介護ヘルパー2級は入門資格!資格取得方法や費用について徹底解説
「介護ヘルパー2級は入門資格というけれど、どのような資格なの?」
「資格の難易度や費用について知りたい」
介護士として働きたいと思っていても、初めに取るべき資格が介護ヘルパー2級なのか不安になりますよね。
じつは、介護ヘルパー2級は入門資格と言われており、介護ヘルパーとして働くためには初めに取るべき資格です。
今回「みーつけあ」では、介護ヘルパー2級という資格について、取得方法や費用も含めて紹介します。
介護ヘルパー2級を理解して、介護士として働く準備をしましょう。
1.介護ヘルパー2級は入門資格
介護ヘルパー2級は、介護の仕事をするうえで必要な入門資格です。
なぜ、入門資格と位置づけられているのでしょうか。理由を以下2点に分けて解説していきます。
- 介護ヘルパー2級とは?
- 正式名称は「介護職員初任者研修」
介護ヘルパー2級は、制度の変更に伴い名称が変更され、「介護職員初任者研修」となりました。
いつ変更されたのか、これからどうしたらよいのか知るために、それぞれ順番に確認していきましょう。
介護ヘルパー2級とは?
介護ヘルパー2級の資格は、介護に必要な知識や技術を習得するための資格です。
無資格から取得することができ、業務の理解から利用者さんの身体状況など、基礎的な介護知識を学ぶことができます。
介護士の仕事内容は主に入浴や食事、排泄の介助などで、専門の知識や技術がなければ難しいものです。
正しい知識がなければ、利用者にケガをさせてしまうリスクもあります。
入門資格である介護ヘルパー2級は、知識を基礎から学ぶことができる入門資格です。
正式名称は「介護職員初任者研修」
介護ヘルパー2級という名称は、2013年に廃止され、現在は正式名称「介護職員初任者研修」に変更されています。
名称は変わりましたが、介護ヘルパー2級と同等級の資格であるため、「介護ヘルパー2級を今から取得したい」と考えているのであれば、介護職員初任者研修の取得を目指しましょう。
介護ヘルパー2級と介護職員初任者研修の違いとは?
介護ヘルパー2級と介護職員初任者研修の違いをまとめると、以下の3つとなります。
- 実習がなくなった
- 通学に必要な時間が増えた
- 修了試験が追加された
ホームヘルパー2級の取得に必要な「30時間の実習」が、介護職員初任者研修に変更されたことでなくなりました。
そのため、実際の施設や介護事業所に通う必要がなくなった代わりに、通学に必要な時間が60時間から90時間に増えています。
また、ホームヘルパー2級では、カリキュラムを修了した時点で資格が得られていましたが、試験が追加されています。
受験のようなイメージがある修了試験ですが、失敗しても何度も受けられます。
学んだことがそのまま問題として出題される形式なので、不安なときには事前に復習しておきましょう。
介護職員初任者研修で学ぶカリキュラムをまとめると以下のとおりです。
受講時間 | 130時間 |
講義(座学・通学) | 40時間 |
実技演習 | 90時間 |
実習(施設・事業所) | なし |
内容 | 介護ヘルパー、施設ヘルパーのどちらにも対応 |
修了試験 | カリキュラム修了後(受け直し可能) |
※修了試験の受け直しには費用が発生することがあります。
2.介護ヘルパー2級の資格取得方法2つ
介護ヘルパー2級の資格取得方法は、以下の2種類です。
- スクール
- 通信×スクール
スクールは、私たちが通ってきた学校と同じように、決められた時間だけ通学して学ぶ方法です。
通信×スクールは、座学を自宅で学び、実技を学校に通って学ぶ方法となります。
ライフスタイルに合わせて選ぶ必要がありますので、確認していきましょう。
方法1.スクール
まずは、スクールに通って取得する方法です。
仕事をしながら通うのは難しいと思うかもしれませんが、指定された時間帯に決められた期間だけ通う方法のため、働きながらでも取得できます。
たとえば、大きく分けると以下のように3つのコースがあります。
- 平日のみ(週1回など)
- 土日のみ(日曜のみ)
- 夜間
また、できるだけ通う期間を短くしたいなら、通う回数を増やすといった選び方もできるでしょう。
時間帯や曜日などは、各スクールによって異なります。そのため、事前にチェックしておくと選びやすいです。
自分が通いやすいコースを選んで、無理のない範囲で通ってください。
方法2.通信×️スクール
次に、スクールと通信教育を利用する方法です。
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)は実技演習も含まれているので、残念ながら通信教育だけでは取得できません。
しかし、全130時間のカリキュラムのうち、40.5時間の座学は通信教育で学べます。
すべてのカリキュラムをスクールで学ぶことが難しいのであれば、通信教育とスクールの組み合わせで資格取得を目指しましょう。
▼資格の取り方は、以下の記事も参考になります。
>>介護ヘルパーの資格の取り方について|費用や年齢制限は?
