介護ヘルパーが休みの年末年始をどう乗り切る?対処法や準備しておくことを確認
「介護ヘルパーさんが年末年始に来てくれない」
「どうすればよいの?」と、お困りではありませんか?
在宅介護をしているなかで、頼りになるのが介護ヘルパーさんの存在です。
しかし、年末年始はお休みにしている事業所は少なくありません。
初めて長期間介護ヘルパーさんが来ないことに、不安を覚えるのも当然です。
そこで今回「みーつけあ」では、介護ヘルパーさんが来れない年末年始の対処法や、あらかじめ準備しておきたいことを解説します。
普段頼りにしている介護ヘルパーさんがいないことで、家族のなかで新たな気付きがあるかもしれません。
家族みんなで在宅介護を乗り切り、楽しい年末年始を迎えましょう。
1.介護ヘルパーは年末年始に休む場合がある
いきなり「年末年始はお休みなので伺えません」と介護ヘルパーさんに伝えられると、「どうすればよいの?」と困ってしまいますよね。
無理にでも来て欲しいと思うかもしれませんが、介護ヘルパーが所属する事業所自体が、年末年始を休みにしていることはよくあることです。
年末年始の休みは1週間程度と長いので、利用者さんにとっては不満に感じるかもしれません。
しかし、日々働く介護ヘルパーの立場になってみると、年末年始くらいは休みたいところ。
事業所全体で年末年始を休暇にすることで、働きやすい環境を整えているのです。
介護ヘルパーにとって働きやすい環境をつくることは、人材確保のために欠かせません。
十分な人手のある事業所から派遣された介護ヘルパーは、時間にゆとりを持ってじっくり利用者さんに向き合ってくれます。
巡り巡って、利用者さんにとっての大きなメリットとなるため、年末年始の休暇は仕方のないことだと受け止めましょう。
介護ヘルパーの年末年始休みは10月頃に確認しておくと安心
いつも来てもらっている介護ヘルパーの年末年始スケジュールは、10月ごろに確認しておきましょう。
他の事業所や施設に依頼するのであれば、10月頃から予約が開始されるからです。
年末年始の在宅介護に悩む家庭は多いため、すぐに予約が埋まってしまいます。
介護ヘルパーやケアマネジャーから年末年始の対応について伝えられると思いますが、早めに確認を取っておくと安心です。
2.年末年始で介護ヘルパーに依頼できない場合の対処法
年末年始でいつもの介護ヘルパーに依頼できないとき、以下のような対処法があります。
- 他の訪問介護事業所を探す
- ショートステイを利用する
- デイサービスを利用する
- 家族で交代で介護をする
どの方法を選ぶにしても、担当のケアマネジャーに相談が必須です。
適切な対処を提案してもらえるので、早めに相談しましょう。
対処法1.他の訪問介護事業所を探す
他の訪問介護事業所のなかから、年末年始に来てもらえる介護ヘルパーの派遣を依頼しましょう。
訪問介護事業所すべてが、年末年始休暇を取っているわけではありません。
なかには、シフトで仕事をしている訪問介護事業所もあるので、ケアマネジャーに確認してみましょう。
早めに依頼をすれば、介護ヘルパーが確保できるかもしれません。
ただし、年末年始の特別費用が追加される可能性もあるので、事前に確認をしておきましょう。
対処法2.ショートステイを利用する
年末年始の期間だけ、ショートステイを利用するのも1つの手です。
ショートステイとは、短期間だけ入所できる施設のことを指します。
普段は在宅介護を中心としている場合でも、家族の事情によっては、一時的に利用可能です。
ショートステイでは、食事や入浴、排泄の介助やレクリエーションを受けられます。
24時間介護士が常駐しているので、緊急対応があっても安心です。
年末年始は予約が集中するので、10月頭にはケアマネジャーに空き状況を確認してもらいましょう。
対処法3.デイサービスを利用する
デイサービスを利用することも検討しましょう。
大晦日から三が日をお休みにしているデイサービスは多いです。
しかし、上手に12月30日・1月4日と休暇前後に予約を取れば、介護ヘルパーの派遣とさほど変わらない頻度で介護サービスを受けられるでしょう。
利用できない日は、家族で協力しながら介護をすることになりますが、負担は大きく軽減されます。
ほかの訪問介護事業所からの派遣や、ショートステイの確保がない場合、積極的に利用しましょう。
対処法4.家族で交代で介護をする
どうしても受けられる介護サービスが見つからない場合は、家族で介護をする覚悟を決めましょう。
最低でも、食事と排泄の介助をしなければ、健康面にも衛生面にも不安が出てきます。
要介護者の状況によっては、入浴介助は行わず体を拭くだけにとどめると安心です。
家族でできること・できないことを話し合い、プロのいない間の在宅介護についてケアマネジャーにアドバイスを求めましょう。
3.介護ヘルパーがいない年末年始の在宅介護に向けて準備しておくこと
他の介護ヘルパーの確保やショートステイへの入所ができなかった場合、年末年始は家族で協力しながら在宅介護をすることになります。
年末年始は、お店や病院が通常営業ではないことも多いです。
