訪問介護ヘルパーは年収が低い!?給料の相場や給料アップの方法を紹介
「訪問介護ヘルパーの年収って本当に低いの?」
「実際の年収や年収をアップさせる方法が知りたい」
訪問介護ヘルパーとして活躍したいと考えていても、年収が低いと聞くと「生活が苦しくなるのでは」と不安になってしまいますよね。
介護業界はまだまだ稼げるとは言えない業界です。そのためには、稼げるようになる方法を知っていたり、働き方を考えなければいけません。
今回「みーつけあ」では、訪問介護ヘルパーの年収について、実際の求人サイトや給料アップさせるコツを紹介します。
訪問介護ヘルパーの年収を理解して、収支が安定した生活を送りましょう。
1.訪問介護ヘルパーは年収が低いって本当?
昔から介護職の年収は低いと言われていますが、本当なのでしょうか。
そこで下記では、実際に年収が低いのかを検証していきます。
- 訪問介護ヘルパーの平均年収
- 一般労働者の平均年収と比較
それぞれ、表を用いて分かりやすく解説していくので、一緒にみていきましょう。
訪問介護ヘルパーの平均年収
訪問介護ヘルパーの平均年収について紹介します。
まずは、以下の表をご覧ください。
こちらの表は、医療・福祉関係の平均年収です。赤枠で囲った部分をみるとわかるように、医療・福祉の年収は令和2年の時点で229万8千円となっています。
訪問介護ヘルパーだけの年収ではありませんが、それでも他の職種と比べても低い傾向にあるのが分かります。
では、一般労働者の平均年収と比較するとどうなるかをみていきましょう。
一般労働者の平均年収と比較
次に、訪問介護を含めた一般労働者の平均年収は、以下のとおりです。
赤枠で囲った部分が平均年収で、307.7万円となっています。
年収を比較したら分かるように、一般労働者の平均年収が約307万円に対して、医療福祉関係の平均年収は約229万円と、約78万円の差があります。
つまり、訪問介護ヘルパーの年収は低いと言えるでしょう。
しかし、平均年収は医療・福祉関係の仕事全体の数字です。
そこで、下記では実際に求人サイトを参考に、訪問介護ヘルパーの給料の相場を紹介します。
2.訪問介護ヘルパーの給料の相場を知っておこう!
一般労働者や医療福祉関係の平均年収については、理解できたでしょうか。
ここからは、訪問介護ヘルパーの給料の相場について紹介していきます。
以下の2つについて解説するのでチェックしてみてください。
- 訪問介護ヘルパーの正社員の手取りは約17万円
- 訪問介護ヘルパーの時給は?
求人サイトを参考に、実際はどのくらいの収入が得られるのかを見ていきましょう。
訪問介護ヘルパーの正社員の手取りは約17万円
訪問介護ヘルパーの給料は低く、稼げないイメージが強いと思います。
2021年6月に調査した求人データによれば、平均月収は約21万円となっており、手取りは約17万円なので、やはり低い傾向にあるようです。
ただし、手取りは住んでいる地域や年齢、扶養人数によって控除額が変動するので、手取り金額に差が出ます。
住んでいる地域や求人サイトによって月収は変わりますから、ぜひ一度お住まいの地域の求人サイトを確認してみてください。
訪問介護ヘルパーの時給は?
