介護ヘルパーを毎日呼ぶことは可能?【利用限度額や回数制限を解説】
「仕事が忙しくなったので、家族の介護を毎日お願いしたい」
「生活に不安があるので、毎日訪問サービスを利用したい」
「介護を毎日介護ヘルパーにお願いしたい」と考える人は多いですよね。
介護ヘルパーに毎日サービスを頼むには、利用限度額や回数制限に注意が必要です。
今回「みーつけあ」では、「要介護度ごとの利用限度額」と「生活援助サービスの回数制限」について解説していきます。
訪問介護サービスの仕組みを理解すれば、毎日の介護負担を減らす方法が分かりますよ。
介護ヘルパーを毎日呼ぶことは可能?
介護ヘルパーの訪問介護サービスを、毎日利用することは可能です。
介護保険サービスは、要支援・要介護度ごとに1か月の利用限度額が定められています。
利用限度額を超えない範囲であれば、毎日でも利用可能です。
ただし、最終的には「毎日の介助が必要不可欠」「在宅を強く希望している」などの状況を考慮して、ケアマネジャーが決定するので注意しましょう。
要支援・要介護度別の利用限度額
要支援・要介護度別の利用限度額は、以下のとおりです。
【要支援】
区分 | 単位数 |
要支援1 | 5,032単位(およそ50,320円) |
要支援2 | 10,531単位(およそ105,310円) |
【要介護】
区分 | 単位数 |
要介護1 | 16,765単位(およそ167,650円) |
要介護2 | 19,705単位(およそ197,050円) |
要介護3 | 27,048単位(およそ270,480円) |
要介護4 | 30,938単位(およそ309,380円) |
要介護5 | 36,217単位(およそ362,170円) |
参考:堺市「令和元年10月からの介護保険サービスの利用限度(区分支給限度額)の改定・報酬改定について」
要支援・要介護ともに、段階が上がるにつれて利用限度額がアップします。
・平成30年度から生活援助サービスに回数制限が設けられることに
厚生労働大臣により、平成30年度から生活援助中心型サービスに回数制限がつきました。
必要範囲を超えた利用をする人が多くなり、回数制限が設けられています。
回数制限の一覧は以下のとおりです。
要介護1 | 27回 |
要介護2 | 34回 |
要介護3 | 43回 |
要介護4 | 38回 |
要介護5 | 31回 |
参考:厚生労働省「『厚生労働大臣が定める回数及び訪問介護』の公布について」
「要介護1」は27回が限度であることから、毎日の利用は難しいことが分かります。
介護ヘルパーサービスの料金について
介護保険法により、訪問介護サービスの料金は以下のように定められています。
サービス内容 | 項目 | 単位数 | 1単位10円としたときの費用目安 |
身体01 | 20分未満の身体介護 | 167単位 | 1,670円 |
身体1 | 20分以上30分未満の身体介護 | 250単位 | 2,500円 |
身体2 | 30分以上1時間未満の身体介護 | 396単位 | 3,960円 |
身体3 | 1時間以上1時間半未満の身体介護 | 579単位 | 5,790円 |
身体4 | 1時間半以上2時間未満の身体介護 | 663単位 | 6,630円 |
生活援助2 | 20分以上45分未満 | 183単位 | 1,830円 |
生活援助3 | 45分以上 | 225単位 | 2,250円 |
通院等乗降介助 | 1回につき | 99単位 | 990円 |
「サービスの種類」「利用時間」により、1回の料金および自己負担額が決まります。
毎日サービスを利用したい場合は、細かく料金をチェックすることが重要です。
▼料金に関する記事はこちらから。
>>訪問ヘルパーの利用料金はいくらかかるの?費用や利用方法を解説!
ホームヘルパーに来てもらうには?
訪問介護サービスを利用するまでの流れを見ていきます。
具体的な流れは、以下のとおりです。
- 市区町村の窓口で要介護認定の申請をする
- 調査員の訪問および面談
- 一次判定、二次判定を経て要介護度・要支援度を判定
- 介護(介護予防)サービス計画書を作成
- 訪問介護事業所と契約
- サービス利用の開始
- モニタリング
一次判定はコンピューター、二次判定は「介護認定審査会」という専門職の集まりによって行われるものです。
認定後は、ケアマネジャーを中心に介護計画を立てます。またサービスが開始されてからも、定期的に問題がないかモニタリングを実施します。
「毎日介護サービスを利用したい」という希望がある場合は、ケアマネジャーに相談してみましょう。
▼さらに詳しく知りたい人は、以下の記事もご参考ください。
>>介護ヘルパーを依頼するまでの流れとは?各サービスの料金や種類についても紹介
介護ヘルパーを毎日呼びたいなら「自費サービス」を利用しよう
訪問介護の自費サービスを利用すれば、介護保険適用外のサービスを受けられます。
たとえば、「窓ふき」「ペットの散歩」などは、通常の訪問介護では利用できません。
そうした介護保険適用外のニーズを満たすうえで、自費サービスの利用は有効です。
この記事では、自費サービスの料金目安について紹介します。
自費サービスの料金目安
自費サービスの料金は、「1時間いくら」と設定している事業所が多いです。
具体的な料金目安は、1時間で2,000~2,500円ほどになります。
「夜間もお願いしたい」といった希望があれば、利用料に加算することで利用可能です。
利用料は地域や事業所ごとに異なるため、HPを参照しながら比較検討しましょう。
▼自費サービスに関する記事はこちらから。
>>【介護保険外】訪問ヘルパーの自費サービスとは?料金や内容を徹底解説!
