派遣で働く介護ヘルパーの働き方│メリットデメリット・給料事情まで徹底解剖
「派遣で介護ヘルパーとして働いてみたいけど、実際どのような働き方になるのだろう?」
このようにお悩みではありませんか?
派遣介護ヘルパーは、好きな日時を選んで働けるという魅力があります。
しかし、期限付きの雇用に不安になる人も少なくありません。
今回「みーつけあ」では、派遣介護ヘルパーの特徴や、メリット・デメリットを確認していきます。
どのような人に向いている働き方なのかも言及しているので、参考にしてください。
派遣介護ヘルパーとしての働き方を知って、ベストな雇用形態を見つけましょう。
1.派遣で働く介護ヘルパーの3つの基本
「そもそも派遣社員と正社員ってどう違うの?」と、はっきりとした違いが分からない人も多いでしょう。
正社員と派遣の違いは、大きく3つです。
- 介護派遣会社と契約を交わす
- 依頼に応じて時給・日給で働く
- 契約期間が定められている
派遣介護ヘルパーの基本的な働き方を確認していきましょう。
介護派遣会社と契約を交わす
まず、派遣介護ヘルパーとして働くには介護派遣会社と労働契約を結びます。
介護派遣会社からの紹介で事業所へ配属されるため、事業所と直接契約を交わすことはありません。
紹介された事業所で勤務しますが、給与は介護派遣会社から支払われます。
シフトの調整や業務内容も、介護派遣会社が調整をしてくれることが基本です。
正社員は、直接事業所と労働契約を交わして直接給与を支払われます。
依頼に応じて時給・日給で働く
派遣介護ヘルパーは、依頼に応じて時給・日給で働きます。
正社員と違って、決まった月給がないので注意しましょう。
また、働いた分だけ給料が発生するため、有給休暇といった考えはありません。
もちろん、残業をしたときは加算して時給計算がされます。
アルバイトやパートよりも安定して雇用ができると考えられていることから、時給・日給が高い傾向です。
契約期間が定められている
派遣社員は、雇用期間に制限があるので同じ職場で働き続けることができません。
一般的な契約期間は、3ヶ月もしくは6ヶ月です。
契約更新をしながら働き続けますが、事業所の都合によって契約更新がされないこともあります。
また、同じ組織では働き続けられる期間は、原則3年です。
契約期間に上限がある働き方は、正社員にはない派遣社員の特徴といえます。
2.派遣介護ヘルパーの時給や給与の目安
派遣介護ヘルパーとして働くうえで、時給や給与がどれくらいになるのか気になりますよね。
東京に限定をして派遣介護ヘルパーの求人情報を見てみると、時給の平均は1,500円〜2,000円程度でした。
1日6時間を1ヶ月あたり20日間働いたとき、時給を計算すると1ヶ月の給料は18万円〜24万円程度です。
需要の多い都心部では時給が高く、郊外では低くなる傾向にあります。
資格やスキルによって給与が高くなる
資格やスキルを持っていることで、給与が高くなることもあります。
即戦力になる人は高時給・高日給の仕事を紹介してもらいやすいからです。
過去に介護ヘルパーや介護職員として働いていた経験は、アピールポイントになるでしょう。
また、「介護職員初任者研修」を持っていることで、仕事の幅は広がります。
積極的に資格やスキルを介護派遣会社でアピールして、より条件のよい職場を紹介してもらいましょう。
▼介護ヘルパーの資格に関する記事はこちらから。
>>介護ヘルパーの資格とは?初任者研修・実務者研修との違いや内容を解説
3.派遣介護ヘルパーとして働く3つのメリット
派遣介護ヘルパーの働き方や給料について確認しました。
正社員との違いや給料について理解できても、「派遣介護ヘルパーを選ぶ理由ってなんだろう?」と疑問に感じる人もいるかもしれません。
派遣介護ヘルパーとして働くメリットは、3つあります。
- 日数や時間を自由に選びやすい
- 辛い残業が少ない
- 職場のしがらみがない
詳しく確認していきましょう。
メリット1.日数や時間を自由に選びやすい
派遣介護ヘルパーは、自分が働く日数や時間を自由に選ぶことができます。
そのため、プライベートとの両立がしやすいです。
たとえば、子どもが小さくて学校から帰るまでには仕事を終えたい、通信学校の合間だけ働きたいといった要望が叶えられます。
稼ぎたい人はたくさん仕事に入り、扶養に入るために稼ぎたくない人は計算して働くことも可能です。
ライフスタイルに合わせて、無理のない働き方ができるのは派遣介護ヘルパーの魅力といえます。
メリット2.辛い残業が少ない
派遣介護ヘルパーには、ほとんど残業がありません。
もちろん「残業ゼロ」と言い切ることはできませんが、正社員と比べると少なく済みます。
事業所の目線から見た場合、派遣介護ヘルパーに残業をお願いすると、残業手当が高くつくからです。
介護派遣会社に「残業をさせられる事業所」というレッテルを貼られてしまうと、人材を派遣してもらえなくなる可能性もあります。
そのため、残業が発生したときは正社員にお願いすることが多いです。
