何?
内容こそ似ていても別の資格なので、混同しないように注意してください。
主な違いは、以下のとおりです。
ホームヘルパー2級 | 介護職員初任者研修 | |
内容 | 正式名称は「訪問介護員養成研修2級課程」 訪問介護における生活援助や身体介護を学べます。資格効果は介護職員初任者研修とほぼ同じ。 | 訪問介護に限らず、施設での介護業務も学べる資格。その後、実務者研修・介護福祉士とキャリアアップも目指すことができ、実務者研修取得の際には初任者研修で学んだ講習時間は免除されます。 |
講習時間 | 講義・演習・実習が130時間。 | 講義・演習が130時間。 実習が廃止され、講習項目「こころとからだのしくみと生活支援技術」が大幅に増加。 |
終了試験 | 無 | 有(全カリキュラム終了時に約1時間の筆記試験) |
他にも、介護職員初任者研修では「認知症の理解」や「介護・福祉サービスの理解と医療との連携」が追加され、より幅広いニーズに応えられる内容となっています。
ホームヘルパー2級の証明書の再発行は可能?
ホームヘルパー2級の証明書は、資格を取得した実施機関で申請することで、再度取得できます。
もし、資格を取得した実施機関が閉鎖されてしまった場合には、実施機関のあった県庁の「介護保険担当課」に相談しましょう。
ただし、申請から手元に届くまでには約1ヶ月前後かかります。時間には余裕をもって申請してください。
3.ホームヘルパー2級を資格欄に入れる履歴書の書き方
ここからは、実際に履歴書の書き方を見ていきましょう。
履歴書を書く前の心構えとして、ポイントを以下2つで解説します。
- 履歴書を書く前に必要な準備物
- すべての項目は時系列が必須
読み手の気持ちになって、書き方を考えることが大切です。
履歴書を書く前に必要な準備物
まず、落ち着いて履歴書を書けるように、最低限用意しておくものを確認しておきましょう。
- 黒ボールペン・認印
- 履歴書
- 事前に書く内容を整理しておく
履歴書を書きだしてから足りないものがあると焦ってしまい、履歴書作成によい影響はありません。
作成に必要なものは事前に準備をして、焦らない状態で履歴書を書けば失敗を防げます。
黒ボールペン・認印
履歴書は基本的に手書きです。
途中でインク切れによって文字がかすれてしまうのを防ぐために、なるべく新しい黒の油性ボールペンを用意しましょう。
水性やこすると消えるタイプのボールペンは、消えたりにじんだりするため、公式な書類では使用できません。
また、シャチハタではない認印(みとめいん)も用意してください。
シャチハタは量産されているハンコで、使っているうちに押し印部分のゴムが変形するため、本人の認印が必要な書類では使えません。
認印として発売されているものであれば、100円ショップのものでも使えるので用意しておくとよいでしょう。
履歴書
履歴書は、よく選んで買いましょう。
履歴書には学歴や職務経歴のほかに、自己PRや志望動機を書く欄などがあります。
ものによって項目のフォーマットが違うので、どのくらいのボリュームで書きたいのかをイメージしながら自分に合う履歴書を選んでください。
また、アピールしやすい項目は欄が多いものを選び、あまり会話が広げられないものは、最小限にとどめます。
面接の質問対策にもなるので、履歴書選びは大切です。
【補足】事前に書く内容を整理しておく
志望理由や自己PRは、考えながら書くと手間がかかり、記載ミスにつながります。
普段から文章を書き慣れていないと、何を伝えたいのか上手くまとめられないこともあるでしょう。
パソコンや携帯のメモでもかまわないので、事前に履歴書に何を書くのかを整理してください。
たとえば、以下2つはどの職場に出す履歴書であっても、しっかり考えた文章で記載したい内容です。
- どうして応募先の職場で働きたいのか
- 自分が勤めればどのような活躍ができるのか
応募先の職場において、自分が働く姿を具体的にイメージすると書きやすいでしょう。
すべての項目は時系列が必須
資格の取得や職歴は、それぞれを時系列で説明するのがベストです。
一般的な履歴書では、「学歴・職歴」と「免許・資格」で項目分けされているので、時系列が乱れないように記入しましょう。
