【泊まり込み可】介護ヘルパーによる夜間対応型訪問介護の内容を解説
「急用で家を空けたいけど、夜間に両親と離れて大丈夫かな?」
「介護ヘルパーが泊まり込んでくれるサービスはないかな?」
訪問介護サービスを利用するうえで、夜間の見守りや介護をお願いしたくなることがあると思います。
夜間に訪問介護をお願いするには、「夜間対応型訪問介護」がおすすめです。
今回「みーつけあ」では、泊まり込みOKの夜間対応型訪問介護について、費用やサービス内容も含めて紹介します。
夜間に介護ヘルパーを呼べるという選択肢があれば、身体的・精神的な負担を軽減できますよ。
【泊まり込みOK】介護ヘルパーによる夜間対応型訪問介護とは
夜間対応型訪問介護とは、夜間に行われる訪問介護サービスです。
日中では対応できないニーズに応えるべく、2006年4月より地域密着型サービスの一環として始まりました。
夜間に利用者の自宅へ訪問して、定期的に見守りや介助を行うサービスとなっています。
夜間対応型訪問介護のサービス内容
ここからはより詳しく「夜間対応型訪問介護のサービス内容」について紹介していきます。
夜間対応型訪問介護のサービス内容は、大きく分けて以下の3種類です。
- 定期巡回サービス…夜間に利用者宅を訪問し、定期的に巡回。見守りや介助を行う
- 随時対応サービス…オペレーターを介して連絡をとり、介護ヘルパーや救急車につなぐ
- オペレーションセンターサービス…利用者300人に対して1箇所設置されている。利用者の持つケアコール端末等から連絡を受け、介護ヘルパーを派遣する
随時対応サービス・オペレーションセンターサービスでは、必要なときに「ケアコール端末」を使用して、介護ヘルパーを呼び出すことができます。
夜間でもオペレーターや介護ヘルパーへ連絡できるのが、通常の訪問介護サービスとの違いです。
夜間対応型訪問介護の費用目安
夜間対応型訪問介護の費用は、「オペレーションセンターの有無」によって異なります。
具体的な費用目安は以下のとおりです。
①オペレーションセンターがある場合
区分 | 負担額 |
---|---|
月額基本料 | 1,013円 |
定期巡回サービス費(1回につき) | 379円 |
随時訪問サービス費(ヘルパー1人・1回につき) | 578円 |
随時対応サービス費(ヘルパー2人・1回につき) | 778円 |
参考:夜間対応型訪問介護|厚生労働省
※2021年6月のデータ。
②オペレーションセンターがない場合
区分 | 負担額 |
---|---|
月額基本料 | 2,751円 |
参考:夜間対応型訪問介護|厚生労働省
※2021年6月のデータ。
基本料に加えて、定期巡回や随時対応などのサービス内容・人数によって追加費用がかかります。
また、各種費用は「利用者の人数」「介護職員処遇改善加算手当の有無」などによって変動します。
具体的な費用を知りたい場合は、各事業所に問い合わせましょう。
【泊まり込み可】介護ヘルパーによる夜間対応型訪問介護のメリット
ここからは、夜間対応型訪問介護の利用を検討できるように、メリット・デメリットを紹介していきます。
まず夜間対応型訪問介護のメリットは、以下の3つです。
- 家族の介護負担を軽減
- 夜間の緊急時にも連絡可
- 1人暮らしの高齢者でも安心
「夜間に連絡すれば介護ヘルパーが駆けつけてくれる」というのは、利用者はもちろん、家族にとっても安心です。
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
メリット1.家族の介護負担を軽減
1つ目のメリットは、「家族の介護負担を軽減できること」です。
介護ヘルパーが泊まり込みで介護してくれるので、途中で起きたり、週末に両親の自宅へ通ったりする必要がなくなります。
また、移乗介助やおむつ交換などによる「腰痛」のリスクを軽減できるのもメリットです。
メリット2.夜間の緊急時にも連絡可
2つ目のメリットは、「夜間の緊急時にも連絡できること」です。
- ベッドから転落した
- トイレへの移動中に転んだ
- 病状が悪化した
夜間の緊急事態は対処が難しく、遠方の家族を心配する人が多いのではないでしょうか。
「オペレーターに連絡すれば、すぐ介護ヘルパーが来てくれる」という状態は、安心感に繋がります。
メリット3.1人暮らしの高齢者でも安心
3つ目のメリットは、「1人暮らしの高齢者でも安心できる」というものです。
定期的な巡回があれば、日常生活で困ったことがあっても、安心して介護ヘルパーに任せられます。
また、遠方に住む家族への連絡がスムーズになるのもメリットです。
【泊まり込み可】介護ヘルパーによる夜間対応型訪問介護のデメリット
夜間対応型訪問介護は、家族の負担を軽減できるメリットが多いです。
しかし、デメリットもあることを忘れてはいけません。
夜間対応型訪問介護のデメリットは、以下の3つです。
- 日中の訪問介護より費用が高い
