介護ヘルパーの資格難易度は低い?介護職員初任者研修の合格率について
「介護職員初任者研修って、難易度や合格率はどれくらいなのだろう?」
「資格の取り方や費用も知りたい」
これから介護ヘルパーの資格を取得したい人にとっては、介護職員初任者研修の難易度や合格率が気になりますよね。
介護の入門資格とも言える「介護職員初任者研修」の難易度は、決して高くありません。
しかし、資格を取得するには国が定めた講習を受けて、試験に合格する必要があります。
今回「みーつけあ」では、介護職員初任者研修の難易度や合格率について、資格の取り方や費用を踏まえて紹介します。
介護職員初任者研修の不安や悩みを解決させて、資格の取得を目指しましょう。
1.介護ヘルパーの資格(介護職員初任者研修)の難易度は低い?
結論として、介護職員初任者研修の取得難易度は決して高くありません。
授業を真面目に受けて、しっかり内容を理解していれば、誰でも合格ができると言われています。
では、介護職員初任者研修はどのような内容となっているのでしょうか。
まず始めに、以下の内容について紹介します。
- 介護職員初任者研修の内容
- 介護職員初任者研修の合格率
- 介護職員初任者研修に必要な準備
介護職員初任者研修の基本情報を理解すれば、安心して資格の取得を目指せるでしょう。
(1)介護職員初任者研修の内容
「介護職員初任者研修」は、10項目のカリキュラムを受講して、修了試験に合格することで取得できます。
研修内容は、以下のとおりです。
1.職務の理解 | 6時間 |
2.介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
3.介護の基本 | 6時間 |
4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
5.介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
6.老化の理解 | 6時間 |
7.認知症の理解 | 6時間 |
8.障害の理解 | 3時間 |
9.こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
10.振り返り | 4時間 |
合計 | 130時間 |
---|
試験内容は、各スクールによってさまざまです。
一般的には「選択問題が30問、記述問題が2問」となるので、目安として覚えておきましょう。
介護職員初任者研修の合格率
介護職員初任者研修の合格率は、非公開となっています。
そのため、明確な割合は明かされていないのが事実です。
「せめて、本当に合格率が高いのかを知りたい」という人のために、SNS上でいくつか口コミを調べてみました。
すると、「介護職員初任者研修に落ちた」という口コミは、2件しか見当たりませんでした。
そのうちの1件は、追試によって結果的には合格しています。
ただし、難易度が低いとはいえ、資格を取るのは大変なことです。
講習で学んだ内容を実践で活かせるように、しっかりと学びましょう。
介護職員初任者研修に必要な準備やポイント
資格を取得するのであれば、なるべく一発で合格したいですよね。
介護職員初任者研修を受講するのであれば、「授業、課題、試験」に向けて、しっかりと準備を整えましょう。
それぞれの準備やポイントについて、以下のようにまとめました。
・授業の準備・ポイント
- 分からないことは質問をして理解する。
- 講義中の重要ポイントは必ずメモを取る。
- 授業は真面目に受ける。
・課題の準備・ポイント
- 課題レポートは必ず提出する。
- 返却された課題の内容を改めて見直す。
・試験の準備・ポイント
- 講義内容の復習する。
- 試験時間(1時間)内に全ての問題を解答する。
- 分からない問題は後回しにして、時間を有効活用する。
- どうしても分からない問題は、明らかに間違っている答えを除外して考える。
講義中に強調されたポイントは、試験内容として反映されやすいです。
授業を真面目に受けることが、一発合格への近道と言えるでしょう。
2.介護ヘルパーの資格(介護職員初任者研修)の取り方
「そもそも、介護職員初任者研修ってどのように取得するの?」
初めて介護ヘルパーの資格取得に挑戦する人は、資格の取り方についても理解しておきたいですよね。
介護職員初任者研修の受講方法は、「通学と通信」もしくは「完全通学」の2種類です。