また、「学歴・職歴」と「免許・資格」が項目分けされていない場合でも、分けて書くことをおすすめします。
面接担当の人が書類に目を通したときに、資格の一覧を確認しやすいように配慮しましょう。
4.履歴書を書く際に気を付けたい5つのポイント
続いては、履歴書を書く際の実践編です。
この章では、履歴書を書く際に気を付けたいポイント5つを解説します。
- 生年月日と学歴・職歴の欄の年号は統一する
- 資格を書く場合は必ず正式名称で書く
- 合格・修了・卒業は使い分ける
- 間違えたら新しい履歴書に書き直す
- 同じ履歴書の使いまわしはしない
ポイントを押さえた履歴書は、面接官の印象をよくします。
ポイント1.生年月日と学歴・職歴の欄の年号は統一する
年号は、統一性を持たせることで読みやすくなります。
生年月日は西暦なのに、学歴や職歴は和暦という書き方は避けてください。
西暦と和暦を使うと時系列の把握が難しくなり、読み手にとって見づらい履歴書になってしまいます。
小さなことですが、履歴書の完成度を上げる大事なコツです。
ポイント2.資格を書く場合は必ず正式名称で書く
保有する資格は全て、正式名称で記載してください。
履歴書に関係のある資格の正式名称一覧は、以下のとおりです。
俗称 | 正式名称 |
---|---|
ケアマネージャー | 介護支援専門員 |
ホームヘルパー2級 | 訪問介護員2級養成研修課程修了 |
ホームヘルパー1級 | 訪問介護員1級養成研修課程修了 |
実務者研修 | 介護福祉士実務者研修課程修了 |
介護福祉士 | 介護福祉士資格取得 |
たとえば、ホームヘルパー2級の正しい記載は「訪問介護員2級養成研修課程修了」です。
俗称と正式名称の2つを押さえておくと、面接の場でも便利なので整理しておくとよいですね。
ポイント3.合格・修了・卒業は使い分ける
資格の正式名称とセットで気を付けたいのが、「合格・修了・卒業」といった資格の末尾の書き方です。
資格はよく「取得」という言葉で締めくくります。
介護にまつわる資格について、末尾をどのように書くのが正解なのか、以下の表で確認してください。
記載するべき文言 | 内容 |
---|---|
卒業 | 学校に通って取得した資格・課程 |
修了 | 研修で取得した資格 |
合格 | 合格書が送付される資格 |
履歴書を見慣れている面接官なら、こういった小さな間違いが気になる人もいます。
また、正確に記載することは丁寧さをアピールすることにもつながるでしょう。
合格・修了・卒業をしっかり使い分けて、履歴書の完成度を上げてください。
ポイント4.間違えたら新しい履歴書に書き直す
書き損じや誤字・脱字が発覚したときは、新しい履歴書に書き直しましょう。
履歴書は、採用先で在職中保存される公的な書類です。
修正テープや修正液を使うと、いつ誰が文書に変更を加えたのか分からなくなってしまいます。
つまり、公的な書類の信ぴょう性がなくなってしまうのです。
書き間違いを減らすためには、鉛筆で下書きする方法があります。
下書きに使う鉛筆は、2B~4Bの硬度が柔らかめのものを使いましょう。
筆圧で紙に跡がつくと履歴書の見た目が悪くなり、清書もしづらくなるためです。
ボールペンで清書が終わったら、インクをしっかりと乾かしてから鉛筆の下書きを忘れずに消してください。
ポイント5.同じ履歴書の使いまわしはしない
複数の面接を控えていたとしても、同じ履歴書を使いまわしてはいけません。
なぜなら、採用先に悪い印象を与えてしまうからです。
面接する側の立場から見れば、手書きの履歴書をコピーして送ってくる応募者は手を抜いているように感じるでしょう。
履歴書1枚を書き上げるのは大変ですが、その努力を惜しまないことが採用先へのアピールにもつながります。
「面接を受けたいところが複数あって履歴書を書く時間が足りない」
このような場合は、PCで作成する方法もあります。
書く内容さえ決まっていれば、手書きより早く作成できるはずです。
ただし、PCで作成する場合でも1度作ったものをコピーするのではなく、応募先ごとの書式指定を確認して作成しましょう。
5.面接対策も一緒に!履歴書に書くおすすめ項目2つ
