介護ヘルパーは自費で依頼できる?介護保険との違いを徹底解説!
訪問介護は、介護保険の適用内でサービスを提供します。
しかし、「もっといろんな支援を受けたい」と、考えたことはありませんか?
実は、介護サービスは自費でも依頼ができます。
現状では、介護保険のサービスは利用制限があり、生活するうえで必要最低限のサービスしか受けられないのが現状です。
そのため、保険では補えない介護を補助するために自費サービスが存在します。
「みーつけあ」では、そんな介護ヘルパーが行う自費サービスや、介護保険との違いについて紹介していきます。
実費での介護サービスの実態を知って、適切なサービスを受けましょう。
1.介護ヘルパーは自費(介護保険外)で行うサービスがある
介護サービスには、介護保険内で提供する支援のほかに、自費で依頼を受ける「介護保険外サービス」があります。
基本的に、介護保険内で提供できるサービスには限りがあるため、必要最低限の生活を送るためのサポートしか行えません。
一方、保険内では提供できないような支援を自費で補えるのが、「介護保険外サービス」というわけです。
たとえば、「庭の花木に水やりをしてほしい」「1人での外出は不安なので付き添ってほしい」などの要望にも、細かく対応できます。
実費ですので、一定の費用はかかりますが、介護保険外サービスを使えば、利用者さんの暮らしはより快適になるでしょう。
次章では、自費サービスと介護保険内サービスの違いについて、より詳しくみていきましょう。
2.介護ヘルパーは覚えておこう!自費と介護保険内の3つの違い
自費と介護保険内のサービスには、以下3つの違いがあります。
- 1回あたりのサービス時間
- サービス内容
- サービス対象者
それぞれの違いについて、理解していきましょう。
(1)1回あたりのサービス時間
まずは、1回あたりのサービス時間に違いがあります。
- 自費:サービス内容や数によって時間が変わる
- 介護保険:1回あたりの利用時間が決まっている
自費サービスは各事業所によってサービス時間が異なりますが、1回あたり1~2時間と余裕を持ったサービスの提供が可能です。
そのため、時間内であれば買い物・窓掃除など、介護保険でできない部分も対応できます。
(2)サービス内容
サービス内容については、分かりやすく表にまとめました。
介護保険内の場合 | 自費の場合 |
---|---|
・身体介護 ・生活援助 | ・大掃除 ・外出の付き添い ・庭の水やり ・病院内の付き添い など |
介護保険内でできることは限られていますが、自費であれば縛りがないことが分かるはずです。
利用者さんが介護保険内でできないサポートを希望した場合には、自費サービスで対応できないか聞いてみましょう。
事業所によっては対応していないケースもありますので、勤務先の上司に対応できるか判断を仰ぐようにすると失敗を減らせます。
(3)サービス対象者
3つ目の違いは、サービス対象者です。
- 介護保険内:要介護認定を受けている本人のみ
- 自費サービス:サービスを受けたい人
介護保険では本人のみのサービスしか受けられません。
しかし、自費サービスを利用すれば、介護認定を受けていない人でもサービスを利用できます。
たとえば、妻は要介護認定を受けていて、夫は健康である高齢者夫婦の場合、介護保険内では妻の食事の準備しか提供できません。
しかし、自費サービスを利用すれば、夫の分の食事も提供できます。
つまり、介護保険外サービスなら、一緒に食事を楽しむことが可能です。
このように、介護保険と自費を合わせて利用することを「混合介護」と言います。
3.介護保険内と自費をミックスさせる「混合介護」がある
実費を払ってもらって行う介護保険外サービスを、既存の介護サービスと合わせて提供するのが「混合介護」でしたね。
それでは、混合介護を分かりやすく説明するために、2つの項目に分けて話を進めていきます。
- 混合介護とは
- 混合介護は連続利用時のみ適用される
順番に見ていきましょう。
混合介護とは
ケアプランによって決められた介護サービスと、自費サービスを両方利用することを、「混合介護」と言います。
混合介護は、利用者さんがよりよい生活を送るための1つの選択肢です。
たとえば、利用者さんが「通院する際に病院の中まで付き添ってほしい」と依頼する人は少なくありません。
しかし、通院の送迎は介護保険内サービスですが、診察の待ち時間や病院内でのトイレの介助は自費サービスの対応になります。
まさに痒いところに手が届くサービスで、今まで叶えることができなかった利用者さんの要望を満たす形で混合介護が役立つわけです。
「介護保険で受けられるケアと合わせて、あと少しのサービスが受けられれば」という希望に応えられるのが、混合介護の魅力となります。
混合介護は連続利用時のみ適用される
厚生労働省の資料によると、混合介護のルールとして、介護保険サービスと自費サービスの「同時・一体化」は禁止しています。
しかし、連続であれば利用が可能です。
たとえば、要介護3の夫と健康な妻の高齢者夫婦がいたとします。
食事の準備をする場合、混合介護をお願いしていたとしても夫婦一緒に食事を作ることは認められていません。
夫の食事介助が済んでから、自費のサービスとして妻の食事を用意することになります。
また、自費によるサービスだけを提供することはできません。
利用者さんにとっても介護ヘルパーにとっても、手間や負担を感じてしまいますが、サービスを明確に区別するために決められているルールです。
混同介護をする際には、介護保険内と自費のサービス時間をしっかり分けて対応しましょう。
4.自費で介護ヘルパーを依頼した際の料金は?