3.介護ヘルパー2級を取得できるまでの期間は?
では、介護ヘルパー2級を取得できるまでの期間はどれくらいなのでしょうか。
以下の2点について紹介します。
- 最短1ヶ月で取得可能
- カリキュラムは全130時間
介護ヘルパー2級は、1ヶ月あれば取得できる非常に取りやすい資格です。
また、カリキュラムは全130時間あり、座学と実技に分かれています。
スクールのイメージを掴みやすくなるために、それぞれ一緒に見ていきましょう。
最短1ヶ月で取得可能
介護ヘルパー2級の資格は、最短1ヶ月で取得できます。
ただし、スケジュールはある程度、詰め込まなくてはいけません。
たとえば、1週間に5日間通うスクールであれば1ヶ月で取得できるでしょう。
次項で紹介する学習時間を全て学ぶ必要があるため、無理のない範囲で学べるスクールを見つけるなら、3ヶ月ほどを目安にすることをおすすめします。
さらに、短期間で働きながらの資格を取得するなら、かなりハードなスケジュールになるでしょう。
無理して最短で取ろうとせずに、余裕を持って介護知識を習得できるペースで通うようにしてください。
カリキュラムは全130時間
資格取得に必要なカリキュラムは、全130時間あります。
カリキュラムは、以下のとおりです。
科目 | 時間 |
---|---|
1.職務の理解 | 6時間 |
2.介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
3.介護の基本 | 6時間 |
4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
5.介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
6.老化の理解 | 6時間 |
7.認知症の理解 | 6時間 |
8.障害の理解 | 3時間 |
9.こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
10.振り返り | 4時間 |
合計 | 130時間 |
130時間のうち、40.5時間は座学ですが、残りの89.5時間が実技演習となっています。
4.介護ヘルパー2級の資格は働きながらでも取れる
介護ヘルパー2級の資格は、働きながらでも取得可能です。
130時間のカリキュラムのうち、40.5時間は自宅学習ができます。
そのため、スクールに通うのが難しくても、すきま時間を利用して学習できるでしょう。
残りの約90時間はスクールに通う必要がありますが、平日もしくは土日のみ、夜間など、さまざまなコースがあります。
仕事に合わせて通いやすいスケジュールが組めるので、働きながらでも資格が取れるというわけです。
5.ヘルパー2級の資格の難易度
介護ヘルパー2級の資格の難易度について以下の3点を紹介します。
- 難易度は低い
- 試験時間は1時間
- 合格率は非公開
介護ヘルパー2級は、介護の資格のなかでは入門資格にあたります。
取得難易度は低くなっているので、キャリアアップの第一歩として最適でしょう。
ただし、介護ヘルパー2級の資格は修了試験に合格しなければなりません。
合格率は非公開ですが、試験には何度も挑戦できるため、気負いせずに挑戦することが大切です。
ここからは、より詳しく説明していきます。
難易度は低い
介護ヘルパー2級の資格は、難易度が低いと言われています。
応用問題はなく、講義内容を理解できていれば解ける問題ばかりです。
そのため、講義や実技演習で分からないことがあれば、その都度、講師に質問をして分からないところを潰していきましょう。
試験時間は1時間
試験は、1時間の筆記試験のみです。
問題数は32問と多くはありませんが、どんどん答えていかなければ制限時間に間に合わない可能性も出てきます。
コツとしては、分からない問題は飛ばして次の問題を先に解いてから、余った時間で分からないところを考えるようにしましょう。
合格率は非公開
難易度は低いと言われていますが、じつは合格率は非公開です。
理由は、ヘルパー2級は民間の資格のため、各スクールによって問題が異なるので統計が取れないからです。
しかし、ほとんどの人が合格できるようになっており、不合格でも再試験を何度でも受けられるのです。
そのため、ほとんどの人が合格できるようになっています。
6.介護ヘルパー2級の資格取得にかかる費用は?