子どものお迎えや夜間学校に通っているでも、残業の心配なく働くことができるでしょう。
メリット3.職場のしがらみがない
派遣介護ヘルパーは、職場のしがらみなく働けます。
なぜなら、派遣社員は契約期間があるからです。
3ヶ月や6ヶ月の契約期間を迎えたときに、自分から「この職場での契約は終了にしてください」と申し出ることができます。
そのため、職場内のいざこざがあってもビジネスライクな付き合いで済ませられるのです。
人間関係で悩みたくない人や、同僚と深く交流をしたくないと考える人には働きやすいでしょう。
4.派遣介護ヘルパーとして働くデメリット
派遣介護ヘルパーのメリットを見てきましたが、デメリットも知っておきましょう。
メリット・デメリットの両面を見ておくことで、あとあと後悔することを防げます。
派遣介護ヘルパーのデメリットは、以下の3つです。
- 昇給・ボーナスが見込めない
- 派遣期間に上限がある
- 地域によっては求人が少ない
詳しく確認して、デメリットを理解したうえで派遣介護ヘルパーとして働くかを決めましょう。
デメリット1.昇給・ボーナスが見込めない
派遣介護ヘルパーは、基本的に昇給やボーナスが見込めません。
その分、時給や日給がアルバイトやパートより高く設定されており、その金額の中にボーナスが含まれているからです。
そのため、正社員と同じように基本給と分けてボーナスが支給されることはありません。
また、派遣介護ヘルパーに昇給はほとんどないと思っておきましょう。
ただし、派遣先を変更したり契約更新のタイミングで数十円〜数百円の時給アップの可能性はあります。
しかし、正社員でも大きく昇給するのは、役職がつくタイミングです。
長く在籍をしない派遣介護ヘルパーに役職がつくことはないため、大きな昇給は期待できません。
その分、元から高い時給・日給が設定されています。
デメリット2.派遣期間に上限がある
派遣期間には上限があるため、同じ職場で働き続けることはできません。
3ヶ月・6ヶ月の契約期間が延長されなければ、再び職場探しをする必要があります。
もちろん、介護派遣会社から職場の紹介をしてもらえますが、面接をして新しい環境に慣れていかなければなりません。
職場によっては、「短期間来てくれるお手伝いさん」という感覚のスタッフもいます。
同僚と仲間意識を持ったり、仲良くなったりすることは、ほとんどできないでしょう。
また、利用者とじっくり向き合った介護はできません。
事業所によっては、派遣に担当を持たせないこともあり、人手が足りないシフトの手助けがメインになる場合があります。
利用者や家族との密なコミュニケーションを求めている人には、派遣だとやりがいを感じられないかもしれません。
デメリット3.地域によっては求人が少ない
地域によっては求人が少なく、派遣先がなかなか決まらないこともあり得ます。
もちろん、都心部であれば人が多く介護の需要は高いです。
しかし、住んでいる地域によっては訪問介護の事業所が数カ所しかない場合もあります。
「職場が嫌で契約更新をしなかったけど、次の職場がみつからない」ということになりかねません。
稼ぎたいと思っていても思い通りに働けないこともあるので、事前に求人情報をよく確認しておくとよいでしょう。
5.派遣介護ヘルパーに向いている人の特徴
メリット・デメリットを見ても「自分に向いているか分からない」と悩んでしまう人もいるでしょう。
派遣介護ヘルパーとして働くことをおすすめできる人は、以下のような人です。
- 初任者研修の資格を持っている
- 子育てや勉強など、仕事よりも優先したいことがある
- 高時給・高日給で効率よく働きたい
- 職場の人間関係はドライ・ビジネスライクでいたい
- 求人の多いエリアで働きたい
このように、プライベートと両立させて働きたい人や、空いた時間に効率よく働きたい人に向いています。
また、派遣に限らず介護ヘルパーになるなら、「介護職員初任者研修」の資格は取っておくべきです。
初任者研修を持っていない人は、訪問介護での身体介護ができません。
まれに、資格なしでもできる仕事を与えてくれる事業所もありますが、幅広い業務を任せられる資格保有者に来て欲しい、と考える事業所が多いです。
即戦力として訪問介護の現場で働ける状態で、派遣登録することが望ましいといえます。
6.派遣介護ヘルパーとして働くときの注意点
もし、ここまで読んで「派遣介護ヘルパーとして働きたい」と思っていても、少し待ってください。
派遣介護ヘルパーになる前に、知っておきたい注意点が2つあります。
- 派遣先が変わると1から人間関係を築き上げなければならない
- トラブルがあると派遣紹介を行ってもらえない
それぞれ確認して、納得してから働き始めましょう。
派遣先が変わると1から人間関係を築き上げなければならない
職場が短期間で変わる派遣介護ヘルパーは、派遣先が変わるごとに人間関係を築き上げていかなければなりません。
すでに出来上がった人間関係のなかに飛び込んでいくことは、意外と勇気がいるものです。