介護保険は支給限度額によって制限がありますが、自費サービスは決まりがありません。
ここでは、参考としてクラウドケアの料金を紹介します。
基本料金 | |
---|---|
定期依頼 | 【1週間に1回以上】2,750円/時間 【2週間に1回】3,080円/時間 |
スポット依頼(必要なときだけ) | 3,300円/時間 |
オーダーメイド依頼(特別な依頼) | 応相談 |
参考:クラウドケア|料金
また、基本料金のほかにもオプションで利用できるサービスがあります。
- ヘルパー指名:440円/時間
- 早朝深夜割増(22:00~8:00):基本料金10%増し
- 延長(30分単位):基本料金50%増し
自費サービスは、どこの事業所も同じというわけではありません。ひとつの目安として、参考にしてください。
また、介護保険に比べて自費での定期利用は高額になってしまいます。利用者さんによっては、少し敷居の高さを感じてしまう人もいるでしょう。
提案をする場合には、生活をより快適にする選択肢のひとつとして、利用者さんに寄り添う伝え方をしてあげてください。
5.どうすればよい?介護ヘルパーに自費で依頼する方法
実際に利用者さんから「自費サービスを検討している」という相談を受けたときのために、依頼方法を確認しておきましょう。
介護保険と違い、自費の場合は誰でも受けられるので、特別な申請の必要はありません。
自身が勤務する事業所に自費サービスがある場合は、教えてあげましょう。
そのほかの場合には、利用したい施設を決めて直接連絡をします。
- 民間のサービス
- 介護事業所
- 各地方自治体
民間の事業所を利用するのであれば、直接電話で予約するだけで希望日に訪問してくれます。
6.介護ヘルパーの自費と家事代行業者の違いとは
介護ヘルパーというと、身の回りのお世話をしてくれるので、「家事代行業者との違いが分からない」という人も少なくありません。
しかし、家事代行業者と介護ヘルパーには、明確な違いがあります。
- 家事代行の仕事
- 介護ヘルパーの仕事
それぞれ、確認しておきましょう。
家事代行の仕事
家事代行は、一般的な家事経験を持つスタッフが、依頼された時間内にサービスを行います。
家事の内容は主に部屋の掃除・片づけ、料理などです。
たとえば、仕事が忙しい、育児との両立ができない、家事が苦手、などの理由から依頼されることもあるサービスです。
介護ヘルパーの仕事
介護ヘルパーは料理や片付け、掃除など一般的な家事も行いますが、それに加えて生活状況の把握、利用者さんとのコミュニケーションが欠かせません。
日々のコミュニケーションを行うことで、ちょっとした異変に速やかに気付くことができ、適切な支援へとつながるのです。
また、介護ヘルパーが提供できるサービスは、ケアプランによって定められた自立支援が目的になります。
部屋や生活に関するサービスだけではなく、介護の知識を持ち、利用者さん本人のケアも大切にしているのが、介護ヘルパーの仕事と言えるでしょう。
まとめ
介護サービスには、介護保険内サービス以外にも、自費で行うサービスがあります。
介護保険内で行えるサービスには、いろいろな制限があり、「納得のいくサービスは受けられない」と感じている利用者さんもいるでしょう。
そのようなときに、より快適な老後生活をサポートするためにあるのが、自費サービスです。
サービス内容について、利用者さんから介護保険外の要望があったときには自費サービスの選択肢をご案内できるように知識を深めておきましょうね。