ここからは、介護ヘルパー2級の資格取得にかかる費用について、以下の2点を紹介します。
- 平均5〜10万円
- 費用が無料になる取得方法がある
介護ヘルパー2級の取得には、約5〜10万円の費用が必要です。
ただし、スクールによって金額に差があったり、無料となる制度が利用できたりなどの違いがあります。
それぞれ、わかりやすく説明します。1つずつ見ていきましょう。
平均5〜10万円
資格取得にかかる費用は、平均5〜10万円です。
各スクールによって、資格にかかる費用が変わるので、お住まいの地域のスクールをチェックしてみましょう。
参考までに、大手スクールの費用を紹介します。
スクール名 | 費用 |
---|---|
ベネッセスタイルケア | 【東京都・埼玉県・神奈川県】60,720円 【愛知県・大阪府・兵庫県】55,000円 |
ニチイ | 88,000円 |
三幸福祉カレッジ | 87,780円 |
資格費用が高いと感じるのであれば、無料で取得できる方法があります。
以下で紹介するので、チェックしてみましょう。
費用が無料になる取得方法がある
資格費用が無料になる取得方法について紹介します。
無料になる方法は、以下の3つです。
- 資格費用を全額負担してくれる介護施設で働く
- 無料になるスクールに通う
- ハローワークの職業訓練校に通う
1つずつ紹介していきます。
資格費用を全額負担してくれる介護施設で働く
無資格の状態で、求人広告の募集要項に「資格費用全額負担」と書かれてある施設に応募しましょう。
採用後に、施設で働きながら資格取得を目指すという流れになります。
現場を経験しながら資格が取れるので、より理解も深まるでしょう。
無料になるスクールに通う
大手スクールには資格取得の支援制度があり、資格費用が無料になるスクールがあります。
条件次第で費用が無料になるうえ、就職先も決まるので、資格取得後に就職活動をする手間も省けるのは、嬉しいポイントです。
条件はスクールによって違うので、事前に確認しておきましょう。
ハローワークの職業訓練校に通う
ハローワークの職業訓練校に通えれば、資格の取得費用が無料になるうえ、条件次第では給付金がもらえる「求職者支援制度」があります。
ただし、休職中(無職中)であることが条件です。働きながら資格取得はできませんので注意しましょう。
▼更に詳しく知りたい人は、以下の記事をご参考ください。
介護ヘルパーの資格「介護職員初任者研修」をハローワークで取得するには?
7.介護ヘルパー2級があれば給料が上がる?
ここでは、介護資格の種類によって給料に違いがあるのかについて紹介していきます。
まずは、以下の表をご覧ください。
平均勤続年数 | 平均月収 | |
全体 | 7.6年 | 300,970円 |
保有資格あり | 7.7年 | 303,460円 |
介護福祉士 | 8.4年 | 313,920円 |
実務者研修 | 6.5年 | 288,060円 |
介護職員初任者研修 | 6.8年 | 285,610円 |
保有資格なし | 5.2年 | 261,600円 |
引用:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要−厚生労働省
介護ヘルパー2級(介護職員初任者研修)の平均月収は、約28万円です。
一方で、保有資格のない場合は約26万円なので、約2万円ほど給料が上がります。
なお、キャリアアップをしていけば収入は右肩上がりになるので、どんどんステップアップをしていきましょう。
介護ヘルパー2級に関してよくある質問
最後に、介護ヘルパー2級に関してよくある質問を集めました。
- 介護ヘルパー2級は履歴書に書いて効力はある?
