介護ヘルパーの正式名称とは?ホームヘルパーと初任者研修の違いを解説
介護業界で就職・転職活動をする際、履歴書で介護ヘルパーの正式名称を書く機会は多いです。
また介護ヘルパー以外にもホームヘルパー2級や初任者研修など、介護資格の名称で迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで今回「みーつけあ」では、「介護ヘルパーの正式名称」について詳しく解説していきます。
最後まで読んでいただければ、介護ヘルパーといった職種や介護資格の正式名称について、網羅的に理解できますよ。
介護ヘルパーの正式名称とは?
「介護ヘルパー」は正式名称ではありません。
一般的に訪問介護員や施設介護員など、介護従事者全般を指す言葉として使われます。
他にも介護資格である「ホームヘルパー2級・1級」を指す言葉として使用されることも多いです。
なお本記事では、介護ヘルパー=訪問介護員(ホームヘルパー)として扱います。
介護職や介護資格の正式名称を紹介
主な介護資格に関して、正式名称をまとめます。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- 認定介護福祉士
- 社会福祉士
- 理学療法士
- 作業療法士
- 精神保健福祉士
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
- 福祉用具専門相談員
- 訪問介護員2級養成研修課程(ホームヘルパー2級)
また介護関連の職種に関して、正式名称は以下のとおりです。
- 介護士(ヘルパー)
- 訪問介護員(ホームヘルパー)
- 福祉用具専門相談員
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
- 生活相談員
履歴書に職種や介護資格を記入する際は、正式名称で書くように心がけましょう。
正式名称を記入することで、「介護業界について理解がある」「興味を持っている」という好印象を与えることができます。
ホームヘルパーの資格は廃止に
ここまでに紹介したホームヘルパー2級・1級の資格は、2012年度をもって廃止されています。
2013年度より、以下のように変更されました。
- ホームヘルパー2級→介護職員初任者研修
- ホームヘルパー1級→介護福祉士実務者研修
正式名称が変わり、カリキュラムの変更や修了試験の追加などが行われています。
ホームヘルパーの資格が廃止になった理由
ホームヘルパーの資格が廃止となった理由は、以下の2つです。
- キャリアパスをわかりやすくするため
- より質の高い人材育成をはかるため
国家資格である「介護福祉士」を取得するうえで、現在は「介護職員初任者研修→介護福祉士実務者研修→介護福祉士」というルートが一本化されています。
しかし、これまでは介護福祉士の取得を目指すうえで、以下のような課題が生じていました。
- どの資格からでも介護福祉士を目指せる
- キャリアパスが不明瞭のため、人手が集まりづらい
- 各資格で学習内容が統一されていない
- 研修内容に不足がある
そのため介護福祉士までのキャリアパスを明確化し、同時に研修内容を整備する目的で、ホームヘルパー2級・1級は廃止となっています。
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の違いとは
介護ヘルパーを目指す際、多くの人が最初に取得するのが「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」です。
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の違いは、以下のようになります。
- 資格取得の目的
- 実技(スクーリング)時間
- 施設実習
- 修了試験の有無
- 履歴書の記入
それぞれ詳しく解説していきますね。
①資格取得の目的
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の違い1つ目は、「資格取得の目的」です。
それぞれの取得目的は、以下のようになっています。
- ホームヘルパー2級…訪問介護員として業務を行うのに必要な知識・技術を習得
- 介護職員初任者研修…在宅・施設を問わずに介護士として必要な知識・技術を習得
ホームヘルパーは「訪問介護員を目指す人」が対象でしたが、介護職員初任者研修となったことで、施設介護にも対応したより幅広い介護人材が対象となりました。
②実技(スクーリング)時間
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の違い2つ目は、「実技(スクーリング)時間」です。
研修時間は両資格とも130時間です。しかし研修時間の内訳が以下のように変更となっています。
- ホームヘルパー2級→講義58時間、実技42時間、施設実習30時間
- 介護職員初任者研修→講義40時間、実技90時間
実技が48時間増えたことで、より専門的な介護支援技術の習得を目指せるようになりました。
③施設実習
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の違い3つ目は、「施設実習」です。
ホームヘルパー2級では必須となっていた施設実習が、介護職員初任者研修では任意となっています。
④修了試験の有無
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の違い4つ目は、「修了試験の有無」です。
ホームヘルパー2級には無かった「修了評価試験」が追加され、合格することで研修修了という仕組みになりました。
なお修了試験は不合格しても補講と共に何度でも受けることができます。
ただし違いが少なくても、ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修は別物です。そのため、履歴書では分けて記入しなければいけません。
⑤履歴書の記入
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の違い5つ目は、「履歴書の記入」です。
厚生労働省によると、ホームヘルパー2級は廃止後も就職・転職活動で効力を発揮します。
訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修1級、2級課程を修了された方については、これまでどおり訪問 介護員として働けます。ただし、訪問介護員養成研修3級課程のみを修了されている方については、平成21年4月以降、介護報酬の算定要件の対象から外れる予定です。
しかし研修内容には違いがあるため、履歴書ではそれぞれの正式名称を分けて記入しましょう。
- ホームヘルパー2級→訪問介護員2級養成研修課程
- ホームヘルパー1級→訪問介護員1級養成研修課程
- 介護職員初任者研修→介護職員初任者研修(初任者研修等は不可)
ホームヘルパー2級のみを所持しているのにも関わらず、介護職員初任者研修と記入することはできません。
まとめ
「介護ヘルパー」は訪問介護員・施設介護員など、さまざまな意味で使われます。
介護業界の知識をしっかり習得していないと、誤った使い方をする可能性があるので注意しましょう。
また本記事で紹介した「ホームヘルパーと介護職員初任者研修等の違い」を踏まえ、履歴書では正式名称を記入してみてください。