最後は履歴書提出の先にある、面接対策についてです。
スラスラと面接官の前で自分をアピールできる人は、そう多くはいません。
しかし、履歴書をきれいに書いておくことで、自然と面接の場で話す内容もまとまります。
履歴書の作成と一緒に、面接の受け答えの対策もできる2つの項目を押さえておきましょう。
- 復職や転職は履歴書にも必ず理由を書く
- 志望動機はその職場でしかできない仕事に注目
それぞれ、わかりやすく解説するのでチェックしてみてください。
(1)復職や転職は履歴書にも必ず理由を書く
復職や転職を考えた理由は面接で必ず聞かれるため、履歴書にしっかり記載しましょう。
「結婚や出産を機に働き方を変えたい」
「子どもが手を離れたので復職したい」
働く理由は、面接官があなたの仕事に対する姿勢を判断する項目です。
間違っても前職の愚痴につながる内容は、言ってはいけません。
本当の理由の中にマイナスな面があったとしても、よい面・アピールできることを前面に出して、あなたのやる気を伝えてください。
(2)志望動機はその職場でしかできない仕事に注目
応募先を志望した動機はなにか、ということを具体的に伝えられると、このうえないアピールになります。
「介護の仕事に就きたい」だけでは、どこの職場で働いても同じです。
志望する職場でしかできない仕事があるなど、明確な理由があると望ましいです。
応募先の公式ホームページを確認するなど、事前に希望する職場の特色をよく理解して、志望動機を明確にしたうえで履歴書に思いを記しましょう。
▼さらに詳しい履歴書の書き方・送付方法などを知りたい人は、以下のリンクもご参考ください。
>>介護ヘルパーの履歴書で資格はどう書く?正式名称・送付方法・面接のコツを解説
6.志望動機が浮かばない場合は先輩社員の言葉を参考に
求人情報を見ても、他と比較して圧倒的に特色あるサービスをおこなう事業者はそう多くありません。
「家から事業所が近く、通勤が楽そうだから」
「給与面などの待遇が良いから」
こういった理由が、志望理由の大半を占めるのが正直なところでしょう。
つまり、志望動機がどうしても思い浮かばないことは意外に多くあります。
ただし、ありきたりな志望理由や条件面の魅力を伝えても、面接官の心には響かないでしょう。
そこでおすすめしたいのが、転職サイトなどに掲載される先輩社員の声の活用です。
たとえば、志望先で働く先輩社員のインタビュー記事や動画には、必ず目を通しましょう。
「実際に働いている人の意見を聞き、職場に好感が持てた」というエピソードが志望動機につながります。
また、実際に志望先で働く人の雰囲気がわかることは、自身にとってもメリットになるでしょう。
「介護ヘルパー2級を持ち、さらに上位資格を働きながら取得できた」といったように、先輩社員の具体的な話をしっかりと受け取り、志望動機に反映させてください。
まとめ:ホームヘルパー2級は訪問介護員2級養成研修課程と書こう!
本記事では、ホームヘルパー2級の資格は履歴書に書けるのかについて解説しました。
廃止された資格ながら、介護ヘルパー2級は履歴書に書ける立派な資格です。
記載する際は、正式名称や書き方の3ポイントに十分注意してください。
- 生年月日と学歴・職歴の欄の年号は統一する
- 資格を書く場合は必ず正式名称で書く
- 合格・修了・卒業は使い分ける
今一度、資格の正式名称を確認しておきましょう。
俗称 | 正式名称 |
---|---|
ケアマネージャー | 介護支援専門員 |
ホームヘルパー2級 | 訪問介護員2級養成研修課程修了 |
ホームヘルパー1級 | 訪問介護員1級養成研修課程修了 |
実務者研修 | 介護福祉士実務者研修課程修了 |
介護福祉士 | 介護福祉士資格取得 |
合格・修了・卒業の使い分け方は以下のとおりです。
記載するべき文言 | 内容 |
---|---|
卒業 | 学校に通って取得した資格・課程 |
修了 | 研修で取得した資格 |
合格 | 合格書が送付される資格 |
なお、履歴書の書き方、履歴書のフォーマットは入念にリサーチしておくことをおすすめします。
準備をしっかりすることで、ご自身の魅力がたっぷり詰まった素晴らしい履歴書に仕上がるので、ぜひ参考にしてみてください。