「仕事さえしていればよい」と考える人もいますが、ある程度の信頼関係を築かなければ仕事も円滑に進められないでしょう。
なかには「すぐにいなくなってしまう人」という扱いをされて、あまり仲良くしてもらえないこともあります。
せっかく馴染めたと思ったら、3ヶ月や6ヶ月、長くても3年で他の職場へ移ることに。
このように派遣先が頻繁に変わることで、人間関係を1から築きあげていかなければならないことを念頭に置いておきましょう。
トラブルがあると派遣紹介を行ってもらえない
万が一派遣先でトラブルがあると、契約を切られたり派遣紹介を行ってもらえなかったりするので注意しなければなりません。
正社員であれば、基本的に「クビ」にはできないため、上司や責任者がトラブル解決のために尽力してくれるでしょう。
しかし、派遣介護ヘルパーが利用者や同僚とのトラブルを起こしてしまうと、「代わりの人を派遣して欲しい」という要望を出されてしまいます。
トラブルの度合いによっては、他の事業所も紹介できないと言われてしまう恐れもあります。
そのため、正社員以上に気を使って仕事をしなければなりません。
しかし、遅刻や欠勤が多い、契約期間中に退職するなど、よほどのことがない限りは、派遣紹介を行ってもらえるので安心しましょう。
もし派遣紹介を行ってもらえなくなったら、ほかの介護派遣会社に登録することで新たな仕事を見つけられます。
7.派遣介護ヘルパーになるには派遣会社に登録しよう
ここまで読んで「派遣介護ヘルパーとして働きたい」と思ったのであれば、介護職を扱う派遣会社に登録しましょう。
派遣会社に登録後、希望の職場や条件のなかからコーディネーターが職場を紹介してくれます。
よい条件で働けるかどうかは派遣会社の持っている求人情報に左右されるため、登録する派遣会社は慎重に選ぶべきです。
選ぶポイントは、3つあります。
- 介護職に特化した派遣会社を選ぶ
- サポート体制が充実している
- コーディネーターが誠実な対応をしてくれる
しっかり確認して、「働きやすい」と感じる職場を紹介してくれる派遣会社を選びましょう。
介護職に特化した派遣会社を選ぶ
まずは、介護職に特化した派遣会社を選びましょう。
なぜなら、介護業界の求人を数多く取り扱っているからです。
小さな事業所の求人も取り扱っていることが多く、職場の選択肢が豊富になります。
「時給・自宅からの近さ・スキル」などを検討できるので、より自分に合う職場探しができるはずです。
また、介護職に特化した派遣会社では資格の補助をしているケースが多いです。
とくにスキルアップを考えている人は、介護職特化型の派遣会社を選びましょう。
サポート体制が充実している
つづいて、サポート体制が充実している派遣会社を選びましょう。
なぜなら、仕事をするうえで困ったときに頼りにできるからです。
サポートにもさまざまな内容がありますが、以下のようなサポートを行っている派遣会社は多いです。
- 未経験者に対する研修
- 面接のアドバイス
- 求人探しのお手伝いや条件の交渉
- 勤務中の相談・フォロー
登録前に公式サイトを見たり、説明会で質問をしたりして、サポート体制を確認しておきましょう。
コーディネーターが誠実な対応をしてくれる
コーディネーターが誠実な対応をしてくれるかも重視しましょう。
なぜなら、あなたの派遣先を選んで紹介してくれるのは担当のコーディネーターだからです。
もちろん、派遣後の悩みも担当コーディネーターに相談します。
親身に話を聞いてくれるか、伝えた内容を分かってくれているかを確認しましょう。
誠実な対応をしてくれるコーディネーターであれば、求人紹介や勤務中のフォローも期待できます。
逆に、メールの返信が遅かったり、話し方や接し方が不快な人は担当から外れてもらいましょう。
まずは、第一印象がよければ派遣登録をして、その後カウンセリングの態度や紹介してくれる内容を見て信頼できるコーディネーターであるかを見極めます。
もちろん、不誠実な対応が見られたら担当の変更を申し出ることも可能です。
大事な仕事のことなので、遠慮せず要望を伝えましょう。
▼登録制の訪問介護なら登録ヘルパーという働き方もあります。下記リンクもご参考ください。
まとめ:ライフスタイルを考えるなら派遣の介護ヘルパーはおすすめ!
派遣介護ヘルパーの魅力は、好きなときに好きなだけ働けることです。
1つの事業所に縛られず、自由な働き方ができます。
時給や日給も高いので、効率よく稼ぎたい人にもおすすめです。
一方で、利用者さんと長い付き合いができなかったり、安定した雇用が約束されないというデメリットもあります。
メリット・デメリットの両面を見て、派遣介護ヘルパーとして働くかを検討すべきです。
もし、派遣介護ヘルパーとして働くことを決めたのであれば、派遣会社に登録をして求人紹介をしてもらいましょう。
子育てや勉強など、ライフスタイルに合わせた働き方のできる派遣介護ヘルパーになって、今までの経験やスキルを存分に発揮してくださいね。