2021年6月に調査した求人データによれば、訪問介護ヘルパーのパートやアルバイトの時給の平均は1,212円です。
時給が1,212円と聞いて感じる気持ちは、それぞれあると思います。しかし、時給だけを見て求人サイトに応募するのはやめておきましょう。
なぜなら、介護職は基本給以外に諸手当がもらえるからです。
諸手当とは、主に以下のとおりです。
- 資格手当
- 通勤手当
- 時間外手当
- 夜勤手当
- 住宅手当
- 処遇改善加算
手当がたくさんもらえれば、月々の月収も高くなるので、時給が高くなくても手取りは多くなる可能性があります。
たとえば、以下のような場合です。
事業所A | 時給1,300円 手当は含まれない |
事業所B | 時給1,000円 手当が月6万円ある |
1日の実働時間が7時間で月20日間出勤した場合の1ヶ月分の給料は以下のとおりです。
- A:1,300(時給)× 7(時間)× 20(日)=182,000円
- B:1,000(時給)× 7(時間)× 20(日)+60,000(諸手当)=200,000円
事業所Aのほうが事業所Bと比べると、時給が300円高いです。
しかし、諸手当によってトータルの給料は事業所Bが高くなることがわかります。
このように時給だけで考えず、諸手当の費用のような細かい部分もチェックしておきましょう。
3.訪問介護ヘルパーの地域ごとの求人をチェックして年収を把握
では、介護ヘルパーの求人情報をチェックして、地域ごとの平均年収や月収を把握しておきましょう。
以下の表をご覧ください。
なお、2021年6月に調査した求人データによれば、介護ヘルパーの全国平均年収は328万円です。
都道府県 | 平均年収 | 平均月収 |
---|---|---|
北海道・東北 | 285万円 | 19万円 |
関東 | 346万円 | 22万円 |
甲信越・北陸 | 361万円 | 19万円 |
東海 | 302万円 | 21万円 |
近畿 | 311万円 | 21万円 |
中国・四国 | 268万円 | 19万円 |
九州・沖縄 | 266万円 | 19万円 |
表を見ると、甲信越・北陸と九州・沖縄の年収の差は約100万円です。
しかし、こちらは平均年収であり、実際の求人を見れば平均値より上回る収入を得られる可能性もあります。
参考程度に活用してください。
ここまで、月収や年収について解説してきましたが、やはり訪問介護ヘルパーの収入は低いと感じているかもしれません。
もし、給料面で不安に感じているのであれば、給料アップが実現できる方法を紹介します。
以下の方法を試せば、収入アップも夢ではありません。
4.訪問介護ヘルパーが稼げないなら試したい3つのこと
訪問介護ヘルパーの年収が低いと感じたのであれば、以下の3つを試してみてください。
- 資格を取得する
- サービス提供責任者(サ責)になる
- 会社を立ち上げる
今から紹介する3つの方法は収入を上げるだけでなく、訪問介護ヘルパーとしてスキルアップできます。
ぜひ今後、挑戦してみてください。
(1)資格を取得する
訪問介護ヘルパーとして働くのであれば、最低限必要な資格は「介護職員初任者研修」です。
しかし、その資格のみでは稼げる金額に限界があります。
さらに稼ぎたいのであれば、主に以下のような資格取得を目指しましょう。
- 実務者研修
- 介護福祉士(国家資格)
- 認定介護福祉士
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
- 認知症介護実践者(リーダー)研修
- 同行援護従業者養成研修
- 行動援護従業者養成研修
このように、訪問介護ヘルパーが取得できる資格はたくさんあります。どの資格も、持っていて損はありません。
利用者側からすれば、無資格のヘルパーよりも資格をいくつか持っているヘルパーにお世話をお願いしたいと思うはずです。
つまり、信頼関係を築くための1歩としても、できるだけ資格は取得しておくべきと言えるでしょう。
(2)サービス提供責任者(サ責)になる
2つ目の方法は、サービス提供責任者になることです。
サービス提供責任者とは、ケアマネジャーやヘルパーと連携をとり、利用者の介護サービス計画を立てる役割がメインの役職です。
その他の仕事内容は、以下のとおりです。
- 訪問介護計画書の作成
- 利用者と家族の連絡や相談を受ける
- 訪問介護ヘルパーの指導や育成、管理
- 事務作業
- ヘルパー業務
サービス提供責任者も、ヘルパーの人数が足りないといった緊急性がある場合は、現場で介護ヘルパーの仕事をすることがあります。
また、サービス提供責任者になるための条件は、以下のとおりです。
- 介護福祉士資格を取得している
- 実務者研修を修了している
ぜひ、これらの資格を取得してスキルアップを目指してください。
(3)訪問介護施設を立ち上げる
介護施設を経営することも、収入アップできる方法の1つです。
訪問介護施設を立ち上げる場合は、約100〜300万円くらいの初期投資が必要と言われています。
高いと思うかもしれませんが、デイサービスやグループホームの初期投資は約500〜1,000万円です。
介護事業所のなかでも、訪問介護施設はコストが低いと言えるでしょう。
もし今後、訪問介護施設を立ち上げるのであれば、介護福祉経営士の資格取得も考えておきましょう。
施設を立ち上げるのに必須の資格ではありませんが、経営に役立つ知識が得られます。
たとえば、以下のような知識を得られます。
出典:介護福祉経営士とは−一般財団法人日本介護福祉経営人材教育協会
- 人材管理・育成
- 情報活用
- 制度対応
- サービス向上
- 財務・資金調達
経営に関するノウハウを得られるので、もし施設を立ち上げるのであれば検討してみてください。
5.【朗報】継続すれば介護ヘルパーの給料は上がる!?