つまり、通信通学だけで取得することはできません。実技と実習のみ、必ず通学する必要があります。
また、介護職員初任者研修の講習時間は、全部で130時間です。
そのうち、最低でも89.5時間は通学しなければいけません。
科目ごとによる通信学習の上限時間は、以下の表を参考にしてください。
科目 | 通信で実施できる上限時間 | 合計時間 |
---|---|---|
1. 職務の理解 | 0時間 | 6時間 |
2.介護における尊厳の保持・自立支援 | 7.5時間 | 9時間 |
3.介護の基本 | 3時間 | 6時間 |
4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 7.5時間 | 9時間 |
5.介護におけるコミュニケーション技術 | 3時間 | 6時間 |
6.老化の理解 | 3時間 | 6時間 |
7.認知症の理解 | 3時間 | 6時間 |
8.障害の理解 | 1.5時間 | 3時間 |
9.こころとからだのしくみと生活支援技術 | 12時間 | 75時間 |
10.振り返り | 0時間 | 4時間 |
合計 | 40.5時間 | 130時間 |
どのスクールにおいても、必ず通学による授業と実習があります。
「通信だけでは、介護職員初任者研修は取得できない」ということを、覚えておきましょう。
▼介護ヘルパーの通信学習に関する記事はこちらから。
>>介護ヘルパーの資格は通信だけで取れる?介護職員初任者研修の取り方
3.介護ヘルパーの資格|難易度よりも大変なこと
介護職員初任者研修の難易度は、決して高くありません。しかし、資格を取得すること自体は大変なことです。
なぜなら、資格を取得するには相応の時間が必要となります。
この記事では、「資格を取得するうえで大変なこと」について、以下の2点をピックアップしました。
- 講習をこなすのは大変なこと
- 仕事と講習を両立させなければいけない
それぞれについて、詳しく紹介します。
(1)講習をこなすのは大変なこと
講習と聞くと、「講師の話を聞いて内容を覚える」といった雰囲気を想像する人が多くはないでしょうか。
しかし、介護職員初任者研修には「実技演習」があります。
慣れないうちは、体位変換や移動介助といった実技で体が疲れ切ってしまうかもしれません。
体力に自信がない人や、力が強くない人にとっては、想像以上に難しさを感じることもあるでしょう。
もちろん、介護の現場で活躍している人のなかには小柄な女性もおり、慣れれば体の負担を最小限にして介護を行えるようになります。
取得難易度が低くても、講習をこなすこと自体は大変なことだと覚えておきましょう。
(2)仕事と講習を両立させなければいけない
資格取得を目指す人のなかには、仕事をしながらスクールに通う予定の人もいるでしょう。
介護職員初任者研修を取得できるスクールは、平日コースや土曜コースといったように、ライフスタイルに合わせて資格を取得できるシステムになっています。
しかし、実際にはプライベートの時間を削ることになるため、モチベーションを維持し続けるのは大変です。
少しでも講習によるストレスを軽減させたいのであれば、同じクラスの受講生と交流を図るようにしましょう。
相談相手になったり、一緒に食事をしたりできる仲間がいれば、スクールに通うモチベーションを維持しやすくなりますよ。
4.介護ヘルパーの資格(介護職員初任者研修)にかかる費用
「介護職員初任者研修にかかる費用はどれくらいなのだろう?」
介護ヘルパーの資格を取得するのであれば、費用が気になる人も多いのではないでしょうか。
介護職員初任者研修にかかる費用は、無料から10万円前後と大きな差があります。
なぜなら、取得する場所や状況によって、待遇が異なるからです。
たとえば、介護ヘルパーとして働きながら資格を取得する場合、事業所が介護職員初任者研修の受講料の一部を負担してくれる場合があります。
ハローワークの職業訓練であれば、訓練受講の要件を満たすことで、テキスト代以外の費用は無料です。
ただし、「安ければよい」というわけではなく、スクールによって受講内容や契約内容は異なります。
事前に下調べをしたり、口コミを確認したりと、内容を把握しておきましょう。
▼ハローワークで資格の取得を検討している人は、以下の記事もご参考ください。
>>介護ヘルパーの資格「介護職員初任者研修」をハローワークで取得するには?