- 介護職員初任者研修と実務者研修の違いは何?
- 介護職員初任者研修を取得するメリットが知りたい
最初のうちは間違えやすい初任者研修と実務者研修の違いや履歴書の書き方、どうして取得する必要があるのかを覚えておきましょう。
今後のキャリアアップを考えている人なら知っておきたいキャリアパスに関するQ&Aもあるのでぜひ参考にしてください。
Q1.介護ヘルパー2級は履歴書に書いて効力はある?
A.介護ヘルパー2級は履歴書に書ける効力のある資格です。
介護ヘルパー2級は、介護職員初任者研修として新しくなりました。ですが、介護ヘルパー2級は同等の資格として認められています。
そのため、求人に介護職員初任者研修と書かれていても、安心して応募できます。
ただし、履歴書には「訪問介護員2級養成研修課程修了」と書きましょう。資格を取得しているという扱いではなく、研修を受けたことを証明するために記載します。
また、介護ヘルパー2級から介護職員初任者研修を受けるなら、すでに学んだ内容の時間は免除されます。復習として学び直し、新たな資格として取得することも検討しておきましょう。
▼履歴書や面接に関する悩みは、以下の記事をご参考ください。
>>介護ヘルパーの履歴書で資格はどう書く?正式名称・送付方法・面接のコツを解説
>>登録ヘルパーの面接は受からないケースもある?!対策や気をつけるポイントについて
Q2.介護職員初任者研修と実務者研修の違いは何?
A.介護職員初任者研修と実務者研修の大きな違いは「介護福祉士の受験資格であるかどうか」です。
他にも、実務者研修を介護職員初任者研修と比較すると、以下のような違いがあります。
- 受講する科目数と時間数が多い
- 基本的に修了試験がない
- サービス提供責任者として働ける
- 喀痰吸引・経管栄養を実施できる
初任者研修で受講するのは、トータルすると9科目(130時間)です。しかし、実務者研修なら20科目(450時間)とされています。
そして、資格を取得する最終試験としておこなわれる「修了試験」がありません。
ただし、受講するスクールや機関によっては試験がおこなわれるケースがありますので注意しましょう。
さらに、実務者研修を受けることでサービス提供責任者として働けます。
看護師がおこなう喀痰吸引や経管栄養をおこなえるようになるのも、実務者研修の大きな違いとなるでしょう。
実務者研修は、介護福祉士の受験資格にもなっているのでぜひ検討してください。
▼資格についてまとめた記事は、こちらもおすすめです。
介護ヘルパーの資格とは?初任者研修・実務者研修との違いや内容を解説
Q3.介護職員初任者研修を取得するメリットが知りたい
A.介護職員初任者研修を取得することで就職やキャリアアップで有利になります。
介護職員初任者研修は、基本的な介護技術と知識を身につけている証明です。そのため、即戦力としてすぐに現場で活躍できることを、就職のときに伝えられます。
また、介護職員初任者研修から実務者研修、そして介護福祉士というようにキャリアップを目指すなら最初に取得しておきたい資格です。
他にも、資格手当てと呼ばれる給与アップの恩恵を受けられるのも嬉しいポイントとなるでしょう。
介護職員初任者研修は将来性を確保して、即戦力となって幅広い業務に携わるためにもぜひ取得しておきたい資格です。
まとめ:まずは介護ヘルパー2級の資格取得を目指そう!
介護ヘルパー2級は入門資格と言われており、介護職員として活躍したいのであれば、必須の資格です。
資格の難易度は低く、働きながらでも取得できるので、挑戦しない手はないでしょう。
まずは、介護ヘルパー2級を取得して、キャリアアップを目指してみてください。