介護業界は、常に人員不足です。
人員が増えない原因の1つに、介護ヘルパーの年収・給料が低いことが挙げられています。
しかし、2025年には4人に1人が75歳以上となる超高齢化社会が目の前まで迫ってきており、今よりも介護を必要とする人が増えるでしょう。
このような2025年問題を解決させるべく、厚生労働省が出した新たな政策として「介護職員特定処遇加算」があります。
介護職員特定処遇加算のルールは以下のとおりです。
処遇改善額が(A)よりも、その他の介護職員(B)より高く、その他の職種(C)は(B)の2分の1以下にする
参考:厚生労働省|令和3年度介護報酬改定における 改定事項について
つまり、勤続年数が10年以下であっても、賃金が引き上げされるわけです。
今後も、人員不足はまだまだ深刻化していきます。そのため、今から介護の仕事を始めていれば、数年後にはまた新しい施策が行われて年収が上がることもあるでしょう。
6.似ているけど違う登録ヘルパーとは
そもそも登録ヘルパーとは、事業所に登録し、希望する日時に仕事を紹介してもらうという働き方のことです。
仕事は直行直帰ができるので、自由に働けるというメリットがあります。
また、仕事内容について以下の2つに分けてみていきましょう。
- 登録ヘルパーと訪問介護ヘルパーの違い
- 登録ヘルパーが稼げないと言われる理由
それぞれ確認し、イメージを膨らませてみてください。
登録ヘルパーと訪問介護ヘルパー(正社員)の違い
登録ヘルパーも訪問介護ヘルパー(正社員)も、利用者の家へ訪問して必要な介護を行う仕事なのですが、大きく違う点が以下の2点です。
- 出勤スタイル
- 給料形態
訪問介護ヘルパーは、事業所に出退勤をする月給制です。
一方で、登録ヘルパーは直行直帰ができるため、働いた時間分の給料になります。
どちらも利用者の家へ訪問して、介護サービスを行うという仕事内容は変わりません。
好みの働き方を選択してください。
登録ヘルパーが稼げないといわれる理由
じつは、登録ヘルパーは稼げないと言われているのです。
その理由として、以下の3つがあります。
- 希望時間に仕事が入らない
- 利用者の都合で仕事がなくなる
- 移動時間は時給外
しかし、やり方を工夫すれば稼げる方法もあります。
▼以下のリンクを参考にしてみてください。
>>登録ヘルパーはなぜ稼げないのか?給料アップの方法について紹介
まとめ
訪問介護ヘルパーは年収が低いと言われている業界です。
2025年には、4人に1人が75歳以上の超高齢化社会となり、今よりも介護職員が必要になるでしょう。
このような介護需要の増加に伴い、政府は給料の底上げを常に検討しています。
現状では「給料が低い」と言われていますが、今後は少しずつ改善されていくことでしょう。
また、資格取得や新しい事業の立ち上げをして、年収を上げる対策もあるので、ぜひチャレンジしてみてください。