介護ヘルパーの給料について
介護職員初任者研修を取得した場合の、給料についても把握しておきましょう。
厚生労働省の「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員初任者研修の平均給与額は、301,210円です。
2019年2月は285,800円となっており、15,410円増加しています。
また、無資格者の平均給与額は275,920円です。介護職員初任者研修の資格を取得するだけでも、25,290円も給料が増加していることが分かります。
給料を底上げしたいのであれば、資格の取得は必須です。
更に上位資格となる「実務者研修」や「介護福祉士」を取得すれば、さらなる給料アップが期待できるでしょう。
▼介護ヘルパーの給料に関する記事はこちらから。
>>介護ヘルパーの給料相場はいくら?収入を上げる方法や介護報酬改定も解説!
5.介護ヘルパーの資格(介護職員初任者研修)によくある質問
最後に、介護ヘルパーの資格(介護職員初任者研修)について、よくある質問を紹介します。
この記事では、以下のような質問をまとめてみました。
- スクール選びのコツはある?
- 介護職員初任者研修には再試験や追試はある?
- 介護職員初任者研修を取得すると何ができるの?
このような悩みを解決させて、介護職員初任者研修の不安要素を減らしましょう。
Q1.スクール選びのコツはある?
A.スクールは、通いやすい場所を選ぶようにしましょう。
仕事帰りに通うのであれば職場の近くにあるスクールを選び、自宅から通うのであれば自宅近辺のスクールを選ぶことをおすすめします。
なぜなら、スクールが遠くなるほど通うのが面倒になってしまうからです。
途中で投げ出さないためにも、できる限り通いやすい場所を探してください。
また、スクールの雰囲気が自分に合うかどうかも、重要なポイントとなります。
スクールによっては、無料の説明会を行っている場合があるので、積極的に参加して判断しましょう。
Q2.介護職員初任者研修には再試験や追試はある?
A.介護職員初任者研修は、何度でも試験を受けることが可能です。
介護職員初任者研修は、合格率こそ明かされていませんが「ほぼ100%合格できる」と言われています。
おそらく、途中で諦めない限りは、再試験や追試によって合格できるからではないでしょうか。
ただし、スクールによっては数千円の追加料金が発生することもあります。
一発で合格できるに越したことはありませんので、講習内容をしっかり復習して試験に挑みましょう。
Q3.介護職員初任者研修を取得すると何ができるの?
A.介護職員初任者研修があれば、訪問介護の仕事ができます。
介護ヘルパー(訪問介護員)は、要介護者の自宅を訪問して「生活援助、身体介護」を提供する仕事です。
無資格でも「介護助手職」として働くことは可能ですが、要介護者の体に触れて行う「身体介護」はできません。
また、資格を取得することで資格手当がもらえる場合もあります。
キャリアアップを目指したいのであれば、「実務者研修、介護福祉士」といった資格の取得を目指すことも可能です。
より深く介護業界に携わっていきたい人は、挑戦してみてはいかがでしょうか。
▼介護ヘルパーの資格についてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
>>介護ヘルパーの資格とは?初任者研修・実務者研修との違いや内容を解説
介護職員初任者研修を取得して訪問介護で活躍しよう!
介護ヘルパーの入門資格とも言える「介護職員初任者研修」は、難易度が低いので誰でも取得ができます。
ただし、130時間ものカリキュラムをこなすのは決して簡単なことではありません。
途中で投げ出さないためにも、スクール選びやモチベーションの維持には気を使いましょう。
介護職員初任者研修を一発で合格して、気持ちよく訪問介護の現場で活躍してください。