介護ヘルパーを毎日呼ぶなら「施設介護」の検討もあり
訪問介護を毎日利用するやり方や、費用について理解できたでしょうか。
なかには、「訪問以外の方法で、毎日介護サービスを利用したい」という人もいるでしょう。
そこでここからは、「施設介護のメリット・デメリット」を紹介していきます。
施設介護のメリット・デメリットを理解することで、常時介護負担を減らす方法がわかりますよ。
施設介護のメリット
施設介護のメリットは、以下の3つです。
- 介護のプロが複数人で介助してくれる
- 家族等の介護負担を軽減できる
- 他利用者や職員と交流できる
自宅でマンツーマンの介護を行う訪問介護と、複数人で生活する施設介護はメリットが異なります。
それぞれのメリットについて理解を深めて、介護の選択肢を増やしましょう。
メリット1.介護のプロが複数人で介助してくれる
施設介護のメリット1つ目は、「複数人で介助してくれること」です。
介護施設は「介護福祉士」「介護職員初任者研修」といった介護資格を持つ職員が在籍しています。
認知症の理解がある職員が複数人おり、施設によっては看護師等の「医療知識がある職員」も在籍しています。
介助者の人数が多いため、緊急時の対応も安心できますよ。
メリット2.家族等の介護負担を軽減できる
施設介護のメリット2つ目は、「家族等の介護負担を軽減できること」です。
介護施設では24時間・365日介護職員が常駐して、介護サービスを提供しています。
大幅に身体面・精神面の負担を減らせることがメリットです。
メリット3.他利用者や職員と交流できる
施設介護のメリット3つ目は、「交流機会が多いこと」です。
介護施設は集団生活を送っており、共同スペースにて他利用者と話す機会は増えます。
またレクリエーション等の交流機会も設けられているため、コミュニケーションをとる頻度は多いです。
コミュニケーションの機会を増やし、認知機能の予防・改善に役立てましょう。
施設介護のデメリット
続いて施設介護のデメリットは以下の3つです。
- 料金が高い
- 集団生活が苦手だとストレスが大きい
- 施設の種類が多いため選ぶのが難しい
施設介護は基本料に加えて「入居費」がかかります。
他にも集団生活を送ることが求められるので、向き不向きが分かれやすいです。
そうした訪問介護との違いを理解して、求める生活に近づけるサービスを選択できるようにしましょう。
デメリット1.料金が高い
施設介護のデメリット1つ目は、「料金が高いこと」です。
厚生労働省「介護サービス概算料金の資産」を用いた、訪問介護と施設介護の比較結果は以下のとおりです。
【在宅介護の場合】
【施設介護の場合】
参考:概算料金の試算 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
料金のシミュレーションは、以下の条件で行っています。
- 在宅介護…訪問介護15回、通所介護15回
- 施設介護…特別養護老人ホーム
- 双方とも要介護3を想定
在宅介護と施設介護の料金は、1か月でおよそ7万円もの差が生じました。
施設介護は「入居一時金」といった費用がかかる場合が多く、経済的負担は大きくなりやすいです。
デメリット2.集団生活が苦手だとストレスが大きい
施設介護のデメリット2つ目は、「集団生活によるストレス」です。
施設には、同じく入居している利用者が複数人います。性別や要介護度はバラバラであり、全員と相性が合うとは限りません。
また1人が好きな利用者の場合、集団で生活すること自体がストレスとなる可能性もあります。
認知機能の低下に繋がってしまうので、性格や普段の生活を考慮して選ぶようにしましょう。
デメリット3.施設の種類が多いため選ぶのが難しい
施設介護のデメリット3つ目は、「施設を選ぶのが難しい」というものです。
介護施設は公的サービス・民間サービスの2つに分けられます。そのなかでも「終身利用できる施設」「看護師が常駐している施設」など、特徴はさまざまです。
加えて施設ごとの特徴があるため、1つに絞る難易度は高いといえます。
ケアマネージャーや医師に相談しながら、「自分・家族の求める生活に近づける施設」を選ぶことが重要です。
まとめ【介護ヘルパーを毎日呼ぶのは難しいが可能】
介護ヘルパーを毎日呼ぶ際は、「要介護度ごとの利用限度額」「回数制限」に注意してください。
要支援・要介護度や各人の状況によって、訪問介護を毎日利用ができるか判断されます。
また「自費サービス」を利用すれば、限度額や回数制限を気にせずサービスを受けられます。
まずはケアマネジャーに相談すると共に、24時間365日介護してくれる「介護施設」の情報収集も進めていきましょう。