- 夜間サービスを提供しているか確認必須
- サービス提供時間に制限がある
通常の訪問介護とは、仕様が異なる場合があります。
それぞれデメリットについても、理解しておきましょう。
デメリット1.日中の訪問介護より費用が高い
デメリット1つ目は、「日中の訪問介護より費用が高くなること」です。
夜間対応型訪問介護では、基本料に加えて「1回につきいくら」という計算をします。さらに、日中の訪問介護における生活援助と比べて、費用は高いです。
また介護保険は、1か月に利用できる限度額が決まっています。
必要なサービスを使えなくなることのないよう、バランスに注意しましょう。
デメリット2.夜間サービスを提供しているか確認必須
デメリット2つ目は、「事業所が夜間サービスを提供しているか確認する必要がある」というものです。
訪問介護事業所によっては、夜間対応型訪問介護を取り入れていない可能性があります。
そのため事業所に確認して、夜間対応を行っていない場合はケアマネジャーに相談する手間がかかります。
デメリット3.サービス提供時間に制限がある
デメリット3つ目は、「サービス提供時間に制限がある」というものです。
夜間対応型訪問介護は、原則的に「朝の8時まで」がサービス提供時間となっています。
そのため9時以降まで利用したい場合は、通常の訪問介護サービスと重なるのです。
ケアマネジャーに相談して、ケアプランを調整しましょう。
夜間対応型訪問介護の利用条件
夜間対応型訪問介護には、通常の訪問介護サービスと同様に利用条件があります。
基本となる条件は以下の2つです。
- 要介護1~5の認定を受けた
- 利用する事業所と同一の市区町村に住んでいる(※)
※保険料を支払う人の同意があれば、同一の市区町村でなくとも利用できることがあります。
夜間対応型訪問介護を利用するには、「要介護1~5」の認定が必要であり、自立・要支援1~2の人は利用できません。
また以下の施設に入所している場合も、夜間対応型訪問介護を利用できないので注意しましょう。
- 有料老人ホーム等の特定施設
- ショートステイ
- グループホーム
- (看護)小規模多機能型居宅介護
- 定期巡回・随時対応型訪問看護
自分や家族が利用条件を満たしているか不安な場合は、地域包括支援センターの窓口か、事業所に相談するのがおすすめです。
夜間対応型訪問介護の利用手順とは?
夜間対応型訪問介護の利用手順は、以下のとおりです。
- ケアマネジャーに相談
- ケアプランに夜間対応型訪問介護の利用を含める
- 事業者と契約
- サービス利用開始
- モニタリング(評価)
まずはケアマネジャーに相談して、夜間対応型訪問介護が必要かどうかを検討します。
必要と判断された場合は、ケアプラン作成やサービス契約に移ります。
契約後は、「サービスが効果的に機能しているか」「継続的に利用するべきか」などをモニタリングしていく流れです。
夜間対応型訪問介護のよくある質問
ここからは「夜間対応型訪問介護のよくある質問」に回答していきます。
- 利用できる時間はどれくらい?
- どのような人が利用するべき?
- 「夜間対応型訪問看護」との違いは?
不安や疑問を残したまま選択肢を減らすことのないように、詳しくみていきましょう。
Q1.利用できる時間はどれくらい?
A. 夜間対応型訪問介護の利用時間は、18:00~8:00の間で設定されます。
多くの介護施設では夜間を「22:00~6:00」としていますが、夜間対応型訪問介護はそれよりも広く利用時間をとっていることが多いです。
なお、朝8:00~18:00を夜間サービスとして扱うことはできず、通常の訪問介護として扱われます。
Q2.どのような人が利用するべき?
A. 夜間対応型訪問介護の利用は、以下のような人におすすめします。
- 夜間にトイレに行きたくなる
- 夜中に徘徊するため家を空けるのが心配
- 深夜にベッドから転落してしまった
- 遠方に住む母親(父親)が1人暮らしなので心配
夜間でのトラブルが多い人や、介助者が家を空けることが多い場合に向いているサービスです。
Q3.夜間対応型訪問看護との違いは?
A. 夜間対応型訪問看護は、正式名称を「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」といいます。
夜間限定の夜間対応型訪問介護と違い、24時間対応可能なのが夜間対応型訪問看護のメリットです。
また夜間対応型訪問看護は費用が「月額固定」となっています。要介護度によって変化し、費用目安は5,000~3万円ほどです。
なお、夜間対応型訪問介護との併用はできないため、利用を検討する際は注意しましょう。
まとめ
介護ヘルパーが泊まり込みでサービスを提供してくれる「夜間対応型訪問介護」があれば、夜間に安心して過ごせます。
利用者・介助者の負担を大きく軽減できるので、契約している事業所が利用可能かどうか確認してみましょう。