そのため、事前に準備をしておけば安心して年末年始を迎えられます。
準備しておきたいことは、以下の3つです。
- 介護用品のストックを十分にしておく
- 本人が使える緊急連絡手段を用意する
- 基本的な身体介助を家族で学ぶ
詳しく確認して、介護ヘルパーのいない年末年始に備えましょう。
準備1.介護用品のストックを十分にしておく
年末年始の休暇を迎える前に、介護用品のストックを十分にしておきましょう。
なぜなら、近くのスーパーやドラッグストアも休暇に入る恐れがあるからです。
ネットショップでも、クリスマス前後や年末年始は配送の混み合いが予想されます。
以下のものの在庫状況を確認して、いつもより多めに備えておきましょう。
- おむつ
- 介護食
- ゴム手袋
- ドライシャンプー
- トイレットペーパー
- ティッシュペーパー
また、床ずれ用の軟膏やガーゼ、薬などを使っているのなら、長期休暇前に病院で処置してもらうことも忘れないようにしましょう。
準備2.本人が使える緊急連絡手段を用意する
万が一のときに備えて、本人が使える緊急連絡手段を用意しましょう。
家族と同居していないのであれば、何かあったときに連絡ができるようにしておくべきです。
たとえば、ワンプッシュで家族につながる携帯電話や音声で操作できるスマートスピーカーがあるとよいでしょう。
連絡を受けた家族から病院やケアマネジャーなど、適切な連絡ができるようにしておくことも大切です。
あらかじめ、年末年始の緊急連絡先もケアマネジャーに確認しておきましょう。
最悪の事態を免れるためにも、本人が使える緊急連絡手段を作っておくことは必須です。
準備3.基本的な身体介助を家族で学ぶ
基本的な身体介助は、家族全員で学びましょう。
年末年始は約1週間と長期間のため、「いつも様子を見ている奥様だけに任せる」といったことがおこらないように協力しなければなりません。
家族が交互で介護を行い、しっかりと休息を取れる体制を作るべきです。
そのためには、家族全員で基本的な身体介助を、介護ヘルパーから学んでおきましょう。
「体位移譲、おむつ交換、食事の調理・介助」を学んでおけば、誰かが留守になっても安心です。
年末年始の間、1人だけに負担がかからないよう注意しましょう。
4.年末年始の在宅介護で気になるQ&A
年末年始を迎えるにあたって、在宅介護で気になることをQ&A形式でまとめました。
お答えする疑問は、以下の3つです。
- 正月でも介護費用は上がらない?
- 高齢者が餅を食べたがる場合はどうすればいい?
- 寝たきり状態を防ぐための対処法は?
疑問を解決して、すっきりした状態で年末年始を迎えましょう。
Q1.正月でも介護費用は上がらない?
A .お正月だからといって、介護費用が上がることはありません。
というのも、土日祝関係なく、一律に介護サービスが提供されているからです。
ただし、緊急時の訪問や夜間・早朝の訪問には、通常よりも費用が加算されます。
ちなみに、お正月に働く介護ヘルパーには手当てを加算する事業所が多いです。
手当ては事業所の持ち出しとなっており、利用者さんに負担はかかりません。
Q2.高齢者が餅を食べたがる場合はどうすればいい?
A .お餅は事前に小さく切っておき、お茶や汁物で喉を潤わせてから食べましょう。
餅をよく噛んでいることを確認し、唾液と一緒に飲み込むことが大切です。
「お正月にはお雑煮・お餅が欠かせない」と考える高齢者は多いでしょう。
しかし、高齢者の餅による窒息事故は後を断ちません。
咀嚼(そしゃく)の力が弱い高齢者にとって、食べ物を小さく噛み砕くことは難しいことです。
すでに介護食に切り替えている人はもちろん、まだ介護食でない人にも餅による窒息事故が起きないよう細心の注意を払いましょう。
Q3.寝たきり状態を防ぐための対処法は?
A .効果的な体操をしたり人と会う機会を作りましょう。
日本介護予防協会によると、以下のような体操が紹介されています。
また、ベッドの上で過ごす時間が多い人には、以下のようなリハビリ体操をして寝たきりになることを予防しましょう。
足腰の筋力を維持するために、できる範囲で毎日続けてみましょう。
また、人と会って話す機会を積極的に作ることも意識してみてください。
人と会うことは、脳が刺激され、認知症のリスクや免疫力低下を助けると言われています。
デイサービスを使ったり、家族やお孫さんと話したりして、心の健康を保ちましょう。
まとめ:年末年始の休みは事前に把握して無理ない介護スケジュールを組もう!
もし、介護ヘルパーが年末年始に休んでも、慌てずにケアマネジャーへ相談することが大切です。
ショートステイやデイサービスの手配をしてもらい、家族で介護できる環境を整えましょう。
緊急連絡先を聞くことを忘れず、不安なことは事前に聞いておくと安心して年末年始を迎えられます。
介護ヘルパーには日々在宅介護をサポートしてくれていることに感謝をし、「年末年始はゆっくりしてくださいね」と笑顔で送り出してあげましょう。
きっとお休みが明けたら、一生懸命介護に徹してくれるはずです。